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「一つ屋根の下 第六話 JUMと真紅」


「貰ったかしら!ここでドラグーン一斉射撃!!あ、ボタン間違えたかしら!」
「どのみち・・当たらない・・・そこ・・・」
今日、我が家のリビングでは熱い戦いが繰り広げられていた。今は薔薇姉ちゃんとカナ姉ちゃんがコントローラー
を握り締めて熱戦を行っている。
我が家ではさ、次の日の晩のおかずが決まらないとき、こうやってゲーム大会を行う。んで、それの勝者が
晩のおかずを決めれると言う訳だ。ゲームの種類は様々。今日は連合VSザフトだが、ある日は太鼓の達人
、ある日はウイイレ、ある日はパワプロ、ある日はサムスピ・・・と多岐に及んでいる。
「何で薔薇スィったらグーンであんなに強いのかしらぁ・・・?」
一回戦で薔薇姉ちゃんと当たった銀根ちゃんがぼやく。薔薇姉ちゃんはガンダムのVS系に滅法強い。
「銀ちゃん、それは愛。グーン愛。アッガイ愛。」
愛だけでグーンとアッガイが強くなるならどれだけでも注ぐんだけどね。ちなみに、グーンとアッガイ以外には
愛がないのか、他の機体を使うと何故か弱くなる。薔薇姉ちゃんの七不思議のひとつだ。
「こりゃ蒼星石と薔薇水晶が決勝ですぅ。明日はシュウマイですね、きっと。」
蒼姉ちゃんは反射神経がいいせいか、対戦系は結構強い。それでも、薔薇姉ちゃんがグーンとアッガイを
使ったときは別だ。さすがの蒼姉ちゃんでも勝てない。
明日の晩飯の思いを馳せて対戦を眺めてる時だった。さっさと敗退してお風呂に入っていた真紅姉ちゃんの
声・・・これは裏返ってるから怒鳴り声だな。それが家に響いた。
「水銀燈ーーーーーーーーーーー!!!!!」
銀姉ちゃんがニヤリと笑う。ああ、この大人気ない姉ちゃんはまた何かしたんだな。僕はそう直感した。


リビングにタオルを巻いた真紅姉ちゃんが鬼のような表情で来る。赤鬼だ、まるで。
「真紅姉ちゃん、せめて服は着てこようよ。」
ビックリするほど真紅姉ちゃんはスレンダー・・・といえば聞こえはいいよね?
「あらぁ、真紅ぅ?そんな格好でどぉしたのぉ?相変わらず色気ないわねぇ。髪が短かったら男の子よぉ。」
「水銀燈!貴方でしょう!私の下着入れの所に貴方のを入れておいたのは!」
真紅姉ちゃんがプラプラと乳バンドを見せ付ける。さすがに、僕はこれくらいは慣れたよ。その乳バンドは
明らかに真紅姉ちゃんにはサイズが合わないくらい大きかった。
「あっらぁ、ごめんなさぁい。私ぃ、数が多いからぁ。使わないと思って真紅の棚にも入れちゃったのぉ。」
どう見ても嫌がらせです。本当にありがとうございました。
「つ、つ、使わないとはどういう事!?」
「だってぇ、真紅。それの用途知ってるのぉ?ブラは胸を支える為のモノよぉ?」
何故か銀姉ちゃんは不思議そうな顔で真紅姉ちゃんに言う。
「知ってるのだわ。どういう意味よ。」
「貴方には必要ないって意味。」
「そんなあっさり!?」
ガビーンと音が聞こえそうな顔で真紅姉ちゃんがツッコミをする。うわ、真紅姉ちゃんのツッコミなんて珍しい。
「も、もう許さないのだわ水銀燈!」
真紅姉ちゃんが完全に切れる。僕は大人しく今後を考えて部屋に避難する。だって、銀姉ちゃんは
火に油を注ぎ、あまつさえ近くにダイナマイトや核爆弾を置くような人だ。
「ふふふっ、真紅ったら・・・相変わらず怒った顔も・・・貧乳。」
「か、顔と貧乳は関係ないのだわ!それにどこが貧乳よ!」
「全部。」
「やった・・・優勝・・・明日はシュウマイね、蒼星石・・・」
そんな声を後に僕は部屋に戻った。


しばらくして、部屋のドアが開き真紅姉ちゃんが入ってくる。喧嘩は恐らく敗北だろう。他の姉妹には負けなしの
真紅姉ちゃんだが銀姉ちゃんには全く勝てない。凹んでるのがよく分かる顔だ。
「JUM、紅茶を淹れなさい。」
まぁ、それでも相変わらずなんだけどね。僕は大人しく紅茶を淹れ、真紅姉ちゃんに渡す。
真紅姉ちゃんはすでにパジャマ姿で長い金髪も下ろしたままだ。
「JUM・・・」
「何?」
真紅姉ちゃんが紅茶を口につけながら言う。
「貴方は、胸の大きい女性の方が好みかしら?」
いきなり何を言うんだこの姉は?まぁ、きっとそれなりに気にしてるんだろうな。
「別に・・・てか、どうでもいい。」
「・・・本当?」
「ああ、本当。だってさ、好きになるってその人全部をひっくるめて好きになるんじゃないの?僕はよく分かんない
けどさ。だから、真紅姉ちゃんは真紅姉ちゃん。そのままでいいよ。」
何か勢い余って物凄く恥ずかしい事を僕は言った気がする。それでも、真紅姉ちゃんは嬉しそうに言う。
「そう・・・そうね。気にしすぎてたのだわ。有難う、JUM。紅茶、美味しかったのだわ。」
真紅姉ちゃんは満足気にカップを置くと部屋を出ようとする。
「ん・・・もういいの?」
「ええ、大丈夫よ。貴方の気持ちは分かったのだわ。私は真紅。誇り高いローゼン家の5女。
そして・・・幸せな貴方のお姉ちゃん。」
そう言って、真紅姉ちゃんは珍しくニッコリ笑って部屋に戻っていった。
僕の部屋に残ったのは、紅茶と真紅姉ちゃんの残り香だった。
END

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