「一日目-2」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

一日目-2」(2010/02/07 (日) 21:16:32) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

<p>私たちを乗せたバスは、最初の目的地『白蛇山地』に到着した。<br /> ここで、白蛇山地の紹介をちょっとだけ。<br /> (パンフレットから適当に抜粋しただけだから、私の知識ではないのだけれど……許して頂戴)<br /> 白蛇山地は、昔ながらの豊かな自然が残っている珍しい場所。<br /> 世界遺産に登録されているのだわ。<br /> 綺麗な水と滅多に見る事の出来ない石、それに『白蛇伝説』で観光客を集めているのだわ。<br /> お土産で有名な『白蛇飴』はその仄かな甘みが大人気だ。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p>紅「んん~~……」<br /> 銀「ああ~~~!」<br /><br /> 私たちは大きく伸びをして、バスから降りた。<br /> 太陽の柔らかな光が私たちの肌を包む。とっても暖かくて、いい気持ちなのだわ。<br /> 目の前には、ドラマでしか見たことが無かったような、昔ながらの自然が広がっている。<br /> そして、目の前には大きな『白蛇』の看板。<br /><br /> 蒼「白蛇は幸運の象徴と言われているんだ。抜け殻を見つけた人は、願いがかなうらしいよ」<br /> 銀「どこで知ったのぉ?」<br /> 蒼「この前、テレビで見たんだよ」<br /> 翠「ほぁ~~……。蒼星石は良く覚えてるですぅ」<br /><br /> ……一つ欲しいわね。これで私の唯一のコンプレックスである『微乳』を『美乳』にしてやるのだわ!<br /><br /> ジュン「真紅、今一つ欲しいとか思ってただろ」<br /> 紅「なっ……何でそれを!?」<br /><br /> ジ……ジュン! どうして私の考えが分かったの?<br /> まさかエスパー? 私の頭の中に、銀色のスーツを着て、スプーンを曲げているジュンが頭に浮かんだのだわ。<br /> 私はそのイメージをブンブン首を振ってかき消す。</p> <p> </p> <p>ジュン「……僕はエスパーじゃないぞ。お前の顔を見てたらベジータでも分かる」<br /> 紅「……くすん」<br /><br /> 私……考えてる事が顔に出ているみたいね。直せるように努力してみようかな。<br /><br /> 金「早く来るかしらー! 真紅にジュン!」<br /> 苺「みんなを待たせるのは良くないのよ~」<br /> ジュン「やばっ! 行こうぜ」<br /> 紅「ええ、急ぎましょう」<br /><br /> 金糸雀と雛苺が私たちに向かって手を振っている。<br /> 向こうを見ると、みんなが集合していた。<br /> どうやら、待たせてしまったみたいね。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p>梅岡「注意することはこれくらいだな。それではしばらくの間、自由行動にするぞ。好きにしろ!」<br /><br /> 梅岡先生の諸注意も終わり、めいめいが荷物を持って動き出す。<br /> ジュンがベジータに引っ張られていったので、私は水銀燈たちと一緒に白蛇山地を回る事にした。<br /><br /> 銀「どこから見ていくぅ?」<br /><br /> 水銀燈がマップを広げ、みんなに提案する。<br /> こういう時リーダーシップをとってくれるのが、ありがたいわ。<br /><br /> 雪「ここはどうでしょうか?」<br /><br /> 雪華綺晶がマップの左端を指差す。<br /> なになに……『白蛇の湧き水』。お肌がすべすべになりそうね。<br /> ……ここから歩いてすぐみたいだ。<br /><br /> 薔「……私は賛成」<br /> 蒼「僕もそこが良いなぁ」<br /> 銀「それじゃ、『白蛇の湧き水』に行きましょう」<br /> 全員「おー!」</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p>『白蛇の湧き水』には、歩いて五分ほどで到着した。<br /> 白蛇を象った歴史を感じさせる石像の口から、滾々と水が湧き出ている。<br /> 石像の周りは木で囲われており、木漏れ日がきらきらと辺りを照らしている。<br /> 見ていて、どこか落ち着く風景だ。<br /><br /> 翠「綺麗ですぅ……」<br /> 苺「きらきらしてるのー!」<br /> 雪「美しいですわ……」<br /><br /> みんなもその風景に見とれていたようだ。