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「一つ屋根の下 第二十一話 JUMと買い物」


「はぁ・・・・・」
僕は一つ溜息をつく。僕の現在地は巨大ショッピングモールの椅子の上。来たるべく旅行へ向けて姉ちゃん
達の買い物につき合わされ荷物持ちになってるというわけだ。
「しっかし、女の子ってどうしてこう買い物好きなんだろうなぁ。」
僕なんかは必要なのをサッサと買ってお終いって感じだけどなぁ。どうやら、見て回るのが楽しいらしい。
ふと、僕の頬にヒンヤリとしたモノが当たった。
「うふふ、お疲れねぇ、JUM?」
それは、コーラの缶を二つ持っている銀姉ちゃんだった。一缶を僕に渡す。プシュッといい音を立てて開ける。
「珍しいね、銀姉ちゃんがコーラなんて。」
「まぁ、たまにはねぇ。そうだ、JUM暇かしらぁ?少し付き合って欲しいんだけどぉ。」
銀姉ちゃんは僕がまだ答える前に僕の手をひく。嫌でも連れて行く気満々だ。
「まぁ、少しくらいならね。」
僕はそう言う。すると、銀姉ちゃんは嬉しそうな顔をする。
「やったぁ。じゃあ、行きましょう?ふふふふふっ♪」


そして、行き着いた先で僕はとことん後悔した。なぜならばそこは・・・
「あのさ、銀姉ちゃん。つかぬ事を聞きますが・・・どうみても水着売り場じゃないですよね?」
「水じゃなくて下ねぇ。だって水着はもう買ってあるしぃ。」
銀姉ちゃんはニコニコ・・・いや、ニヤニヤしながら僕の前でご機嫌に下着を選んでいる。
「ねぇ、JUMコレなんてどお?今夜JUMも燃えちゃうかもぉ。」
銀姉ちゃんは何だかスケスケの下着を胸に当てる。もう、勘弁してください。
「いらっしゃいませ~。彼氏さんと一緒にお買い物ですか~?」
すると、若い女性店員が寄ってくる。まぁ、男性じゃないのは当然か。男でここに配置されたら明らかに
苛めだもんなぁ。僕ならその日のうちに辞めるね。


「いや、彼氏じゃなくておとうー」
「そうなんですぅ。彼がちょっとエッチィ下着のほうがいいだなんて言うからぁ。私は少し恥ずかしいんですけどぉ。
彼の為にちょっと頑張っちゃおうかなってぇ。」
そんな悪魔みたいな事を言って銀姉ちゃんは僕の腕を胸に押し付ける。腕が挟まる。何にって?知らん。
少し顔を赤らめて、口元に手を当てて恥じらって清純派の演技をする銀姉ちゃん。僕は騙されないが・・・
他の人は騙される訳で。少しだけ店員さんの視線が痛く感じた。
「お客さん、スタイルが凄くいいですからどれでもお似合いになられると思いますよ。」
僕は静かにその場を離れていく。とてもじゃないが、居れない。だってさ、銀姉ちゃん。
「そうですか?多分彼が毎晩・・・・」
とか言い出すんだもん。ちなみに、事実無根なのをここに宣言しておく。


「お。いいトコに来たですぅ!JUM、こっちくるですぅ!」
銀姉ちゃんから逃げたのもつかの間。続いて翠姉ちゃんに捕まる。まぁ、場所は女性の服売り場だ。
ここくらいなら問題ないだろう。
「翠姉ちゃん一人?」
「ちげーですぅ。ほら、試着室に蒼星石のサンダルがあるでしょう?」
翠姉ちゃんが指差した先、そこには見覚えのあるサンダルがあった。蒼姉ちゃんが着替えてる訳か。
「着替えたですかぁ?JUMもいるから一緒に見てもらうですよ。」
「えっ!?J、JUM君も!?うぅ・・・何か恥ずかしいなぁ。」
試着室の中から蒼姉ちゃんの声がする。
「いいから出てくるですぅ。絶対蒼星石に似合うですよ。ほら、開けるですよ?」
「えっ?ちょっと、あ!」
翠姉ちゃんが問答無用で試着室のカーテンを開ける。そこには、ミニスカートにニーソックスって言うのかな?
あれを着ている蒼姉ちゃんがいた。


