四季
春~雛苺~凍てついた大地に風が吹き、眠る命を呼び起こす。木々は芽吹き暖かい日差しを受ける。鳥達は舞い唄う。“春が来た、春がやって来た”満開の桜の下で笑う少女、雛苺。始まりを告げる花弁を手に、旅立ちを見送る。出会いと別れ、涙を零し、それでも笑える強さ。だからこそ、その笑顔は何よりも優しく力強い。春~雛苺~
夏~翠星石・蒼星石~命溢れ、緑溢れる季節。空は蒼く、雲はどこまでも続いていく。草原は緑に覆われて灼熱の太陽が見下ろす。一本立つ木、広げた枝に葉を繁らせて日差しから双子を守る。指を絡ませて眠る姿、魂を分けた2人の想いは太陽ですら温いほど。人々は思う、終わらない夏を。双子は想う、終わらない愛を。夏~翠星石・蒼星石~
秋~金糸雀・真紅~全てが美しい色彩に染まる。金色の葉が降り注ぐ中、風が葉を巻き上げ作り出す一筋の道を、小さな日傘が行く。少女は落ちてきた葉を手にとり胸に抱く。口ずさんだ唄で聴く者の心を魅了して癒やしながら。紅蓮の紅葉が咲く中に、気高く咲く紅い薔薇の少女。燃えるような色の中に佇む少女は憂いをおびる。誰の為か涙を流し、それでも前を向き、その歩みは止まらず。道は険しくとも意志は変わらず、高みを目指して。秋~金糸雀・真紅~
冬~水銀燈・雪華綺晶~冷気が全てを拒絶する白銀の世界。佇む少女は全てを拒み、その命は只一人の為に捧げられる。孤高と孤独は紙一重。求める者は遠く、全てを捧げなければ届かない。少女は白い闇の中、一人涙する。それは舞い降りる白い雪。さ迷う者に優しく降り注ぎ、永遠の眠りへ誘う。魅入られたなら逃れる事は出来ず、安らかな夢物語に終わりなど無く。眠る体に凍てついた根を伸ばし、銀の結晶のごとき花を咲かせ、語り部の少女は笑う。冬~水銀燈・雪華綺晶~
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