第十二話 JUMと姉妹喧嘩 後編
「一つ屋根の下 第十二話 JUMと姉妹喧嘩 後編」
前編の簡単なあらすじ・・・とりあえず僕の受難は確定らしい。説明終わり。「あ~・・・じゃあどっちにしようかな・・・」僕はヒナ姉ちゃんと翠姉ちゃんを交互に見る。二人だけでなく、二人を支持する姉ちゃん達も僕に視線を注いでいる。「んー・・・今回はどう考えても翠姉ちゃんが悪いような・・・」ヒナ姉ちゃんを見ながら言う。すると、その顔がパァッと明るくなる。「そうなのよ!JUMったらいい子なのよ~。」次に翠姉ちゃんを見る。そして、僕はニヤリと笑う。「翠姉ちゃんにここで、恩を売っとくのも悪くないかなぁ。」日頃の仕返しとばかりに取引を持ちかけてみる。これで一週間くらいは翠姉ちゃんは僕に手出ししないだろう。しかし、翠姉ちゃんの激しい気性は僕の余裕が気に入らなかったらしい。「ちょ、ちょーしに乗るなですぅ!JUMになんか支持されなくてもへーきのへーざですぅ!何を勘違いしてるですか!?チビチビ同士お馬鹿苺の方に行くがいいですぅ!」なんて事を言い出した。慌てて銀姉ちゃんが口を塞ぐ。そらそうだ。ぼくがそっちに行けば勝敗は決する。「ふっふっふ~、翠星石がああ言ってる事だし、JUMはこっちに来るかしら~。」カナ姉ちゃんが勝ち誇ってる。今回は自称策士としては成功した方だろう。何せキラ姉ちゃん取り込んだし。僕がヒナ姉ちゃんの方に行こうとすると銀姉ちゃんが行った。「待ちなさぁい!雛苺、水銀燈が提案するわぁ。JUM争奪アピール合戦をしましょぉ?」銀姉ちゃんがまた阿呆みたいな案を提案する。だが、銀姉ちゃんは口が上手い。「雛苺も、JUMが味方になるなら完全に力でなったほうがいいでしょぉ?そ・こ・で。まずはファーストアピールタイム5分ずつ!そして、ラストアピールタイムに3分ずつ。どうかしら?この時間でJUMを引き込んだ方が勝ち。ま、これを拒否してもいいけどぉ・・・本当にJUMの心を得た事にはならないわよねぇ・・・」銀姉ちゃんがニヤリと笑う。策士だ。こう言えば拒否できない事がわかってる。ヒナ姉ちゃんは言った。「望むところなの!JUMはヒナ達の力で手に入れてみせるんだからぁ!」
とまぁ、僕の意思は完全に無視され、僕を中央に両軍が向かい合う。「それじゃあ、5分計るね。翠星石チームから。レディ・・・GO!」蒼姉ちゃんが携帯の時計で秒数が00になった所ではじめさせる。「作戦通り行くわよ、翠星石・・・ふふふっ、JUM~・・・」銀姉ちゃんが僕によってくる。そして、いつも通り首に腕を回して体を密着させてくる。これぐらいは慣れっこだ。「ねぇ、JUM。こっちに来ればお姉ちゃんがイイコトしてあ・げ・る♪ふぅ~」僕の胸に銀姉ちゃんの胸が押し付けられる。柔らかくて温かい。そして、銀姉ちゃんは僕の首筋にふぅ~と息を引きかける。僕は思わず体がゾクゾクしてしまう。目を見るとその艶かしい瞳に吸い込まれそうになる。「うひゃあ!?ぎ、銀姉ちゃん・・・む、胸が・・・」「うっふふ、当ててんのよぉ・・・ほらぁ、JUM?」銀姉ちゃんがボタンの一番上を開けて胸元を広げてみせる。僕の視線は思わず・・・てか、仕方ないよね。男としてさ。釘付けになってしまう、豊かな谷間と銀姉ちゃんらしい黒の下着が見える。これも仕方ない。男だから・・・思わず、僕のマイサンが目覚めそうになる。待て、押さえるんだ。円周率は・・ええっと・・・しかし、そんな僕をあざ笑うように銀姉ちゃんは今度は僕の耳に息を吹きかける。僕は再び悶えた。「ええっと・・・・JUM・・・・」そんな折、僕の右腕に再び温かくて柔らかい感触が伝わる。翠姉ちゃんだった。「す、翠星石はさっきはあんな事言ったですけど・・・本当はJUMが大好き・・・ですぅ・・・」そう言って潤んだ乙女チックな目を向ける。大き目のシャツの首元から胸元が見え、こちらも翠姉ちゃんのトレードカラーともいえる緑の下着が思わず目に入った。「JUM・・・こっちにきたら・・・ローゼンガンダムを・・・作ってあげるよ・・・」薔薇姉ちゃんが言う。何故だろう。それが一番魅力的に思えた。理性が吹き飛びそうになったときだった。銀姉ちゃんと翠姉ちゃんがキラ姉ちゃんと蒼姉ちゃんにひきづられていく。「はいはい、5分たったよ。お終いお終い。」何とか5分は持ったようだ。しかし、次はヒナ姉ちゃんチームからの拷問だ。「じゃあ、計るわ。よーい、ドン。」真紅姉ちゃんが愛用の懐中時計を開いて言った。
「JU~M、JUMはヒナの味方よね~。来なきゃめっめっなのよ~。」ヒナ姉ちゃんが正面から抱きついてくる。後ろからはカナ姉ちゃんだ。「そうよ、JUM。正義は我らにありかしら~。」なんだか微笑ましい二人だ。もっとも、カナ姉ちゃんは二つも年上だが・・・「ふふっ、JUM・・・・」キラ姉ちゃんが銀姉ちゃんのように僕の首に腕を回し、体を押し付ける。さすがは銀姉ちゃんに次いで2番目。同じくらい柔らかいし、温かい。そんな事思ってると、キラ姉ちゃんは僕の首を軽く噛み、そして僕の頬をペロンと舐めた。僕の背中がゾクッとする。「JUM・・・こっちに来ないと食べてしまいますわよ?」そう言って怖いくらい笑顔のキラ姉ちゃん。それ、どっちの意味ですか?そんな事を思ってると、僕の手を優しく包む手があった。蒼姉ちゃんだ。相変わらず控えめな人だ。「あ、あの。僕はJUM君を信じてるから・・・最後には僕らを選んでくれるって。」蒼姉ちゃんは僕の手を握りながら上目遣いでそんな事を言う。やばい、可愛いかも・・・そして、僕らってトコが蒼姉ちゃんらしい。アピールしながらもみんなを立てている。やっぱ、こっちかなぁ。「あうぅ・・・水銀燈、不味いですよ。JUMはあっちに引かれてるですよ!」翠姉ちゃんが焦りを見せる。銀姉ちゃんは僕らを見ながら何か考え事をし、そしてポンと手を叩いた。「分かったわぁ・・・こっちの勝ちの鍵を握ってるのは・・・真紅よぉ・・・」「え?わ、私?」さっきアピールに参加せず本を読んでいた真紅姉ちゃんを銀姉ちゃんが指名する。「し、真紅がですかぁ?で、でも・・・・」「いい?翠星石。考えなさい。まず・・・戦闘力(バスト)で言えば私はキラキーに勝ってるけど、翠星石は蒼星石に負けてるわねぇ?つまり、ここではほぼ互角・・・」「そ、そうですけど・・・でも、いくら真紅がマイナスとはいえ、薔薇しーは結構出てるですよ?それに向こうはヒナカナとマイナス要因を二人も・・・・」「そこよ!」銀姉ちゃんはビシッと言う。そして、こっちを見ながらとんでもな事を言った。
「つまり・・・JUMはロリロリ貧乳ツルペタ属性だったのよ!」「な、何だって~~~ですぅ!」「何だってー・・・・・」銀姉ちゃんが言い切る。それに続き翠姉ちゃんと薔薇姉ちゃんがリアクションをとる。アホだ・・・アホすぎる。「と、言うわけでぇ・・・ラストアピールは真紅が行きなさぁい。頑張れ、貧乳ナイチチ♪」「翠星石のために頑張れですぅ、ロリロリぺッタン♪」二人は禁句を連続する。あ、真紅姉ちゃんの周りが歪んで見える。「ふふっ・・・そう・・・っく・・・いい加減にしなさい貴方達ーーー!!私のどこが貧乳ナイチチロリロリペッタンまな板えぐれ胸よ!!この水牛燈に実装石!!」アレアレ?何か自分で増やしてませんか?真紅姉ちゃん。「全部よ全部!どうみても胸ないじゃないのぉ!」「そうですそうですぅ!それに実装石なんてあんなのと一緒にすんなですぅ!!」仲間割れが始まる。3人の姉達はギャーギャーと口論を続けている。「えっと・・・じゃあ向こうは内部割れなんで・・・ヒナ姉ちゃんチームの勝ちで・・・」新しくはじまった喧嘩を余所に、僕が宣言する。ああ、ようやく終わった。「わ~い、ヒナの勝ちなのよ~。じゃあ、あっちで桃鉄でもやるの~。」「いいかしら~。カナが楽してズルしていただきかしら~。」「ふふっ、金糸雀は自滅しやすいから気をつけてね。」「いいですわね。ほら、薔薇しーちゃんも行きましょう?」「うん♪桃鉄桃鉄~♪」こうして、第・・・沢山会目のローゼン多数決は仲間割れでヒナ姉ちゃんの勝ちと相成った。僕もリビングで勝ちチーム&薔薇姉ちゃんと桃鉄をプレイする。三人の喧嘩はまだ続きそうだった。ああ、せめて寝る時間前には終わってね。五月蝿いからさ・・・END
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