求める未来を目指せ ◆7CTbqJqxkE





「休憩入りまっす!」

 商業地区の食事処。そこで日雇いのアルバイトとして働いている葛葉紘汰は、朝の忙しい時間を終えたこともあり、来る昼の書き入れ時に備えて束の間の休息に入った。

《――――セイバー、朝食に来た人たちの中でマスターらしい奴はいたか?》
《いや、少なくともサーヴァントの気配を伴った来客はなかった。見れる範囲で令呪がないかも見て回ったし、あの中にマスターはいなかったと思う》
《そうか……悪いな、せっかく調べてもらったのに》
《別にコウタが悪いわけじゃないさ。すぐに見つかるわけも無いんだし、焦らずにいこう》

 休憩室に入ってすぐ、紘汰は霊体化した状態で隣にいる自身のサーヴァントに話しかける。
 その会話の内容は、今朝の時点で他のマスターを見つけることができたかどうか、というものだ。
 聖杯戦争を、殺し合いを食い止めるという目的を持つ紘汰にとって、いくら必要なことであるとはいえただ無意味にバイトをしているわけにもいかない。ただでさえ昨夜のアーマードライダーらしき強盗を見つけることができなかった今は、出遅れている状況なのだから。

 そこでパートナーであるドルモンに、霊体化した状態で朝食に来た客の手の甲など体の露出している箇所を確認してもらってマスターがいないかを探ってもらったのだが、残念ながら収穫はゼロだった。
 しかし駄目で元々のつもりで行った、気休めのような調査である。だから空振りであったとしても気にすることはないとドルモンは紘汰を気遣う。

《それはわかってんだけど…………でも……》
《特級住宅街や行政地区で起こった爆発が気になるのもわかるし、歓楽街でなんの手がかりも得られなかったことが悔しいのもわかる。
 だからって急いだところで状況が好転するわけじゃないんだし、今はできることを一つずつしていこう。コウタと俺なら、きっと聖杯戦争を止めることができる》
《セイバー…………そうだよな、こんなところでウジウジ考えててもしょうがないよな!》

 昨夜、商業区で起きた強盗騒ぎが聖杯戦争と関わっているのではないかと踏んで紘汰たちが歓楽街を探索している間に、特級住宅街と行政地区で火災や爆発が発生していた。
 仮面とベルトという言葉に紘汰がアーマードライダーを意識し、歓楽街で徒に時間を浪費しなければ、あるいはどちらかの現場を押さえることができたかもしれない。
 追跡が空振りに終わり、消沈して戻った今朝爆発の話を聞いてから、紘汰はそのようなことをずっと考えていた。
 だがそれはあくまでも仮定の話に過ぎないし、もし歓楽街を探索しなくても行政区や特級住宅街に足を運んでいた可能性は低かっただろう。
 ならば過ぎたことを悔やむよりも、今できることをしていくことで確実に歩を進めるべきなのだ。
 そんなドルモンの理詰めの慰めが、自分が単純であると理解している紘汰にとっては有り難いものであった。

(そうだ、セイバーの言うとおりじゃねえか。どうせ俺たちがやることは変わりないんだし、だったらそれを全力でやるだけだ!)

「よぅしっ!! やってやるぜぇ!!!!」
《コウタ、あんまり大きな声で叫んだら――》

 他の人に聞こえるよ。そうセイバーが続けようとしたその前に、ある男の横槍がそれを遮った。
 それはセイバーも聞いたことがある声だ。だが、紘汰にとっては、おそらくこのユグドラシルにいる誰よりも聞き馴染んでいる声であった。

 インターネットラジオのDJとして何度も耳にしたその声。
 更にはユグドラシル側の人間の――そして、ユグドラシルでさえ与り知らぬヘルヘイムの森の真実を知る者の言葉として、聞いたことのある声。


「――――本当に聖杯戦争を止めることができると思ってるのか?」


 聖杯戦争の開幕にも携わった、その声の主の名は――――

「な!? あんた――――サガラ!」
「よっ」

 サガラ。そう呼ばれた男は、友人に挨拶するような気軽さで紘汰に応えた。

「なんでここに……? いや、それよりなんなんだよあの放送!
 あんたここで何をしてる? 何を企んでるんだ?」

 そんな男の応答に若干毒気を抜かれつつ、紘汰はサガラに疑問を投げつける。
 聞きたいことは山のようにあるが、まずはこの男の真意についてだ。

「何も企んでなんかいないさ。俺はただお前たちの戦いを見守り続ける。それだけだ。
 それにあの放送だって、お前たちマスターに聖杯戦争の情勢を連絡する監督役としての大切な『役割(ロール)』の一環だ」
「ロールって…………じゃあやっぱりあんたも」

