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 時は200X年、ある夏の出来事である。
 その年、地球は異常現象にみまわれていた。
 海中、空中、人気の無い森、山中、廃屋。
 世界各地の、様々な場所で「怪物」の目撃報告がなされていたのだ。
 だが、その「怪物」を見たという証言者による話は殆ど揃わない。
 「雪男を森で見た」と言うものもいれば、「山中で死神と出くわした」と言う者。
 中には「ダイビング中にマンモスと遭遇した」「飛行機の窓から火の鳥が見えた」と言う者まで現れた。
 当然、証言者の幻覚などでないかとされていたのだが、
だんだんとそのような証言者が増えてきつつあるのだ。
 更に言えば、その「怪物」達は姿は違えど、皆一様の特徴を持っていたことが明らかになったのだ。

「壊れたテレビ画面のようにブレたりして、しかも触ることが出来ない」

 そして、この事件がニュースに顔を出すようになった、八月の某日。
 冒険は、美しい花火がよく見える、とある河川が始まりだった。


   ローゼンアドベンチャー
第一話「冒険!不思議の島の七人!」

 ここは楼蝉市が、鵬梨江川。
 夏もまっさかりの八月、花火大会の最中。
 ここに『ある』少女達が七人いた。


「……あらぁ?」
水銀燈──市立有守第二小学校六年生

「……かしらー?」
金糸雀──市立芽衣天小学校二年生

「……ですぅ…?」
翠星石──市立粕季小学校四年生

「……え……?」

蒼星石──同じく、市立粕季小学校四年生

「……これは……」
真紅──市立有守第二小学校五年生

「……うゅー?」
雛苺──市立芽衣天小学校二年生

「……へぇ」
薔薇水晶──市立炎朱小学校五年生


「あ、ありえねーですぅ!」
「でも……綺麗だよ」
「すごーい! すごいのー!」
「か、感心してる場合じゃ……」
「珍しいこともあるのねぇ、日本でこんな……」
「……余裕あるわね、あなた」
「ここここ、これは孔明の罠かしらーっ!」

 突如、空に現れたオーロラ。丁度、花火が終わるのと同時にあらわれたそれは
その場にいた全ての人の目を奪った。

「お、おかしいなぁ……オーロラなんて、北極とかでしか見れない現象で……
 確かに日本でも稀に北海道あたりで出現することもあるけど……」
「おー……詳しい詳しい」
「……ここは日本なのだわ」
「地球温暖化だか知らないけど、そーいう奴の影響じゃないかしらぁ?
 ま、そんなことどーだっていいわ。ジュンも連れてくれば良かったかしらぁ」
「あの引きこもりっぱなしのチビ人間、テコでも核でも動かないですよ。
 ましてや水銀燈じゃ絶対イスから降ろすことすら出来ないですぅ」
「言ってくれるじゃない、二歳年下の癖に!」
「そんな年齢差大した問題じゃないですぅ!」

「かなりあー、こーいう時ってどーするのー?」
「おおお、おちついて素数でも数えるのかしら!
 ひぃーふぅーみぃーよぉーいーむーしーつー」
(実は驚いてないんじゃないかしら、みんな……)

 空に現れたオーロラに大騒ぎするメンバー、だが蒼星石一人だけは、目をふせて考えこんでいる。

(地球温暖化とか……はないにしても……
     もしかして、最近の……あの、「怪物」の事件に何か影響が……)
「蒼星石? 何考えこんでるですか?」
「い、いや……気になることがあって……
 ……ねぇ、みんな、覚えてないかな、あの……」

 蒼星石が皆に問おうとしたその瞬間。
 突如、地面が大きく揺れ動き出した。

「!……じし……」

 把握するどころか、一言さえも言い終わらぬ内に光が七人を包みこんだ。
 ほんの一瞬の出来事。その七色の光がオーロラの方から来たことさえ気付く余裕もなく。
 更に言ってしまえば、周囲の人々は誰一人として、その出来事に気付くよしもなかったのだ。

 こうして、七人の子供たちは人知れずに、

──異世界に招かれた。


≪真紅視点、ここから\(^o^)/≫

「う………」
 目が覚めた。
 起き上がって見て、まず私の目に入ってきたのは……少なくとも、先ほどまで自分達がいた場所ではなかった。
「…………ジャングル……?」
 うっそうと茂った、南国にでも生えてそうな草木たち。
 一見にしてみれば、ジャングルとしかいい様がない。
「私、どうしてこんなところに……」
 前後、左右を見渡してみてもやはり同じ景色。ついでに言えば先ほどまで夜だったというのに
上を見れば澄み切った青空がある。
(ここ……どこ…………?)
「やったぁ! シンク、きがついた!」
 不意に、背後から幼い子供のような声がかかる。
反射的に振り向いた私は、思わず腰を抜かしそうになった。
「……あ……え……」
「やった、シンクがきっがついた! ……おっはようシンク!」
 呆然と立ちつくす私を尻目に、その、見たこともない生き物は嬉しそうに跳ね回る。
 こんな生き物、私は見たこともない。いや、仮にこれが実在の生き物だったとしても、
人間以外で言葉を理解する生き物だなんて……信じられないとしか。
「おれ、チビモン! シンクのことをずっと待ってたんだ!」
「待ってた……?」