しばらく私達がそのままで居ると、金糸雀が口を開いた。<br /><br /> 金「あそこに看板があるわ、行って見るかしら!」<br /><br /> 金糸雀が見た方向には、苔むした看板が立っている。<br /> 何が書いてあるのかしら? 私たちはその看板の所まで行ってみることにした。<br /><br /> 薔「……湧き水について書いてある」<br /> 蒼「白蛇伝説のことも載ってるよ」<br /><br /> 白蛇伝説……。ここで私の口から簡単に説明しておくわね。<br /> パンフレットの受け売りだけど、気にしたら負けなのだわ。<br /><br /> 【昔、この山を治めていたお姫様が居ました。<br /> お姫様はとても美しく、まるで白い蛇のようだったので『白蛇姫』と呼ばれていました。<br /> あるとき、お殿様が白蛇姫をお嫁さんにしようと、この山までやってきたのよ。<br /> だが、白蛇姫はお殿様の求婚を断ったのだわ。それで怒ったお殿様は白蛇姫を切り殺したの。<br /> そしてそれだけではなく、その死体を焼いてしまったのだわ。<br /> しかし、白蛇姫の死体は真っ白な蛇に変わり、今でもこの山で生きている……】<br /><br /> という話。全く、酷い話よ。</p> <p>  </p> <p>雪「この水……とても美味しいですよ」<br /><br /> 雪華綺晶が湧き水をすくってコクコクと飲んでいる。<br /> 私も雪華綺晶に習って湧き水を飲んでみた……これは……なんと気品溢れる水なのだわ……。<br /><br /> 紅「美味しい……」<br /> 銀「本当? 私も飲んでみるわぁ」<br /><br /> 水銀燈も水を掌で掬い、水を啜る。<br /><br /> 銀「とっても美味しいわぁ! こんな水飲んだ事ないわ!」<br /> 翠「ええ!? 翠星石にも飲ませるです!」<br /> 金「カナにも飲ませてほしいかしらー!」<br /> 苺「ヒナもごくごくしたいの!」<br /><br /> 翠星石たちも白蛇の湧き水をゴクゴクと飲んでいる。<br /><br /> 翠「うめぇですぅ!」<br /> 金「こ……これは爽やかかしら!」<br /> 苺「うんまぁぁーーーい!」<br /><br /> 口々においしいと言う翠星石たち。<br /><br /> 蒼「この水……美肌の効果があるみたいだよ」<br /> 薔「……お肌がつるつる」<br /><br /> 看板をずっと見ていた蒼星石と薔薇水晶がそう言った。<br /> あら、それは本当?<br /> 二人が飲み終わったら、もう一回飲んでみようかしら。……ん!?<br /> 目の前に白い蛇の姿が見えた……気がした。</p> <p> </p> <p>紅「あれは何?」<br /> 銀「あれってぇ?」<br /><br /> 水銀燈が手をヒラヒラ振りながら、気だるそうに答えた。<br /><br /> 紅「さっき、白い蛇が見えたのだわ」<br /> 銀「気のせい気のせい。あの伝説は迷信よぉ、真紅」<br /> 翠「どこにもいねーじゃねぇですか。白い木の棒でも見間違えたんじゃねーですか?」<br /> 紅「……そうかもしれないわね。ごめんなさい」<br /> 翠「別に謝るこたぁねーですよ」<br /><br /> え? じゃあさっきのは……?<br /> やっぱり気のせいだったみたいね。美乳になれると思ったのに……。<br /><br /> 蒼「みんな、そろそろ白蛇の里の方にも行ってみない?」<br /><br /> 蒼星石がマップを指差して言った。<br /> 白蛇の里……土産物も買っておいた方が良いわね。<br /> テレビ番組で何度も紹介されている名産品、『白蛇飴』も食べてみたいのだわ。</p> <p> </p> <p>翠「よっしゃー! 次は白蛇の里ですよー!」<br /> 苺「レッツゴーなのー!」<br /> 銀「何で二人共そんなにハイなの? お土産買うだけよぉ」<br /> 薔「綺麗な水晶……売ってるかな?」<br /> 蒼「ここで採掘される紫水晶はとっても綺麗って聞いてるよ。しかもご利益つき」<br /> 金「ほほう……一つ買っておきたいかしら」<br /> 雪「私は『白蛇飴』を食べてみたいですね」<br /><br /> 私以外の全員が、白蛇の里に向かって歩き出した。<br /> 私はもう一度だけ白蛇の石像の方を振り向いた……そこは元のように静けさを取り戻していた。<br /><br /> 紅「白蛇は……。ふふ、やっぱり気のせいね」<br /> 銀「真紅。突っ立ってると置いてくわよぉ」<br /> 紅「……今行くのだわ」<br /><br /> 水銀燈が私を呼んでいる。<br /> 私は後ろを振り向かずに、皆の所へと歩き出した。<br /> ……なんとなくだけど、白蛇は今でもこの山に生きている。<br /> そんな気がした。</p>
