水銀燈のファーストキス
「なあ、水銀燈」「どうしたのぉ?ジュン」朝の登校時間。私はジュンと毎朝一緒に学校に行っている。何故なら私たちは・・・「僕たちって、恋人同士だよな?」「えぇ、そうねぇ」いきなり何を言い出すんだろう?ジュンがこんな話をするなんて、今迄一度も無かった。(まぁ、面白そうだし聞いてあげよっかな)「水銀燈、話聞いてる?」「え、えぇ聞いてるわよぉ。それで何?」「僕たち恋人同士なのに、一度もキスしたこと無いよな」「・・・えっ、ええぇぇぇぇ!!!」「うわぁっ!!いきなりでかい声出すなよ」「ご、ごめんなさぁい・・・」(い、いきなり何言い出すのよぉ・・・)キス。ジュンとキスをすることなんて、考えたことも無かった。恋人と言えど、幼馴染からの延長みたいなものだ。だから、付き合うことになっても、そんな事ジュンとする気には、どうもなれなかった。鏡を見たら、自分はすごい顔をしてるに違いない。自分でも分かるくらい、顔が熱い。「あっ!HRまで5分しか無いじゃないのぉ!!急ぐわよ!ジュン!」「え?ほんとに?・・・って、待ってくれよ!水銀燈!」取りあえず、逃げれたが、問題は解決していない。その日はもう、全然駄目だった。とてもじゃないが、集中などできない。「はぁ・・・」「・・・銀ちゃん」「ひゃあっ!驚かさないでよ!おばけかと思うじゃないのぉ!ばらしー!」「・・・銀ちゃん、何悩んでるの・・・?」「べ、別に悩んでなんかないわよぉ。 乳酸菌を毎日摂ってる私に、悩み事なんてあると思うぅ?」「・・・それは関係無いと思うけど・・・」「まぁ、いいわ。で、私が悩んでたらどうするのよぉ?」「・・・もちろん、名探偵ばらしーが銀ちゃんの悩みをぱぱっと、 解決してあげよう・・・!」「探偵ごっこで解決するんなら世話無いわよぉ・・・」「・・・じゃあ、さっそく聞き込み調査に行こう!」「ちょっと!?人の話聞いてるぅ!?というか、何の事か分かってるのぉ!?」「レッツゴー!!」それからどした?「・・・ふむふむ、つまり銀ちゃんはジュンとのキスで悩んでる訳だね?」「いきなりあんなこと言われたら、誰でも驚くわよぉ・・・」「・・・意気地無し」「え?なにぃ?」「なんでもな・い・よ♪」「そぉ?」(なんか、ばらしーのテンションがおかしいわぁ・・・)「・・・取りあえず、他の人にも相談してみたら?私もついて行ってあげるから」「あなたがついて来る必要ないでしょ。まぁ、いいわぁ。行きましょう」「・・・やっぱり、ついて来て欲しいんだ・・・」「べ、別にそんなんじゃないわぁっ!!」それからそれから?「まずは翠星石と蒼星石ねぇ」「あ、見つけた。おーい」「やぁ、水銀燈に薔薇水晶。二人揃って歩いてるなんて、いいの?」「いいのって、何がよぉ?」「ジュンをほったらかしにしといて、いいのかってことですぅ」「・・・今日はたまたま・・・」「ふーん・・・ところで何か用ですか?」「うん・・・実はね・・・」キングクリムゾン!「へぇー、ジュンくんにキスを迫られたんだ」「・・・?別にいいじゃねぇですか?」「実際に迫られたら緊張するわよぉ」まぁ、緊張するとかの問題じゃ無いんだけれど。「しゃーねーやつですぅ。蒼星石が今から手本を見せてやるですぅ」「え?翠星石、手本って何・・・?っていうか、僕・・・?」「もうすぐ、アレが来るですぅ。蒼星石は普通にしていたらいいですよ。」「アレって何よぉ?」「うん・・・私も分からない」アレと言えば、とてつもないスピードと、恐るべき生命力、そして、飛行能力まである某生態兵器しか思い浮かばないけれど・・・そんなことを水銀燈が考えていたその時――!