甘い保守シリーズ12
111:お勉強な保守を致すなの「はーい、んじゃ、この前に受けてもらったセンター模試の結果返すわよっ!」「――で、だ。お前ら、どうだった?」「あ、あらぁ、学校の勉強なんて社会に出れば関係ないモノよぉ」「………水銀燈は軒並み50%未満、か。まぁあんまり勉強してる姿見ないもんなぁ」「うーん………悪くもないけれど、良くもないかしら」「金糸雀は大体平均点位?その日の好不調で変わりそうだな」「ひーひっひっひ、学園一の才女、翠星石は勿論高得点に決まってるですぅ」「あぁうん、理系科目はな。というか、なんでお前は勉強する時、教科書を逆さまにするんだ」「ジンクスじゃない?――ボクは、翠星石とは反対に文系科目はいいんだけど………」「数学と理科がかなり辛い事に………。プレッシャーに弱いもんな、蒼星石」「――私?無論、全科目80%オーバーなのだわ。勉強してるもの」「臆面もなく言い切れるとこが凄いけど、確かに点数も凄まじい」「ぅゆ………ヒナは駄目だったの。ぜーんぶ、最初の問題で時間の半分以上使っちゃったの」「あー………まぁ、模試だし。時間配分を気にする事覚えたんだから、次は大丈夫だろ」「見て、見て、凄く上手に描けた………♪」「お前はテスト時間何やってんだ。あぁ、そういや、薔薇水晶はセンター受けないんだっけか」「そういう問題では………。ワタクシは、ほどほどに、ですわね」「点数にばらつきが………って、なるほど。昼飯食う前と後か。雪華綺晶らしいっちゃらしい」「――んじゃあ、結局、一番良かったのは真紅なんだな。いつもっちゃいつもだけど」「残念ながら、私じゃないのだわ。僅差ではあるけれど」「………へ?じゃあ、誰が??」「それが――雛姉様なんですわ。全科目で」「はぁ!?でも、あいつ、『駄目だった』って………」「考えた所はね。時間がなくて適当にマークした所、全問正解だったみたいよ」「ぜんもん………?………運がいい………どころじゃないよなぁ………」「雛苺、普段のテストでも、選択問題は満点。………それなんて村雨?」「うゅ~、適当に塗った所が当たってても嬉しくないのー!」
112:飛んでる保守を致すわよっ「よりによって………金糸雀のコンクールの日に大遅刻………」「――まぁったく、外せない用事だったってのはわかっちゃいるけどさぁ!」「その件に関しては後で土下座でも何でもしますから、早く出発してください!」「彼の言う通りだな。――みつ先生、事故らん程度に急いでくれ」「わかってますよ、槐先生っ!――シートベルト、皆締めた?後部座席の二人も忘れないでねっ」「ん………了解。ぐぃぃん、が………?ぅーぅー………!」「あぁ、ばらしー!必死に締めようとする姿もくぁいらし――」「薔薇水晶、ちょっと固まっとけよ――よし、OKだ」「のぉぉぉぉぉぉ!?親の私ですら体に触れると躊躇ったn」「槐先生、煩いです」「あっはっは、情けないですねぇ、槐センパイ」「………おとーさま、さっさとシートベルト締めて」「………………(しくしくしく」「―――――あぁもぉ、こんな時に限って渋滞かよ!?」「ぅー………!バズーカで吹っ飛ばしたぃぃ………!」「二人とも、焦ったってしょうがない。それに、吹き飛ばしたら余計に時間がかかる」「あっはっは、全くですねぇ。こう言う時こそ、落ち着かないと」「ぬぅぅぅぅ、ロケットランチャーで吹き飛ばせないのか!?」「だぁぁぁぁ、前の車、追い越し車線で減速するなぁ!」「あ、あの、先生たち、時間はないですけど、落ち着いて………?」「二人とも、眼が座ってる………きけんがあぶないかも………?」「みつ君、音を変える――急いでくれっ」―― Nobady gonna take my car ――「あっはっは、あっはっはっはっ、前半削りましたねぇ――あいあいさぁっ!」「――って、うわ、アクセルベタ踏み!?」「喋らない方がいいわよ、舌噛むから!―― I`m a highway star ――ってね!」「この道、高速じゃないぃぃ………」
