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「密室(後編)」(2006/05/30 (火) 19:43:10) の最新版変更点
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<p>
蒼「ふぁ・・・あ・・・はぁ・・・やっぱり夢じゃないのか・・・」<br>
J「・・・駄目だ・・・」<br>
蒼「やっぱり、まだ判らない?」<br>
J「まぁ・・・じっくりな・・・じっくり・・・」<br>
蒼「・・・うん。」</p>
<br>
<p>・・・何かが可笑しい、何かがずれてる。<br>
・・・何だ?何がずれているんだ?<br>
・・・何だ?<br>
何故・・・この部屋を隅まで探しても良いといったんだ?<br>
鍵が見つかるかもしれんのに。<br>
・・・何故だ?<br>
益々謎は深まるばかりじゃないか・・・</p>
<br>
<p>蒼「・・・皆どうしてるのかなぁ・・・」<br>
J「さぁ・・・俺等を血眼で捜してるのかもな・・・」<br>
蒼「早く帰らなきゃね・・・」<br>
J「・・・2人とも元気なままでな。」<br>
蒼「うん・・・」</p>
<br>
<p>試しに逆に考えるんだ・・・<br>
犯人は何がしたい?<br>
犯人は・・・そうか・・・判った。</p>
<br>
<p>J「犯人が誰か推定された・・・」<br>
蒼「え?」<br>
J「だが・・・まだ多すぎて完全ではない・・・」<br>
蒼「そう何だ・・・」<br>
J「まぁ・・・誰かが判らんとなぁ・・・」<br>
蒼「うん・・・頑張って・・・」<br>
J「・・・ああ・・・」</p>
<br>
<p>再び脳はフル回転を始める。<br>
紙を取り、ペンで仮定を描く・・・<br>
・・・駄目だ、符合しない。<br>
・・・考えろ・・・考ええれば考えるほど脳は進化する・・・<br>
考えれば何か・・・何か糸口が・・・<br>
見えるはずだ・・・何だ?・・・<br>
何が糸口何だ?・・・<br>
何が・・・<br>
・・・・・・・・・<br>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・</p>
<br>
<p>蒼(・・・生きたい・・・けど・・・)<br>
蒼(この人には勝てない、寧ろ何故か殺したい気がしない・・・)<br>
蒼(・・・殺しても、黄色い救急車行きだしな・・・はぁ・・・)</p>
<br>
<p>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br>
何だ?ピースが抜けてるぞ?<br>
おらおらもっと考えろ、生き抜くんだろ?<br>
そんなんじゃ2人とも腐っちまうぞ?<br>
何故だ・・・?<br>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・変・・・<br>
変態?<br>
・・・・・・変態・・・か・・・一理あるかもな・・・<br>
しかし誰だ?<br>
その変態は・・・<br>
こんな馬鹿げたゲームを思いつく輩は・・・<br>
・・・こんな事で人殺して、その一生を棒に振らされるのか?<br>
実に馬鹿だ!何て馬鹿だ!<br>
そんな事を考える暇が有ったら、ひたすら探せ!<br>
出口を!迷宮の出口を!<br>
さぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・<br>
さあ、脳を回転させろ!脳を構築して鍛え上げろ!<br>
脳は疲れを知らん!休みはこの後だ!さぁ!さぁさぁ!!さぁさぁさぁ!!!<br>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・<br>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・</p>
<br>
<p>・・・・・・・・・・・・・・・・・<br>
ある程度整理は出来た。<br>
問題は・・・何処に鍵があるか・・・だ。</p>
<br>
<p>J「はぁ・・・」<br>
蒼「如何したの?」<br>
J「鍵が何処か判らない・・・」<br>
蒼「そう・・・」<br>
J「そう言えば、お前って詩歌なんか作れたっけ?」<br>
蒼「うん・・・一応作れるけど・・・」<br>
J「試しにそうだな・・・恐怖の感情が欠落した俺でも、怖がる一番暗いのやってみて?」<br>
蒼「うん、判ったよ。」<br>
蒼「いくよ?」</p>
<br>
<p>
そして、息を吸い語りかけるように、詩を謳い始めた。</p>
<br>
