第35話「分裂症」
夢から出てきた二人はベットから降りて、部屋の隅の椅子に腰掛けていた。
蒼「・・・誰だったんだろう、あの人・・・」翠「しらねえですよ!こっちが聞きてぇです!」蒼「・・・聞いちゃおうか、直接ジュン君に。」翠「うーん・・・其れもそうですね・・・」
そして待つ事15分、良い加減飽きてきた頃、ジュンが目を覚ました。
J「ふぁーぁ・・・(ゴキキゴキ!!コキコキ・・・)」双子(随分凄い起き方・・・)(ですね・・・)J「・・・何か用か?」蒼「ふぁ!?あ・・・ああ、今日ジュン君の夢に入ったんだけど・・・」J「あいつ等か?」翠「知ってるんですか!?」J「知ってるも何も、アレは俺の人格だ。」双子「ハァ?」
ジュンはこう説明をした。戦争に行った人間は、大抵精神障害を起こすが、其れが俺の場合多重人格化だと・・・
J「判ったな?だからあれは、俺であり俺で無い。」蒼「そう言う意味だったんだ・・・」翠「所で、あの木の下の人間は何なんですか?」J「所が、俺も誰が誰だかいまいち把握し切れない、すまんな。」蒼「そうなんだ・・・」J「腹減ったなぁ・・・んじゃ、飯食ってくる。」翠「あっ!ま・・・待て!」
しかし、翠星石が言う前に、とっとと行ってしまった。
翠「仕様が無いですね・・・私達も食べに行きますか・・・」蒼「うん、そうだね。」
誰も居ない以上、この部屋で何かする訳にもいかない為、食堂に向かった双子。色々な事を雑談しながら進んでいると、あっと言う間に付いた意外と近かった。
翠「それにしても、少し眠いですね・・・」蒼「そりゃ、昨日から寝てなかったから・・・」翠「此処は今なら人がいないですし、寝てしまいますか・・・」
普段なら、止める蒼星石だが。人も何故かないし、何より眠いので、寝る事にした。何時間寝ただろうか、隣で何かを食べる音がする・・・やけに五月蝿い、何かを凄い勢いで食している音だ。2人は起きて、見てみると・・・
J(ガツガツ、ムシャムシャ、バリゴリ!!)
ジュンその人だった。双子は大分寝たお陰か、疲れと眠気は取れていた。
翠「チビ人間!、少しは静かに出来ないんですか!?」蒼「・・・姉さん・・・」J「ん?2人とも起きたのか、お早う。」
何事も無いようにそう言うと、ジュンはラーメンとカニを掻っ込んでいた。
翠「だからお前(グゥーギュルルルル・・・)は・・・飯をよこすです・・・」蒼「ははは・・・僕もお願いできるかな?」J「あいよちょっとお待ち。」
そう言うと、ジュンは飯を作りに奥の部屋に行った。肉の焼ける良い匂いや、醤油の香しい匂いがして来る。
J「はい!お待ちどうさん!」翠「うわぁ・・・」蒼「・・・凄い・・・」
二人が驚くのも無理は無い。北京ダックの手羽焼きや、金貨豚の豚骨ラーメン、タラバガニをゆでた海藻サラダ・・・取り合えず物凄い量と豪華さだった。
翠「さっさと頂くですぅ!」蒼「うん、そうだね、いただきます。」
そう言うと、2人は少し興奮気味に御飯を食べ始めた。
翠「こ・・・コレは!豚の最高潮の金貨豚の肉を何時間も煮て、其れでいて変な風になっていない・・・肉が口の中で蕩けるですぅ!」蒼「うん、凄い!美味しいや!」J「・・・今日は、配達やに食材を頼んだからなぁ・・・取り合えず、美味しいって言って貰えれば、料理人としては感謝の極みってか。」翠「・・・ハッ!コレはチビ人間が作った料理なのに、何でこんなに美味しいんですか!?」J「だって、俺一応三ツ星料理人やし~」
何もんだよおめぇは!?と言う突っ込みをする暇も無く、2人は幸せそうに御飯を食べていると、後ろから匂いに誘われた人が出てきた。
