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コタツでアリス~桜田家丸見えスペシャル~」(2009/02/10 (火) 15:41:06) の最新版変更点

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<p align="left">アリス。それは、どんな花より気高く、どんな宝石より無垢で、一点の穢れも無<br /> い至高の美しさを持った少女。<br /><br /> そして今桜田家においてこのアリスをめぐる戦いが巻き起ころうとしていた。その名もアリスゲーム。<br /><br /> 今回は、そんなアリスゲームに誇りを賭けて挑む乙女達にスポットを当ててみることにしよう。<br /><br /><br /><br /> コタツでアリス<br /> ~桜田家丸見えスペシャル~<br /><br /><br /><br /> 「ただいまぁ~」<br /> 午後4時、長女水銀燈が大学の講義をサボり早々に帰宅。なんでもこの長女、その美貌で骨抜きにした男に代弁を頼んだそうだが果たして大丈夫なのだろうか。<br /> 「う~、寒い寒い」<br /> 自分の部屋に上着と荷物を放り投げ、リビングのコタツへと向かう水銀燈。その乱雑した部屋を他人に見られたらさぞ幻滅されるだろうが本人は全く気にしない。<br /> それからしばらく、彼女は1人占めしているコタツを満喫しながらテレビを見ているのだが、もちろんアリスゲームはこんな呑気なモノではない。こう見えて彼女は今、来たるべき時に向け体力を温存しているのだ。<br /> 彼女が講義をサボったのもまさにこのため。なんとも用意周到な長女であった。<br /><br /><br /> 「ただいま」<br /> 長女帰宅から一時間後、次女真紅が帰宅。<br /> 「…お帰りぃ」<br /> 真紅の帰宅を確認すると水銀燈の顔に緊張が走る。そう、これからがこの桜田家で行われるアリスゲームの本番なのだ。<br /> 数分後、赤いセーター姿の真紅がリビングに現れる。<br /> 「随分と早いのね。また授業をサボったわね?」 <br /><br /> 「だってあの教授の授業つまらないのよぉ。だから単位だけとれればいいのよ」<br /> 「まったく…」<br /> 先ずはお互いにたわいもない話で様子見。真紅はコタツへは向かわずに台所で紅茶の準備を始める。かじかんだ体では余力のある水銀燈とは戦えない事を理解しているのだ。<br /> 「真紅ぅ~私にも沸れてぇ~」<br /> 「自分でやりなさい」<br /> もちろん水銀燈は本気で沸れてもらえるとは思っていない。これは挑発にも似た桜田家に見られる戦いの儀式なのである。<br /><br /> さてここでアリスゲームについて少し説明をしよう。<br /> 桜田家におけるアリスの条件とは、『より美しく、より優雅に、より上手にコタツを使用した乙女』である。よってアリスゲームとは、コタツで繰り広げられる仁義無き戦いなのだ。<br /> このアリスゲームには幾つかのルールが設けられており、乙女達はそれを破る事は絶対に許されない。何故なら彼女達はコタツに誇りを持っているからだ。<br /> 大まかなルールとして、<br /><br /> ・他者がコタツに入る瞬間は足を動かしてはいけない。<br /> ・コタツに入る者は先に入っている者の足を蹴飛ばしてはいけない。<br /> ・下品な行為を行ってはならない。<br /><br /> の3つが上げられる。この前提にのっとり、彼女達は威信を賭け誇りを胸に戦ってゆくのだ。<br /><br /> それでは現在の桜田家のリビングを見てみよう。<br /> 「それにしても今日は寒いのだわ」<br /> 「全くねぇ~」<br /> 紅茶を沸れると共に体も温めた真紅がコタツへと向かう。ここで先ほどのルールを思い出して欲しい。アリスゲームとは2人以上がコタツに入る時に発生するイベントであるが、ルール上先にコタツに入っている方が当然有利なのである。<br /> 水銀燈はそのために誰よりも早く家に帰って来たと言える。これからのアリスゲームはこの長女によって形作られてゆくのだ。<br /> 真紅が紅茶を持ちゆっくりとテーブルに近づく。だが、真紅がカップをテーブルに置いた次の瞬間!<br /><br /> 「あ、そうそう、今日大学でね~」ズリズリ<br /><br /> 「!」<br /><br /> なんとこの長女、真紅が今まさに入ろとした側に体ごと足を動かしたではないか!<br /> 桜田家のリビングにはコタツと洋式テーブルの他にテレビがあり、リビングの左上の角にテレビが、その右下の方角にコタツが存在している。<br /> 水銀燈が入ったのはコタツから見てテレビがあるのを北西とすると、西側の辺である。そして今真紅が紅茶を置いたのが南側の辺だ。<br /> コタツの中の隠しカメラで見てみよう。真紅がコタツへと近づき、紅茶をテーブルに置くと同時にさも話をする為と言わんばかりに足を体ごと南側にずらしてるのがご覧いただけるだろうか?<br /> 「あらぁ?どうしたの真紅ぅ?」<br /> 「…いいえ」<br /> さあどうする真紅。今真紅が入ろうとしている側には水銀燈がまるでガードするかのように両足を揃えてやや膝を曲げつつ伸ばしている。まともに足を入れればまず間違いなくぶつかってしまうのは確実だ。