<p>私は此処だ、生贄を捧げろ。<br>
宴だ宴、血の祝杯を捧げろ。<br>
腹を食いちぎれ、相手を殺せ。<br>
全身をかけて探し出せ。<br>
栄光は死の巣窟に。<br>
抉り出せ、子が巣食う巣を。</p>
<br>
<p>
・・・腹を食いちぎれか・・・顔のわりに凄い事・・・・・・・・・・・あ・・・そうか!・・・ああ・・・はぁ・・・<br>
しかしついてない、実についてない。<br>
鍵の居場所は・・・判ったが・・・<br>
はぁ・・・死ぬかもしれんね・・・</p>
<br>
<p>J「蒼星石・・・有難う・・・」<br>
蒼「ジュン・・・君?」<br>
J「鍵の場所がわかった・・・はぁ・・・」<br>
蒼「え・・・?」</p>
<br>
<p>
その頃、殺人魔グリーンアップルは謎の部屋で、ラジオを伝って中を聞いていた。<br>
足元には、人の皮をなめして作ったフローリング。<br>
椅子には人骨を使い、綿は脳を使っていた。<br>
そして、ニタリと笑う。</p>
<br>
<p>グ「お?そろそろ、動くのか?」<br>
グ「楽しいねぇ・・・」<br>
グ「前の数人は、呆気なく壊れちゃったけど、今回は楽しめそうだぁ・・・フフフ・・・」<br>
グ「ハハハァ・・・どっちが死ぬかな?」<br>
グ「それとも、無事に出れるかなぁ?愉しみだなぁ!」<br>
グ「フフフフ・・・・」</p>
<br>
<p>その頃ジュンは、蒼星石にこう告げていた。</p>
<br>
<p>
J「恐らく、あいつは俺等が殺しあった後、俺等の身体に埋め込んだ、どっちかの鍵をあのスピーカーで、取り出させるんだろう。」<br>
蒼「如何して判ったの?」<br>
J「そうじゃなければ、俺等を自由に動かしたりはせん。」<br>
蒼「あ・・・そうか・・・」</p>
<br>
<p>
確かにそうだ、もし壁に埋め込んだなら、僕達が蹴った拍子に出るかもしれない。<br>
もし死体なら、食べた時出るかもしれない。<br>
もし無いんなら、ドアに鍵などつけない。<br>
それが理解できた。<br>
身体なら、相手を殺さない限り、出てきたりはしない。</p>
<br>
<p>J「さて・・・場所だけど。」<br>
J「俺の腹だ。」<br>
蒼「・・・え?」<br>
J「俺の腹だ、メスが有っただろ?メスと糸、そして針を取ってきてくれ・・・」<br>
蒼「え・・・けど・・・判った。」</p>
<br>
<p>そう言うと、それぞれを取ってきた。<br>
ジュンは死体から取った血をコップに入れたものを、其処に用意していた。</p>
<br>
<p>J「血は・・・コレで良し。」<br>
蒼「一体何を?」<br>
J「自分で腹をさばく。」<br>
蒼「え!?けど、それは・・・」<br>
J「ハイリスクだから止めろと?無理だ、さもなくば俺等は死ぬ。」<br>
蒼「うっ・・・」<br>
J「お前じゃあ、血が少なくて耐えられないだろう。」<br>
J「だから、俺の腹を俺が斬って手術する。」<br>
蒼「でも・・・」<br>
J「・・・俺の親が医者で、昔俺に無理やり手術やらせたから、ある程度実践はある。」<br>
蒼「・・・」<br>
J「安心しろ、血が無くなり掛けたら、其処のを飲めば良いんだからな?」<br>
蒼「・・・本当にするの?」<br>
J「信じろ、俺を。」<br>
蒼「・・・判った、けど奏して其処だと?」<br>
J「此処以外に、物を隠したら見えるぐらいの変化が、身体に出てくるからだ。」<br>
蒼「あ・・・そういうこと何だ・・・」<br>
J「はぁ・・・神の御慈悲を・・・AMEN!」</p>
<br>
<p>
そう言うと、メスを火で炙って殺菌して、冷ました物で手術を開始した。<br>
正直きつい、先ずは腹を薄く臓器を切らないように切るが、麻酔が無いため死ぬほどキツイ。</p>
<br>
<p>
J「痛たたたたた・・・落ち着けー俺・・・グッ!・・・」<br>
蒼「・・・死なないで・・・お願い・・・」</p>
<br>
<p>蒼星石は、自分の不甲斐なさに嘆いた。<br>
ジュンに蒼星石の声が聞こえた・・・</p>
<br>
<p>J(泣いてる?・・・そりゃあそうか。)</p>
<br>
<p>しかし、泣いてる姿を見る事が出来ない。<br>
手が震える・・・危ないが、蒼星石にやらせる訳にはいかない。<br>
そして腹を開き、鍵を探す。<br>
・・・・・・メスで軽く叩く、激痛が走り意識が何度も何度も、飛びそうになるが必死に耐えた。<br>
何故だか耐えれた盲腸辺りを叩くと、コンコンと鉄と鉄のぶつかる音がする、此処か!其処を急いで開けて、鍵を取り出す。<br>
鍵が有った!安心したのも束の間、血が少しにじみ出始めている。<br>
