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「超機動戦記ローゼンガンダム 第二十一話 終劇への序曲」


カナリアからいつもの音が聞こえてくる。
「ふふっ・・・やっぱりコレがないと気分が乗らないわね。」
真紅は少しだけ笑うと眼前のバーズに右腕のビームガトリングガンを放つ。
バーズは踊るようにガクガクと震えると爆発する。
「ちぃ・・・せっかくサクラダを沈められたものを・・・」
カナリアの乱入により後一歩までいっていたサクラダ撃墜を妨害された白崎は悔しさを
あらわに唇を噛む。しかし、そんな白崎にも蒼星石は攻撃の手を緩めない。
「くそ・・・せめてメイデンだけでも潰したかったが・・・仕方あるまい。」
「逃がさない!!」
後退していくラプラスを追撃するソウセイセキ。
「ええい、鬱陶しい!!ラ・ビット!!」
追いすがるソウセイセキをラ・ビットが取り囲む。ソウセイセキは回避しながらもラプラスを追うが
さすがに回避しながらではスピードがでない。
「はははっ、今回は僕の負けだね。でも覚えておくといい・・・これから終劇の序曲が始まると
言う事をな!はーっはっはっはっはっは!!」
白崎は残っているバーズを引き上げさせるとディアーズと撤退していった。
「桜田君、どうするの?追う?」
「・・・いや、止めておこう。血迷ったらあいつらは何をするか分からない。各機、帰還してくれ。」



「みっちゃん、ごめんかしら。でも・・・カナはやっぱりサクラダを降りるわけにはいかないかしら。」
戦闘後、ベジータから中国へ移動の通信が入ったメイデンは中国へ向かう事になった。
「ううん、私も変な事いってごめんね、カナ。カナが帰ってくるって信じてるから。」
そして、今は一時のお別れの時だ。
「いいの?金糸雀。金糸雀が降りても誰も文句は言わないよ?君の目的はみっちゃんさんとー」
蒼星石は金糸雀に言う。しかし、金糸雀は断固たる意思をもって言う。
「カナリアを操れるのはカナだけかしら。それにカナだけ逃げるわけにはいかないもの。だってカナは戦士かしら。
生きていく事は闘う事。そうでしょ?真紅。」
「あら、随分生意気を言うようになったのね、金糸雀。」
真紅の言葉にみんなから笑い声が漏れる。
「それじゃあ・・・みっちゃん行って来ます。」
「行ってらっしゃい、カナ。必ず『ただいま』って言いに帰ってこないとダメだからね?」
みっちゃんが笑顔で金糸雀を送り出す。金糸雀も笑顔だった。
「それで、これからどうするのぉ?中国って事は補給か何かぁ?」
「ああ、補給もだけど新兵器を渡したいらしい。雪華綺晶。君のらしいよ?」
「私にか?それは楽しみだな・・・」
こうして、日本を後にしたメイデンは中国に向かっていくのだった。



「よく来てくれたな。メイデンの諸君。」
中国に到着したメイデンをべジータが迎え入れる。
「ああ。状況は結構聞いてるよ。アリスも今はかなり勢力を弱めてヨーロッパ以外はほとんどレジスタンス
が奪回したんだろ?」
JUMが作業員に補給を命じながらベジータと話す。
「ああ、その通りだ。各地のレジスタンスが頑張ってくれている。そこで・・・だ。」
べジータがモニターをつける。映ったのは世界地図と勢力図だ。ヨーロッパ地方は赤色、その他はほとんど
青色となっている。
「見てくれ。赤がアリス。青がレジスタンスだ。見ての通り状況は好転している。ロシアも我々が奪回したし
な。リファイン機が全滅したのは奴らにとって大きかったんだろう。勢いは全く無かったよ。」
JUMがフムと顎に手を当てる。
「そこでだ・・・時間を与えればアリスはまた何かを生み出しこちらを攻撃する可能性が大いにある。
そうすれば、再びレジスタンスは劣勢を強いられ昔と変わらない状況になるだろう。」
べジータが説明していく。JUMには何が言いたいか少し分かった。
「つまり・・・このまま一気にアリスを倒してしまおうって事だな。」
「ああ、雑な言い方だが間違ってはいない。いかに奴らといえども時間までは操れまい。
新たな兵器を作らせる時間を与えずに叩く!幸い、中国を奪って以来こちらの物資は安定している。
さすがは、世界最大の工場って所だな。他のレジスタンスの頭の連中も同意してるが・・・どうだ?」
べジータの言葉は実に筋が通っている。確かに、いかにアリスと言えども新しい兵器を一瞬で作る事
などは不可能だ。リファイン機が出てきたときも、その前しばらくはアリス軍はかなり大人しかった。
ならば、時間を与えれば与えるほどこちらが不利になる可能性は高い。
「一番いい作戦だろうな。僕も賛成だ。」
「そうか。よかったよ。メイデンには最前線で頑張って貰わなくてはならないからな。」
「話は決まったようだな。それで、べジータ。新兵器とやらを見せて欲しいんだが。」
話が終わったとみた雪華綺晶がさっきから気になってしょうがない事を言った。


