蒼星石の告白
夕方・商店街蒼「今日も買い物つき合わせちゃってごめんね…でも凄く助かるよ。ありがとう。」J「ううん。蒼星石いつも大変そうだし…助けになってるならうれしいな。」(毎日一緒に夕飯の買出しって夫婦みたいだし…)蒼「…えへへ…」
(髪の長い女性とすれ違う)J「うわぁ…今の人、髪長かったなぁ…」蒼「…そうだね…それにストレートで手入れもしっかりしてるし……」J「蒼星石も、髪伸ばしたら?」蒼「えっ………駄目だよ…僕ネコッ毛だし、伸ばしてもあんなに綺麗にならないよ……」J「そっか……伸ばしたら可愛いと思うんだけどな……残念。」蒼「…………そう……ありがとう…」
蒼「はい、おじいさん、おばあさん。どうぞ召し上がって下さい。」 (ジュン君もやっぱり女の子らしい子が好きなんだろうなぁ…… でも…僕が髪伸ばしたら…それこそ翠星石との鏡写しじゃないか…やっぱり……ジュン君も本当は……はぁ…)じ「…今日の鯖の味噌煮美味しかったぞ。味噌汁も絶品じゃ!!これならいつでも嫁にいけるな!!」ば「それはそうだけどでも…それはそれで寂しいわねぇ…まだ蒼ちゃんをお嫁には出したくないわ…」蒼「うん…ありがとう…おじいさん、おばあさん……」 (……僕は良くても、肝心の相手が嫌がるよね…はぁ…僕もいつまでもジュン君困らせたくないし…よし、明日…言おう!!)
翌日・昼休み蒼「ジュン君…話があるんだけど…」J「…ん?何?」蒼「ちょっとここじゃ言いにくいから…屋上に来てくれる?」J「う…うん……」
蒼「実は……僕…ジュン君と距離を置こうと思うんだ…」J「………えっ…?それってどういう意味…?」蒼「言葉通りの意味だと思うけど…いい?」J「えっ…いいって……よくないよ…僕何かしたか?」蒼「うぅん…別に何も…ただ…別れた方が良いかなって思っただけ…じゃあね…」J「っておい…待てよ……待って…」
J「…おかしい…僕何かしたっけ…?」ベ「どうかしたのか?」J「………蒼星石に…別れてって言われた…」ベ「そりゃお前、答えは簡単。蒼嬢は俺に惚れたから、お前は用済み。この世の女は俺のもの。以上だ。」J「氏ねよ……」
銀「どうしたのぉ?ジュン元気ないわねぇ…」J「………蒼星石に(ry」銀「そう…ジュンに非があるのか…それともあの子に新しい男が出来たかどっちかねぇ…」J「僕に心当たりは無いんだ…」銀「じゃあ新しい男説なんじゃないの?あの子生真面目だから二股なんて多分出来ないし、今日別れたってのなら、多分今日会うわよぉ。」J「張ってみようかな…」銀「そうねぇ…頑張ってみればぁ…?」J「…一人じゃ不安だから…手伝ってくれ…ベシは信用できないんだ…」銀「分かったわぁ…けどややこしいことになっても知らないわよぉ…」
翠「ちょっと蒼星石ぃ!!ジュンと別れたって本当なんです?」蒼「……うん。」翠「どうしてです?あのちびに何かされたですか?」蒼「…ううん。何も。ジュン君は悪くないよ。ただ…別れた方が良いかなって思っただけ…」翠「きぃぃぃー…何です?!その曖昧な理由は!!お姉ちゃんはそれじゃ認めませんよ!」蒼「……僕の事はほっといて…。」(うん…これでいいんだよ…)
放課後・商店街
銀「…で蒼星石はいっつも帰りにこのスーパーに寄るのねぇ?」J「うん。でいつもタイムサービスを狙うんだ。」銀「何だか庶民的ねぇ…」J「年金暮らしで大変なんだよ。蒼星石の家は。」銀「あっ…出てきたわぁ…重そう…」J「そりゃいつも僕が半分持ってるから……」ソワソワソワ銀「駄目よぉ、我慢しなきゃ…」J「わ、分かってるよ…」
