私立向けの勉強が役に立つ

私立向けの勉強が役に立つ!!


合格者のほとんどが私立向けの勉強もしている

 

母「都立中高一貫校について調べると、『私立向けの勉強をしていて正解だった!』という感想が目立ちますね」

P「はい。都立中高一貫校の入試では、私立入試でよく出る問題が多く出題されているんです。」

母「公立中高一貫校の適性検査は、私立入試とは傾向がまったく違うのではなかったですか?」

P「雑誌などでそのように書かれていることがありますが、都立中高一貫校には当てはまりません!そもそも、公立中高一貫校と一括りに語ることなどできません。公立中高一貫校は、都道府県によって試験内容や教育内容にかなりの違いがあるのです。都道府県ごとの違いをちょっとまとめてみましょう」

 

一.公立中高一貫校の設置目的の違い

・公立復権型(進学重視型)・・・東京都、京都府、千葉県など

 私立中高一貫校の台頭により公立高校が苦戦している地域に多い。公立高校の地位向上を目指すため、私立中高一貫校と変わらないカリキュラムを組む学校が多い。設置される学校も、東京の小石川高校や両国高校、千葉県の県立千葉高校、京都府の洛北高校など、トップクラスの名門校が多いのが特徴です。

・個性伸張型(個性重視型)…大阪府、神奈川県など

 私立中高一貫校によくある進学重視タイプの中高一貫校ではなく、6年間によるゆとりや、個性の伸張を目的とするタイプの学校です。これらの学校では、先取り学習や大学進学よりも、個性を伸ばすためのカリキュラムが組まれています。

 

二.適性検査の違い

・学力重視型(私立入試型)・・・東京都、さいたま市、京都府など

  名前は「適性検査」でも、事実上の学力選抜です。上記の公立復権型は、学力重視型の適性検査を課してきます。私立入試と同じような入試問題が多く出題されるため、作文対策をちょっとやったぐらいでは合格は不可能です。入念な対策が必要といえるでしょう。

・適性検査型・・・香川県、埼玉県、神奈川県など

 私立入試とは傾向がまったく違います。作文を重視しているのが特徴で、他の問題も難問はほとんどなく、私立入試に必要な知識や入念な対策は必要ありません。面接や調査書を重視している学校が多いのも特徴です。

 

 

P「以上のように、都立中高一貫校は公立復権型かつ学力重視型です。私立入試と傾向が違うのは、適性検査型の地域であって、都立中高一貫校はこれに当てはまりません」

母「なるほど。では、やはり私立コースに通っている生徒のほうが合格率が高いということですよね」

P「そうですね。その例として有名なのが、小石川中です。都立中高一貫校のトップ校で、かなり受験生のレベルは高いのですが、入学者の7割が私立コースをとるなどして、私立中学も受験していたのです。少なく見積もっても、合格者の7割は私立向けの勉強をしていたということです。私立中学を受けなくても私立向けの勉強をしていた方もたくさんいますから、合格者のほぼ全員が、私立向けの勉強をしていたと考えていいと思います」

母「私立向けの勉強をしていると、入学後の勉強も負担が少なくなると聞きますね」

P「私立向けの勉強は、適性検査だけでなく、入学後に濃密な中高一貫カリキュラムについて行くためにも非常に有効です。都立中高一貫校は、私立中高一貫校とカリキュラムや使用教材は変わりません。この濃密なカリキュラムに遅れずについて行ける学力が、都立中高一貫校に入学した生徒には求められます。合格したら終わりではないのです。合格後のことを考えても、私立向けの勉強はとても有効ということですね」

 


算数をどれだけ勉強したかで、適性検査も入学後の成績も決まる!?

 

母「受験勉強で最も力を入れるべき教科は何ですか?」

P「ずばり、算数です。『算数を制するものが受験を制す』は、都立中高一貫校でも同じです」

母「適性検査というと作文を思い浮かべる人が多いと思いますが、なぜ算数なのですか?

P「作文の出来で合否が決まるのは、適性検査型の入試を課す地域の公立中高一貫校です。都立中高一貫校の場合、作文はほとんど点差がつきません。みんなできるんですね。都立コースに通っている生徒が一番練習してきたのが作文です。これでは差がつきません。都立中高一貫校においての作文問題は、できて当たり前の問題なのです。それに対して、算数は最も差がつきます。『都立中高一貫校の算数は私立入試と垣根がない』なんてよく言われますが、本当にその通りで、私立入試で頻出の問題が数多く都立中高一貫校の入試問題で出題されているんです。はっきり言って、1年間都立コースに通ったぐらいでは、とてもじゃないけど受験算数を網羅できません。ここで、私立コースに通って算数を勉強してきた受験生と、都立コースに通って断片的にしか算数を勉強してこなかった受験生と差がですんです。私立コースで鍛えられた生徒は、都立コースの生徒の大半が苦戦している問題を、短時間で解いてしまいますから。結果的に、都立入試での合格者は、私立向けの勉強をした受験生が圧倒的に多くなるということです。」