 だがその疑問も、やはり軽い調子であしらわれる。腹の底は一切見せないつもりらしい。
 しかしそんな答えにも二つの情報が含まれていた。それはサガラがこの聖杯戦争の監督役であるということ。
 そしてそれが自身のロールであると認識しているということだ。それはつまり――――

「ああ、聖杯に召喚されたマスターの一人って訳だ。おっと、勘違いするな。別に戦いに来たんじゃない」

 サガラもマスターとして聖杯戦争に参加している。その事実が男の口から告げられた時にはすでにセイバーはドルモンの状態で霊体化を解いていた。
 あの放送も手伝ってか、ドルモンは敵意を隠そうともせずに牙を覗かせ、サガラを睨みつけている。

「その言葉を信じろっていうのか?」
「セイバー……」
「戦いに来たんじゃないなら何をしに来た。まさか目的も教えずに信じろなんて言わないよな?」

 棘のある言葉で男がここに来た目的をセイバーが問い質すと、男は肩を竦める素振りをひとつ打ち、再び軽い調子で話し始める。

「お前のサーヴァントは随分と疑り深いみたいだな。
 なに、ちょっとした忠告だ」
「忠告?」

 そう紘汰が聞き返した途端、男がそれまで纏っていたふざけた雰囲気は消え――――

「ああ……聖杯戦争を止めようだなんて無謀なことを考えている、お前たちへな」

 さきほどまで話していた男とは別人と思わせるほど真面目なトーンで、紘汰たちへ語り始めた。

「さっきも聞いたが、お前たちは本当に聖杯戦争を止めることができると思っているのか?」
「当たり前だ。俺とセイバーは必ずこのふざけた殺し合いを止めてやる。
 それに、希望の対価に犠牲を要求するこの世界のルールを壊せって言ったのはあんただ」
「確かに俺はお前にそう言った。だがな、聖杯戦争ってのは真に犠牲なくしては成り立たないルールでできているんだぜ」

 そこでサガラは含むように間を置くと、微かに表情を引き締めて続きを述べる。

「誰も脱落することがなければ、そこでご破算だ。誰も奇跡を手にすることはできない」
「それこそ望むところだ。犠牲を強いるような奇跡なんて、俺は欲しくない」

 それが紘汰の偽らざる気持ちだ。
 如何なる奇跡を実現できようと、そこに犠牲を求める聖杯を認めることなどありえない。
 いっそ無くなってしまった方が良いと、紘汰は本気で考えている。
 しかしそんな紘汰の答えに対し、サガラは先ほどとは異なる笑顔を貼り付け再び語り始める。

「ふ、そうか」
「なにがおかしい!」
「犠牲を強いる奇跡を拒むのはお前の希望だ。お前の力があればそれを叶えることもできるかもしれない。
 だが他のマスターは違う。どれだけの犠牲を払ってでも叶えたい希望を胸のうちに宿しているやつだっている。
 サーヴァントを失わない限り、そいつらはお前たちの前に立ちはだかり続けるだろう」
「……だったらその度に、俺たちは戦うだけだ。どれだけ牙を剥かれても、絶対に犠牲になるような人を出しはしない」
「そうしてお前は、自分の希望のためにそいつらの希望を踏み躙るのか」
「なに……?」

 サガラの指摘に紘汰は理解が追いつかず、言葉を失う。
 しかしそんな隙を見逃してくれるほど、今回のサガラは甘くは無かった。

「言われなきゃわからねぇか? 聖杯戦争は万能の願望器を巡る戦い。単なる力を求める果実の争奪戦とは違う。奇跡を求めて集まったのは私利私欲に走る極悪人だけじゃなく、中にはのっぴきならない理由に覚悟を決めた善人だっているわけだ」

 わかりきったことを出来の悪い生徒に言い聞かせるように話していたサガラはそこで視線を下げ、セイバーを一瞥する。

「自分のサーヴァントを見ればわかるだろ。この樹と繋がった世界は一つだけじゃない。中にはヘルヘイム以外の脅威に晒されているところも――
 お前の安っぽい正義感で邪魔された結果、滅びる世界もあるかもしれないんだぜ?」
「――っ!」

