複数短編40
薔「……姉さん、見てほしいものがあるの……」雪「何なの、一体?」薔「……これこれ……」 一枚のポスター。『全日本兎祭り開催』と大きな文字で書かれている。バックにはラプラスがHGの服装でフォーのポーズをしている。『兎だフォー!』なんてセリフを吹き出しで書いていたりもする。雪「……何ですねん、これ」薔「今度の余興で使おうと思って……パソコンで作った」雪「…………」 何もいえぬ沈黙だけがしばらくその場を支配していたりする。
J「雪華綺晶、何読んでるんだ?」雪「これですわ。まだ読み始めたばかりなんですけど。」金「『ゼロの使い魔』ね。聞いたことがあるかしら。」雪「ばらしーちゃんが読んでおいてほしいって言うものですから。」J「どんな話なんだ?」雪「えーと、貴族は魔法が使えるのだけど平民は使えなくて―」金「魔法を使えるソーサラーたちがパーソナーを支配している世界かしら。」雪「主人公の男の子は女の子の下僕なんですがいざとなるとすごい力を発揮するんです。」金「魔法を食らうと魔物に変身するかしら。でもその女の子には頭が上がらないかしら。」雪「なんでも失われた魔法がどうのというお話らしいのですわ。」金「各地をまわって禁呪の封印をしているかしら。」J「途中からなんか微妙に違ってきてるみたいなんだが?」金「カナの記憶が確かなら、こんな感じの話だったかしら。」雪「もう少し読み進めれば分かるかもしれませんわね。」薔薇水晶が戻るまで謎は解明されなかったそうな。
《第3の必殺技》真「紅茶がぬるいわ。淹れなおしなさい。」J「おまえがすぐに飲まないからだろ。」真「香りがとんでしまっているのだわ。早くなさい!」J「それくらい自分でやればいいだろ。」真「聞こえないの?使えない下僕ね。」翠「真紅、JUM、やめるです。」真「役立たずはいらないわ。消えなさい!」J「いい加減にしろ!」堪忍袋の尾が切れたJUMが真紅に飛びかかろうとした。しかし跳躍することなくそのまま力なく倒れこんでしまった。J「っく、力が抜ける!?」真「悔い改めなさい。謝れば許してあげるのだわ。」翠「一体何が起こったですか?」蒼「『ぱわーしんく』だ。」翠「知ってるですか、蒼星石!?」『ぱわーしんく』は真紅第3の必殺技。相手の技の出掛かりを狙って力を吸い取り無力化する後の先の技だ。全力で掛かってくる相手ほどその効果は大きい。
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