主兵装であるライフルを失ったのはアリスにとっても誤算だった
しかし先の第一撃で敵の大まかな構成も把握できた
(敵は軽量4脚の格闘戦タイプ・・軽量化の為にバックユニットも装備していなかった)
センサーに優先度を音に絞り耳を澄ませる
スピーカーから聞こえる地面を磨る音とジェネレーターの駆動音から大まかな位置を確認する
その一方向にメインカメラを向け、岩陰から飛び出してくる4脚のACにミサイルをノーロックで撃ち込む
目標を持たずに撃ちだされたミサイルは大きく逸れる
ある物は遥か遠くへ、ある物は無関係な岩場へ、そしてある物は地面へ
地面に当たったミサイルは小規模な爆発を起こし地表を捲らせる
僅かな凹凸だが地上を高速で滑る4脚には―――
「チッ・・・脚を捕られた!」
姿勢制御システムが異常を知らせるアラートを鳴らす
(脚を持ち上げて移動をしなければ・・!)
しかし既に時は遅く、モニターには射突ブレードを振りかぶるACの姿があった
システムを巡航モードにしてオーバードブーストを起動する
日は既に暮れ世界を暁に染めていた
「何故、見逃したのですか?」
背後からフィオナが尋ねる。アリスは言葉を探るが何も浮かばなかった
「考えなんて無かった」
「・・変わってる人」
あるいは彼女の前で人を殺めたくなかったのかもしれない
所詮は綺麗事に過ぎないのだろう
彼の手は既に汚れきってるというのに
Maybe continued.....