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「一つ屋根の下 第二十二話 JUMと新幹線 行き」



「ふんふ~ん、景色がとっても早く流れるの~。ね、JUM?」
「ん、あ~、そーだねぇ・・・・」
僕はヒナ姉ちゃんとそんな会話を交わした。そう、ここは新幹線の中。2人がけの椅子が向き合っていて
4人が座り、通路を挟んでさらに4人が座っている。まぁ、電車でよく見る光景だ。たださ・・・
「やっぱりJUMのお膝の上は気持ちいいの~♪」
膝の上に座ってるのはあまり見ない光景じゃないかなぁ・・・


事は旅行二日前、銀姉ちゃんの爆弾発言からはじまった。
「あ、新幹線の席は8席しか取ってないからぁ・・・一人はJUMの膝の上よぉ。」
そう、この発言。お陰で昨日は旅行前に休めばいいのに我が家では激しい戦いが繰り広げられていた。
旅行先まで新幹線で4時間。往復なら8時間。我が家の姉妹は8人。なんと都合がいいのだろうか。
平等にいくために一人一時間は僕の膝の席となり、我先にと順番を争っていたのだった。
この中で、僕は意外な策士を発見した。蒼姉ちゃんだった。蒼姉ちゃんはこう言った。
「僕は最後でいいから、席は一番初めに決めてイイよね?」
と。他の姉妹はライバルが減ると喜んで受け入れた。多分・・・それが狙いだったんだろう。
蒼姉ちゃんはちゃっかりと、一番最後に僕の膝に座る7時間・・・『僕の隣』を陣取ったのだ。
ちなみに。他の姉ちゃんたちは蒼姉ちゃんのこの陰謀に全く気づいていなかった。まぁ、気づくのは
最後だろうなぁ・・・そんなわけで、一番乗りしたのはヒナ姉ちゃんだったのだ。ヒナ姉ちゃんは僕の膝に
乗りなれている。それでも、相変わらず嬉しそうに頭を揺らしていた。
「さぁ、ヒナ。一時間ですわ。次は私ですわよ?時間を破ったら・・・」
「うゆ・・・ちゃ、ちゃんと守るのよ~。守らないと、うにゅーがうにょーになっちゃうの・・・」
またそれですか?ヒナ姉ちゃんはそんなに、うにょーが嫌なんだろうか・・・


「さ、じゃあ失礼しますわよ、JUM。」
二番手のキラ姉ちゃんが僕の膝にスッと腰を下ろす。キラ姉ちゃんは驚くほど軽かった。
「重くないですか?」
「ん、全然。気にしないでいいよ。」
いや、本当に軽いのだ。もうさ・・・信じられないくらい。この人の体内はどうなってるんだか・・・・
「ほらほら、JUM。体に腕を回してくださいな。」
僕はキラ姉ちゃんに言われるままに腕でシートベルトをする。お腹の辺りでね。うわ、細いなぁ・・・
ふと、キラ姉ちゃんの髪からシャンプーの匂いがする。そういえば、我が家の浴場にはなんとシャンプーは
9つもある。それぞれ自分専用があるわけで、9つの匂いがあるのだ。僕?僕は普通にメリットだけど・・・
先ほどまでの甘ったるい匂いのするヒナ姉ちゃんに比べると、爽やかな匂いがするキラ姉ちゃんの髪。
「JUM、お菓子食べますか?」
キラ姉ちゃんがおやつのポッキーの封を開けている。断る理由はない。いや、なかった。今になってできたかも。
「ん~~~~~・・・JUM、早くぅ・・・」
キラ姉ちゃんは何を血迷ったか、ポッキーを咥えると目を瞑って僕の方を向いた。つまりあれか・・・
キラ姉ちゃんが咥えてるポッキーを僕も咥えろと?ようするに、ポッキーゲーム・・・?
「やるわねぇ、キラキーったらぁ。このままじゃまるでボッキーゲーム・・・」
下らない事を言う悪魔の長女。僕がいつまでもポッキーを咥えないから痺れを切らしたのか、キラ姉ちゃんは
僕の首に腕を回し、顔をグッと近づける。僕の唇にポッキーの先が当たり、思わず咥えてしまう。
「あ・・・JUM君・・・・」
と、その時キュッと僕の腕を握るお隣さん。蒼姉ちゃんだ。蒼姉ちゃんが僕の腕を握りながら僕を見ている。
油断していたその時、前方から物凄い勢いでキラ姉ちゃんの顔が迫ってきた。
「うわぁ!?」
僕は思わずポッキーを離し、頭を後方に思い切り下げた。ポッキーを食べきったキラ姉ちゃんは尚も
顔を近づけてきて・・・・ゴツッと・・・・・・オデコが当たった。
「あうぅ・・・オデコが痛いですわ・・・もう少しだったのに・・・・」