しかも超小型の盗撮ビデオまで一緒に出てきた、コレで俺等を見てたのか・・・<br>
その後は、針で開けた所と腹を縫う。<br>
不恰好で痛いが、其のままよりは遥かにマシだった。<br>
その後、腹を縫い終わり、無事に手術は成功した。<br>
腹はジンジン痛むが、大分慣れてきた。</p>
<br>
<p>J「いつつつつ・・・」<br>
J「っくー!・・・はぁはぁ・・・疲れた・・・」<br>
蒼「ジュン君!・・・大丈夫?」<br>
J「ははは・・・ああ・・・大丈夫だ。」<br>
蒼「良かった・・・」</p>
<br>
<p>
その後、ジュンはコップの血を飲み出発する事にした。<br>
血でも飲まないよりは、飲んだほうが手術後なので良いと考えたからだ。</p>
<br>
<p>
J「はぁー・・・こんな事になるとは・・・トホホ・・・さて、行くか・・・」<br>
蒼「御免・・・役に立たなくて・・・」<br>
J「良いんだ、もう済んだ事だし。」<br>
蒼「・・・有難う・・・」</p>
<br>
<p>
そして、鍵でドアを開けると、ドアががちゃりと音を立てて、ドアが開く・・・どうやら部屋から出れたようだ。<br>
久しぶりの外の光・・・其処は、港の鉄の箱の群の中だった。<br>
その後、ジュン達は昼だった事が幸いし、漁師に満身創痍の所を助けられ。<br>
一命を取り留めた、ジュンは腹の中の血がにじみ出てて、危なかったらしい。<br>
警察は、ジュンの腹から出たビデオを逆探知するも、見つからずじまいだった。<br>
病院に救急車で搬送中、ジュンは言った。</p>
<br>
<p>J「・・・まだ終わっちゃいないな。」<br>
蒼「え?」<br>
J「犯人は俺等を狙っている、だから未だ俺等の安全が保障されたわけではない。」<br>
蒼「・・・」<br>
J「大体見当はついた、今度そいつに会って来る。」<br>
蒼「え?けど・・・」<br>
J「大丈夫だよ、警察と一緒だから。」<br>
蒼「そうだよね・・・」</p>
<br>
<p>
ジュン達は1週間入院し、蒼星石は体の中の鍵とカメラを出して、同じく1週間休む形になった。<br>
学校は、今回の件で一月休校になった、そりゃあ誘拐通り魔が出たんだ、休みになっても可笑しくは無い。<br>
ジュンはそれを利用して、とある人の家に行った。<br>
それは今回の件の、ジュンが仮定した容疑者の家だ。</p>
<br>
<p>J「すみません、お話があるんですが。」<br>
??「やぁ、警察の皆さんそれにジュン君、無事だったのかい?、それで何の御用で?」<br>
J「ははは・・・惚けないで下さいよグリーンアップルこと・・・」<br>
J「うちの学校の教師・・・梅岡!」<br>
梅「あはははは!面白いジョークですね?私が?通り魔?ははははは!」<br>
J「白を切っているようだが、殺されたやつ等は皆俺と同じクラス何だよ。」<br>
梅「ほぉ?それで?」<br>
J「回収された遺体の殺害日は、アンタが個人で自宅調査票を出して回収した日の、3日後だ。」<br>
梅「・・・其処まで言われたら、後の調査で判ってしまうな、素晴らしい!実に素晴らしい!その通り、私がグリーンアップルだ!」</p>
<br>
<p>その時、警察が梅岡に手錠をした。<br>
逃げ様ともしない梅岡に、警察は少し怯み気味だったが。</p>
<br>
<p>梅「ははは!実に楽しかった!」<br>
J「奇人だな・・・」<br>
梅「人が人を!自分が生きるために殺すのは、見ていて実に楽しかったよ!」<br>
J「・・・」<br>
梅「ははははは・・・」<br>
J「・・・ふぅ・・・良い先生だと思ってたんだが・・・残念だ。」</p>
<br>
<p>
そこら辺一体に、梅岡の高らかな笑い声が響いていた。</p>
<br>
<p>その後、僕は普通の生活をしている。<br>
あれ以降、あの精神病は良くなり始めている。<br>
今でも蒼星石には、感謝をしている。<br>
之からも・・・</p>
<br>
<p>J「それじゃ、帰ろうか?」<br>
蒼「うん・・・」<br>
J「・・・手繋ぐ?」<br>
蒼「お願いできるかな?」<br>
J「此方こそ宜しく。」</p>
<br>
<p>その後、ジュンと蒼星石はこの件で恋人になり。<br>
巷で良い意味での、噂の少年となった。<br>
梅岡は悪びれる事も無く、今まで殺してきた数を135人と法廷で言い。</p>
<p>家からその数だけの残骸が発見され、死刑になった。<br>
死ぬ間際でも高らかと笑い、死んで尚顔は哂っていたと言う。<br>
今ではあの症状があったことに感謝したい。<br>
アレのお陰で、あそこを出れたような物なのだから。</p>
<p>FIN</p>