 容赦のない物言いに、今度こそ紘汰は言葉を失う。
 考えもせず、目も向けなかったエゴを突きつけられて。

 紘汰たちが戦いを止めるのも結局、暴力で自らの主張を押し付けているのに過ぎず。
 そんな方法で他者の希望を取り上げることに、どんな正当性があるのだと。

「そ、それは……」
「――違う」
 言い淀むしかなかった紘汰の代わりに、サガラの詰問に応える声があった。

「コウタが誰も止めなければ、結局殺し合いの末に残った一人以外の希望は叶わない!
 そんなの絶対に間違っている。だからこそ、俺たちは聖杯戦争を止めるんだ!」
「セイバー……」
 力強く断言する相棒に、紘汰は思わず声を漏らす。
 紘汰より余程理性的である彼が、この程度の命題に気づいていなかったはずはない。
 それでも何の逡巡も見せず、己を信じてくれたセイバーの姿に紘汰は胸を打たれ――そしてサガラは、新たな興味を惹かれたとばかりに笑みを零す。

「間違っている……か。だったらお前たちが正しいという証拠はどこにある?
 他の全てのマスターの希望を絶ち、自分たちの希望を押し通す。その結末は最後に残った一人と何が違うと言える?」

「命だ」

 何ら竦むこともなく。ドルモンは己が信じた道を行く理由を、飾ることなくサガラに示す。

「俺たちは命を守るために戦う。すべての命が生きられるようにする。ただそのために、俺たちは戦うんだ」
「生きられる、か。ならば願いを叶えなければ死んだも同然のようなマスターはどうする?」
「それでも、だからって他の命を犠牲にして良い訳じゃない」
「聖杯の奇跡に縋らなければ助けられない命があるかもしれんぞ。ここに残ったマスターのためにその命は切り捨てるのか?」
「詭弁だ」
「詭弁じゃないさ。確かに憶測の話でしかないが、もしそんな願いを持ったマスターがいた場合にお前たちはどうする。
 ここにいるマスターたちを殺したくないし殺させたくないから、悪いが死んでくれとでも言うのか?」
「それは違う! マスターたちも、その救いたい人も、誰も犠牲になって良いはずがないって言っているんだ!」
「違わないさ。お前たちは気安く聖杯戦争を止めると言っているが、その意味をもっと理解するべきだ。
 ま、お前はまだわかっている方みたいだが……」

 そこでセイバーが更に反論する前に、サガラは彼から視線を外した。
 それを辿って、セイバーもまた首を巡らせ……

「……コウタは」
「え?」

 舌戦の渦中から離れた場所にいた紘汰は、不意に両者の注目を浴びたことで思わず声を漏らしていた。

「コウタは、どう思う……?
 こいつの言っていることがもし本当になったら、コウタならどうする?」
「そう、お前ならどうする葛葉紘汰? 結局最後にどうするかを決めるのは、マスターであるお前なんだぜ」

 共に歩む者と、疑問を投げかける者と。意見を戦わせていた二人は、今は等しく紘汰を見守っていた。
 己の命一つ思うがままにならない人間に、未来をその手で選べるか――その重荷を背負えるのかと。
 マスターとして選ばれた運命に抗えない者に、それでも答えを見出せと。
 数多の命を左右するかもしれない決断を下せと、求めていた。

「俺は……」

 言い淀む。視線が落ちる。
 しかしその落ちた視線の先――戦う覚悟を決めた時、友の形見を身に着けている部位を目に収めて、紘汰は決意を取り戻す。

「俺も……どうしたらいいのかわからねえ。聖杯でしか助からない命があるんだとしたら、その命を救うために聖杯を使ってほしい」
「それはつまり、お前は聖杯戦争を容認するということか」
「でも…………でもよ! 俺は誰かが犠牲になるなんて嫌だ。そんなの見過ごすなんて絶対できない!
 だから、だから俺は……! 俺は、聖杯戦争を止めるっ!!」

 言い切った。
 既に吐いた唾は飲み込めない。最早訂正は効かない。そして他の誰より、自分自身を欺けない。
 それをわかっているのだろう。サガラは満足げにほくそ笑んだ。

「なるほどな。お前は他のマスターの希望を砕く覚悟をしたわけだ」
「そんな覚悟、できちゃいない……だからって、何もせずに傍観するなんてできるわけない。
 だから答えが出るその時までは、迷いながらでも、俺は戦い続ける。あるのはその覚悟だけだ」

