『誰より好きなのに』 中編
抱かれている――と感じたのは、私の本心の表れだったのか。ふわり。防波堤の突端から、荒れる海へと飛んだとき、私は確かに、そう感じた。強風に煽られ、大粒の雨に打たれているのに……ナニか薄膜のようなモノが、私の身体を優しく包み込んでいた。 『王子さまに会うために、人魚姫は、魔女と取引をしたのよ。 そして、自分の美声と引き替えに、人として生きるための両脚を得たの』 なぜだか、ふと、とある物語が思い出された。聴いたのは、ずっと昔。ああ……そうそう。私たちが出逢って、すぐの頃だ。私はベッドに入っても、悪夢に魘されてばかりで、ちっとも眠れなかった。そんな私を見かねて、お母さま――真紅が、絵本を読んでくれたのだ。8歳にもなった私に『人魚姫』なんてと、いまなら笑えてしまう。けれど、あの頃の私は、童話なんて知らなかった。字さえ満足に読めなかったし。だから、彼女が語ってくれる物語は、すべてが新鮮で、面白くて――いつしか、夜の訪れを待ち遠しく思うようになっていた。 『人魚姫の願いは叶ったわ。彼女は、彼女なりのやり方で、幸せを求めたのね。 人間として……普通の女の子として、王子さまと暮らしたかったのだわ』 でも、人魚姫を待っていたのは、悲しい結末だった。失恋の痛みに打ちひしがれた彼女は、海に身を投げて、泡と消えたと言う。 海の泡になる。なんだか、今の私も似たような境遇かも……なんて。思いついたそばから、そんなコトないと、即座に打ち消した。 人魚姫と比べたら、私はまだ幸せだった――それだけは、自信を持って言える。だって……私は少なくとも、好きになった人たちと、一緒に暮らせたから。束の間でも、至上の愛情に満ちた時間を、過ごせたんだもの。 「私、幸せだったよ」瞼を閉ざし、呟いた直後、顔が水に浸かり、口の中がしょっぱくなった。ようやくにして、私の身体は、海に落ちたようだ。あれこれと思い返す暇があったから、かなり長いこと宙に浮いていた気がしたけれど、実際のところは、5秒にも満たない間だったろう。海の中は、温かかった。台風の影響か。あるいは外が寒すぎたから、相対的に温かく感じているのか。まあ、どっちでもいい。どうせ、私の物語は、もう幕引きだもの。私の身はこの海原に抱かれ、泡と消える。普通の女の子になった、人魚姫のように。どうせだったら、遙かな沖まで流されて、深い海の底に沈んでしまいたい。そうしたら……ひょっとしたら、人魚の国に辿り着けるかも知れないから。 生まれ変わるならネコがいいと思ってたけれど、人魚も、なかなか悪くないかも。こんな風に荒れた海で、いつか、運命の人に出会えるものならば――私は喜んで、その生涯を受け容れよう。そして、人魚姫よりずっと巧く、コトを運んでみせる。すべてを擲ってでも。 大きな波が、十重二十重とうねり、私をもみくちゃにする。呑み込まれては浮かび、浮かんでは、また海中に呑み込まれて……そうこうする間に、耳に水が入って、右も左も、天地も、よく判らなくなる。私の三半規管は、もはや正常に機能していなかった。 ああ……溺れるときって、こんな感じなのか。海中に沈んでいると、ごぼごぼ……。周りは、アタマに響くほどの潮騒で溢れていた。浜辺で聴くソレとは大違いだ。そう言えば、水は空気よりも音を伝えやすいと、学校で習ったっけ。――学校かぁ。なんだか、とても昔のことみたい。ぐるぐると、暗い水中で攪拌されて、浮かび上がれない。息継ぎもできない。真っ暗……なにも……砕けた水泡さえ見えない。じわじわと、胸の中に、今更ながら恐怖が広がってきた。こんな闇にまとわりつかれて今際を迎えることに、強烈な嫌悪感を催していた。 イヤ……怖いよ―― 息が苦しい。水圧に胸が締めつけられる。肺腑が空気を求めて、私に口を開かせる。吸い込んだ海水で、鼻の奥がツンとして、脳天に痛みが突き抜けた。喉が痛い。アタマが痺れて、なにがなんだか判らない。胃に海水が流れ込んでる。もう、意識が……薄れて……。 おと…………さ……ま。 『みっともないわね。しっかりなさい』 誰かに、ぴしゃりと頬を叩かれた。目の前は明滅を繰り返していて、その中を、ちかちかと星が散らばっている。いや……本当は、なにも無かったのかも知れない。ただ寝惚けて、そう感じただけで。だけど―― 『目を醒ましなさい! 薔薇水晶』今度は名前を呼ばれて、曖昧模糊とした私の意識は、完全に正体を取り戻した。この声……凛とした、懐かしい響き。