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<p>『保守かしら』<br />
2007年10月18日<br /><br />
真紅の病室の前でヴァイオリン演奏してたら看護士さんにめちゃめちゃ怒られた…。<br />
でも、途中でメグさんが来てくれてカナがヴァイオリンを弾いてる理由を説明したりして、助けてくれたかしら。<br />
看護士さんとも堂々と話してるメグさんはやっぱりすごい大人。<br />
ナースセンターを出てから<br />
「メグさん落ちついててすごいかしら。大人かしら」<br />
ってカナが言ったら<br />
「病院の騒動に慣れてるだけよ、昔はもっと変な子がいたから」だって。<br />
メグさんはその子に嫌な思い出があるみたいで、ぐっと拳を握って顔を赤くしてたわ。<br />
「私は鳥になる!とか、天使様迎えにきて!って叫んでたのがいたのよ」<br />
「そんな変な娘がいたのかしら」<br />
「そうそう、まさに真性電波って感じのヤツでね。そんなのと比べたら真紅なんてまだまだよ」<br />
「一体どんな事をやらかしたの?」<br />
「せっかくだから聞いていく?」<br />
それからその娘の伝説的な悪行を色々聞いちゃったかしら。<br />
うぅ…確かにそれと比べたら真紅のしめ出しなんて小さなものかしら…。</p>
<hr width="100%" size="2" /><p><br />
2007年10月22日<br /><br />
お姉ちゃんが通ってた芸術大学から、郵便が届いたの。<br />
丁寧に包装されてて、学長さんの手書きの便せん付き。<br /><br />
おねえちゃんといっしょに中身を見たら、大学の卒業鉦書が入ってたかしら。<br />
大学の卒業鉦書って平べったくて本の表紙みたいになってるのね。<br />
手紙はカナには読めなくて困ってたら、おねえちゃんが読んでくれたわ。<br />
現状の功績をたたえて、名誉学位を与えます。って書いてあるんだって。<br />
「凝りすぎたカリグラフィーって、ただの落書きよねぇ」<br />
おねえちゃんは便せんのすみっこをもってぷらぷらさせてた。<br />
「そういえばおねえちゃんって休学中だったかしら」<br />
「戻る気がないのがばれてたみたいねぇ」<br />
っておねえちゃんが笑ってたかしら。<br /><br />
卒業も認めさせるなんて、おねえちゃんはやっぱりすごいかしら。</p>
<hr width="100%" size="2" /><p>2007年10月31日<br /><br />
あのねピチカート。今日はちょっと百貨店に行って来たわ。<br />
エレベーターガールさんにエレベーターを動かしてもらうだけで、ちょびっとドキドキするのはカナだけかしら。<br />
百貨店って、いろんな物があってオシャレで大人な感じ。カナもいつか百貨店が似合うようになるかしら?<br />
ドキドキしながら、エレベーターガールさんに階を告げた後に名前を呼ばれて振り向いたら、斉藤さんがエレベーターに乗ってた。次の劇の役が未来デパートのエレベーターガールさんだから役作りのための研究中なんだって。<br />
カナが帰る時にも斉藤さんはエレベーターに乗ってたから、凄い努力家さんかしら。<br /><br />
そうそう、百貨店に行った理由なんだけれど、催事場に人形の売り場が作られたから見に行って来たの。<br />
みんなじゃないけれど、人形展の仲間が集まって、百貨店の催し物に招待されたかしら。<br />
こういう高価な催し物は、ふつう、ちょびっとずつゆっくり売れて行くものなのに、おねえちゃんたちのは最初から異列の早さで売れて行ったって。<br />
真紅のトコによってから百貨店に行ってみたら、けっこうな人形に【売約済み】の札がついてた。<br />
これも人形展効果なんだって。人形展を見た人が買いに来てくれてたみたい。<br />
あの人形展は終わっちゃったけれど、やったかいはながーく続いて行くのね。<br />