キラ姉ちゃんが若干涙目でオデコを抑えている。ごめん、僕も結構痛かったです。
隣では、蒼姉ちゃんがふぅ~と息を吐いていた。それは何の溜息ですか?
「あ、一時間たったですぅ・・・その・・・そういう話だから仕方なく交代ですぅ。」
どうやら一時間たったらしい。三番手は翠姉ちゃんだ。
「仕方ありませんわね・・・JUM、とてもいい抱かれ心地でしたわ。」
ポッと頬を赤く染めながら僕の膝を後にするキラ姉ちゃん。すると、同時に次のお客様がやってくる。
「か、勘違いするんじゃねーですよ?JUMの膝に座らないと翠星石の場所がねーだけで・・・」
「じゃあ、僕が立ってようか?」
「はうぁっ!?・・・しゃ、しゃーねーなー。一時間立ちっ放しはあまりに哀れなんで翠星石がJUMの
膝に座ってやるですぅ。有難く思いやがれですぅ。」
翠姉ちゃんはそう言うとぴょんと僕の膝に乗った。膝の上に翠姉ちゃんの柔らかい・・・お尻の感触が・・・
「・・・・JUM?エロイ事考えるんじゃねーですよ?か、か・・・・硬くなったりしたら殴るですぅ!」
いやさ、普通嫌でも考えてしまいますよ姉さん?それに何気にとんでもない事を言わないで下さい。
「はー、にしても座り心地がわりぃですねぇ。仕方ねーですぅ、JUMの腕を使うですぅ。」
翠姉ちゃんはそう言うと、僕の腕を自分の前に回し、自身を抱きしめるような形にする。位置的には
お腹の少し上・・・その・・・俗に言う下乳が・・・やっぱり重いんだな・・・・肩が凝るってのも本当ぽいな・・・
「翠星石・・・・ちょっと腕の位置が上過ぎないかな?」
隣で蒼姉ちゃんが言う。
「そ、そ、そんな事ねーですじょ?翠星石はこの位置が好きなんですぅ!」
必死に弁解する翠姉ちゃん。もう、好きにしてください。
翠姉ちゃんがボフッと後ろに倒れこむ。長い髪が僕の顔を覆う。翠姉ちゃんの髪匂いは、どっちかってーと
甘い感じがする。何だか眠くなりそうな甘い香りだ。にしても・・・髪長いなぁ・・・


「翠姉ちゃんは髪長いよね。」
僕は思わず翠姉ちゃんの髪を手櫛で梳きながら言う。
「んっ・・・まぁ、姉妹では一番長いですかね・・・JUMは長い髪は嫌いですか?」
僕は尚も髪を梳く。指がスッと滑らかに滑る。普段から手入れを欠かしてない証拠だ。
「ん・・・どっちかって言うと長い方が好きかもね。こうやって髪をいじるのも好きだし・・・
まぁ、自分なら鬱陶しくて伸ばす気にはならないけどね。」
「はふぅ・・・そうですかぁ・・・んっ・・・気持ちいいですぅ~・・・」
翠姉ちゃんの目がトロンとしてくる。あれだな、犬とか猫が撫でられてる感じ。
「まぁ・・・JUMがどうしてもって言うなら翠星石は髪切らないでおいてやるですぅ・・・
だから・・・翠星石の髪を梳くですよ?」
心底気持ちよさそうに穏やかな声で翠姉ちゃんは言った。
「僕も・・・髪伸ばそうかなぁ・・・」
隣ではそんな声が聞こえてきた。
「さ、時間よぉ翠星石。行きの最後は私よぉ。」
あっと言う間の一時間。そして、最後の一時間は銀姉ちゃんだった。銀姉ちゃんなんだけどさ・・・
「あのさ・・・・一つ聞いていいかな?」
「なぁにぃ?水銀燈の事なら何でも教えるわよぉ。身長体重、果ては3サイズまでぇ・・・」
いや、そんな事じゃない。確かに銀姉ちゃんは僕の膝の上に座ってる。でもさ・・・
「何で僕のほう向いて座ってるのさ?」
そう、銀姉ちゃんは今までの姉妹とはまるで逆。つまり、僕と向き合うように座っていたのだ。これさ、座ってる
って言うより抱き合ってる方が正しくないか?


