SEAVEN 第四話 「カマキリ」
コンコンと音が鳴る。 擦りガラスの仕切りを彼は叩いた。 これはただの境界線であり、ドアとしての意味なんて果たしていない。「こんな時期に会合ですか?」 彼――白崎は皮肉るように、いや実際皮肉を言った。 この会合――“グループ・セラピー“は普段は二十日に一回の物なのに、前回のそれからまだ十七日経っただけなのだ。本来の日より、まだ三日早い。「ふむ。結構な事実が分かってな」 ここのボス、7thのとある一つのマフィアのボス――二葉は応えた。「何のことです?」 白崎はあくまでにこやかに。「スパイのことでな。進展したのだよ。話がな」 二葉は勿体ぶって話す。「そうですか? で、誰なんです?」 その時、ガタリと音がどこかで鳴った。 この会合が行われているのは煙草の匂いの染み付いたバー。一般客などこの日はいない。 いや、普段から一般客など来ることはない。なぜなら、この店は白崎の署が担当している最も治安の地域に存在するからだ。 そして、ここのオーナーはマフィアの連合に参加している。 そのため、この店が会合の場所に選ばれたのだ。だが、毎回この店でやっているわけではない。 ここ以外にも加盟している者は多いのだ。これまでに建築途中の家、事務所、調理場などの店以外の場で行われたこともある。 7th関係のマフィア、利権団体は一般人が予想するより遥かに多く、ニュースなどで必ずしも全てが取り扱われているわけではない。 そして、一般人が思う以上に彼らは生活に関係しているのだ。 ここには白崎を除いて二十名前後いる。そのどれもが、マフィアのボスであり、もしも 全員が逮捕されたのなら、この地域の治安も変わる。「まぁ、それより話をしないかね?」「何のです?」 白崎の喉仏が上下する。「そうカリカリするな。我々グループの影響力の強さは知っているかね。 いや、分かっているだろうね。利発な君のことだ」「えぇ、もし無かったのならこの街は回らないでしょうね」 実質裏では彼らが街を仕切っているのかもしれない。だが、それは彼らの利権が第一のことである。「あぁ。正義の味方とでも言って欲しいものだ」 だが、それ以上に彼らは利益を守るために詐欺、強盗、殺人を。 法に触れることは何もかもを行っているのだ。 くつくつと喉の奥で笑う二葉。「また御冗談を」 嗤う白崎。「……。私は君に、断ることの出来ないオファーをするつもりだ」「何です?」「けじめを取ってもらおうかね」「……」 白崎は黙り込んだ。「心当たりがあるようだね」 瞼を深く閉じる。「何の事だかさっぱりですね」 哄笑。「何かって? では、一つ一つ説明して行こうかね」 笑い声をぴたりと止める二葉。「君の立場は分かっているよな? 警察に潜入したこちら側の人間。 少なくとも私たちに不利益は与えないように振舞う。 それが君の役割だ。だが、どうだ? 最近、ここのグループは損害を出している。 初めは思わなかったさ、ここにスパイがいるとはな。しかしな、どうも情報が漏れているようなんだ。 元を辿るのは大変だったさ。何人も無能を晒した。それでも、まだ辿りつかない。 もしやと思って調べてみたのだ。その先にいたのが」一息置いた。「君だ。白崎」 周りの者たちはあまりに静かだ。見ると誰もがにやにやと笑っている。「どうやって確認したんです?」 重心を心なしか後ろに反らし椅子にもたれる二葉。「何。単純なことだ。君に知らされていない事件を起こしたまで。 それに対し何かしら警察が動けば、調査は振り出しに戻るまで。 だが、何もことはなく無事起きた。それまでのこと」 ふぅ、と喋りつかれたのか息を吐く二葉。「さて、取引をしないかね? お前さんの身柄の保障と、死についてだ」SEAVEN第四話「カマキリ」「あはははは」 いきなり、白崎は笑いだした。