113:楽しい保守を致すなの2「今日はかくれんぼで遊ぶのよ♪」「いや、あの、だから。僕らもういい年………」「雛苺が以下略。異議は?」「あーはいはい、わかりましたよ、やればいいんだろ」「不服?――でも、少し不安なんだよね………」「頼むから竹刀を常備しないでくれ。………不安って?」「ちゃんとできるかどうか、なんだけど………」「………たかが、かくれんぼだろ?別に――」「うゅ、じゃあね、じゃあね、最初は貴方が鬼さんなの」「じゃんけんすら無しかよ!?――ったく………ほら、二人ともさっさと隠れろ」「――さて。やっぱ柏葉が見つけにくいか。雛苺は目立つだろうし。ん、雛苺も小さいから隠れるのは上手いか?………あ、いや、まさか。まぁ、………試してみるか。おーい、雛苺ー?」「はいなのっ♪」「あ、雛苺、返事しちゃ駄目」「………お前らなぁ。――ともかく、鬼、交代な」「はーい、ヒナが鬼するのっ、いーち、にーぃ、――」「早っ!?柏葉、さっさと隠れるぞっ」「――うに………ぅー………どこー?」「(………お前じゃないんだから、ごみ箱の中には入れないだろ)」「(雛苺も、ごみ箱には入らない)」「(大真面目に反論するな。論点は其処じゃない。――と?)」「うゅ………いないの………ヒナ、一人ぼっちなの………ぐす」「!?――雛苺、私達は、此処にいるわ!」「だぁぁぁぁ、僕まで道づれにするなぁ!?」「――あ、二人ともいたの、みつけたのっ♪」「ふふ、雛苺は凄いわね。もう見つけられちゃった」「いいのか。お前らはそれでいいのか」
114:夢見る保守を致しますわ「――と、言う訳で。斯様な夢を昨夜、見たのです」「ま、まぁ………ちょっとだけ、不気味ねぇ。で、でーも、それだけよぉ」「水銀燈、語尾が震えてるかしら。――何が意味があるのかも………?」「あぁぁぁあ、あるわけねぇですぅ!夢なんて記憶の寄せ集めにしかすぎねぇですよ、チビカナ!」「その手の話、苦手だもんねぇ、翠星石。ボクは―不謹慎だけど―小説のネタにできそうかなぁって」「たしかにそうぞうりょくをかきたてられるかもしれないのだわ」「うゅ、真紅、袖を引っ張られちゃうと伸びちゃうからメなのよ」「雛苺、意外に冷静………。ばらしーは、ちょびっと苦手。あぁ、この妄想力が恨めしい………!」「――なぁ、その夢だけどさ」「はい、どうされましたか?」「夢の舞台――寂れた洋館が不気味って訳じゃないんだよな?」「それも一因かと思いますが、どちらかというと―― 出てくる人物の方にワタクシは不気味さを感じましたわ」「ヒナはお友達になりたいなぁって思ったの」「まぁ、雛姉様は………。――貴方様はどう思われましたか?」「んー………『納得いかない』」「………は?えと、それはどういう………?」「出てきた人物って、女の子なんだよな?」「ええ、二人――双子の様な………。微笑みの表情で立っているだけなのに、何所か空恐ろしい」「………うん。で、なんだっけか。雰囲気的には」「がらんどうの容れ物、その可憐さは何所か歪な――まさに、西洋人形が命を吹き込まれた様」「やっぱり、その感想に納得いかない」「何故!?」
115:夢見る保守を致すですぅ(前スレ―夢見る保守を致しますわ―→翠ルート)「――おい、翠星石、翠星石ってば」「あぅぅ………えぅぅ………やぁですぅ、やぁ………zzz」「………ごくり。翠星石、可愛い………」「――えーと、蒼星石さん?」「………冗談だよ、冗談。とりあえず、――起きて、翠星石」「むにゃ………ぅー………?――ふぁ、しょーしぇいせき、おはよーですぅ」「………くっ、なんて破壊力!食べちゃいたい………っ!」「『食べちゃいたい』じゃありません。ったく………翠星石、寝ぼけてないで覚醒しろ」「んぁ………なんで、ちびにんげんがいるですかぁ………?」「それは此処が学園だからです。――ほらよ、ハンカチ」「とりあえず、うけとりますがぁ………――って、ちちちび人間、何乙女の寝顔見てやがるですか!?」「見られたくないなら学校で寝るな。………ところで、何か夢でも見てたのか?」「しゅ、春眠暁を覚えず、ですぅ………」「なんでお前は理系の癖にそういう格言はさらっと出てくるんだ」「おじいさんの影響だと思うよ。――で、翠星石、さっきの話だけど」「夢、ですか。そうですね、よく覚えてねぇですけど見てたような気がするですぅ」「んー………で、どんな内容だった?」