驚きのあまり見開いた目の、その先に、彼女は佇んでいた。真っ赤なドレスが、真っ白な、ミルクのような世界の中で映えていた。 『真紅――お母さま』呼びかけると、にこり……。『元気そうね。それに、随分と背も伸びて』彼女は聖女のように柔らかく微笑んで、後ろを振り返り。 『さ、貴女も、ちゃんと挨拶するのだわ』――と、スカートの陰に隠れていた、小さな女の子を前に押し出した。雪のように白くて、清らかな感じの、可愛い娘だ。ふっくらとした面差しは、なんとなく、幼かった頃の私と似ていた。ゆるやかにウェーブしたロングヘアーも、艶やかな白。髪飾りも、白い薔薇。どういうワケか、右眼にまで白薔薇の眼帯をしているけれど……それはむしろ、貴重なアクセントとして、あどけない可愛らしさを引き立てている。少女は、両手でお母さまのスカートにしがみついて、私のことを上目遣いに窺っていた。私が子供の頃も、こんな風に、お父さまの背中に隠れてたっけ。そんなことを思いつつ、見つめ合っていると……女の子は根負けしたように、おちょぼ口を作って、ひょいと右手をあげた。 『おぃっす』 『え? あ……おっす』 『貴女たち! なんて不躾な挨拶をするの。お行儀の悪い子たちね』女の子に釣られて、つい同じポーズをしてしまった私にも、お母さまの叱責が飛んできた。そうそう、この感じ。昔は毎日、礼儀作法がなってないと怒られてたのよね。当時は煩わしく思ってたけど……今は、なんだか嬉しい。私が成長して、叱られることも愛情表現のひとつだと、解るようになったからかな。白い女の子は、お母さまにコツンと拳骨をもらっていた。撲たれたところを両手で押さえ、『あいたー』と戯けて、ぺこりと頭を下げた。 『はじめまして、おねえさま。わたし、あなたの妹です』 『妹? じゃあ、あなた――お父さまたちの?』 『そうよ、薔薇水晶。私たちの娘。貴女にとっては、妹なのだわ』 『おなまえは、きらきしょーっていうの。きらきーって呼んでね』 『ホント……に? 妹……私の?』いきなりのことで、戸惑ってしまったけれど、不思議と納得もしていた。この子は、紛れもなくお父さまたちの娘で、私の妹なのだ。 私の過ちで、失われてしまった、ふたつの命。その2人が、今、私の前にいる。お母さま――真紅は、変わらず美しいまま。生まれ出ることもなかった妹は、こんなにも可愛らしい少女となって……。話しかけたい衝動が、私の顎をこじ開け、舌を躍らせる。 『……ごめんなさい』けれど、私の口を衝いて出たのは、その一言だけ。自分でも、もっと他に話すコトがあるだろうと苛立ってしまう一方で、罪の意識に竦んで、赦しを請うことしかできない自分の存在にも、また気づいてしまって。 『ずっと謝りたかった。言葉だけで許されるなんて、思ってないけど…… それでも、どうしても、お母さまたちに謝りたかったの』また、涙――8年間も泣かずに生きてこられたのに、今夜の私は、やたらと泣いてばかりだ。封印の眼帯を外して、自己暗示が解けてしまったから、かな?ぼろぼろと涙が零れ、粘りけのない鼻水が、ぽたぽたと垂れてくる。 『わ! おねえさま、ばっちいー』くしゃくしゃに歪んだ私の顔を見て、きらきーが指をさして、からかう。幼心に、気を遣ってくれているのだろう。私は鼻を啜り、しゃくりあげながら、無理に笑みを作った。お母さまも、そんな私を見て、呆れたように肩を竦め、苦笑う。 『まったく……ひどい顔なのだわ。いいこと、薔薇水晶。 レディーはいつでも、気高く、美しくあるべきよ』 『だって……お母さま…… お父さまと暮らしていたかったでしょ? 幸せになりたかったでしょ? きらきーだって、産まれてきたかったよね? 友だち、欲しかったよね? それなのに、私――』 のうのうと生きてきたのよ。あなたたちの未来を奪っておきながら。続くはずだった言葉は、しかし、声が詰まって言えなかった。……ううん。仮に声を出せたとしても、話せなかった。なにしろ、お母さまがハンカチで、私の顔をゴシゴシ拭くんだもの。 『仕方のない子ね。いくつになっても、世話が焼けるんだから』涙と鼻を拭いてもらった私は、すっかり童心に還っていた。初めて、お父さまたちに逢った場面が、昨日のコトみたいに思い出される。ちょうど、この港町に流れてきた日だったっけ。当座の資金と、少しの食べ物を目当てに、盗みに入った家……それが、あの工房だった。だけど、疲労と空腹で意識が散漫になり、私はドジを踏んで取り押さえられた。大柄なお父さまに抑え込まれたら、子供の私など、身動きも取れない。