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「第三回「スポーツと僕」」(2009/10/19 (月) 22:37:02) の最新版変更点
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<p>もしも蒼星石がツンデレ好きだったら<br /><br /><br />
第三回「スポーツと僕」<br /><br /><br />
紅「あら、蒼星石。まだ帰らないの?」<br />
蒼「やぁ、真紅。いやさ、そろそろ帰宅部を卒業しようかな、と思ってね。」<br />
紅「何か部活を始めようと言うのね。オタクなあなたが、一体、どういう風の吹き回しかしら?」<br />
蒼「実は、昨日の深夜アニメを見た時、スポーツの中には究極の萌えが存在するかもしれない事に<br />
気付いたんだ。僕は、変わるかもしれない…。」<br /><br /><br />
紅「の〇ピー騒動にも劣るくだらない理由ね。まぁ、脱帰宅部は悪い事ではないけれど。」<br />
蒼(来たっ!挨拶代わりに軽くジャブを飛ばすとは…流石は僕が認めたツンデレ…。今日も楽しみ<br />
にしてるよ……。)<br /><br /><br />
紅「そう言えば、最近、翠星石を見掛けないけれど、グレてでもいるのかしら?」<br />
蒼「ここだけの話なんだけどね。彼女は自宅で修業中なのさ、君に負けない為にね。」<br />
紅「修業…?どうせくだらない理由でしょうに。留年しないよう程々にね、とあなたから言ってお<br />
きなさい。学業だって決して暇なものではないわ。」<br /><br /><br />
蒼(ん~イマイチかな。どうも最近、真紅はデレのキレが悪いような気がする。)<br /><br />
蒼「彼女が男子剣道部の部長…?どういう事だい?」<br />
ベ「いや実はな、剣道部員は男子が3人、女子が2人という少人数の中、合同でやってるんだ。」<br />
笹「恥ずかしい話だが、彼女の実力は俺達とは比べ物にならないくらい遥かに上だ。その為、男子<br />
も含めて仕切ってんだよ。」<br /><br /><br />
ベ「このままじゃ団体の試合は無理。だから部長は部員集めに躍起になってるんだが…」<br />
笹「以前はそれなりに多かったんだけどな、部長が入部してから、所属してた部員達は、みんな彼<br />
女の鬼っぷりを目の当たりにした途端、次々とやめて行き、更に、その噂がたちまち広まり、今で<br />
は誰も近寄りたがらない部になっちまったのさ。」<br />
蒼「彼女はツンツンの塊というわけか。普段、見てる限りではカタツムリのようにおとなしい生物<br />
だと思ってたんだけど…。そう言えば、あと1人の女子は来てないのかい?」<br />
ジ「ハンドル握ればなんとやらだよ…。あぁ?副部長か…。あいつなら…。」<br /><br /><br />
巴「私語はそこまで。練習開始よ。早く面を付けなさい。副部長はまた来ていないのね……まった<br />
く、こまった子……。」<br /><br /><br />
ジ&ベ&笹「は、はいっっ」<br />
蒼(凄いツンだな。デレの入る余地が全く無い…。) <br /><br />
巴「あなた、入部希望者?」<br />
蒼「いや、まだ決めてないんd…ですけど…取り敢えず、部の見学をさせてください。」<br />
巴「そう…それなら、ゆっくり見ていくと良いわ。」<br />
蒼(これは凄まじいツンの波動だ…!同い年なのについ敬語を使ってしまう…!)<br /><br /><br />
巴「さぁ、かかってきなさい。」<br />
ジ&ベ&笹「はいっっ」<br />
蒼「えぇ!? 3対1ですか!?しかもいきなり練習……運動部は走り込みが基本では…。」<br />
巴「これでも練習にならないくらいよ。それに、足腰なんて普段から鍛えていれば良いものよ?」<br />
蒼「部長は面や小手を付けないんですか?」<br />
巴「必要ないもの。」<br /><br /><br />
ジ「やあぁぁあああ!!!!」<br />
巴「これでは駄目ね…胴。」バキィ!!<br />
ジ「ぐはぁっっ」<br />
蒼(ふ、吹っ飛んだ!?)<br /><br /><br />
ベ「スキありぃぃぃいやあぁぁあ!!!!」<br />
巴「スキだらけ…面。」バキィ!!<br />
ベ「ぶぐぅほっっ」グキッ!<br />
蒼(なんか、変な音も聞こえたんだけど……。)<br /><br /><br />
笹「邪ッッ!!チェリャアッッ!!!」<br />
巴「やる気あるの?」バキィ!!<br />
笹「!!!!」<br />
蒼(呻き声も上げずに倒れた…!?)<br /><br /><br />