銀「コレは・・・金貨豚!?」真「良い香りね・・・」金「今日の朝ご飯は何かしら?。」雛「あー!美味しそうなのー!」薔「翠星石と蒼星石ずるい・・・」雪「今日は手塩に掛けましたね?ジュンさん。」
ぞろぞろ出てきて、あっと言う間に食堂に全員が集まり、料理を食べ始めた。結局、料理はあっと言う間に、無くなり皆がおかわりを頼み、ジュンがまた作ることになった。
暫くして食事も終わり、皆は戦闘体制を何時も保持しておく事になった。そして、出てきた命令は見敵即殺(サーチ&デストロイ)あわよくば、敵から情報を頂いて拘束し、本部に送ると言う事だった。
J「良いか皆、コレは命にかかわる事だよく聞け、不利なら逃げろ、それだけだ。」
そう言うと、2つのグループに分けた。一つは、此処に残り敵から此処を守る役割。一つは情報を集める役割。そして各自行動を始めた。
チームA真紅:名前:ホーリエ、人型、威力AからDランク、範囲:10~15メートル、能力:考えた銃弾が出てくる。雛苺:名前:ベリーベル、人型か蔦型、威力:BとD、範囲:人型5メートル、蔦100メートル、能力:弾力性の高い蔦を出す、編むと人型になる。翠星石:名前:スイドリーム、如雨露型、威力A、範囲2~30メートル、能力、水を垂らしたところから木を生やし、敵を刺す、傷に水を掛けると、回復する。金糸雀:名前:ピチカート、バイオリン型、威力A~D、範囲:50メートル、能力:的確な音波攻撃、遠ければ威力は下がる。雪華綺晶:名前:エンジェルズ、人型、威力B、範囲100kメートル、能力:テレポート。笹塚:名前:ブラックシリンダー、人型、威力A、範囲25メートル、能力:物質を他の物質の変える。ソリッド・スネーク:UNKNOUN
チームB水銀燈:名前:メイメイ、装備型、威力:B、範囲:約20メートル、能力:機動力の高い飛行が出来、羽を飛ばしたり、羽で切ったりすることが出来る。蒼星石:名前:レンピカ、鋏型、威力:A、範囲:1~2メートル、能力:体のすべての戦闘に関係する器官の能力上昇。薔薇水晶:名前:デスサイズ、人型、威力S、範囲10メートル、能力:どんな敵も、一撃で真っ二つにする攻撃力。桜田ジュン:名前:トリックスター、人型、威力B、範囲35メートル、能力:一時間以内の時間をいじる。アーカード:UNKNOUN
そして、各自行動を開始した。残る組みは、家で寝るなり運動するなり、各自好きな事をしているし、大体あそこがすぐ見つかるとは思えない。そして、今日の外組み。
J「まぁ・・・何か有ったら其れは其れで、嫌なんだが・・・」ア「ククク・・・実に楽しみだ・・・」薔「わーい、アッガイだ!」銀「ばらしぃーちゃん!静かに!」蒼「はぁ・・・大丈夫なのか・・・?」
心配と興奮を含めたチーム編成で、街を歩き始めた。今の所、特に問題は・・・大いに有った、街にぽつぽつキマイラが出現し始めていて、人通りが大通りなのに皆無なのだ。如何して今まで皆が皆、誰一人として気が付かなかったのか・・・・・・いや違う、恐らくここら辺一体の情報網が、一切合財遮断されていたのだ。そして、皆はここら辺から居なくなり、誰も居ないのかと思って、皆ここら辺に来るのを嫌がり。情報網をここら辺一体全て、遮断でもしたのであろう。ちょうどあそこから、色々なキマイラがこっちに向かっていた。
J「(ヒョォオ・・・)AMEN!AMEN!AMEN!AHAAAAAAAAMEN!」(パン、パン,パン、パン!!)蒼「いやあぁぁ!!」(スパン!スパスパン!)薔「・・・てぇい!」(ドゴオォン!)銀「そぉれ!」(ヒュヒュヒュ・・・サクサクサク・・・)ア「チッ・・・雑魚が・・・」(ドゴオン!!ドゴオン!!)
