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「超機動戦記ローゼンガンダム 第十九話 再会」


「は?こんな時に休暇だって?何言ってるんだよ?」
モニターの通信越しにJUMが言った。
「なぁに、休暇みたいなもんだ。メイデンにはしばらく日本に行って貰うんだからな。」
通信の相手はベジータだ。前回のロシア戦線でかなりの戦力を消耗したもののSAIYAはまだまだ健在だ。
最近ではベジータもよくスーパーサイヤジンを駆って戦場に躍り出ている。
「それなら行くけどさ・・・大丈夫なのか?アリスの動向は。何かあればすぐ飛ぶけども、移動時間だって・・・」
「大丈夫だろう。先日の戦い以来アリス軍は驚くほど大人しい。まぁ、虎の子のリファイン機が
全て破壊されたんだから仕方ないがな。」
確かに、言われてみればリファイン機が投入される前はアリスはほとんど攻めてくる気配は無く
余程開発に力を入れていたんだろう。
「だけどなぁ・・・あいつらがまた別のモン使ってくる可能性もあるし・・・」
心底心配そうなJUMにべジータが言う。
「それに・・・薔薇嬢は日本の出身だろう?少しぐらい弔ってやるといい・・・こっちでやっても味気ないだろう。」
多分、それがべジータの言いたかった事なんだろう。それだけのためにメイデンを日本に行かせようと
言うのだ。JUMはそのベジータの意図を知ると、ようやく
「そうだな・・・分かった。しばらく言ってくるよ。」
と答え、ミーティングルームに向かっていった。



日本某所、JUMは雪華綺晶らと共にとある街の崩れた家にきていた。
「父上・・・母上・・・ただいま戻りました・・・」
そう、ここは雪華綺晶と薔薇水晶が幼い頃住んでいた家だったのだ。
今はこの街はほとんど復旧されておるが、この家だけは未だに崩れたままだった。
メイデンのメンバーにとっては崩れている家など山ほど見た光景だろうが、他は直っているのに
ここだけは未だに戦争の足跡を残しているという、異様な光景だった。
「直さない事にしてるんだ。戦いが終わるまで。」
雪華綺晶が言う。その目はどこか悲しげで、そして懐かしそうでもあった。
雪華綺晶が崩れた家の近くにある、少し大きめの石が二つ並んでいる箇所に歩み寄っていく。
「雪華綺晶・・・それは・・・」
「ああ。父上と母上の墓だ・・・とても簡単なものだけどな。ないよりはいい。」
雪華綺晶が墓石のよごれを手で払う。そして、その墓石の間に眼帯を置いた。
それは、薔薇水晶の最後の出撃の前に取れた形見とも言える眼帯。
「父上、母上。一つだけ謝らなければなりません。私は・・・薔薇水晶を守ってあげることが
できませんでした・・・あの子を戦場へ駆り出し、あげく死なせてしまいました・・・」
とつとつと語る雪華綺晶の声。
「ただ・・・もし今薔薇水晶とお会いになってらっしゃったら・・・あの子を褒めてあげて下さい。
あの子は、大切な仲間の命を救いました・・・そして、あの子の意思は私と・・・」
そして、隣にいた真紅の頭を掴む。
「この真紅に受け継がれています。だから・・・・・」
雪華綺晶が目に溜まった涙を拭い笑う。
「どうも最近涙もろくていけいないな・・・・父上、母上。雪華綺晶は元気でやっています。」
雪華綺晶は最後にそう締めくくると満足そうに家を後にした。