<p>私たちを乗せたバスは、最初の目的地『白蛇山地』に到着した。<br /> ここで、白蛇山地の紹介をちょっとだけ。<br /> (パンフレットから適当に抜粋しただけだから、私の知識ではないのだけれど……許して頂戴)<br /> 白蛇山地は、昔ながらの豊かな自然が残っている珍しい場所。<br /> 世界遺産に登録されているのだわ。<br /> 綺麗な水と滅多に見る事の出来ない石、それに『白蛇伝説』で観光客を集めているのだわ。<br /> お土産で有名な『白蛇飴』はその仄かな甘みが大人気だ。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p>紅「んん~~……」<br /> 銀「ああ~~~!」<br /><br /> 私たちは大きく伸びをして、バスから降りた。<br /> 太陽の柔らかな光が私たちの肌を包む。とっても暖かくて、いい気持ちなのだわ。<br /> 目の前には、ドラマでしか見たことが無かったような、昔ながらの自然が広がっている。<br /> そして、目の前には大きな『白蛇』の看板。<br /><br /> 蒼「白蛇は幸運の象徴と言われているんだ。抜け殻を見つけた人は、願いがかなうらしいよ」<br /> 銀「どこで知ったのぉ?」<br /> 蒼「この前、テレビで見たんだよ」<br /> 翠「ほぁ~~……。蒼星石は良く覚えてるですぅ」<br /><br /> ……一つ欲しいわね。これで私の唯一のコンプレックスである『微乳』を『美乳』にしてやるのだわ!<br /><br /> ジュン「真紅、今一つ欲しいとか思ってただろ」<br /> 紅「なっ……何でそれを!?」<br /><br /> ジ……ジュン! どうして私の考えが分かったの?<br /> まさかエスパー? 私の頭の中に、銀色のスーツを着て、スプーンを曲げているジュンが頭に浮かんだのだわ。<br /> 私はそのイメージをブンブン首を振ってかき消す。</p> <p> </p> <p>ジュン「……僕はエスパーじゃないぞ。お前の顔を見てたらベジータでも分かる」<br /> 紅「……くすん」<br /><br /> 私……考えてる事が顔に出ているみたいね。直せるように努力してみようかな。<br /><br /> 金「早く来るかしらー! 真紅にジュン!」<br /> 苺「みんなを待たせるのは良くないのよ~」<br /> ジュン「やばっ! 行こうぜ」<br /> 紅「ええ、急ぎましょう」<br /><br /> 金糸雀と雛苺が私たちに向かって手を振っている。<br /> 向こうを見ると、みんなが集合していた。<br /> どうやら、待たせてしまったみたいね。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p>梅岡「注意することはこれくらいだな。それではしばらくの間、自由行動にするぞ。好きにしろ!」<br /><br /> 梅岡先生の諸注意も終わり、めいめいが荷物を持って動き出す。<br /> ジュンがベジータに引っ張られていったので、私は水銀燈たちと一緒に白蛇山地を回る事にした。<br /><br /> 銀「どこから見ていくぅ?」<br /><br /> 水銀燈がマップを広げ、みんなに提案する。<br /> こういう時リーダーシップをとってくれるのが、ありがたいわ。<br /><br /> 雪「ここはどうでしょうか?」<br /><br /> 雪華綺晶がマップの左端を指差す。<br /> なになに……『白蛇の湧き水』。お肌がすべすべになりそうね。<br /> ……ここから歩いてすぐみたいだ。<br /><br /> 薔「……私は賛成」<br /> 蒼「僕もそこが良いなぁ」<br /> 銀「それじゃ、『白蛇の湧き水』に行きましょう」<br /> 全員「おー!」</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p>『白蛇の湧き水』には、歩いて五分ほどで到着した。<br /> 白蛇を象った歴史を感じさせる石像の口から、滾々と水が湧き出ている。<br /> 石像の周りは木で囲われており、木漏れ日がきらきらと辺りを照らしている。<br /> 見ていて、どこか落ち着く風景だ。<br /><br /> 翠「綺麗ですぅ……」<br /> 苺「きらきらしてるのー!」<br /> 雪「美しいですわ……」<br /><br /> みんなもその風景に見とれていたようだ。しばらく私達がそのままで居ると、金糸雀が口を開いた。<br /><br /> 金「あそこに看板があるわ、行って見るかしら!」<br /><br /> 金糸雀が見た方向には、苔むした看板が立っている。