「いや、失礼。ちょっと思い出してしまいましてね」 そのことを笑いながら詫びる。「この場でお前を蜂の巣に出来るんだぞ?」 イライラしながら言う二葉。「では、取引をしませんか? 結菱二葉さん」 わざとなのか、フルネームを呼び、先ほどの言葉の真似をする。「ふざけるな!」 他の人間がドンとテーブルをたたく。「お前に交渉する余地があると思ってるのか?」 そしてまた別の者が叫ぶ。 激昂している。無理もない、窮地のはずの相手が余裕を見せつけるのだ。 この激昂はえも知れぬ不安からのものと言えよう。「強要・恐喝712件。ゆすり・たかり849件。詐欺行為246件。共謀殺人87件。さらに司法妨害527件」 白崎は一つ一つゆっくり言った。「何のことだ!」叫び声。「あなた方の罪状ですよ。まだ、氷山の一角でしょうがね」「だからどうした!」怒号が上がる。 今にも白崎を殺そうという勢いだ。「別にここでドンパチやるのは構わないんですがね……。ただ、後片付け大変でしょう? 私は貴方に、断ることの出来ないオファーをするつもりです。 ただまぁ、選択肢はないんですがね」 そう言って彼は背を向け、擦りガラスの境界を超えた。 代わりになだれ込んでくる警察隊。 銃を構え、完全に包囲する。もはや、逃げ場などどこにもなかった。 そう、白崎は初めから分かっていたのだ。今回の“グループ・セラピー”の目的を。 分かっているうえでわざと飛び込み、逆にはめた。 たった三日のずれ。普通なら気にも留めないであろう違和によって、両者の命運は別れた。「白崎!」 白崎が語り始めてから沈黙を続けていた二葉が叫んだ。「恨んでいるのか? 彼女のことで」 白崎は天井を見る。「いえ。今ならあなたの正義、分かる気がします」 そう、返した。「そうか……。だが……」 目を伏せる二葉。「何も言わないでください。私が抱えてるのは後悔だけですから」 白崎は眉を寄せ、目を閉じた。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 住宅街。何事かを叫ぶ声がする。 右へ左へ。どこの道をどう走ったのかは二人にも分かっていないだろう。 はぁはぁと息は乱れる。 追いかけるのは、仮面を被ったもの。それは息を乱してなどいない。 あたりまえである。それは人間などではないからだ。 ひたすらに彼らはそれから逃げていた。 話は三十分ほど前に遡る。「結構上の方まで来たな」 ジュンは辺りを見回す。「それに、これまで追ってくる気配なんてなかったし」 疲労を感じたのか、体全身の関節を鳴らした。「案外、楽に行けるのかもな」 そう言って、笑った。「ここまではまだ、人が普通に生活するところだったからだって」 蒼星石は溜息をつく。「もうそろそろ一般人の立ち入り禁止区域に入るよ。と言ってもまだ三階層ぐらい残ってるけど」「分かってるって。でも、ここまで緊張感がないとはね。もう少し悲惨なものを予想していたよ」「確かに、まだ緊張するような場所じゃないよね。悲惨じゃないのは悪いことじゃないし」「だなぁ。そう言えば、ここって、1stの居住区域だったけ?」「うん。でも、高級住宅街とでも言うべきだね。1st以外の人も住んでるみたいだし」「そっか。でも、結菱のあの屋敷ほどじゃないけど、結構でかいよな」 羨む様な視線。「そりゃそうでしょ。お金持ちしか住んでないんだし」 興味なさそうに返した。「む……。もう少し興味持てよ。折角来たんだしさ」「君は観光のために来たの?」 蒼星石は静かに言った。「ぼく達の目的は何だったか覚えてる?」 彼女は怒っていた。「そ、空を開く……」 彼はそれにたじろいだ。「それがどれだけ重いことか知ってるよね?」