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何時の間に雨が降っていたのだろうかアスファルトに水溜まりがたまっている。

微睡み伸びていくネオンの景色に自然と目蓋が閉じられる。

今はこの揺れが心地いい揺りかごのように安堵感を僕に与えてくれた。

第二話
のり ~Sister

「ジ
…………ジュ…………ジュン!」
揺さ振られる体、ゆっくりと目蓋を開ける。
「ジュン着いたわよ」
真紅が僕に向かっていう。そうか病院からもう着いたか・・・。

真紅が支払いを終え、タクシーの運転手にお礼をいった。

走り去るタクシーが角を曲がり見えなくなるまで呆然とその方向を見つめていた。
真「ジュン、今日はゆっくり疲れを癒しましょう。お見舞いはまた明日、厳密には今日の朝にまた行きましょう。」
ジ「
。」
真「ちょっと聞いてるの?ジュン!」
ジ「あ、あぁ」
真「しっかりしなさいよ、それではおやすみなさい」

ジ「おやすみ」
真紅は僕の家の隣にある豪邸に入っていく。
僕も真っ暗な我が家のドアを開け中に入る。

リビングに明かりを付け目をやると割れた食器の破片が床に散らばっていた。

そこでまた苦しむ姉の姿を思い出す、ただただ真紅に言われるまま動いていた。彼女にはまた借りができたな

それにしても大したことにならなくてよかった。

緊急手術も二時間程度で終わり二週間もたたないうちに退院できるよう言われた。

親に連絡をいれようと思い、受話器をあげるが

こんな時にもいない親にひどい嫌悪感を覚え叩きつけるように受話器を置く。

くそっ
――――――――――!!!
本当にそうなのだろうか

ただ単に僕が引き籠もってることに対して何か言われるのがイヤだったからかもしれない、

そんな自分にも嫌悪を覚え、やりきれない怒りを込めベッドに倒れこむ。

今日は眠ろう
寝るんだ…………………

姉がいなくなる事を考えた。

姉だけじゃなくいつかは誰も僕のまわりからいなくなるんじゃないだろうか、

流れゆく時の中で一人で生きていけるのだろうか?

―――――――――――――――

「ジ
…………ジュ…………ジュン!まったく起きないわね。しょうがないわ」
バシーーーーーン!!

ジ「いってぇぇぇ~~!な
何すんだよ!真紅」
真「おはようジュン。起こしたのに起きないあなたが悪いのだわ」
ジ「あのなぁ、そうだとしても起こし方ってのがあるだろ
……ってなんでここにいるんだよっっっ!!!」

真「のりのお見舞いに行くからでしょう」
ジ「そうだけど
ってどっから入ったんだ?」
真「玄関からよ」
手にした鍵を目の前にだす。
ジ「な
なんで鍵もってんだよ!」
真「そんなことより早く準備なさい、それにどうせあなたはのりの着替え用意できないでしょう」
ジ「まぁ

確かに姉とはいえ、下着やなんかを用意するのは気が退ける。

当の本人は、別段気にしないだろうがな
軽くシャワーを浴び着替えをし、軽く朝食をとりながらテレビをみていると。

荷物をまとめた真紅がリビングに入ってきた。
真「一応、三日分は用意したのだわ。病院に行く前にお見舞用の果物と花を買っていきましょう」
時刻は
11時過ぎ僕らは商店街の八百屋で果物を買い、そして花屋に向かった。

荷物を両手いっぱいにもたされた僕を尻目に真紅は先行する。

花屋に着いたとき、聞き覚えのある声がしてきた。
「あ、真紅じゃないですか~」
真「あら、翠星石。こんにちわ」
翠「真紅!学校にもこねぇでこんなとこで何してるですかぁ?」
ここで僕が真紅の後ろに着き、翠星石の視界に入る。
翠「チ、チビ人間!なんでここに
ハッまさか、学校さぼって二人で
ごちゃごちゃと何か言い始める翠星石に真紅が言う。
真「実はのりが入院したのよ」
翠「えぇぇぇ!そんなの聞いてねぇですぅ!のりは大丈夫なのですかぁ?」
真「えぇ、大したことないのだわ。時期に退院するのだわ」
ジ「で
お前はこんなとこで何してるんだ?」
翠「今日はテスト週間前の最後の部活ですから色々と準備してたのですぅ」
あぁそうだっけな
テスト一週間前から部活は基本禁止で帰宅時間も早くなるんだっけか。
翠「明日にでも蒼星石とお見舞いにいくですよ」
ジ「あぁ
ありがと、姉ちゃんも喜ぶよ」
花を買い終え、そのまま駅前のバスにのり病院へいく。受け付けで病室を聞き、昨日のお礼も言っておく。
ジ「えっと
…213213っと」

