俺は切嗣にはやてと一緒に拾われてから切嗣を父のようにはやてを妹のように思ってきた。
そして切嗣はもう持たないかもしれない。はやても長くないのかもしれない。
そんな事はもちろん認められない。けれど考えど何もできない自分の無力さに腹が立ち
寝たきりの切嗣の前でただ唇を噛みしめていた。

「士郎…わかっているだろうけど僕はもう長くない。
それではやてのことで頼みがあるんだ」
「そんな事いうなよ!爺が自分でやれよ!俺は聞かないからな!」

切嗣の頼みを聞いたら切嗣がそのまま逝ってしまいそうで嫌だった。

「士郎…はやてのことは好きかい?」

なんでさとかわしたかったけど切嗣の目は真面目だった。

「ああ、爺と同ように大切に思ってる。俺にとっては妹みたいなもんだよ」
「…妹か、少し微妙かな」
「何がさ?」

一呼吸置いて切嗣は続けた。

「僕は今まではやての足の麻痺を遅らせて来たけど僕がいなくなったらそれができなくなる。
だから別の方法でなんとかするしかない。はやてのあれは
魔力が吸われてることで起きてる。毎日吸われてる以上の魔力を
はやてに注ぎ込んでやればいいはずなんだ」
「どうすればいい?」
「僕はね、正義の味方になりたかった。なりきれはしなかったけれど
士郎がはやてを救ってくれてその手助けができるなら
それはそれでいいのかもしれない…
いいかい士郎、女の子には優しくだ」

その夜はまだ切嗣は元気だった。はやてを救う方法を俺に伝えると
赤面する俺をカラかったりして行け性技の味方になれだとかはやし立てた。
その内容は正直卑怯だ嘘だ、ととも思った。
はやての眠っている部屋の障子を開けるとその音ではやては目を覚ました。

「士郎?どないしたんこんな夜に?」

目をこすりながら上半身は起こしたはやてを前に俺の心臓は今にも爆発しそうだった。

あれから五年経ち俺もはやても穂群原に入学した。今日は慎二の手伝いで帰りが遅くなった。

「あ、がはっ!」

今の俺の心臓は爆発しそうじゃなく爆発してしまっていた。意識は過去を思い出し
そして間もなく潰えた。それから戦いの始まりが始まる。

「あー学園バカップルの片割れじゃないいい気味な気もするけど
このまま見捨てたら目覚めが悪いわ」

聖杯戦争始まります。


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最終更新:2008年05月10日 12:25