 聖杯でしか救えない命があるのだとしても。ならば聖杯に焼べられる命を救えるのは今、自分達しかいないのだから。
 すべての命が生きられる未来を実現するには、今、目の前の命を諦めるわけにはいかないのだ。

「……答えというには些か足りないものがあるが、それがお前の決めた道ということか。
 そいつは茨の道を往くよりも険しい道のりだぜ。そのことはわかってるんだろうな?」

 サガラの問いに、紘汰は一瞬の躊躇いもなく頷きを返した。

「いいだろう。だったら止めはしない。だがな、世界ってのはそんなに優しくはできていない。
 予選の時と同様に、お前たちの手が届かない命ってのは必ずある。
 それにもしも聖杯戦争を停滞させることができたとしても、その時はお前たちも討伐対象とされるだろう」
「討伐対象……?」
「ああ。聖杯戦争の運営を阻害する事態になれば、その原因を取り除こうと考えるのは当然のことだろう。
 ついさっきも中学校で大きな戦闘があってな。その場にいたあるサーヴァントが討伐対象となったばかりだ」
「……なんだって?」

 サガラから伝えられた情報は、紘汰にとって青天の霹靂といえるものであった。

「まあ詳しくは正午の俺のホットラインで連絡するが、結構な数の死傷者が出たことでユグドラシルの維持に問題が生じる可能性ができた。同じ事を繰り返されないようにするためにもその芽を摘む、という名分だ。
 さあどうする葛葉紘汰? お前たちがちんたらしてる間に、聖杯戦争は着実に進んでいっている。死んだ連中の大半はNPCだろうが、ひょっとしたら予選脱落者も中にはいたかもな」
「NPCも予選脱落者も関係ない! でも……そんな…………」

 聖杯戦争は基本夜半に行われる。予選の時もそうだった。
 人目につくような昼間にサーヴァントが戦闘を行えば……どうなるかは想像に難くない。
 だというのに――

「まさかこんな白昼堂々と人が密集している施設に襲撃をかけるようなやつがいるとは思ってもいなかったか?
 つまりはそれだけ本気のやつらがいるということだ。お前らも本気で聖杯戦争を止めたいってんなら、遊んでる時間なんざありはしないぜ」
「くそ……! 行こうセイバー!」
「そう急ぐな。あともう一つ、お前らマスターに連絡することがある」

 駆け出そうと背を向けた紘汰をサガラがなおも呼び止める。
 気にすることなく行こうとした紘汰だが、マスターとしてならば先ほど以上に衝撃的なその内容に立ち止まり、振り返らずを得なかった。
 その内容とは。

「聖杯に起こった不具合についてだ」

 聖杯戦争の基盤である聖杯に、不具合が生じているというものだ。
 聖杯など必要としない紘汰でさえ、無視するには大きすぎる情報だった。

「……」
「聖杯の……不具合?」
「ああ。お前のサーヴァントならそれがなんなのか大体察していると思うが――――――今は聖杯から英霊に関する知識を得られない状態になっている」
「な、なんだよそれ!?」

 幸いなことに一定時間内に誰も脱落しなければ全員助からないとか、そのような最悪の事態ではなさそうなので一安心しつつも。
 なぜ、そのようなことが起こったのか――そんな真っ当な疑問を抱いた紘汰は、なぜセイバーがそのことについて察していると言われたのかまでは、この時まだ思い至らなかった。

「ちょっとしたイレギュラーが紛れ込んでてな。図書館からも英霊に関するデータが閲覧不可能になってしまっている。
 中には他の英霊が関わる自身の宝具の発動条件すら把握できないやつまで出てくる始末でな。
 とはいえそのイレギュラーが消滅すれば自動で聖杯の情報にサーヴァントはアクセスできるようになるし図書館も利用可能になるから、真名を隠し続けなければいずれ不利になるという事実は変わらない。
 まあこの連絡は、すでに戦闘を行って敵のサーヴァントの情報を調べようとしているマスターから苦情が来るのを防ぐただの予防線だけどな」

「まあ、その程度なら別にいいけどよ……」と呟く紘汰を尻目に、サガラはわざとらしく聞こえる程度までボリュームを下げた独り言を漏らした。
「これも、ムーンセルの精一杯の抵抗なんだろうな」
「抵抗? どういう――」
「とにかく急ぐことだな。誰も死なせないというなら、当然討伐対象となったマスターも助けるんだろう?」