213号室
柿崎 めぐ

桜田 のり
ここだな、相部屋みたいだし一応ノックするのも礼儀だな。
「どうぞ~」
聞き覚えのする声がする、なんだか少しの間いなかっただけだが懐かしく感じる。

中に入ると、まぁ当たり前だが白を基調とした部屋、手前と奥にベットがあり、

手前に姉が上半身起こしこちらを見て微笑んでいた。

奥にいる女性も同様で、ロングな黒髪に色白な少し年上そうだがそう離れてないだろう。
の「あら、ジュンくん、真紅ちゃん来てくれたの?」
「当たり前だろ
(なのだわ)
僕達はおもしろいぐらいにはもる。奥のベットの女性がクスクスと笑う。

ったく何がおもしろいんだか軽く失礼なような気もするがここは苦笑いで流しておこう、
の「で、この子がさっき話てた弟のジュンくん。でこっちの女の子が、隣の家の真紅ちゃんよ」
姉が隣の女性に話かける。僕と真紅は部屋の隅にあった折り畳み式の椅子をベットの傍に置き腰掛ける。すると隣の女性が
め「私は柿崎めぐ。よろしくねジュンくんに真紅ちゃん」
ジ「よぃ
よろしく、柿崎さん」
慣れない挨拶に軽く噛んでしまう。あぁ今顔赤いんだろうな
真「よろしくなのだわ、めぐ。それと呼び捨てで構わないわ。」
ジ「僕も呼び捨てでいいよ。柿崎さん」
め「ならこちらも。めぐでいいわよジュン」
ジ「わかった、めぐ」
初対面で女の子の名前を呼び捨てで呼ぶのにはなんだか気恥ずかしさが感じられた。
そして手にしていた差し入れの存在を思い出し
ジ「あぁそうだこれ、あと花も」
め「まぁありがと~お姉ちゃん感激よぉ~」


僕らはそれから二~三時間ほど雑談に華を咲かせた。

お互いまだ距離があるのであたりさわりのない趣味や僕達の子供時代といったところか、

今の僕について話題がでなかったことには安堵を覚えたが、安堵してる自分がまた嫌になった。
それにその間僕はめぐはいったいどこが悪いのだろうか、ぱっとみ健康そうなのだが

術後の経過待ちかなんかだろうかとそればかりが気になったが、こんなに笑いの絶えない彼女が重い病気じゃないと決め付けることで結論をだした。
そして僕らはあまり長居するのも悪いし、空腹だったこともありそろそろ引き上げることにした。
ジ「じゃあ僕らはそろそろ帰るよ」
真「そうね。あまり長居するのも悪いのだわ」
ジ「じゃあまた着替えが尽きるころに来るよ」
真「ジュンあなたは毎日いってあげなさい」
ジ「はぁ?なんでい
わかりましたよ。はいはいいきます」
反論しようとしたがめぐが何故か潤んだ瞳でこちらを見て断るに断れなかったというか、無理だろあれ
別れを済ませ帰る際、真紅が先にバス停で待っててと言うので一人病院をでる。

病院前は駐車場や中庭が隣接している、時刻は三時過ぎというのもあり日差しが強く熱い、

それなのにアスファルトにうずくまって何かを探しているような仕草をしている銀髪の女性だろうか、が目に入った。
いつもの僕なら話し掛ける事無く通り過ぎてただろうが、

今日の僕は久しくなかった新しい出会いという刺激に興奮していたのだろうか、彼女に話し掛ける。           

ジ「あのどうしたんですか?」



つづく
...

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