「いいじゃなぁい・・・膝の上には変わりないでしょぉ?これ、騎乗位みたいよねぇ。フフッ♪」
銀姉ちゃんは腕を僕の首に回し、顔を近づけてオデコをぶつけてくる。顔が近い。銀姉ちゃんの瞳に
吸い込まれそうになる。少し視線を下に向ければシャツから胸元が覗いており、谷間を拝む事ができる。
「やぁだぁ、JUMったらそんな胸見ちゃダメよぉ。」
見せてる人が言いますか?それを。ちなみに、もっと下を見るとミニスカートから覗く白い太股とアンヨが・・・
まぁ、あれだ。仕方ないよね。生理的なもんだし。マイサンがさ・・・うん・・・
「えへっ、ねぇ、JUM。ぎゅってして~。抱っこ抱っこ~♪」
できれば手でマイサンを押さえておきたかったが、僕は言われるままに両手で銀姉ちゃんの背に腕を回す。
僕の胸と銀姉ちゃんの胸が完全に密着する。てか、僕は何やってるんだろ・・・
「ね、JUM。ちゅーしましょぉ?」
傍若無人な長女は他の姉妹の視線を全く気にとめずに僕の唇に自分の唇を近づけてくる。しかし、当たりそう
になった直前に、横から掌がそれを遮った。
「うーーー・・・・ダメ・・・我慢できない・・・」
それは蒼姉ちゃんだった。僕が蒼姉ちゃんを見ると眉間に皺を寄せて不満そうな顔をしていた。
「ちょっとぉ、ズルイわよ蒼星石ぃ。」
「水銀燈のがズルイよ。抜け駆けなんて。それに、僕はJUM君の隣に居るんだからこれくらいの権利はあるよ。」
珍しいな、蒼姉ちゃんがちょっと感情的だ。さすがに銀姉ちゃんの暴挙にキレたかな。
「隣・・・蒼星石、貴方やるわねぇ・・・してやられたわぁ・・・行き帰りで一番得をするのは貴方・・・
まんまと引っかかったわぁ・・・だって、8時間貴方はずっとJUMと触れ合ってられるんだものぉ・・・」
お、ようやく銀姉ちゃんが気づいた。蒼姉ちゃんはやっぱり某次女より策士な気がするな。


「蒼姉ちゃん?」
蒼姉ちゃんは少しムスッとしたまま僕の腕を取って胸に押し付けて抱きしめた。ああ、ますますマイサンが。
「珍しいわぁ・・・蒼星石にしては感情的じゃなぁい。」
銀姉ちゃんは僕のオデコに自分のオデコをくっつけたまま言う。
「僕だって・・・ヤキモチくらいやくよ・・・」
僕と銀姉ちゃんを見ながら蒼姉ちゃんが言う。銀姉ちゃんと蒼姉ちゃんの視線が激突し、火花を散らす。
「大変お待たせしました~。まもなくーーー」
と、その時アナウンスが響く。そう、目的地のようだ。銀姉ちゃんはフゥと息を吐くと僕から降りた。
「ま、JUMは充分堪能したしぃ、この辺でいいわぁ。まぁ、ちょっとワルノリしすぎたのは悪かったわよぉ。」
「・・・うん・・・僕こそ御免・・・」
とりあえず終戦したようだ。ああ、でも帰りの最後一時間は今と逆になってたな。銀姉ちゃんが隣で
蒼姉ちゃんが膝の上。また波乱が起きてもおかしくないなぁ・・・頭がすでに痛いよ。
「さぁ、降りるわよぉ。みんな荷物忘れないようにねぇ。」
銀姉ちゃんの声に従って皆で降りる準備をし、駅に着くと無事全員降りた。駅前には送迎車が来ており、
僕らはそれに乗ってホテルへ向かった。行き着いたホテルはどう見ても近辺の中でもダントツででかく、
高級感が漂っていた。ロビーに招待される。
「予約していたローゼンですけどぉ。」
「!ローゼン様ですね、お待ちしておりました!3日前から入念に準備をさせていただきました。」
物凄い気合の入りようである。僕らは荷物をホテルマンに渡すと、そのままエレベーターで移動する。
「そういえばさ、部屋ってみんな別々なんだよね?」
確か銀姉ちゃんはそう言っていた。しかし・・・・
「ああ、あれ変えてもらったわぁ。最上階の最高級ルームよ。9人なら余裕で寝れるから。」
と・・・新幹線に続き銀姉ちゃんはまたとんでもない事を言う。
「お待たせしました。こちら、最高級VIPルームとなります。」
案内された部屋は無茶苦茶でかい。これなら9人どころかもっと寝れるだろう。でもさ・・・
「えっと・・・つまり・・・・?」
「みんなバラバラなんて寂しい事はお姉ちゃん許さないわぁ。みんな一緒のほうが楽しいでしょぉ?」
そう・・・何と僕ら姉弟9人は同じ部屋で寝泊りに相成ったのだった・・・
END

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