「5時方向からMT部隊接近!今度は機動力の高いアイボが混じってるから注意して下さい!」
【敵増援を確認】
「今度は真後ろかよ…!」
【敵増援を確認】
「今度は真後ろかよ…!」
フットペダルを踏み込み、操縦桿を捻って機体を急旋回させ
振り向くと同時にライフルを数発発砲
一体のアシモの頭部を吹き飛ばし、行動不能にする
転倒する機体に後続のアイボが一機だけ巻き込まれ、爆発した
そうしている内にアイボが2機、残骸をスラリと避けてこちらに猛スピードで向かって来る…
振り向くと同時にライフルを数発発砲
一体のアシモの頭部を吹き飛ばし、行動不能にする
転倒する機体に後続のアイボが一機だけ巻き込まれ、爆発した
そうしている内にアイボが2機、残骸をスラリと避けてこちらに猛スピードで向かって来る…
「否、既に追い越されて後ろを取られた…っ!!!」
アイボが搭載している単発式のミサイルが2機分
一度に着弾し激しい衝撃が体を襲う
一度に着弾し激しい衝撃が体を襲う
「ただのゲームじゃ…ねぇっ!」
冷酷な機械――VRシミュレーター――は容赦無く
この若いレイヴンを揺さぶった
この若いレイヴンを揺さぶった
一発しかないミサイルを射出したアイボは
此方を機銃で牽制しつつ足首の付近のローラーを展開
姿勢を低くして一目散に逃げ出した
アレには「追い着けない」
短く舌打ちをしてミサイルを展開
残りのアシモにライフルと一緒に叩き込んで沈黙させる
此方を機銃で牽制しつつ足首の付近のローラーを展開
姿勢を低くして一目散に逃げ出した
アレには「追い着けない」
短く舌打ちをしてミサイルを展開
残りのアシモにライフルと一緒に叩き込んで沈黙させる
「レイヴン、辛いミッションでしたが…お疲れ様です」
「ふぅ…やっと終わったか…」
「…と、言う訳にもいかないのですがね」
「?」
「ふぅ…やっと終わったか…」
「…と、言う訳にもいかないのですがね」
「?」
セシリアの言葉の意味が分からずキョトンとする
しかし、その意味は直後に増援の警告と
仮想空間上の機体の目前を通り過ぎた巨大な
エネルギーの塊によって体に叩き込まれた
しかし、その意味は直後に増援の警告と
仮想空間上の機体の目前を通り過ぎた巨大な
エネルギーの塊によって体に叩き込まれた
【敵増援を確認。先行者です】
「先行者だと…シミュレーターで殺す気かよ!?」
「涙を飲んで持ち堪えて下さい。撃破されるか、すれば今回は終了ですから」
「笑顔で恐ろしい事を…ええい、迎撃する!」
「先行者だと…シミュレーターで殺す気かよ!?」
「涙を飲んで持ち堪えて下さい。撃破されるか、すれば今回は終了ですから」
「笑顔で恐ろしい事を…ええい、迎撃する!」
先行者の一撃は非常に重い
その先行者に撃破されるということは即ち
一撃必殺の衝撃がVRシミュレーターによって
パイロットに加えられるという事である
アイボのミサイルなど比では無い
その先行者に撃破されるということは即ち
一撃必殺の衝撃がVRシミュレーターによって
パイロットに加えられるという事である
アイボのミサイルなど比では無い
「狙いはチャージから発射直後にかけて…その隙に首を刎ね落とせば…」
フットペダルを踏み込んでブースターを点火
機体を段々と加速させながら燃料タンクの間を滑る様に抜け
先行者の正面に出る
すると案の定、八角形の悪魔は
エネルギー――タオ――のチャージ、コマネチを始めた
機体を段々と加速させながら燃料タンクの間を滑る様に抜け
先行者の正面に出る
すると案の定、八角形の悪魔は
エネルギー――タオ――のチャージ、コマネチを始めた
「何時見ても相手を馬鹿にしてるとしか思えない動きだよな…来たかっ!」
【エネルギーチャージ完了。照準セット、アンカー射出】
【エネルギーチャージ完了。照準セット、アンカー射出】
先行者が正面から高速接近してくるACに照準を合わせ
足裏のアンカーで機体を固定
直後に股間の砲が火を吹いた
足裏のアンカーで機体を固定
直後に股間の砲が火を吹いた
「っ!左腕があれば十分!」
ギリギリのタイミングで機体を左にスライドさせるが
右腕部が接触、融解――と言っても、データ上ではあるが
相応の衝撃が宗治を揺らす
右腕部が接触、融解――と言っても、データ上ではあるが
相応の衝撃が宗治を揺らす
「ゲーム終了だ、八角形!」
先行者の右後方に躍り出た機体を急旋回させ、ブレードの刃を形成
首元を狙って左腕を水平に振り、先行者の首――八角形の頭部を刎ね落とした
首元を狙って左腕を水平に振り、先行者の首――八角形の頭部を刎ね落とした
「先行者の撃破を確認」
「やっと終わったか…」
「新人でこの成績は優秀と言って差し支え無いでしょう。お疲れ様でした」
【システム、通常モードに移行します】
「やっと終わったか…」
「新人でこの成績は優秀と言って差し支え無いでしょう。お疲れ様でした」
【システム、通常モードに移行します】
シミュレーターのハッチを開放し数時間ぶりに外に出ると
既に時刻は6時を回っており、外は薄暗くなっていた
かれこれ5時間近く仮想空間で戦闘していたことになる
既に時刻は6時を回っており、外は薄暗くなっていた
かれこれ5時間近く仮想空間で戦闘していたことになる
「さて、もう明日に備えて帰宅しましょうか。今日はまだ初日ですし、
明日からしばらく泊り込みになるので」
「泊り込み?」
「新人なら誰でもやるそうです。最初の、組織から信頼の無い時期は
泊り込みでミッションを待って契約、出撃を繰り返してポイントを稼ぐんです」
明日からしばらく泊り込みになるので」
「泊り込み?」
「新人なら誰でもやるそうです。最初の、組織から信頼の無い時期は
泊り込みでミッションを待って契約、出撃を繰り返してポイントを稼ぐんです」
新人レイヴンはレイヴン試験でレイヴンとしての最低限の実力を確認されるだけで
組織からの信頼は全く無い。だから、最初の内はオペレータと寝食を共に過ごし
来るミッションを片端から受けて信頼度を上げるのだ
組織からの信頼は全く無い。だから、最初の内はオペレータと寝食を共に過ごし
来るミッションを片端から受けて信頼度を上げるのだ
「はぁー、レイヴンってやっぱ大変なんだなぁ…」
「明日には寝袋を管理人さんから借りて来ないと行けませんね。」
「…寝袋?簡易ベッドが在るんじゃ無いんですか?」
「私が使わせて貰うので。貴方は男性、ましてやレイヴンなんだから床で寝て下さいね」
「…」
「明日には寝袋を管理人さんから借りて来ないと行けませんね。」
「…寝袋?簡易ベッドが在るんじゃ無いんですか?」
「私が使わせて貰うので。貴方は男性、ましてやレイヴンなんだから床で寝て下さいね」
「…」
無茶苦茶な理論だが反論出来ない
哀しい男の宿命が彼に圧し掛かった瞬間であった
哀しい男の宿命が彼に圧し掛かった瞬間であった