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<p align="left">「ふんふーん♪かしら」<br /> 緑色の髪の毛の少女が料理をしています。<br /> 「今日は残業ないってみっちゃん言ってたから、そろそろかしら」<br /> 黄色のエプロンがよく似合うその少女は金糸雀、と言いました。夕飯用のミネストローネっぽいスープ一口味見しようとしたその時です。<br /><br />    ピンポーン<br /><br /> インターフォンが部屋の中に響きました。金糸雀は時計を見て、少し困ったような顔をしました。<br /> 「みっちゃんにしては早いかしら。でも回覧板かもかしら……」<br /> 今の時間は部活をしていない中学生の下校時間です。金糸雀も中学校からまっすぐ帰ればだいたいこの時間には家に着くのです。<br /><br />    ピンポーン<br /><br /> またインターフォンがなりました。金糸雀は火を止めると玄関へ歩きました。新聞の勧誘、回覧板、ほかには何かあるでしょうか? <br /><br /> 金糸雀はガチャリとドアを開け、そこには<br /> 「おはよぅ金糸雀」<br /> 「水銀燈?」<br /> 金糸雀の幼馴染みの水銀燈がいました。予想もしなかった相手に金糸雀は次の言葉がでてきません。<br /> おはようには遅すぎる時間ですがおはようです。<br /> 「これぇ、今日の授業で使ったプリント。」<br /> 水銀燈は5枚ほどプリントを差し出します。金糸雀はプリントを見つめ、水銀燈を見る事なく「いらない」と呟きました。<br /> 「そんなこと言っても私もいらないわぁ。これはあなたのものよぉ」<br /> 「カナは学校に長期欠席連絡をしてあるからいらないかしら」<br /> 二人とも意見を曲げようとしません。意地の張り合い、似た者同士です。<br /> 「でも明日いきなり学校に来たくなったら困るでしょ」<br /> 「学校なんて行かないかしら」<br /> 声を荒げることなく、淡々と二人は言葉を交わします。見えない火花が見えるような雰囲気です。もともと少し短気な水銀燈はそろそろ限界です。<br /><br /><br /> 「いい加減にしないと怒るわよぉ」<br /> 口調は変わりませんが既に怒っています。あら怖い。金糸雀も負けません。でも、<br /><br />    ズガン<br /><br /> 「ゲフゥ」<br /> 「イヤッフーゥ!! 銀ちゃん元気ぃ?!」<br /> みっちゃんの抱き付きによってあっけなく水銀燈は倒れそうになります。みっちゃんは金糸雀の親戚の人でかわいい物や人が大好きなちょっとしたダメ人間です。<br /> 「みっちゃん、水銀燈死んでるかしら」<br /> 「生きてるわぁ!!」<br /><br /><br /><br /> みっちゃんの多少強引な勧めにより水銀燈はみっちゃんの家で夕食をいただくことになりました。水銀燈の両親は色々忙しいのでこのようなことは日常茶飯事です。<br /> 「もぐもぐ」<br /> 「ごくん」<br /> 「がっがっが」<br /> 最後のはみっちゃんです。勢いよくご飯を食べています。<br /> 「銀ちゃん学校はどう? 楽しい?」<br /> 「面倒くさいわぁ」<br /> 「ヤモリンは元気かしら?」<br /> 「自分で確かめなさぁい」<br /> 「やもりん?」<br /> 「クラスでヤモリを飼ってるのよぉ。」<br /><br /><br /> 水銀燈と金糸雀も和やかに談笑していました。先ほどの険悪な雰囲気は何処へやら。みっちゃんは場を明るくさせる天才、大した奴です。<br /> 「にしても今日のご飯なかなか美味しいわねぇ」<br /> 「カナが作ったんだもの。あったり前田の前の助かしら」<br /> 「本当、カナが家事してくれるからみっちゃん仕事に打ち込めていられるわ」<br /> 「その発言、親として間違ってるわぁ」<br /> 時折厳しい突っ込みが入るもみっちゃんはどこ吹く風です。全く大した奴です。<br /> え? 褒めてるんですよ、もちろん。<br /> そもそもなんでこんな状況なのかというと……<br /> 一か月くらい前に話はさかのぼるのです。<br /><br /><br /><br /> ひとつめ ぎんいろらいと おしまい</p>

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