母「入学後も、算数をしっかり勉強をしてきた子が強いと聞きます」

P「入学後に最も差のつく科目は英語と数学です。特に、都立中高一貫校はどの学校も先取り学習型のカリキュラムですから、どんどん先に進みます。入学段階で算数の学力があるかないかは重要です。中学受験においての算数は、中学以降の数学の土台となるので、しっかり勉強したかどうかが入学後の明暗を分けるといっても過言ではありません。」

母「入試が残念な結果に終わり、高校受験に切り替える場合でも、中学受験で算数を勉強していると有利と聞きます」

P「有利なんてもんじゃありません。圧倒的に有利です。100m走にたとえるならば、中学入学時点で、中学受験の算数を勉強してきた子とそうでない子はスタート地点で50mも差がありますよ(笑)」

母「実際、都立中高一貫校が残念だった子供が、その後高校受験で都立難関校に数多く合格しているようですね」

P「白鴎中を受けた一期生が高校1年生になりましたが、不合格だった子も、初めて都立中高一貫校という大きな目標に向けて勉強したことを生かして、高校受験で成功する生徒が多いですよ。中学受験によって勉強習慣が身についた子は、高校受験で必ず結果を残します。」

 


 

私立コースに通わす?自宅学習で私立向けの勉強もしておく?

 

母「都立中高一貫校を目指すうえで、多くの方が悩むことだと思います」

P「もしも塾に通わすのであれば、小5までは私立コースを絶対に薦めます。全科目取れたら取りたいですが、無理なら国語と算数で良いでしょう。」

母「都立中高一貫校を目指すなら、私立向けの勉強をしておかなければならないのは分かっているのですが、私立コースと聞くと、とても勉強が大変な気がするのですが」

P「大変なのは小6の受験学年です。勉強が嫌い、極端に苦手というお子さんでなければ、私立コースはむしろ楽しく、知的好奇心を大いに満たしてくれます。実際、塾での勉強が楽しくてしかたがないという生徒が本当に多いんです。小6になると、私立受験生の日常は勉強一色と化し、苦痛となる生徒も多くなりますが。小5までなら、都立を目指す場合でも私立コースを勧めます」

母「塾には、公立中学校へ進学する生徒のためのコースを設けているところも多いようです。こちらのコースはどうですか?」

P「どちらかと言えば私立コースを勧めます。勉強量に差がでますし、小学校の内容を付け加えた程度しかやりません。良い先生も、基本的に私立コースで教えています。」

母「小5までは私立コースを薦めるということでしたが、小6はどうですか

P「子供の状況や家庭の判断次第ですね。子供が私立コースでの勉強を楽しんでおり、特に苦痛そうでないなら、あえて小6になってから都立コースに変える必要はありません。実際、私立コースから毎年大量の合格者が出ています。合格率も私立コースのほうが高いです。小6も私立コースに在籍する場合、塾での勉強に並行して、自宅で公立中高一貫校特有の問題対策をしておくと良いでしょう。私立コースに在籍しつつ、自宅等で都立対策をしていた受験生の合格率は極めて高いです。」

母「でも、小6の私立コースは楽ではありませんよね」

P「楽ではありませんね。ただ、無駄には決してなりません。おそらく、このまま公立中学へ進学すれば、学年トップでしょう(笑)負担が大きいと考えれば、小6で都立コースに変更すると良いでしょう。小5まで私立コースで鍛えた学力があれば、都立の適性検査において大きなアドバンテージとなります(もちろん、入学後も)」

母「都立中高一貫校に入りたいけれど、どうしても通塾で私立向けの勉強は厳しい方はいると思います」

P「そうですね。まるで塾の宣伝員のように私立コースを薦めましたが(笑)、自宅学習で私立向けの勉強をするという手もあります

母「都立中高一貫校に合格された方からよく聞かれるのが『予習シリーズ』ですね」

P「予習シリーズは、都立中高一貫校を目指すうえでの定番となっていますね。合格された方に受験勉強について聞くと、予習シリーズという言葉を頻繁に聞きます」

母「なぜ予習シリーズなのですか。そもそも、予習シリーズとは何かを知らないのですが…」

P「予習シリーズとは、四谷大塚という中学受験最大手の塾が内部生用に発行している教材です。優れた教材なので、早稲田アカデミーなど他の大手塾も使用しています。小4から小6の各学年2冊ずつ、4教科で計24冊あり、一週間で1単元を学習できるようになっています。予習シリーズの優れている点は、自宅で保護者が教えられる教材として作られたため、説明が詳しく丁寧であるところです。中学受験における教科書だと思ってください。これを基礎に勉強すれば、かなりの力がつきます。購入については、四谷大塚のサイトをご覧ください。」

母「説明ありがとうございます。教える側の力量は必要かと思いますが、これを使えば、自宅で都立合格のための私立向けの勉強もできそうですね」

P「そうですね。予習シリーズが定番ですが、日能研の『知の翼』も人気です。Z会の『受験コース』もあります。子供に合った教材を選んでみてください

母「分かりました。ところで、進研ゼミはどうですか。通信教育の最大手ですが」

P「進研ゼミは、適性検査型の試験を課す公立中高一貫校には向いてますが、都立中高一貫校のような学力重視型の試験を課す学校には不向きです。作文対策には有効ですがね。進研ゼミと予習シリーズの並行も選択肢としてありますが、ちょっと大変かもしれません」

 

最終更新:2008年06月04日 00:14
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