「あ、蒼嬢――――!!」ああ、アレとはこいつのことか。こいつが来て何になるの?「ほら、来たですぅ。手本を見せてやるですよ!蒼星石!」「ええっ!?何をすれば・・・取りあえず、えいっ!」「ぐはっ」「ふふっ、流石我が妹ですぅ。くらえっですぅ!」「がはっ」「いつもいつも、蒼星石をストーカーしてっ!キモイですぅ!止めを刺してやるですぅ」「ここからが本当の(ry」「付き合ってられないわぁ・・・」「うん。頼ったことが間違いだった」「あ、すいぎんとーと、ばらすいしょーなのー!」「あら、こんな所で会うなんて偶然ね」(真紅と雛苺・・・この二人もちょっと・・・ねぇ)ヒソヒソ(銀ちゃん、この際誰でもいい。とりあえず話してみよう)ヒソヒソ(余り気は進まないけど・・・仕方ないわねぇ)ヒソヒソ「どうしたの?水銀燈?」「実はねぇ・・・」キング(ry「あ、貴方達、そんなはしたない事をしていたの!」「まだしてないわよぉ!(というか、この反応・・・)」「・・・で、結局どうすればいいと思う?」「そんなこと、私には答えられないのだわっ!」「・・・やっぱり。一応聞くけど、雛苺は何かいい方法思いつく?」「セッ○スすればいいのー!」「「「!!!」」」(セッ○スって、無理に決まってるじゃないっ!)(うはwwwwktkrwwww)(・・・・・・)ポカーン「というか雛苺、そんな事誰から聞いたのだわっ!」「うゆ~かなりあから聞いたのー」「どんな説明を受けたのぉ?」「男女の仲が悪くなりそうな時、喧嘩してるときとかにする事なのー!」(行為自体の説明はしてないじゃないのぉ!)「雛苺、これから人前でそんな事を言っては駄目よぉ」「なんでなの~?」「だ・め・よぉ」「は、はーいなの~」ビクッ(((金糸雀、後で絞める)))「はぁ~あ・・・結局参考にもならなかったわぁ」「ドンマイ銀ちゃん。あ、私ジュース買って来るね」「はぁい・・・」(どうしようかしら・・・)ファーストキスはジュンにならあげてもいい。けど、あと一歩という所で踏み出せないのだ。(けど、恥ずかしがっても仕方が無いわぁ。よし、決めたわぁ!)「お~い、水銀燈ー」「って、ええぇぇぇぇぇぇ!!!」「僕が呼ぶ度に驚くなよ・・・結構傷つくんだぞ?」「あっあのぉジュン?」「ん?どうした?」「あ、朝の事なんだけれど・・・」「水銀燈、朝の事って?」(頑張れ!私!勇気を出すのよぉ)(水銀燈!頑張るかしら~!)(そこですっ!押し倒せですぅ!)(翠星石!?押し倒せなんて言っちゃ駄目だよ!)(ドキドキ・・・)チラッ(すいぎんとー、がんばるの~)(銀ちゃん、今だよ、ジェットストリームアタック!)(お腹空いた・・・)・・・「って、貴方達なんでいるのよぉっ!!」「ばれたかしら~」「この意気地なし!なんで押し倒さないですか!」「翠星石!まずいよ!逃げよう」「いいものが見れたのだわ。後もう少し見たかったけれど」「取りあえず、にげるの~!」「銀ちゃん、晩御飯はお赤飯炊くね」「晩御飯はハンバーグがいいですわ」皆、思い思いの事を言って、ささっと逃げていく。「貴方達・・・待ちなさぁーい!!」結局、水銀燈はキスが出来ないのでした。「あれ、僕、出番これだけ?」
このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約 が適用されます。
1文字以上入力してください
本文は少なくとも1文字以上必要です。
1文字以上入力してください。