「そりゃもちろん」「ならいいよ」 蒼星石はあっさりと引いた。彼女は引き際を弁えていたのだ。 これ以上押してはいけない。そもそもジュンは別段空に固執する必要などない。 怒らせて、やっぱりやめたと言われて困るのは彼女の方なのだ。 だから、これ以上追及する気はなかった。立場を錯覚させるために。「あ、そういえば、ここら辺って店多いよな」 慌てて話題を変えようとしたジュン。しかし、話題を変えられていない。 むしろ、悪化しそうな切り口だ。 だが、蒼星石はくすりと笑い、「そうだね。でも、高級な店ばっかりだよ。ブランド物ばっかりだ。ぼく達が行くような場所じゃなさそう」「そうだよな……。ここで、翠星石から貰った金を使う訳にもいかないしな」「まぁ、最後まで使わずにいられたらいいんだけどね」 深呼吸を吐き出すように言った。「ちょっと、トイレに行っていいか?」「仕方ないね。さっきのお店で借りればよかったのに。じゃあ、公園でも探してみる?」 溜息を吐く蒼星石。つい先ほど食事を摂ったばかりなのだ。「その方がいいな。何も買わずに店に入るのは気が引けるし」「でも、この辺りのことは知らないから時間かかりそうだよ?」「多分大丈夫」 公園は案外あっさりと見つかった。かなり大きいからであろう。 しかし、トイレはなかった。いや、使えなかった。 こんな時に限って、整備中につき使用禁止の張り紙が出されていたのである。「嘘……」 ジュンは呆然と呟く。「しょうがないよ、こればかりは」 蒼星石は笑っていた。「あそこで待ってるからさ。行ってきなよ」 広場の反対側にあったベンチを親指でさす。「悪いな蒼星石。すぐ戻るから」 駆け足しながら、彼は言った。「分かったから早く行きなって」 彼女は苦笑した。「ふー。すっきりした」 トイレを出て、独り言を言うジュン。「それにしても、こんなにトイレを見つけるのが大変だなんて」 そう。彼の思っていた以上にトイレを探すのは大変だった。 店が多いと言っても、ほとんどがブティックだったのだ。 男一人で入るにはかなりの勇気がいる。ましてやトイレを借りるだけなんて。 空を開けると言う大胆な目的を持っている割に小心者の彼には到底不可能だ。 蒼星石と別れてから十分後、ようやく一軒のファーストフード店を見つけた。 ファーストフードとは言っても、地下世界ゆえに大したものがあるわけではないのだが。「にしても、明後日には、スプリンクラーの一斉点検か……。久し振りの雨だな」 店の中に張り紙がしてあったのだ。この辺りにはさすがにないが、普段から屋根のない出店もある。 スプリンクラーの雨で、商品がダメになってしまうかもしれない。「そういや、ホームレスとかどうなるんだろ? さっきの公園にもいたっぽいし」 このように高級住宅に囲まれた公園でも、家なき者はいた。 もしかすると、他の所より多いのかもしれない。 まるで、高級なブランドに憧れ、追いすがり、嫉妬するかのように。「交番も近いのに……。何も言わないんだろうか?」 公園のすぐ横にそれはあった。 一瞬どきりとしたが、怪しいそぶりだけはしていない。 そこに駐在している警官は、遠目ではあるが、ジュンと似ているように見えた。 髪は短く、茶色。中肉中背。そのまま、彼の服は着られそうであった。「まぁ、何にせよ、これで少しは埃っぽいのがマシになるかな?」 口元を緩める。高すぎて見えないスプリンクラーのノズルを見上げた。 その時。「そこの貴方」 声がした。――ここは十字路。気がつけば先ほどまであったはずの人の群れはない。「そうですよ。貴方です」「僕のこと?」――時刻は午後五時。「えぇ」 声を掛けてきた女性は笑った。「どちら様です? 会った記憶がないんですが」「えぇ。そうですね。初対面です」 横断歩道の反対側の彼女は笑う。