<br /> 何が書いてあるのかしら? 私たちはその看板の所まで行ってみることにした。<br /><br /> 薔「……湧き水について書いてある」<br /> 蒼「白蛇伝説のことも載ってるよ」<br /><br /> 白蛇伝説……。ここで私の口から簡単に説明しておくわね。<br /> パンフレットの受け売りだけど、気にしたら負けなのだわ。<br /><br /> 【昔、この山を治めていたお姫様が居ました。<br /> お姫様はとても美しく、まるで白い蛇のようだったので『白蛇姫』と呼ばれていました。<br /> あるとき、お殿様が白蛇姫をお嫁さんにしようと、この山までやってきたのよ。<br /> だが、白蛇姫はお殿様の求婚を断ったのだわ。それで怒ったお殿様は白蛇姫を切り殺したの。<br /> そしてそれだけではなく、その死体を焼いてしまったのだわ。<br /> しかし、白蛇姫の死体は真っ白な蛇に変わり、今でもこの山で生きている……】<br /><br /> という話。全く、酷い話よ。</p> <p>  </p> <p>雪「この水……とても美味しいですよ」<br /><br /> 雪華綺晶が湧き水をすくってコクコクと飲んでいる。<br /> 私も雪華綺晶に習って湧き水を飲んでみた……これは……なんと気品溢れる水なのだわ……。<br /><br /> 紅「美味しい……」<br /> 銀「本当? 私も飲んでみるわぁ」<br /><br /> 水銀燈も水を掌で掬い、水を啜る。<br /><br /> 銀「とっても美味しいわぁ! こんな水飲んだ事ないわ!」<br /> 翠「ええ!? 翠星石にも飲ませるです!」<br /> 金「カナにも飲ませてほしいかしらー!」<br /> 苺「ヒナもおみず欲しいのよ!」<br /><br /> 噴水に駆け寄った翠星石たちも、白蛇の湧き水をゴクゴクと飲んでいる。<br /><br /> 翠「うめぇですぅ!」<br /> 金「こ……これは爽やかかしら!」<br /> 苺「うんまぁぁーーーい!」<br /><br /> 口々においしいと言う翠星石たち。<br /><br /> 蒼「この水……美肌の効果があるみたいだよ」<br /> 薔「……お肌がつるつる」<br /><br /> 看板をずっと見ていた蒼星石と薔薇水晶がそう言った。<br /> あら、それは本当?<br /> 二人が飲み終わったら、もう一回飲んでみようかしら。……ん!?<br /> 目の前に白い蛇の姿が見えた……気がした。</p> <p> </p> <p>紅「あれは何?」<br /> 銀「あれってぇ?」<br /><br /> 水銀燈が手をヒラヒラ振りながら、気だるそうに答えた。<br /><br /> 紅「さっき、白い蛇が見えたのだわ」<br /> 銀「気のせい気のせい。あの伝説は迷信よぉ、真紅」<br /> 翠「どこにもいねーじゃねぇですか。白い木の棒でも見間違えたんじゃねーですか?」<br /> 紅「……そうかもしれないわね。ごめんなさい」<br /> 翠「別に謝るこたぁねーですよ」<br /><br /> え? じゃあさっきのは……?<br /> やっぱり気のせいだったみたいね。美乳になれると思ったのに……。<br /><br /> 蒼「みんな、そろそろ白蛇の里の方にも行ってみない?」<br /><br /> 蒼星石がマップを指差して言った。<br /> 白蛇の里……土産物も買っておいた方が良いわね。<br /> テレビ番組で何度も紹介されている名産品、『白蛇飴』も食べてみたいのだわ。</p> <p> </p> <p>翠「よっしゃー! 次は白蛇の里ですよー!」<br /> 苺「レッツゴーなのー!」<br /> 銀「何で二人共そんなにハイなの? お土産買うだけよぉ」<br /> 薔「綺麗な水晶……売ってるかな?」<br /> 蒼「ここで採掘される紫水晶はとっても綺麗って聞いてるよ。しかもご利益つき」<br /> 金「ほほう……一つ買っておきたいかしら」<br /> 雪「私は『白蛇飴』を食べてみたいですね」<br /><br /> 私以外の全員が、白蛇の里に向かって歩き出した。<br /> 私はもう一度だけ白蛇の石像の方を振り向いた……そこは元のように静けさを取り戻していた。<br /><br /> 紅「白蛇は……。ふふ、やっぱり気のせいね」<br /> 銀「真紅。突っ立ってると置いてくわよぉ」<br /> 紅「……今行くのだわ」<br /><br /> 水銀燈が私を呼んでいる。<br /> 私は後ろを振り向かずに、皆の所へと歩き出した。<br /> ……なんとなくだけど、白蛇は今でもこの山に生きている。<br /> そんな気がした。</p>

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: