『つるんつるん』
夢を見た。誰かが僕に語りかけている夢。最初はなんだかわからなかった言葉も、どんどんクリアになっていく。「・・・ン。桜田ジュンよ」「誰?」「ワシは神じゃ」「神さま?神様は忙しいはずだから僕の所になんてこないよ。それに神さまはそんなに緑色じゃないやい」「まあまあそういうな。この神がすねてばっかのお前に試練を科しにきたのじゃからな・・・」「いいよ。そんなの・・・。こっちは宿題と雛姉さまの苺大福貰うだけで精一杯なんだから」「・・・辛い試練だぞ?耐えられるのか?」「あのー僕は受けるって言ってないし。なんのことやら・・・」「ワシにきかれてもなあー」そういい残して神様は僕の夢の中から出て行きました。
姉シリーズ最終章 雛姉編『つるんつるん』
目が覚めた。酷い寝起きだ。汗もびっしょりかいている。悪夢でも見たのか?むくりと起き上がり、枕元の時計と取ると時刻は六時半。目覚ましはまだ鳴っていない。トッテッテッテッテ。「おはようなのー!ジュンーはやく起きるのー!」ドアが開いた瞬間、雛苺がジュンに抱きついてくる。雛苺の豊満な胸を顔に当てられて、呼吸が困難になる。「わぷ!雛姉さま。起きますよ起きます。」「えへへへー。わかったら、さっさと仕度するのー」雛苺はジュンの眉間を指でツンとつつくと部屋を出て行った。「雛姉さまの胸。気持ちいいんだけどなあ・・・」
三時間目が終わり、小腹が空いてくる。あと一時間は我慢できそうもない。「ちょっと早弁するか・・・」そう思い、バックの中から弁当を取り出す。「お、なんだ桜田。巨乳な姉ちゃんの手作りか?羨ましいなオイ」「ベジータ・・・。人様の姉に向かってそのいい草はないぞ」ジュンはベジータをたしなめながら、布に包まれていたタッパーを開ける。「雛姉さま・・・こりゃないよ」「これは・・・地獄だな」タッパーの中身は苺大福が数個、入っていた。片寄り現象を起こし、出来た空間がなんとも言えない雰囲気をかもし出している。そういえば、昨日の冷蔵庫にはなにもなかったな。と思い出し、今朝、姉が笑顔で苺大福を詰め込む姿を想像すると少し笑えた。「まあいいや・・・いただきま・・・!!」手に持った苺大福が床にポロリと落ちる。「どうした?」「は・・・腹が・・・」「おい!桜田!しっかりしろ!」ジュンは意識を失い。病院へ運ばれた。
「はははは!ごめんよ雛姉さま!心配かけちゃって」「ただの盲腸でよかったのー。雛ね、ジュンが死んじゃうかと・・・」雛苺が言葉を詰まらせる。「大丈夫だよ。だから泣かないで雛姉さま」ジュンは雛苺の頭を撫でて慰める。「本当?」雛苺がジュンに近づいてくる。彼女の瞳に自分が映るほどに。「大丈夫だよ・・・だいじょ・・・あが!!」雛苺のジュンの股間の辺りに『偶然』に手をついた。ジュンは内側から来る激痛に襲われた。「ど、どうしたのー?」雛苺はおろおろしながらジュンをみる。すると、ジュンの体に繋がっている。チューブを一本発見した。「ひ、雛姉さま・・・それは」「これが元凶なのー?えい!」雛苺は力任せにチューブを引き抜く。「!#&%$☆*ふじこp!!」ポキリ。ガラスが割れるような音がした。ジュンは股間を押さえ、悶絶する。「じゅ、ジュンー!大丈夫なのー!?雛に見せるのー!」雛苺は悶えるジュンに構うことなくズボンを下ろす。
「・・・・・・・つるんつるんなのー・・・子象さんがいるのー・・・」雛苺は下半身丸出しのジュンの前に固まってしまった。「な、ナース・・・コール・・・」
悪夢を見るわ、弁当は苺大福だわ、盲腸で入院だわ、姉に剃毛された象さん見られるわ、カテーテル折られるわ。
「辛い試練じゃぞ?耐えられるかな?」
僕が何をしたんだ?
「フン!お前は巨乳の姉を独り占めしているからだ!この俺にも分けろ!」
不意にベジータが昔言った言葉を思い出した。
とにもかくにも、象さんが痛い。
姉シリーズ最終章 雛姉編『つるんつるん』 劇終。
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