一つの世があった。
それは何にも縛られない世界。
静かな世界。
しかし静寂は朽ち、“異変”が始まる。
“混沌”と“秩序”、相反する二つが衝突しだす。
運命の輪が動く。
平和が終わる。
世界は変わる。
これは“異変”が終へと向かう一つの神話。
神話の中のとある少年の物語。

―199X 吉祥寺

気が付くと僕は何処かの部屋に居た。
何処かはわからない。
わからないという事は知らない所。
知らない内に知らない所に来ていたという事は
つまりはこれは普段は覚えてる事の無い夢なんだろう。
不思議と物分りがよかった。
何でかはわからないが此処が夢の世界という事がはっきりとわかった。
そういう事を気にしてもしょうがないのでとりあえず歩く事にした。
無機質な壁。
それを辿って道を歩いていく。
けれど歩いても歩いても道ばかりで何処にも辿りつかない。
歩くのをやめようかと思った時少女が倒れてるのに気付く。

「大丈夫か!?」

言ってから思ったが夢の中でこんな事を言ってもしょうがないのに。
少女から返事が返ってくるなんて事は無い。
代わりに倒れている少女の側に居る人が答えた。

「これは神に捧げられし魂。」
「何を言ってるんだ?」
「言った通りのままです、名前をお呼びください。」

何を言っているんだこいつは?
人が倒れてるのにそれを助けようともしないで
名前を呼べだなんて言っている。
倒れている人とは無論赤の他人、名前などわかるわけも無い。

「知るかっ!たすけ・・・。」

倒れている人に近付こうとすると
いきなり弾かれる。何なんだ?

「名前をお呼び下さい。」

どういう事かが全くわからない。
しかし名前を呼ばなければならないといけないのは確かだろう。
一体・・・何ていう名前なんだ?
考える、ひたすら考える。
名前などわかりもしない。
適当に言うしかない。

「真紅。」

赤い服を着ているのでそう勝手に名前を考えた。

「真紅、あなたがそう思ったのならそういう名前なのでしょう。」

一体何なんだ?
そんな事を考えてると声をかけられる。

「起こしなさい。」

見てみると真紅が起きている。
代わりに隣に居た人が居なくなっていた。
一体何だったのだろう?
半ば命令口調で言ってくる真紅を起こす。
彼女はスカートの埃を払うといきなり殴ってくる。

「もっと早く起こしなさい。」

助けといてそれは無いだろうと思ったが
言っても無駄な気がしたのでやめておいた。

「・・・そういや名前は何なんだ?」

真紅という名前は自分が勝手に考えた名前だから
同じであるはずなんか無い。
そう思っていると真紅が口を開く。

「真紅よ。」

・・・どういう事だ?
名前など同じである筈が無い。
何故同じなんだろう・・・?

「!、あなたあそこに倒れてる女が居るわ、行きましょう。」

真紅がそう言うので前を見てみると
黒っぽい服を着た人が倒れている。
一体どんな夢なんだこれは?
そんな事を考えつつ近寄る。
近付いてみてわかったが体の上に誰かが乗っている。

「これは力を求める乾いた魂。」
「今すぐ降りろっ!」
「なら何をするかわかるだろう?何をすればいいか。」

さっき真紅の隣に居た人も名前を呼んだら消えた。
という事はこいつも・・・?

「水銀燈。」

銀髪の彼女の名前を適当に考え呼ぶ。
すると水銀燈の上に乗ってた人は少し笑うと消えた。

「大丈夫か?」
「大丈夫じゃないわぁ。」

自分で言ってるぐらいだから大丈夫だろう。
水銀燈の手をとり起こす。

「・・・名前は何て言うんだ?」
「水銀燈よぉ、よろしくぅ。」

まただ、また自分の思ってた名前と同じだった。
一体どういう事なんだろう?

「知る必要は無い・・・運命なんだから。」

後ろから声がしてばっと振り向く。
左目に眼帯をした少女がこっちを向いていた。
無表情で、どこか寂しい目。

「あなたは・・・私のパートナー・・・。」

気付くとベッドの上だった。
いつ目が覚めたかもわからない。
変わった事があるといえば夢の内容を全部覚えてるという事だ。
一体・・・何だったのだろう?
まぁ夢なんだ、別にどうだっていい。
ベッドの側にある眼鏡をとると僕は机に向かう。
PCをつけメールをチェックする。
新着メールが一通来ている。
送信者はメグ、知らない人物だ。
とりあえずメールを見てみるといきなりプログラムの転送が始まる。
ウイルスっ!?

そんな事を考えている内に転送は終わる。
PCに異常が無いかを急いで調べるが異常は全く無かった。
一体何なのだろう?
転送されてきたプログラムを開く。



―PROGRUM NAME 悪魔召還プログラム―



真・女神転生~ROZEN MADEN~

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最終更新:2006年09月06日 14:36