「JUM。そろそろおなかすいたの~。」
その帰り道、雛苺が声をあげる。時計を見る。確かにお昼時だった。
「そうだなぁ。じゃあ、折角だし外食でもするか~。」
「もちろん、JUMの奢りですよねぇ~?レディにお金を払わせるなんて甲斐性なしですよ~?」
翠星石が嬉しいのかクルクルと回りながら言う。長い髪とスカートがクルクルと回る。
「まぁ、いいだろう。それじゃあ何食べるかなぁ・・・」
「私は紅茶がいいのだわ。」
「雛は、うにゅーがいいのー!」
「僕は・・・そうだなぁ。今日はお腹すいてるからお腹にたまるものがいいかな。」
と、色々と話を重ねながら店を探していく男一人と女七人。そんな時だった。
「金糸雀・・・・?カナでしょ?」
その異様な集団に声をかけてくる女性がいた。JUM達より少し年上だろうか。
長い髪を後ろで纏め、優しそうな顔をし、鼻のそばかすが特徴的だった。
「あ・・・み・・・・っちゃん?みっちゃんかしらー!?」
「そう、そうよカナ!やっぱりカナだったのね!会いたかったわーーーー!!」
そのみっちゃんと言う女性が走って駆け寄ってきて小柄な金糸雀を抱き上げる。そして・・・
「あぁん、やっぱりカナ可愛い~!会いたかった~!撫で撫でしたかったー!スリスリしたかったー!」
「きゃあーーーー!みっちゃん、ほっぺが摩擦熱でまさちゅーせっちゅ!」
頬擦りをし始めた。心なしか接点から煙を上げている気すらする。他の面々は
その女性のある種の奇抜さにただ、唖然としていた。



「そう、カナって今レジスタンスに入ってたんだ?私服だから分からなかったわ~。でも、軍服のカナも萌え!」
結局JUM達はみっちゃんこと草笛みつと共に昼食をとっていた。
「そうかしら!カナは凄腕パイロットかしら。」
金糸雀はとてもご機嫌そうだった。そう、何故なら金糸雀がメイデンに身を寄せている理由。それが・・・
「でも・・・カナにまた会えてよかった。もう、会えないかもって思ってたから。」
「カナだってみっちゃんと会えて凄くうれしいかしら。」
このみっちゃんともう一度会うことだったのだから。
金糸雀は、実はメイデンのメンバーでは珍しい事にアリスの乱では運良く被害にはあわなかった。
しかし、その後も続く戦乱についに金糸雀は親を失い孤児になってしまう。
そこで出会ったのがこのみっちゃんだったのだ。みっちゃんは当時はまだ若いながらも金糸雀を
引き取り、一緒に暮らし溺愛しまくっていた。それは金糸雀にも、みっちゃんにもとても幸せな
暮らしだった。しかし、その後も続く戦乱で彼女達は生き別れになってしまい、金糸雀はそのまま
メイデンに引き取られたのだった。そう、それは全てみっちゃんともう一度会うため。
「成る程・・・でもこれはとても喜ばしい事なのだわ。」
真紅が優雅に紅茶を飲みながら言う。
「本当よ。やっぱり私とカナは赤い糸で繋がっているのね~。」
恍惚とした表情のみっちゃん。糸はともかく、赤いのはマズイんじゃなかろうか。



「そうだ、カナ。貴方達はまだここに留まるの?カナのバイオリン聞かせて欲しいな。」
「もちろんかしら!カナ、あれから毎日練習欠かしてないかしら~。」
金糸雀が本当に嬉しそうな顔をする。もともと明るい彼女だがなかなかこんな顔は見たことがない。
「そうだな・・・特に任務はないし・・・しばらくはここに留まろうと思ってるよ。」
JUMが金糸雀に言う。すると二人の顔がみるみる明るくなっていく。
「や、やったかしらー!JUMありがとう~。」
金糸雀が小柄な体を精一杯伸ばしJUMに抱きつく。
「うわ、金糸雀、止めろって。」
「雛も雛も~。JU~~~M♪」
メイデンのちびっ子二人にまとわりつかれるJUM。翠星石や真紅はとても面白くなさそうだった。
そうして、金糸雀はみっちゃんに家を聞いてみんなとサクラダに戻っていく。そんな平和な一日だった。


次回予告 遂にみっちゃんと再会した金糸雀。しばらくは幸せな日々だった。そこでみっちゃんは金糸雀に
一緒に住もうと提案する。しかし、そこに復活したラプラスで白崎が襲い掛かる。果たして金糸雀は・・・
次回、超機動戦記ローゼンガンダム 金糸雀の決断  その思いを音にのせて・・・

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