「えーと………たけのこがびっしり生えてる村を何度も行ったり来たり。 で、その次は、きのこが一面に生えまくった山を昇ったり降りたり………。 覚えている最後は、茶色い泥でコーティングされてる様な竹藪を突っ走ってたですよ。 それだけですのに………なぜか、とっても切なかったですぅ」「………あぁ、なるほど。確かに、ダイエット中の翠星石には切ないかもね」「体の一部がな。――ほら、購買行くぞ」「はぇ?――って、さり気にばらすなです、そうせいせ――(ぐぅ」「夢に見るまで我慢するなってば。さっさと涎拭いて、購買にお菓子買いに行くぞ」「………へ?――うぁぁぁぁ、見るなです、見るなですぅぅぅ!?(ごしごし」
116:夢見る保守を致すわぁ(前スレ―夢見る保守を致しますわ―→銀ルート)「ほら、今日、雪華綺晶が変な事言ってたじゃなぁい?」『………あぁ、見た夢が不気味だったって言ってたな』「でぇ、ちょっと思い出しちゃったって言うか、気になったと言うかぁ」『わからないでもないけどな。それで?』「『それで』………って、つれないわねぇ」『あのな。今何時だと思ってやがる!?』「26時よぉ。所謂、丑三つ時」『芸能人かなんかかお前は。――んな時間に電話してくるなよなぁ』「なによぉ、起きてたんだからいいじゃなぁい」『じゃあ今から寝る。お休み』「え、え、え?ね、ねぇ、ちょっとくらいお話しましょうよぉ………」『………ちょっと待ってろ』(プツっ………ツーツー)「あ、ぇぅ………切れちゃったぁ………。 メグも真紅も寝てるだろうしぃ………」ひゅるるるるる、っばんっばん「ひゃぅ!?――うぅぅ、お化けなんてなぁいさぁ、お化けなんてうーそさぁ――♪」trrrrrr,trrrrrr,「ひゃああ、なによぉ、なんなのよぉ!?――………って、電話ぁ?」(ピッ『――携帯からだと、金額嵩むだろ』「………ぁ。で、でもいいのぉ?」『家電に変えた時点で察しろ。――お前が眠たくなるまで、つきあうよ』「………うふふ、ありがとぉ………」
117:夢見る保守を致すのだわ(前スレ―夢見る保守を致しますわ―→紅ルート)「――あら………意外と面白いじゃない、この本」「本って言うか、漫画だろ。将棋漫画な筈なんだけど、何故かバトル――」「先を言わないのでいいのだわ」「喉渇いてきたなぁ………」「ポットに紅茶が入っているのだわ。無論、私のも淹れてくれるんでしょう?」「せめて論じさせろよ………。ったく、僕をなんだと思ってるんだ」「聞きたい?」「結構です」「ちょっとお腹がすいてきたわね」「………こんな時間に余計なもの食ったら、太るぞ」「それもそうね。我慢するのだわ」「この辺が翠星石と違う所なんだろうなぁ」「あの子だったら、『是くらい大丈夫ですぅ』とか言って――」「――『大丈夫じゃなかったですぅ』に続きそうだな」「なんでもいいけど、口真似が全然似てないのだわ」「なぁ、ところでさ」「何よ?」「僕は何時まで起きておけばいいんだ」「私が今日の雪華綺晶の話を忘れるまで――って、思いださせないで欲しいのだわ!」「僕の所為かよ!?………おじさんとおばさん、早く出張から帰ってきてくれ………」「家が隣なんだから我慢なさい――くしゅっ」「………膝かけでも持ってくるか。深夜はまだ寒いもんな」「是は花粉症よ。――暖かさは、貴方の背中から貰っているのだわ」――改題 寒くて熱い保守を致すのだわ
118:ほのかな保守を致すですぅ「むぅ………此処の古本屋さんは棚が高すぎですぅ………届かない………」「ジャンプして取ってみようか、翠星石?」「確かにお前ぇの方が届きそうですが………スカートなんですから、止めとくですよ」「それもそうだね。ちょっと店員さんに脚立借りてくるよ――」「すまねぇですぅ。 ………うーん、でも、背伸びしたら取れそうな………」「………翠星石?」「ぬ、く、もう少し、もう少し………!」「おーい、翠星石ってば――って」「うーーーーーー――って、きゃ――!?」 ――(ットン)「………なんとか間に合った。あのなぁ、何をそんなに無理して………」「あ、どもです――って、ち、チビ餓鬼じゃないですか!?かかかか勝手に触れるなですぅ!」「そんなに怒るなよ………受け止めてなきゃこけてたんだぞ、お前」「な、なぁーにを言ってやがるですか!