もうダメだ。絶望のあまり自棄になって、泣き喚き、暴れた。そんな私の顔を、あの時も……お母さまは、こんな風に、荒っぽく拭いてくれた。そして、言ったのだ。「貴女、私たちの娘になりなさい」と。 『お母さまっ!』再び会えたことが嬉しくて……本当に、本当に嬉しくて、私は真紅に抱きついた。 『ありがとう、お母さま。私を、あなたたちの娘にしてくれて!』 『ああ、もう……せっかく拭いたばかりなのに』――なんて言いつつ、真紅の声も湿っている。私を包み込むように抱きしめて、ぽんぽん……と、背中を叩いてくれた。きらきーは、少し離れたところで私たちの様子を眺めて、羨ましそうに指を銜えている。 『あなたも――』だから、私はお母さまから離れ、初めて逢えた妹を、ギュッと抱きしめてあげた。 『ありがとう、きらきー。私に、会いに来てくれて』 『うん。わたしもね、おねえさまに会えて、とってもうれしいよ』 『私も嬉しい。これからは、ずっと一緒にいられるね』この真っ白な世界は、期待してた人魚の国じゃなかったけれど。ここの方が、断然いい。お母さまや、きらきーがいるから、とても居心地がいい。安らげる場所を、どこに求めようとも、それは私が望んだ結果。 私も、きらきーも、はしゃいでいた。なにして遊ぼうか……とか、これからのことばかり話をしていた。また別れることになるかもなんて、考えもしないで。 ただ1人――お母さまだけは、それを知っていた。だから、きらきーを私から引き離し、強い口調で、私たちの間に見えない障壁を作った。 『ダメよ。貴女は帰りなさい』 『そんな……お母さま、どうして?』 私には、理解できなかった。私は溺れて死んで、ここに来た。だのに、どうして追い返されなければ、ならないのか。 『ここは死後の世界なんでしょ? だったら、私も――』ここで暮らす資格があるはずだ。そう告げた私に、お母さまは『いいえ』と、頭を振った。 『薔薇水晶。貴女は、思い違いをしているわ。 ここは死後の世界とは、少し違う。《九秒前の白》という、泡沫の世界よ』 『九秒前の……白?』 『ええ、そう。無意識の海の、底の底に、ぽつりぽつりと点在するエアポケット。 行き場を失った者たちが、そっと身を寄せ合って、思い出を語り合うところよ』それがつまり、死者の群れ集う場所……すなわち《あの世》ではないのか。私は、よくないアタマをフル回転させて、食い下がるけれど。 『ここには、私たちしか居ないわ。私たちしか入れないのよ』――なぜだか解る?すぐに新たな質問を浴びせられて、答えに窮してしまう。こんなの、ずるい。答えを求めているのは、私の方なのに。 『どうしてっ! 私、なんで居ちゃいけないの? お母さまっ!』縋りつこうと駆け出した途端、私はガラスのような障壁にぶつかって、弾き返された。私は、尻餅をついたまま、呆気に取られていた。なにが起きたのか、ちっとも解らなかった。お母さまや妹に、もう触れられないという事実の他には、なにも。 『立ちなさい、薔薇水晶。そして……引き返しなさい』 『私――どうしても、帰らなきゃダメなの?』 『ええ。落ち着くには、まだ早すぎるわ。貴女は生きて、歩き続けなさい。 そして、此処を守るのだわ』ここを、守る? この泡沫の世界を? 私が生きることで、ここが守られる?……意味が解らない。やっぱり、私ってバカだ。でも、抗えなかった。彼女の深く青い瞳が、私を射竦めたから。凛とした、常識も良識も兼ね備えた、母親の眼差しで。お父さまが、あなたをココロの拠りどころにしているのも、解る気がした。過酷な人生を経てきたとは言え、私なんか、たかが18の小娘。まだまだ、この人には敵いそうもない。了承の印に『解った』と頷いた私に、真紅は『いい子ね』と頷き返してくれた。2人とも、満面の笑みで、見送ってくれようとしている。だから、行かないと。彼女たちのためにも、歩き出さないと。 『薔薇水晶。しっかり生きなさい。そして……彼――槐のこと、よろしくね』 『げんきでね、おねえさまっ!』 『お母さま……きらきー…………ありがとう』 『私たちこそ、ありがとう。久しぶりに貴女に会えて、嬉しかったのだわ』 『ありがと、おねえさま。またきてね』ありがとう。その言葉は、私に、この身が震えるほどの勇気をくれた。卑屈に赦しを求めるだけだった私に、もう一度、歩きだす気力を与えてくれた。お父さまにも、このことを伝えたい。ありがとうって、言ってあげたい。 