 紘汰の追求をわざとらしくはぐらかすと、サガラはいつものように飄々とした笑みを見せた。

「早めに見つけておかないと、駆けつけた時には手遅れなんてことになりかねないぜ」
「あ、おい!」

 そして言うが早いか。紘汰が呼び止めた時には既に、サガラの姿は手品のように失せていた。

「消えた……コウタ、あいつはいったい何者なんだ?」
「……俺にもわからねえ」

 警戒心を抱いたセイバーの問いに、満足に答えられない己を紘汰は不甲斐なく思う。

「……でも、サガラの言ってることが本当なら、急がねーと不味い」

 だが、そんな感傷や逡巡にばかり構ってはいられないのだと、決意したばかりであったことを思い出した。

「バイトなんかしてる場合じゃねぇ!」

 叫ぶまま、勢い良く仕事着を脱ぎ捨てた紘汰は、自らの剣となってくれた英霊に改めて呼びかけた。

「行くぜ、セイバー。これ以上誰かが犠牲になっちまう前に、今度こそ!」
「――ああ、行こう!」

 かくして、覚悟を決めた一人と一匹の主従は駆け出した。

 すべての命が、あるがままに生きられる――自分達の求めた未来を目指して。



【C-6/商業地区・商業地区と学術地区を繋ぐ橋近辺/一日目 午前】

【葛葉紘汰@仮面ライダー鎧武】
[状態] 普通
[令呪] 残り三画
[装備] 戦極ドライバー
[道具] オレンジロックシード
[所持金] やや貧乏(一日分のアルバイト給料)
[思考・状況]
基本行動方針: ユグドラシル(聖杯戦争)を許さない
1. 中学校に向かい、関わったサーヴァントを見つけ出し、討伐令に備える。誰にも誰も殺させない。
2. 昨夜の強盗(アーマードライダー?)のことも気になるけど、今は中学校だ!
3. 味覚を取り戻す方法、魔術都市なら………ないよなぁ
[備考]
※ズボンの右腰にオレンジロックシードをつけてます。他のロックシードの手持ち状況は、後の書き手の皆様にお任せします
※職場を紹介した鯨木かさねの『罪歌』の洗脳を受けているかは不明です
※アーマードライダーがユグドラシルにいる可能性を考えてます
※バイトを途中で抜けました。無断なので多分解雇されます。


【セイバー(アルファモン)@DIGITAL MONSTER X-evolution】
[状態] 普通(ドルモン状態)
[装備] なし
[道具] なし
[所持金] なし
[思考・状況]
基本行動方針: 命を受け継ぎ、生き、託す
1. 紘汰と一緒に中学校に向かい、これ以上の犠牲を防ぐ。
[備考]
※戦闘時以外は魔力の消費を抑えるため、ドルモン状態でいることにしました



【共通備考】
※第一回放送で討伐令が発令されることを知りました。
※聖杯の不具合で、現在サーヴァントに関する知識を得られなくなっていることを知りました。






「……悪いが俺は誰の味方でもなければ、誰の敵でもないんでね」

 そんな二人とのやり取りを終えたばかりのサガラは、どことも知れぬ場所にその姿を現した。
 誰に向けたものかも知れぬ、能書きのようなものを嘯きながら。

「不利な奴を見てると、つい肩入れしたくなっちまうのさ」

 遠からず自らの行う放送により窮地に立たされるイレギュラーを思い描いた彼は、不意に苦笑する。

「……ま、それも何の誤解もないまま事が運べば、だがな」

 葛葉紘汰とそのセイバーを炊き付けはしたが、すべての真実を伝えたわけではない。
 嘘を吐いたわけでもないが……果たして彼らは、大量の死者が出る原因となったというサーヴァントと、何の衝突もしないで済むだろうか。

「世界ってのは果てしないもんだ。全てが誰かの思うが侭、なんてことにはならないのさ」

 そんな、最強の黄金聖闘士と衝突する可能性のあるサーヴァント――ルーラーですら見通せない空白の席の主の神話を思い返して、サガラの口調に真剣な成分が戻った。
 数多の世界を渡って来たサガラでさえも、不確かな伝聞でしか知らぬその神話を前にすれば、余裕でばかりはいられない。

「……ユグドラシルが暴走を始めようとしたならば、アレが召喚されても不思議ではないかもしれんが…………まさか禁断の果実の一部を取り込んだ今の葛葉紘汰でも、十全の力を発揮させることができんとはな」