ジ「ゲホッ…ゲホッ…!」<br />
ベ「た…倒れた首が起こせん……。」<br />
笹「…………。」<br /><br />
巴「何してるの?早く、かかってきなさい。これでは情けないわ…。」<br />
ジ「く…まだまだぁ!!」<br />
ベ「うおぉぉぉお!!」<br />
笹「…………。」<br /><br /><br />
「ぐふぅっっ」「ぴぎぃっっ」「…………。」「があぁっっ」「ぺぼらっっ」「…………。」「う<br />
ぐぅっっ」「ばぼふぅっ」「…………。」「ぐげぇっっ」「ぱびんっっ」「…………。」、、、、<br /><br /><br />
―数時間後―<br />
ジ「あ…ありがとうございましたっっ」<br />
ベ「あ…あひひゃひょうふぉひゃいはひはっっ」<br />
笹「…………。」<br />
巴「やはりまだまだ練習不足……いえ、それ以下ね。明日も遅れずに来なさい。さようなら。」<br />
蒼「ちょ、ちょっと待ってください、柏葉さん!」<br />
巴「なにかしら?」<br /><br /><br />
蒼「これ程、ツンのオーケストラを繰り広げておきながら、デレが皆無とはどういう事ですか!」<br />
ジ「な、何を言ってるんだ?蒼星石…。」<br />
ベ「ふぉうひょう…。」<br />
笹「ん…ここは…?」<br /><br /><br />
蒼「こんなの、上等な料理に蜂蜜をぶちまけるが如き行為に他なりません!」<br />
ベ「そいつは違うぜ、蒼嬢。俺達が何故、こんな目に遭っても彼女に付いて行くかわかるか?」<br />
ジ「おまっ…歯ぁ抜けてたのになんで急に喋れんだ!?」<br /><br />
べ「代えの入れ歯さ。蒼嬢、何故なら俺達は、彼女は弱い俺達に強くなって欲しいと心から思って<br />
いる、という事を死ぬほど理解してるからなんだ。だから俺達は、どんなにキツくても彼女に付い<br />
て行くし、何とかして強くなろうとしている。つまり、俺達と彼女は壊れる事のない絆で結ばれて<br />
いるんだ。」<br /><br /><br />
笹「なんだ…もうこんな時間か…。つーか、なんでベジータは寒い台詞を恥ずかしげもなく喋って<br />
るんだ?」<br /><br /><br />
蒼「なんで…?ツンばっかりでデレがないんじゃ、まったく萌えないじゃないか…そんなのツンデ<br />
レじゃないよ!」<br /><br /><br />
巴「それは……違います……。」<br />
蒼「そんなの嘘だ!僕が見た限り、あなたはまったくデレていなかった。それでどうしてツンデレ<br />
と言えよう!?」<br /><br /><br />
巴「ツンは、刺々しい態度を言います。時には相手を傷つけたりヘコませたりする行為でしょう。<br />
それでは、デレとは?」<br /><br /><br />
蒼「え……?」<br />
巴「デレは、相手に好意を示す事をいいますが、態度や言動で好意を示す事だけがデレなのでしょ<br />
うか?」<br /><br /><br />
蒼「ち、違うのかい…?じゃあ、デレって何なんだ…?わからない……。」<br /><br />
巴「あなたが、デレと見立てたものは、求めてやまないツンデレとは、そんなに単純なものだった<br />
のですか?そんなにちっぽけなものだったのですか?」<br /><br /><br />
蒼「……?」<br />
巴「我がデレは、ツンとひとつ……。」<br />
蒼「……!」<br /><br /><br />
巴「故に、デレは無くとも良いのです。」<br /><br /><br />
ベ「つまり《無デレ》だ。」<br />
ジ「話にまったくついて行けないんだが…。」<br />
笹「おい、終わったんなら早く帰ろうぜ?」<br /><br /><br />
蒼「そうか…デレをツンの中に生かす境地《無デレ》。それを極める事は、究極のツンデレや萌え<br />
の天下無双への道となるかもしれない……。現に、柏葉さんは《無デレ》の境地で恒久の絆、つま<br />
り永遠なる萌えを確立している……。柏葉さん!いえ、先生!僕を剣道部員に……あなたの弟子に<br />
してください!!!!僕もあなたについて行きたい!!!!」<br /><br /><br />
ベ「うん、うん…。」ジ「良いのか?これで…。」<br />
笹「帰り、マック行こうぜ~。」<br />
巴(なんだか、よくわからないけれど、取り敢えず部員確保に成功……と。)<br /><br /><br /><br />
―その頃の副部長はカラオケ中だった―<br />
雛「まっだー♪言わっなーいで♪呪ー文めーいたデレ言葉♪愛ーなんて♪ツンのように重い♪」<br /><br /><br />
続く</p>