[チビモン/幼年期/----]
≪幼竜型の、食べる事と寝る事が好きなやんちゃなデジモンだ!≫
≪必殺技は、ぴょんぴょんはねて攻撃する「ホップアタック」!   ≫

「ねーねー、いつまでボーっとしてるのさ?」
「……いや……えーと……」
 まるで最初から、全てを分かってるかのように話を進めようとする、
チビモン……と名乗った小竜が不思議そうに話かけてくる。
 『アドベンチャーゲーム』……翠星石が、こないだ買ったゲームを自慢げに話していた
時のことがふっと頭をよぎる。
 そりゃ、私だって……そんな非現実的なことが現実になったら……っていうか、
くんくんの世界にいけたら、なんてことを考えたことがなかったわけじゃない。
 だからって本当になるなんて……やっぱり、信じられないとしか言えない。
「……チビモン、っていったかしら。あなたが何なのかは置いとくとして。
 ……ここは一体どこなの?」
 とにかく、当面の問題はこれからどうすればいいかだ。
 いつまでも目の前の生き物の眼前であわあわしてるってわけにもいかないだろう。
 多分……だけど、捕まえてどうこうしようとする連中とかじゃなさそうだし。
「ここ? ここは……」
「真紅ー! 良かった、無事だったですぅ!」
 茂みからチビモンの言葉を遮るように声が飛び、続いてその方向から声の主──翠星石が現れた。
 そして、彼女を後を追うように、タツノオトシゴのような生き物が現れる。 
「翠星石…………あ、あなたも……」
 半ば予想はしてたのだけれど……それにしても驚きっぱなしだ。こんな時、くんくんならどうするのだろう。
「真紅! そっちもヘンなチビっこいのと一緒だったですか……」
「ひっどいなあ。ヘンなチビっこいのじゃなくて、プカモンだっちゅうに」

[プカモン/幼年期/---]
≪レッサー型の、タツノオトシゴのようなひょうきんなデジモン!≫
≪必殺技は空気の含んだアワで威嚇する、「空気のアワ」! ≫

「こっちについたら、いきなり出てきて、ずっと付きまとってくるんですぅ!」
 最後に一体なんなんですぅ、と漏らしてから翠星石ががっくりと腰を降ろした。
 そんな彼女の様子を分かってるのか分かってないのか、恐らくチビモンの仲間と思われる
小動物が頭に人懐っこく乗っかった。
 ……確か、プカモンと名乗っていたかしら。
「そんなイヤがんなくてもいいじゃんかよ、つれないなぁもう」
「気安くのっかるんじゃねぇーですぅー! 宇宙人のぶんざいでーもぉー!!」
 いつだったか、薔薇水晶との似たやりとりを見た気がする。とりあえずこの子に関しては安心そうだ。
「ウチュージン? なんかしらないけど、オレたちデジモンだよ」
「デジモン? ……チビモン、あなたも?」
「そ! ここにいる生き物はみーんなデジモンだよ! シンク達は特別だけどっ」
 ……やはり、私達は何らかの理由で、このデジモンという奇妙な生き物がいる世界に『呼ばれた』というのだろうか。
どう見たって、こんなジャングルは日本じゃありえないし。無理矢理にでもそうと考えるほかないのかも。
「……あれ、何ですぅ? このうるせー音は」
 翠星石の言葉を合図にしたかのように、どこからかチェーンソーの稼動するような音が近づいてくる。
 何やらイヤな予感が……これが、十三日の金曜日に現れるホッケーマスク男じゃないとすれば……
「やばい! この音、スナイモンだ!」
 悪い予感は的中のようだ。チビモン、プカモンと同様に『モン』とつくあたり、やっぱりこの音の主は
デジモンとかいう生き物なのだろう。かといって、彼らみたいにまだ見つからない水銀燈達と共に行動するような
タイプではなさそうである。
「き、来たぁ!」

[スナイモン/成熟期/ワクチン種]
≪カマキリのような姿で、敵を追い詰め確実に仕留める残忍な性格のデジモン!≫
≪必殺技は腕の鎌から放たれる「シャドウシックル」!                ≫

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