あの人形展は来た人の心に残るものだったんだわ。よかったかしら。</p>
<p>『保守かしら』<br />
2007年10月18日<br /><br />
真紅の病室の前でヴァイオリン演奏してたら看護士さんにめちゃめちゃ怒られた…。<br />
でも、途中でメグさんが来てくれてカナがヴァイオリンを弾いてる理由を説明したりして、助けてくれたかしら。<br />
看護士さんとも堂々と話してるメグさんはやっぱりすごい大人。<br />
ナースセンターを出てから<br />
「メグさん落ちついててすごいかしら。大人かしら」<br />
ってカナが言ったら<br />
「病院の騒動に慣れてるだけよ、昔はもっと変な子がいたから」だって。<br />
メグさんはその子に嫌な思い出があるみたいで、ぐっと拳を握って顔を赤くしてたわ。<br />
「私は鳥になる!とか、天使様迎えにきて!って叫んでたのがいたのよ」<br />
「そんな変な娘がいたのかしら」<br />
「そうそう、まさに真性電波って感じのヤツでね。そんなのと比べたら真紅なんてまだまだよ」<br />
「一体どんな事をやらかしたの?」<br />
「せっかくだから聞いていく?」<br />
それからその娘の伝説的な悪行を色々聞いちゃったかしら。<br />
うぅ…確かにそれと比べたら真紅のしめ出しなんて小さなものかしら…。</p>
<hr size="2" width="100%" /><p><br />
2007年10月22日<br /><br />
お姉ちゃんが通ってた芸術大学から、郵便が届いたの。<br />
丁寧に包装されてて、学長さんの手書きの便せん付き。<br /><br />
おねえちゃんといっしょに中身を見たら、大学の卒業鉦書が入ってたかしら。<br />
大学の卒業鉦書って平べったくて本の表紙みたいになってるのね。<br />
手紙はカナには読めなくて困ってたら、おねえちゃんが読んでくれたわ。<br />
現状の功績をたたえて、名誉学位を与えます。って書いてあるんだって。<br />
「凝りすぎたカリグラフィーって、ただの落書きよねぇ」<br />
おねえちゃんは便せんのすみっこをもってぷらぷらさせてた。<br />
「そういえばおねえちゃんって休学中だったかしら」<br />
「戻る気がないのがばれてたみたいねぇ」<br />
っておねえちゃんが笑ってたかしら。<br /><br />
卒業も認めさせるなんて、おねえちゃんはやっぱりすごいかしら。</p>
<hr size="2" width="100%" /><p>2007年10月31日<br /><br />
あのねピチカート。今日はちょっと百貨店に行って来たわ。<br />
エレベーターガールさんにエレベーターを動かしてもらうだけで、ちょびっとドキドキするのはカナだけかしら。<br />
百貨店って、いろんな物があってオシャレで大人な感じ。カナもいつか百貨店が似合うようになるかしら?<br />
ドキドキしながら、エレベーターガールさんに階を告げた後に名前を呼ばれて振り向いたら、斉藤さんがエレベーターに乗ってた。次の劇の役が未来デパートのエレベーターガールさんだから役作りのための研究中なんだって。<br />
カナが帰る時にも斉藤さんはエレベーターに乗ってたから、凄い努力家さんかしら。<br /><br />
そうそう、百貨店に行った理由なんだけれど、催事場に人形の売り場が作られたから見に行って来たの。<br />
みんなじゃないけれど、人形展の仲間が集まって、百貨店の催し物に招待されたかしら。<br />
こういう高価な催し物は、ふつう、ちょびっとずつゆっくり売れて行くものなのに、おねえちゃんたちのは最初から異列の早さで売れて行ったって。<br />
真紅のトコによってから百貨店に行ってみたら、けっこうな人形に【売約済み】の札がついてた。<br />
これも人形展効果なんだって。人形展を見た人が買いに来てくれてたみたい。<br />
あの人形展は終わっちゃったけれど、やったかいはながーく続いて行くのね。<br />
あの人形展は来た人の心に残るものだったんだわ。よかったかしら。</p>