「でしたら、何の用です?」 警戒心をはっきりと表わす。 視線は厳しいものになる。「別に貴方を取って食おうという訳ではありません」 彼の眼に、彼女の背景は歪んで見えた。 そこだけ希薄な色をしているようだった。 まるで、切り取られたかのように。「貴方は、呪いに掛けられたお姫様」 妖艶な笑みを浮かべて言う。 ジュンは何か茶化して言おうとしたが、声が喉に張り付いて動けない。 代わりに唾を飲み込むしかなかった。「貴方の意志を超えたところにしか、貴方の運命はない」 幾千の舌で体中を嘗めまわされ、粘つく粘液に捉えられた。 皮膚の下にある神経を直接弄られる。冷たい悪感は、不快な快感に変わった。 彼はそう、感じていた。「貴方を取り巻く運命はあまりに複雑。でも、それはずっと昔からのこと」 まるで、細く、しかし強い蜘蛛の巣に掛けられたかのように動けなかった。 そして、その蜘蛛は美しいのだ。いや、カマキリと言うべきなのかもしれない。 可憐な華に擬態した、鋭い鎌を持つカマキリ。 その瞳の海の中に、彼は映されて動けない。 甘いミルクティーの海で溺れているように。「運命の輪に縛られて貴方は動くことが出来ない。そしてそれは誰にも解くことは出来ない」 彼女の声は大きいわけではない。 しかし、よく通る、透き通るような声だった。 触れれば壊れてしまう、ガラスのような危うさと、重い棘付きの鎖のような確かさを伴って。「また逢うことになります。貴方と私は」 彼女は踵を返した。「その時まで、御機嫌よう」 ふわりと、吹いていないはずの風に髪は揺れる。「あの子の元にすぐに戻った方がいいでしょう。手遅れにならないうちに」 彼が持った彼女に対する印象。――白。何ものにも染まっていない純白。 それは、何物より美しいと同時に、何物にも勝る恐怖を示した。「待て!」 金縛り合っていたように、動けなかった身体が解放されたと同時に叫んだ。 曲がり角に消えた後姿を追いかける。 その先に、彼女はいなかった。 代わりにあるのは人の群れとざわめき。 振り返ると、どこからか人が戻ってきていた。 先ほどまでの異常を感じさせないように。 彼女と言う非日常の巣から、日常と言う喧噪が解放されたかのように。「蒼星石……」 先ほどの彼女の言葉を思い出す。 そして、彼は走り出した。 来た道を逆向きに辿る。 入れ違いにならないか、それが彼の不安であった。 そうなってしまえば詰みだ。もうどうしようもなくなる。 視線の先にはこちらへ走ってくるショートカットの少女。――蒼星石だ。 彼はほっとして、足を止めようとしたが、「逃げて!」 彼女は叫んだ。 その声に、踵を返し走りだす。速さは蒼星石がぎりぎり追いつくぐらいで。 ほどなくして、彼女は彼に追いついた。隣を走る彼女に、「何が起きたんだ!?」「ピエロだよ! よりによってさ!」 彼は振り向き、追いかけてくるものを視界に収めた。 カラーリングは人の目によくつきやすくするために赤と白と派手であり、顔の部分は人の目や口などのパーツの如く青い光が漏れている。 表面を伸縮性の高い素材で覆い、その中は人工筋肉が躍動する。 人間の形をしてはいるが、違う。ロボットでもない。バイオロイド。 通称、ピエロだ。 1体辺りの単価が高いために警察では配備されておらず、軍が少数――二百体ほど配備しているのみである。 性能は高く、普通の人間では行えないような動作をし、運動機能は平均男性の三倍ほどを有する。 そして、銃弾に撃たれたり、ナイフで切られたところで痛覚はないので動きが痛みのために鈍ることはない。 人工筋肉は特殊なゲル素材で、空気に触れた瞬間に固まる。 あたかも、人の血液の中の血小板、瘡蓋のように。 これに追いかけられたのなら、逃げきることは不可能に近いのであろう。 