「ど・・・どうか・・・な・・・?変じゃない・・・?」
恥ずかしいのか蒼姉ちゃんは顔を真っ赤に染めていた。手でミニスカートの裾を押さえている。
「ん~、やっぱ翠星石の見込みはバッチリですぅ!」
翠姉ちゃんは満足そうだった。僕はただボケーッと蒼姉ちゃんを見ていた。
ある人曰く・・・まぁ、べジータなんだけどね。蒼姉ちゃん+ミニスカート+ニーソックス=破壊力!!
ミニスカートにニーソなんて大した事ない・・・そんなふうに思ってた時期が僕にもありました。
ニーソとミニの間から見える健康的で白い太股が何ともいえない。
「J、JUM君・・・やっぱり、似合わない・・・かな?」
「・・・ごめん、蒼姉ちゃん。正直、見惚れちゃった・・・何て言うか・・・すげぇ可愛い・・・・」
それが僕の正直な感想だった。てかあ、僕ってたまに阿呆みたいにクサイ台詞吐くよね・・・
「ほ、ほんと・・・?えへへ・・・なら、僕これ買おうかなぁ。」
照れながらも嬉しそうな蒼姉ちゃん。ご購入を決められたようだ。これで有難い事にミニスカニーソな
蒼姉ちゃんが家で拝めるだろう。一方、何故か不機嫌そうなのは翠姉ちゃんだった。
「むーーーっ・・・・JUM!翠星石にも服選ぶですぅ!」
そんな事を言い出した。
「はぁ?翠姉ちゃんはすでに買ってじゃないか。」
「やっぱりまだ買うんですぅ!」
何故かプリプリしている翠姉ちゃん。すると、着替え終わった蒼姉ちゃんが言う。
「翠星石もJUM君に可愛いって言ってもらいたいんだよね?」
すると、翠姉ちゃんの顔がみるみる紅潮していった。
「そ、そんな事ねーですぅ!す、翠星石はJUMなんぞに可愛いって言われてもこれっっっっっっぽちも
嬉しくねぇですぅ!勘違いしやがるなですぅ!!」
何故かがーっと怒り出す翠姉ちゃん。あれだ・・・乳酸菌取ってるぅ?


「あ、JUMなの~!JU~M!」
まぁ、そんなこんなで店内を歩いていると、ヒナ姉ちゃんの声がする。みると、カナ姉ちゃんと
真紅姉ちゃんもいる。三人はじっと麦藁帽子を見つめていた。
「帽子?まぁ、海とか暑いだろうしね。」
「そうかしら。帽子は紫外線の予防にもなるし、暑さも多少は凌げるから必需品かしらー!」
カナ姉ちゃんが麦藁帽子をかぶる。リボンが黄色なのがやっぱりかって感じだ。
「ヒナも被るの~!えっと・・・・この色がいいの~。」
ヒナ姉ちゃんも麦藁帽子を被る。帽子を被ったヒナ姉ちゃんとカナ姉ちゃんは何だか少し違って見えた。
「折角だから、他の姉妹のも買っていくのだわ。ええと・・・リボンの色を変えればいいわね。」
真紅姉ちゃんがヒョイヒョイと選んでいく。都合よくリボンは全部で8色あった。う~ん・・・銀姉ちゃんや
キラ姉ちゃんの麦藁帽子・・・あまり想像できないけど・・・可愛いかも。
「JUM、貴方もどう?」
真紅姉ちゃんが自分も麦藁帽子を乗っけながら言う。あ、あんまり違和感ないかも・・・
「そうだね。日差しも強いだろうし。どの色にしようかなぁ・・・・」
少しだけその発言が不味かった気がした。
「黄色よ!JUMはカナと同じ色にするかしら!」
「ピンクなのよ!JUMとヒナはお揃いなのぉ!」
「JUM、分かってるわね・・・?下僕は主人の趣味を崇拝しなくていけないのだわ。」
「JUM・・・紫にしよう・・・私と・・・お揃い・・・」
「って!うわぁ、薔薇姉ちゃん!?」
僕は居るはずのない人物に驚いた。薔薇姉ちゃんは相変わらず無表情で側に立っていた。
「あのね・・・みんな買い物終わって・・・ドッグカフェにいるから・・・呼びにきた・・・・」
薔薇姉ちゃんはそう言った。そういえば、そろそろ待ち合わせ時間か。
「そっか、ありがとう。でもさ、携帯で言ってくれればいいのに。」
わざわざ探すだけでも手間だ。普通に携帯電話があるのに・・・すると、薔薇姉ちゃんは何故か顔を赤らめた。
「うん・・・でも・・・電話じゃなくて直接の方が・・・・愛が伝わる・・・・」
ごめん、あんまり意味が分かりません・・・


「お待たせしました。こちらアンビリーバブルです。えっと、受け皿は・・・」
「必要ありませんわ。それでは、いただきます。」
バケツにパフェが入ったような化け物みたいなのをご機嫌に食べるキラ姉ちゃん。僕らはドッグカフェに居た。
「買い物も全部すんだぁ?明後日出発だから抜かりないようにねぇ?」
長女らしく、みんなを纏める銀姉ちゃん。そう、父さんの用意してくれた豪華旅行も明後日出発と
なっていた。
「大丈夫ですぅ、服も水着も買ったですぅ。」
「うん、今日は結構買い物したよね。」
翠姉ちゃんと蒼姉ちゃんはお揃いの小さめのパフェを食べている。
「時間つぶしの本も買ったし・・・優雅に読書が楽しめそうなのだわ。」
真紅姉ちゃん、折角なんだからリゾート地でも読書ってのは・・・
「ふんふ~ん、今から楽しみなのぉ~。」
「ヒナったらはしゃぎ過ぎかしら。でも、カナもやっぱり楽しみかしら~!」
「JUM・・・海にアッガイ・・・出ないかな・・・・」
とまぁ、すでに旅行気分の姉ちゃんたち。僕だってやっぱり楽しみだ。きっと楽しい日々になる。
でも・・・この時は思っていなかった・・・旅行先に着くまでも大変だったとは・・・
そう、全てはこの時の銀姉ちゃんの発言だった。
「あ、新幹線の席は8席しか取ってないからぁ・・・一人はJUMの膝の上よぉ。」
END

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