 名高きオリンポス十二神族とも拮抗する力を携えて、イグドラシルの下に秩序を守る聖騎士たちへの抑止力――本来ならば、サーヴァントの規格になど到底納まるようなものではない。
 そんなものが召喚されているというのも、おそらくは聖杯を悪用されたムーンセルの抵抗の一つなのであろう。もっとも無理やりに規格を落とした分、竜の因子は正しく機能もしていないようであったし、おそらくはパラメーターにも少なからぬ影響が出ているのであろうが……
 それだけグレートダウンをしたところで、その存在が規格外であるということに変わりはない。
 如何にオーバーロードの域に達しているとしても、禁断の果実そのものを手にしていない今の葛葉紘汰程度では、手に余るのもむしろ必定と言ったところか。
 おまけに自身も前衛として戦おうとする葛葉紘汰の性格も手伝って、上手い具合に他のサーヴァントでも抗し得る可能性が出来ている。

「――いや。葛葉紘汰の拘束具としては、あれぐらいでなければ足りないということか」

 此度の聖杯戦争において、マスターには純粋な戦闘能力だけでならサーヴァントに拮抗、もしくは凌駕する力を持つ者も数こそ少ないがいるにはいる。
 その大半は、力でこそ勝っていようと英霊の生涯が培った技能や経験、そして英霊が英霊たる意志の前には及ばないのだとしても……中には例外となる者もいるだろう。

 その筆頭候補こそが、葛葉紘汰だ。
 もはやその身は幻想へと足を踏み入れており、下手なサーヴァントを宛がおうものならばその性能に関わらず、自らの力のみで戦い抜くことも可能なバランスブレイカーだ。

 ――だからこそ、彼にはアルファモンが与えられた。 

 アルファモンの圧倒的なまでの力は、葛葉紘汰でさえも満足な魔力を供給することが適わぬ足枷となり、そして葛葉紘汰自身の力をも封じる足枷となる。
 互いが互いの足を引っ張り合うというのは、この世界樹に集った主従の中でも最良といえる関係を持つ彼らに対しての最高の皮肉と言えるだろう。

 とはいえ、それでも彼らの戦闘能力はやはり頭一つ飛び抜けている。仮に聖杯を掴もうと望んだならば、その願いが叶う公算は極めて大きいかもしれない。
 だが力だけではどうしようもない戦いへと彼らは身を投じている。それも、限りなく勝算の小さい戦いだ。
 この先、何度も何度も辛酸を舐めることとなるだろう。

「それでももし、おまえ達が自らの希望を貫き通せたなら、その時には――――――」

 彼らが求める未来を、その手で実現させることができたなら。

「――――その時こそ、俺がマスターとなったことに意味ができるということかもな」

 自らに架した話を進める者としての役目。それは間違いなく彼らの行く末と衝突することになる。
 バーサーカーがセイバーに力で勝つことなど不可能。だが、魔力供給というただ一つの差が、彼らと自らの間に絶望的なまでの差を生んでいた。
 精霊による守りは、力を削がれていてはアルファモンですら突破することは叶わないだろう。
 神樹の化身となった勇者に、抑止の騎士は敗れ去る――それが彼らの最期に辿る未来だ。

「因果なもんだね……ま、それも――あいつの思惑通り運んでいたら、だけどな」

 アルファモンの敗北――しかしその未来は、サガラたちと葛葉紘汰たちの主従が、一騎打ちした場合の話だ。
 葛葉紘汰たちが求めた未来を実現した時、彼の傍にいる者たち次第では、覆ってしまう想定に過ぎない。
 それこそ、いくら半神の勇者であっても――究極の聖騎士(ロイヤルナイツ)と、最強の黄金聖闘士(ゴールドセイント)、二人の神殺しを纏めて相手取ることになってしまっては、敵う道理などありはしないのだから。



「さて……アーチャーにご執心なのは結構だが、周りにも気をつけておかないとこの聖杯戦争――――――本当にご破算になっちまうかもしれないぜ?」



 この場にはいない同業者に語りかけるように、冗談めかした言葉を残しながら……サガラもまた、自らの役割のために歩み出した。



【サガラ@仮面ライダー鎧武】
[状態]普通
[令呪]残り三画
[装備]???
[道具]???
[所持金]???
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯戦争の進行を見守る
1. 次の放送に備える
2. 葛葉紘汰の動向が気になる(無自覚)
[備考]
※現在位置は不明ですが、転移できるのであまり関係ありません。詳しくは後続の書き手さんにお任せします。



[全体の備考]
※第一回放送にて、聖杯の不具合(サーヴァントの情報閲覧の制限)についても言及される予定です。






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