右へ左へ。 走っているうちに居住区へと入っていた。 そして、話は戻り、「どうする!」 ジュンが叫ぶ。「このままじゃ捕まるぞ!」「あー、もう何も思いつかない! ちょっと待って! ジュン君! このまま真っ直ぐにしか走れそうにないよ!」 蒼星石も叫び返す。二人とも必死だった。 いまだに、捕まっていないのは奇跡に近い。 右へと曲がる。 ピエロと二人の距離は約50m。捕まるのも時間の問題だ。 今度は左へ曲がる。 その先には、ドアの開いている家があった。蒼星石はジュンの手を取り、その中へ走り込む。 もしも、目の前に家主でもいて、叫び声でも上げられたら一巻の終わりだ。 荒い呼吸を二人は無理やり沈める。 足音はそのまま離れていった。 それでもしばらく、二人は息を止める。 戻ってくるなと、祈りながら。 どれほど時間が経ったのであろうか。チクタクと時計の針を刻む音が耳に痛いほどに響く。 二人は顔を見合せて、どちらからともなく笑った。力なく。「逃げ切れた?」「そうみたい」 同時にはぁー、と息を吐く。「とりあえず、ここから出ようか」「そうだね」 ゆっくりと腰を上げた。 運よく、人に見つかることはなかった。「服を替えた方がいいかもね」 蒼星石は提案する。「どうして?」「さっきのピエロ、多分ぼく達のデータを警察に送ったかもしれないし」「あぁー。そうだな」「服を替えたら多少なりとも、誤魔化せるよ。人を探す時は服装から見るし、多分」「多分ってなんだよ……」「あくまで推測だからね。それに、ぼく達は着替えを持っているようには見えないよ。 だから、向こうは服装に比重を置いて探しに来ると思うんだ」「確かにな」「だからね。情報が渡り切る前にさ。買い替えに行こうよ」「そうするか。ここには店も多いし」「よし、決定。汗もかいちゃったからね」 そう言って、彼女は悪戯っぽく舌を出した。 先ほどの公園の中を通り過ぎる。 丁度その時、一人のホームレスが、“家”に帰ってるのを見かけた。 それを見かけてジュンは蒼星石に、「ちょっと待ってて」と残して、彼の方へ行った。 近づいてくるジュンにあからさまな敵意の目を向ける男。 それを意に介さず、笑顔で「この服いりますか?」と、自分のジャケットを指差し言った。「あ?」さらに顔をしかめる。「タダじゃないさ。ちょっと知りたいことがあってね。大したことじゃないさ」さらに近付く。「何だよ?」顔の周りに皰が多く噴き出してあった。「この辺りに、ピエロとかはよく出るんです?」「ピエロ? 大道芸人か?」敵意を向けているのもあるが、ガラが悪いのは普段からだろう。「違います。あの、軍のやつですよ」「あぁ。普段からいるわけないだろ、んなもの」若いころは――とはいっても、まだ若いが、やんちゃしていたのかもしれない。「そうですか。ありがとうございました。じゃあ、これどうぞ」 はい、と手渡す。「汗臭いかもしれないですけどね」ジュンはにこりと笑う。「待てよ! いるなんて言ってねえぞ!」 無視してジュンは歩き去った。 残された男性はその服を指でつまみ、無言で家の奥へ放り投げた。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――あと、少しだね。「そうね」――……。長かったね。「うん」――自由か……。空って一体どんなものだろうね?「文字で読んだことしか無いわ」――そうだね。……。想像、つかないな。僕には。「でも、もう少しよ」――もう少しだね。 長すぎるエスカレーターに乗り、僕らはまだ見ぬ空に思いを馳せていた。SEAVEN 第四話「カマキリ」 了
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