『いつか……また』私の呟きは、再会の約束。いつのコトになるかは判らないけれど、きっと。 彼女たちに背を向けて、一歩を踏み出すと、膜のようなナニかを抜ける感覚があった。それが、なんだったのかは判らない。いきなり急激な水流に呑まれて、それを考える暇もなかった。けれど、荒れた海に戻ってきたのかと言うと、そうではない。ここは確かに海だけれど、現実の海とは、また違った。ワケも分からず、水の勢いに翻弄されるがまま。したたかに水を飲んで、私はまた、気を失いかけた。朦朧とする意識。思うに任せない身体。起きているのか、夢を見ているのか、その境界さえ曖昧で。ただただ、漂うだけ。ほとんど人形状態の私。そこに、いきなり、力強いナニかが押し込まれてきた。2度、3度、それが繰り返されて……肺が、まるで風船のように膨らまされる。もしかして、これは―― 思った直後、アタマの奥に、プチノイズが生じた。それは意識の繋がった音だったのか。私は断続的に、胃に溜め込まれた海水を吐いた。喉がヒリヒリする。噎せ返って苦しくなり、また嘔吐を繰り返す。そんな私の半身を、誰かの力強い腕が、抱き起こしてくれた。目が霞んで、おまけに暗い中なので、相手の姿がよく見えない。だけど、私には判っていた。私を支えてくれる大きな手が、誰のものか。 「薔薇水晶! 薔薇水晶! しっかりするんだ。目を開けておくれ」必死になって呼びかけてくれる声を聞いて、私の意識は、急速に目覚めていった。 「……お……と……さま」 「あぁ、薔薇水晶! よかった。気がついてくれて……本当に、よかった」私たちはまだ、防波堤の中程にいた。打ち寄せる波は届かないけれど、大粒の雨には、打たれっぱなしだ。私はもちろんのこと、お父さまも、全身ずぶ濡れだった。 「私……どうして」 「きみは、こんな時化の海に飛び込んだんだ。まったく……なにを考えてる。 もう少し、ぼくが来るのが遅れていたら、助からなかったかも知れないんだぞ」 身を投げたバカな私を、お父さまは懸命に、助けてくれたのね。自分も溺れてしまうかも知れないのに、海に飛び込んで――気を失った私を防波堤まで引き上げ、人口呼吸まで、してくれたなんて。 「ごめんなさい、お父さま。あの…………ありがとう」 「――困った子だ」 頬を緩めて、お父さまは、冷え切った私を抱っこしてくれた。「さあ、帰ろう」 帰る。そう、私は帰ってきた。お母さまに――真紅に諭されて、お父さまの元へと。お姫さまみたいに抱き上げられながら、私は回想していた。あの妙にリアルで、摩訶不思議な夢のことを。九秒前の白。お母さまと妹が居た世界。 『彼――槐のこと、よろしくね』 別れ際の、彼女の爽やかな声が、耳に甦る。私は、さっきまで見ていた夢について、つまびらかに語った。 「不思議な話だ」聞き終えたところで、お父さまが唇を開く。その口元には、魅せられたような、浮ついた笑みがあった。 「それが本当なら、ぼくも、娘に――雪華綺晶に会ってみたいな」轟々と吹き荒れる風の中で、その言葉だけが、不自然にハッキリと聞き取れた。それは、直後に起きることへの、注意を促す暗示だったのか。びょぉう……。風が裂ける叫びが、やけに近く聞こえた、次の瞬間―― 「危ないっ!」お父さまの絶叫。投げ出され、濡れたアスファルトに叩き付けられた、私。雷鳴にも似た、耳を聾する音が打ち鳴らされ、地面が重々しく揺れた。 いったい、なにが起きたの?激痛で軋む身体に鞭を打って、私はやっと、半身を起こした。そして―― 「お……父さ……ま?」私が目にしたのは、強風に煽られて倒れた電柱と。その下敷きになった、お父さまの姿だった。 「あ、あ、あぁ…………お父さま! お父さまっ!」呼びかけ、這うように近づくけれど、お父さまは俯せたまま、ピクリとも動かない。コンクリート製の電柱は、お父さまの胴を、がっちりと路面に挟み込んでいた。 「お父さまっ! イヤ……お父さまっ!」電柱をどかそうとしたけれど、私だけじゃ動かせっこない。圧迫された腹部に――シャツに、夜目にもわかる紅い染みが広がっていく。私は、ただただ狼狽えるばかりで。 「誰か――お願い! 誰でもいいから手を貸して! お父さまを助けてっ! お願いだから――」嵐の中、腰が抜けたように座り込み、お父さまの手に縋り付いて叫んでた。そんなことしか、私には……できなかった。 後編につづく
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