この翠星石に限ってそんなおまぬけな事………!」「はいはい。――で、上の方にある本取ろうとしてたのか?」「なんですか、そのてきとーな返事は!?――ま、まぁ、そーですぅ。今、蒼星石が――」「えーと、どれだ?」「『好きな人に贈るお菓子の作り方』ってあsdfghjkl!?」「そういうとこ、お前も女の子だよなぁ。――と、ほらよ」「す、翠星石はどっからどう見ても立派な淑女ですよ!………って、え?」「え?じゃなくて。是が欲しかったんじゃないのか?」「そう、ですけど………。翠星石の後ろに立ちながら、よく届いたですね………」「背伸びしたけどな」「………ありがと、ですぅ」「珍しく素直に――ん、どういたしまして」「――翠星石、脚立借りてき………ぅわ、こんな所で乙女抱きされてる!?」「ち、違っ!?蒼星石、誤解ですよ!?」「そーいや、誰に贈るんだ、是見て作ったの?」「お前ぇでs――だぁぁぁ、違うです、違うですぅぅぅぅぅ!?」
119:怖い保守を致しましょう(20歳未満の方は見ない方が賢明です)「時季外れに怪談?――どうでもいいけど、此処は保健室なんだけど」「いいじゃないのよぉ、どぉせ万年暇な部屋なんだからなぁ」「………言ってくれるじゃないの」「ま、まぁまぁ、めぐ先生――」「――抑えて欲しいのだわ。水銀燈も、場所を借りているんだから、失礼な事を言わない様に」「貴方達がそう言うんなら従うけどぉ。嘘は言ってないわよ?」「いや、だから、お前な………」「もう良いわよ。でも、ほんとになんでこんな時期に?」「それは………。その、私も水銀燈もその手の話が苦手だから」「今のうちに強くなっておこうと思ってぇ………」「あら、殊勝じゃない。――じゃあ、貴方も?」「あ、いえ、僕は付き添いというか………語り手と言うか」「ネットばっかりやってるから、そういう話は詳しいものね」「るさい、真紅………と、言いたい所だけど、強ち否定できない」「あ、でも、めぐも詳しそうよねぇ」「どうしてかしら、水銀燈?」「そぉいう湿っぽい話好きそうだものぉ。それに、髪型とかも純和物の怪談に出てきそうだしぃ」「………ふーん」「だから、なんでお前はそう、めぐ先生には突っかかるんだ………」「甘えてるんだと思うのだけれど………。あの、めぐ先生、余りお気になさらず」「ありがとう、真紅ちゃん。ぜんっぜん気にしてないわよ?」「………怖いです、先生」「貴方までひどいわね。――そうだ、ちょっと耳ふさいどいてくれる?真紅ちゃんも」「「………?」」「私はいいのぉ?」「いいわよ。こほん―― む ら さ き か が み 」「………へ?――って、あぁぁぁぁぁぁぁ、わ、忘れてたのにぃぃぃ!?」「「………??」」
120:ほのかな保守を致しますね嬉しさも怒りも悲しみも、楽しみも。貴方には全て頂きました。嬉しさも怒りも悲しみも、楽しみも。貴方とは全てを共にしてきました。嬉しさも怒りも悲しみも、楽しみも。貴方と全てを分かち合いました。色々な事があって。沢山の事を乗り越えて。――是からも、お願いいたしますね。「――って言う作文が、家から出て来たですよ」「お前から蒼星石に、か?」「翠星石はこんな恥ずかしい文章書かねぇですぅ!」「それもそうか。じゃあ………ぁー………昔、贈ったものじゃないか?」「昔?誰が誰に??」「呼びかけが『貴女』じゃなくて『貴方』だから、まつ先生から柴崎先生に」「………なるほど。まぁ、納得出来るですね」「結婚前後に書いたものじゃないかな?そこはかとなく甘ったるいし」「あ、それはたぶん違うですぅ」「………なんで?」「だって、この紙、真新しいですよ。古いのは段々と色がぼけて来るですぅ」「それもそうだな。………ところで、本日、先生たちは?」「デートですぅ」「………あぁ、うん。二人でどっかに出かけたんだな」「違いますよ、はっきり『デートに行ってくる』って言ってたです」「………………凄いな」「何がですか??」「いや、えーと………相当に毒されてるな、お前………」「だぁら、何がですかぁ!?」
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