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 土場藩国某所



 土場藩国はテロごときを面白いとは言わない変な国民に支えられた国である。
敵にすると恐ろしいが味方にすると頼りない。
熱しやすく冷めやすい国民性は、ある種、いろいろなことの隠れ蓑に
最適な国といえる。



 次から次へと話題が出てきて、尽きることはない分、古い情報は
すぐに埋もれてしまってわからなくなりやすいのだ。



 だから、ここに拠点を構えても、一時的に周囲の話題にはなるが
さして面白くない話題だといわれすぐに忘れされれる。
 丁度いい距離間のところにその施設はあった。



 誰からものぞかれない密室。他のACEですら情報がとれない場所に
矢上はいた。
「…自由に使っていいという許可はでたが…」
 しばらくの間、作業を許すという藩王の書類が手元に届けられたのは
つい先日のこと。
 情報操作であれば越前を頼れという書類まで丁寧に添えてくれていた。
「さて、どうしたものかな」



 この拠点を使うにしても、いろいろ準備がいる。
 人里離れており、ここで何があるかは隠ぺいされているから暗殺や
情報が他にもれる可能性も低いが。



 最も重要なことが忘れられている。



「…電気…」



 ぼそりとあきらめたようにつぶやく。そのうち庭になるらしい目の前の土地。
奥にあるらしい温泉の源泉。山にかこまれてうまい空気。
 申し分ない。しばらく過ごすには本当に申し分ない土地である。




だが



電気が




ない…



 PCなど一度に動かすとまちがいなくブレーカーがおちるほどの
電力しかきていない。炉でお湯を沸かす程度あればよいという
非常にアバウトな話のせいであった。
 近々家を建てるらしいから、電気ひくよ!という缶王の話だが
現状きていないのはどうしようもない。



「どうするかなぁ…」



 目の前にあるのは手回しの機械。



【発電してね!】



 ぐるぐると何回回せばPCを安定して動かすことができるのだろうか。
矢上はため息をつきつつ、とりあえずお茶を入れることにした。



茶室の近くにまで電気が通るのはそれから数日後のことである。