「ああ、ではこっちへ来て欲しい。」
べジータがメイデンの面々を引き連れて廊下を歩いていく。行き着いた先は開発工場だった。
「見てくれ、キラ嬢。これが君の新兵器だ。」
その視線の先には二つの銃器があった。形状からすると背部に取り付けるのだろうか。
「これはだな、『ヴァリアブル・スピード・ビーム・ライフル』。通称V・S・B・R(ヴェスバー)。分かりやすく言えば
可変速ビームライフルだな。速く貫通力のあるビームから、遅いが破壊力の高いビームまで調整可能だ。」
「成る程・・・見たところ機体に直結して使う銃器のようだな。ジェネレーター直結か?」
雪華綺晶がV・S・B・Rを見ながら言う。
「ああ、その通りだ。キラキショウは機体のエネルギー効率はかなりいい。何せ現状はサーベルとライフルしか
武装はないからな。」
ローズウイルスとインビシブルもあるが、これは別物だ。
「ふむ・・・ただ機体に固定となるとどうしても射角が狭くなるな・・・」
「そこはキラ嬢の腕とインビシブルで充分カバー可能だろう?」
雪華綺晶はそこまで射撃は得意じゃないんだがな・・・と思ったが確かにインビシブルを使えば
簡単に当てる事が可能になるだろう。
「では、有難くいただこう。感謝するよべジータ。にしても、何で私に?」
「あー・・・それは少し言いにくいんだが・・・」
べジータが言葉を濁す。しかし、その理由を話し始めた。
「元々はバラスイショウ用に開発していたんだ。だがまぁ・・・だからな。ならばキラ嬢にせめて使ってもらおうと
思ってな。調整していたら少し遅くなってしまった。」
「そうか・・・やはり感謝するよべジータ。有難う。」
雪華綺晶は新しい力、V・S・B・Rを見ながら笑った。


「それで?V・S・B・Rは移動しながら取り付けるとして・・・僕らはどこに行けばいいんだい?」
V・S・B・Rをサクラダに運ばせ今度は取り付け命令をだすJUM。
「ん?ああ、モスクワだ。あそこをヨーロッパ攻略の足がかりとしてある。」
「成る程ね。あそこは僕らが占領してる基地の中でアリスの本拠地に一番近いし、
なにより基地の規模も大きいからね。納得だよ。」
一応、もっと近場の基地もあるのだが、防御力や大きさ的に心もとない。
「モスクワについたらしばらく休んでおいてくれ。他のレジスタンスが準備を完了させるのには
少し時間がかかるからな。ただ、敵がくれば迎撃はよろしく。」
「ん、分かったよ。それじゃあ僕らは一足先に行くからな。」
「ああ、頼んだぞ。これが最後の戦いへの足がかりだ・・・終わりも遠くないぞ。」
JUMがサクラダに向かっていく。補給も終わっている。キラキショウへの取り付けは
移動がてらやればいい。間に合わなきゃ向こうでもいい。時間はあるしな。
「JUM~。どうなった~?」
艦で待機していた雛苺がJUMに引っ付く。
「ん、モスクワでしばらく待機だ。それでだ・・・みんな聞いてくれ。」
JUMの言葉に本を読んでいた真紅がチラリと顔を向ける。
「長かった戦いも終わりが近づいてきている。世界中のレジスタンスとアリスとの全面戦争が
ヨーロッパを戦地にはじまるだろう。何が起こるかわからない・・・だが・・・みんなで生き残ろう。」
「当たり前よぉ。わたし、まだ死ぬ気なんてサラサラないものぉ。」
「カナだってさっさとアリス倒してみっちゃんと暮らすかしらー。」
「その意気なのだわ。私達はメイデン。みんなで戦いましょう。」
おーっと艦内に歓声が響いた。


「槐、結構追い詰められてきたけど・・・どうするんだい?」
ドイツ、ベルリン。とある部屋で槐、白崎、梅岡が集まっていた。
「恐らく、一気に攻めてくるだろうね。負ける気はないけど厳しい事にはなりそうだよ。」
梅岡が言う。しかし、槐は目を瞑ったままだ。
「近くの大きな基地には結構レジスタンスが集まってるらしいけど。僕が叩きに行こうか?」
「いや・・・」
白崎の言葉にようやく槐が反応を示した。
「それは後でいい・・・それより終劇に相応しい役者を用意しなくてはなるまい・・・」
その言葉に白崎と梅岡が反応を示す。
「ああ、成る程・・・確かに、必要だね。あの機体を使うんだろう?」
「いやぁ、先生ドキドキしちゃうなぁ。確かに、終劇の序曲には相応しいね。」
「ああ・・・アリス。貴方も依存はないかな?」
槐が声をかけた先。そこには人はいない。ただ、あるのはコンピューター。
「アア・・・キュウキョクノソンザイデアルワタシヲヒテイスルニンゲンハ・・・ワタシミズカラサバコウデハナイカ。」
その言葉に槐がにやりと笑う。
「それでは、貴方を移植させてもらいますよ・・・そう、貴方の機体。貴方自身・・・『アリスガンダム』に!!」
槐は背後に立ちはだかる機体・・・アリスガンダムを見ながら言った。


次回予告 最終決戦の為にモスクワへ向かったメイデン一行。そこでJUMはしばらくメンバーに休暇を
出す。それぞれの時間を過ごす少女達。そこで、翠星石と蒼星石は花屋を見ていた。
次回、超機動戦記ローゼンガンダム 麗らかな日に その日常は、いつか願った日々・・・

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