近所のじじぃ「お、蒼ちゃん。今帰りか。お疲れ様。」蒼「あ、おじさんこんにちは。おじさんもいつもお疲れ様です。」
銀「近所のじじぃに人気があるみたいね…」J「………」
銀「あ、今度は子供が話しかけるわぁ…ご近所様に好かれてるのねぇ…」J「……」
餓鬼「あ、蒼姉ちゃん。今帰り?」蒼「そうだよ。今日も学校楽しかった?」餓鬼「うん。あれ…?姉ちゃんいつものネガネ猿は?」
J「……あの糞餓鬼…」銀「抑えなさぁい…」
蒼「えっと…今日はちょっと用事があるんだよ。」餓鬼「そっかぁ…じゃあ…姉ちゃん一人なら……えいっ」蒼「えっ…」
J「…あの糞餓鬼…ヌッコロス…!!」銀「スカート捲りかぁ…可愛らしいじゃない…」
蒼「こら、止めて…ってうわ…バランスが…」
銀「ずっこけちゃったわねぇ…まぁあの子意外とドジだし…荷物も多いし仕方ないってジュン…行っちゃ駄目よって…」J「大丈夫かっ?!蒼星石!!」銀「行っちゃったぁ…青春ね…私も追いかけなきゃ。どうせ今の声でこっちに気が付いたみたいだし…」
蒼「あれっ…ジュン君……?!ありがと…って何でここに居るの?」J「え……たまたまだよ。たまたま!!」銀「蒼星石、大丈夫ぅ?」蒼「水銀燈…………二人でどうしたの…?」J「別に…何も……」蒼「………そう…ありがとう。じゃあね。」
J「どうしたんだ…?」銀「馬鹿ねぇ…別れたばっかりの女の子と女連れで歩いてちゃ…そりゃ機嫌も悪くなるんじゃないのぉ?」J「そっ…そんな……僕はそんなつもりじゃ…」銀「だから出るなって言ったのに…とりあえず走って行っちゃったけど、尾行続ける…?」J「うん……」
蒼「………」(僕が望んだ事なんだから…これでいい。これでいいんだよ…だけどちょっと胸がイタイ…)
じじぃ「今日は南瓜かぁ…わしゃあこれがあんまり好きじゃないんだが…」蒼「安かったから買ってきたんだよ。それに南瓜は栄養あるんだから、我侭言わずに食べて。」ばばぁ「そうですよ、おじいさん。蒼ちゃんを困らせるんじゃないですよ。」じじぃ「すまんかったのぅ…だが上手いぞ。蒼星石。」蒼「ありがとう………」
銀「普通に祖父母孝行してるわねぇ…」J「男の影何か微塵も感じないぞ…」銀「……じゃあやっぱりジュンに問題があったんじゃなぁい?」J「………明日やっぱりもう一度話をするよ…」銀「そぉねぇ…それがいいわねぇ…」
次の日・昼休み蒼「………何の用かな?もう何の関係も無いのだから気安く呼び出しなんてかけないで欲しいんだけど…」J「…いや…その…昨日の事とか…色々誤解してるんじゃないかと思って…」(怒ってる怒ってる…)蒼「?誤解?何を誤解することがあるの?君が放課後水銀燈と一緒にいただけでしょ?違うの?」(あれ…?僕何でむっとしてるんだろう…?)J「いや…それはそうなんだけど……ちょっと違うくて…」蒼「……何が違うの?」J「……その…何で蒼星石が別れるって言ったのか理由がわからなくて…水銀燈に相談したら…… 新しい男が出来たかもしれないって…それが本当なら確かめたくて…だから…ちょっと後をつけてて…」蒼「………何それ…?僕にほかの男の人が出来たかもしれないって思って、自分は他の女の子と一緒に僕をつけるんだ… 生憎だけど僕は別れた日に直ぐ別の男の人と会うほど軽薄じゃないよ!!君が僕の事をどう思ってたか、よぉ~く分かったよ。じゃあね!!」(光の速さで走り抜ける)J「……ちょっ…待って…ちくしょ~」(音速で追いかける)
