都立中高一貫校と偏差値
雑誌などには「公立中高一貫校は、偏差値と関係ない」なんて書かれていますが、都立中高一貫校は偏差値と合否はかなり相関するということをよく聞きます。実際はどうなのでしょうか?
都立中高一貫校偏差値ランキング (四谷大塚・男子80%)
60 小石川 武蔵
59
58
57
56
55 両国 九段
54
53 桜修館
52 立川国際
51
50 白鴎
49
48
都立中高一貫校の合否は偏差値と相関している
母「公立中高一貫校というと、合否に偏差値は関係ないという考えが一般的ですが、どうやら都立中高一貫校は事情が違うようですね」
P「はい。都立中高一貫校では、偏差値と合否が密接に関連していることが、大手塾の資料等で判明しています。公立中高一貫校は偏差値と関係がないと言っているのは、『私立向けの勉強が役に立つ』で言った適性重視型の入試を課す公立中高一貫校です。公立中高一貫校には、偏差値と合否が相関する学校と、そうならない学校があります。都立中高一貫校は、私立入試に近い学力重視型の入試を課していますから、当然、合否と偏差値は相関します。偏差値の高い生徒は、かなりの確率で合格しています。
母「『小石川では、偏差値40の子が受かって、偏差値70の子が落ちた』なんて書いてある雑誌がありますが、これはどういうことでしょうか」
P「このようなことが多く起こったのは、実は入試1年目です、2年目以降は、このようなことがほとんど起こらなくなりました。1年目は満足に準備している生徒がほとんどいなかったので、このような結果になることもありました。しかし、今ではこのようなことはほとんど起きません。また、今回の2人の合否の例には、重要なことがあります。偏差値70の生徒は、適性検査対策をまったくせず、小学校の授業も休みがちだったりして、成績が良くありませんでした。いくら偏差値の高い生徒でも、ある程度都立対策の勉強をしないと合格はできません。一方、偏差値40の生徒は、適性検査模試ではいつもトップクラスの成績にいました。しかし、私立入試向けの模試では偏差値が40程度でした。これは、適性検査模試と私立入試向け模試の難易度があまりにも違うためです。たとえ最難関私立中学に受かるような素質のある生徒でも、私立向けの勉強をしなければ偏差値は40台でしょう。さきほどの偏差値40の生徒は、まったく私立向けの勉強をしてませんでしたから、私立入試向けの模試を受けたら偏差値が悪いのは当たり前です。頭が良くないのではなく、私立向けの勉強をしていないから偏差値が低く出ただけです。この子がもしも私立向けの勉強をして模試を受ければ、高偏差値を記録したでしょう。ただし、先ほども言ったとおり、これは入試初年度の話で、現在は多くの生徒が私立向けの勉強もしているため、このようなことは起こりにくくなっています」
母「どれぐらいの偏差値があれば、合格圏でしょうか」
P「最難関の小石川で、日能研や四谷大塚の模試で偏差値60以上取れてれば、まず受かります。これで受からない生徒は、記述力不足、学校別対策不足、小学校の成績が悪いといった原因があげられます。もっとも、私立中学でも偏差値の逆転現象は普通にありますからね。偏差値65の生徒が落ちて、偏差値45の生徒が受かったなんて例は、たいていの学校にありますよ。」