ジュンは銃で的確に眉間を打ち抜き、ゴリラのようなごつい狗を撃ち倒し。蒼星石は鋏を最大限に活用して、半獣を切り裂き。薔薇水晶は一気に、幾つもの半獣を纏めて切り裂いて。水銀燈は鮮やかに、空から援護射撃の羽を撃ちち。アーカードは、マグナムを軽々と乱射していた。そして、進んでいくうちに、ここら辺に一体、謎の物体が浮いているのに気が付いた。それは、鉄なのか良く分からない、血のような黒で出来ていた。そして、其れは球体の様な棒人間として、地上に降りてきた。
薔「ガンダム?」蒼「何だろうアレは・・・」銀「趣味悪いわぁ・・・」J「・・・気をつけろ。」ア「前菜は食い飽きた・・・さぁ・・・出て来い。」(・・・ガチャン・・・カラン、カラン。)
アーカードが銃をリロードすると、其れは首をもたげた。
鉄「・・・?敵・・・排除・・・コード90678・・・」薔・銀・蒼「!?」ア「任せたぞ・・・」J「判った。」
それだけ言うと其れは手を尖らせ、ジュンに切りかかってきた、ジュンは冷静にナイフで弾こうとするが。ナイフは呆気なく、ボキッと音を立てて折れてしまった。しかも、この状況ではジュンと謎の鉄が近すぎて、誰もジュンを手伝う事が出来ない。
J「ゲッ!?何何だ?こいつは・・・まさか此処で之を使うとは・・・!」鉄「・・・ジー・・・ギーギー・・・」
ジュンは特製ナイフを取り出し、対応を図る。このナイフは鉄ではなく特製の糸で出来ており、引っ張る事により、鋼や鉄の数倍の硬度を得る事が出来る。ガキィン!!響くような音を立てて、ナイフと鉄がぶつかり合う。
J「チッ!STOP THE WORLD!」
時が止まり静寂が訪れる、今のうちに4ミクロンで約250㎏の耐性を持つ糸で、謎の鉄を縛る。しかし幾ら糸が強くとも、人の肉は切れてもこの鉄は切れないようだ。
J「・・・そして、時は流れる!」鉄「ガーガーガー・・・コード2CVA16・・・」蒼「!?何時の間に縛って」薔「ジュン・・・強い・・・」銀「凄いわねぇ・・・」ア「逃げるのか?」J「今の俺じゃあ、無理だ・・・少し任せた。」ア「了解(ヤー)」
そう言うと、アーカードはジャッカルで鉄を撃ちながら、間合いを詰める。鉄は手を剣に変えると糸を切り、アーカードに切りかかる、其れをアーカードは銃で受け止める。
ア「おい!中佐!用意は良いか?」J「ヤー・・・」蒼「あれ?様子が・・・変・・・?」
その瞬間、アーカードは鉄から離れ、ジュンは両手ナイフで構える。鉄は剣にしたままジュンに切りかかるが、ジュンは完全に見切って剣を避けて、ナイフで鉄の身体を徐々に削ぎ始めた。
銀「変だわぁ・・・さっきまでとは違う・・・?」蒼「コレは・・・多重人格?」薔「wktk・・・」ア「あいつが普通の人間だとも?」
三人はアーカードの言葉に反応する。
ア「あいつは、改造人間、言わばホムンクルスだ。」銀「!?一体どういうことなのぉ?」ア「あいつは、内の組織の粋を凝らして作り上げた、最強の人間だ。」ア「腕が千切れれば再生して、ドテッ腹に穴が開けば再生する、筋力も並みの人間とは今は3~4桁ぐらいの差がある。」銀「其れで・・・如何してこんな事に?」ア「あいつの望みだ、よくは知らん。」薔「無責任だよ?・・・」ア「やったのは俺じゃないから、そんな事言われる筋合いは無い。」蒼「それじゃあ、多重人格って・・・」ア「言わば其れはスイッチ、精神状態によって肉体も変わってくる・・・」3人「・・・」
ガキン!ゴォン!鋼鉄と鋼鉄のぶつかり合う音がする。やがて鉄は鉄が削げ過ぎたのか、動きが鈍くなってきて、其処をジュンはナイフで一刀両断した。鉄の半身が落ちて、鉄は溶けて地面に吸い込まれていった。
J「・・・疲れた。」ア「よし、とっとと帰るとしよう、このままで居てもしょうがない。」J「・・・・そうだな。」蒼「ジュン・・・質問があるんだけど。」J「・・・家に帰ったら話す。」
重々しく、そして切ないような声でジュンは言った。そう言うと、雪華綺晶のワープゾーンが目の前に現れて、5人は其処を通り家に帰っていった。
このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約 が適用されます。
1文字以上入力してください
本文は少なくとも1文字以上必要です。
1文字以上入力してください。