蒼「………。」(僕こんなんで良いのかなぁ…)
蒼「…………っ!!ジュン君……」(ベジータに手首をつかまれたまま身体が固まる)J「ちょっと…ベジータ出てけよ!!」(その手首を無理やりこちらに引き寄せる)ベ「ちぇっ……分かったよ…」(今度は銀嬢でも声かけにって来るか)
J「何してたんだ…?」蒼「話してた…それより腕…放して…捩れて痛い…」J「それだけか…」蒼「それだけだよ…」J「…そういう風には見えなかったけどな…さっき自分は軽薄じゃない…とか言ってたくせに…迫られたら誰でも良いのか?」蒼「………そうかもしれない…」J「は?」蒼「覚えてる?ジュン君が僕に…初めて好きって言ってくれたときの事…」J「……うん…」(忘れるわけない…)蒼「……僕ね…今までずっと…誰かに女の子扱いされたり…男の子に好きって言われた事無かったから… 凄く嬉しかったんだ…あの時の気持ち…まだ覚えてるよ…」J「……じゃあ何で…別れようなんて言ったんだよ…」蒼「………だって…ジュン君が…辛いかなって思ったから…」J「…ん?俺…そんな事思った事無いぞ…」蒼「だって…毎日毎日買い物…しかもすっごく色気も何もない買い物に付き合わせて…荷物持たせて…」J「…気にしてないって言ったじゃないか…少しでも蒼星石との時間を増やしたかっただけだよ…」 (それに庶民的なもの買ってる姿を見るとエプロン姿とか新婚生活とか微妙に妄想できて楽しかったし…)蒼「それで……ジュン君好みの女の子らしい子でも…僕…無いし…このままじゃ可哀想かなって… もっと楽しい高校生活送ってもらえたらなって思って……」J「………」(あぁ…あの時の言葉を曲解して…また一人で暴走を… 事前に一言言ってもらえたら何も揉めなくて済んだのに…相変わらず口下手というか何というか…)蒼「……そういう事だから、じゃあね。今度こそバイバイ…」
J「ってちょっと待ったぁ……あのな、僕は蒼星石が女っぽいとか男っぽいとかで好きになったわけでもないし、 ましてや…確かに長い髪の毛とか…まぁ好きだけど…長い髪の毛の子が特別好きという訳きじゃなくて、 イメージが変わった蒼を見たかったというだけで…とにかく僕の高校生活は…蒼星石がいたら…それでいいから…」(ぽふぽふと頭を撫でる)蒼「……本当…?」J「……うん……だけど…そう言う事は…自分がどう感じたかとか…もっとちゃんと話してくれ…本当に頼む。 …今回の件で…さらにベジータとのやり取り見て…寿命が縮むかと思ったんだから…」蒼「…ごめんね…」J「……う~ん…でも何かしてもらおうかなぁ…」蒼「えっ…!!な…何かなぁ…出来るだけしてあげたいけど…」J「告白して。」蒼「…え?」J「僕達一度別れたんだろ?んでもう一回やり直す。一回目は僕からだったから、今度は蒼星石から。」蒼「………う、うん…」J「…さ…言って…」(すっごい照れてる…これでよく男っぽいとか自分で言うよなぁ…」
蒼「ぼ…僕は……ジュン君の事…好き…です。もし良かったら…もう一度…僕と一緒にいて…下さい…。」
ベ「俺っちは当て馬かい。」
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