<br /> またアリスゲームのルールとして、一度入ろうとした場所を変更することは出来ない。もちろん、淑女たる彼女達が布団の中を確認するなど論外である。<br /> そして、コタツの前で長時間立っているのもみっともない事とされる。水銀燈はこの全てを計算して行動したのだ。<br /> 余裕の表情で真紅を見つめる水銀燈。しかし真紅は澄まし顔。すると!<br /><br /> 「いくら単位が取れるからと言って、あまりサボっていてはダメよ」バサッ、ススッ<br /> 「っ…!?」<br /><br /> なんと真紅の足はなんの苦もなくコタツの中へと吸い込まれていったではないか!一体どういう事なのだろうか!?<br /> ここで真紅の背後に設置されているプロ野球などで使われているカメラによる超スローモーションでの映像を見ていただきたい。<br /> 真紅がコタツの布団を持ち上げ…ああ今水銀燈の美しい足がカメラに写る。そして真紅が腰を下ろしていきながら…速い!これは速い!速すぎてよくわからないのでもう一度。<br /> 真紅の左足に注目。なんと、座ると同時に水銀燈の足が膝を曲げている為に出来た僅かな隙間に左足を滑り込ませているではないか!もちろん真紅は水銀燈の足の位置を確認などしていない。水銀燈の体制と性格から僅かの間で正確に予測していたのだ!<br /> そして右足を今度は水銀燈の足を跨ぐようにしてコタツの中へ。この間なんと0.6秒!凄すぎるぞ!次女真紅!!<br /><br /> 「あら?どうかしたのかしら。顔色が良くないけれど」<br /><br /> 「べ、別に…何でもないわぁ…」<br /> 必死に冷静を保とうとする水銀燈だが、明らかに動揺が隠せてない。らしくもなく目があっちをキョロキョロこっちをキョロキョロ…あーこれはかなり動揺している。<br /> それもそのはず、先ほどの真紅の足技でまるで蟹ばさみのように水銀燈の両足は真紅の足に挟まれてしまったのだ。これには長女も焦りを見せる。しかし完璧に挟まれた足はどうやっても抜け出せない。<br /> 「♪~」<br /> 「………」<br /> もう真紅がコタツに入ってしまったので各自足を動かす事は自由だが、この時も他者の足を蹴飛ばしてはならないのだ。<br /> してやったりの表情の真紅。だが我々は、この後とんでもないモノを見る事になる!!<br /><br /><br /> 午後六時、ここである意味アリスゲームのキーパーソンとも言える人物が帰宅した。<br /> 「だだいま~」<br /> 「あら、お帰りなさいジュン」<br /> 「ジュンお帰りぃ~」<br /> 和やかな家族の団欒。だが今長女が次女により尚も拘束を受けていると誰が想像出来るだろうか。<br /> 「いやー、今日は一段と寒いな。帰る途中からコタツが恋しくて仕方ないよ」<br /> 「そうね」<br /> 「ええ…」<br /> 彼女達の死闘もそっちのけにカラカラと笑うジュンであるが、実はこのジュン、何とアリスゲームの存在を知らないのである。<br /> そもそもアリスゲームとは、居候であるジュンという異性に対し無様な姿を晒さないようにと姉妹の間で確立された戦いでもあるのだ。よって当然ながら、ジュンには知られてはならないのである。<br /> そしてもう一つ、ジュンがコタツに入る際にイベントが発生するのだ。それが、通称“足タッチ”。<br /> なんともいかがわしい名前であるが、つまりジュンは時に注意をせずに足をコタツに入れる為に乙女達と否応なく接触してしまうことが多々あるのだ。アリスゲームでは厳禁でも、ジュン相手ならばそれは貴重なスキンシップの時間。乙女達の至福の時となる。<br /> もちろん水銀燈も真紅もそれは同じ。しかし水銀燈は今足を南側の辺で体ごと固定されているので、当然ジュンはそれを避けながらコタツに入る事になる。これではジュンとのタッチは望めない。<br /> だがこの後真紅はこの長女の真の恐ろしさをまざまざと見せ付けられる事になる。<br /> ではご覧いただこう。ジュンが飲み物を求めリビングの東側にあるキッチンへ向かい、真紅がそれを追いかけるように首を右に動かすと…<br /> ガサガサッ!<br /><br /> 「…?」<br /> 布のすれる音が真紅の耳に入る。おもむろに音のした左側に視線を移すとなんと!?<br /> 「あ、あら!?」<br /> 居ない。さっきまですぐそばにいた水銀燈が居ない。そんな馬鹿なと足を動かしてみると、なんと挟まれた水銀燈の足がきれいさっぱり無くなっているではないか!!<br /> 「そんな…!」<br /> 慌てて水銀燈が入ったコタツの西側へ体を倒して覗き込む。するとそこには、<br /> 「あらぁ?どうかした真紅ぅ?」<br /> 「…どうやって…」<br /> 今度は北側に体を寄せ、仰向きでテレビを眺める水銀燈の姿が。<br /> 一体何が起きたのか理解出来ずに呆然と口を開けたままの真紅。そんな顔を楽しそうに笑う水銀燈。<br /><br /> ではここで客席の皆様にだけネタばらし。<br /> まず真紅の目線で見てみよう。真紅が首を右に動かすと……消えた。まるで倒れ込むかのように消えている。<br /> なんだかよくわからないので、今度はサーモグラフィーの映像を加え、水銀燈の体全体を超スローモーションで見てみよう。<br /> まず水銀燈が手元の布団を軽く持ち上げ…ここでストップ!さあよく見ていただきたい。水銀燈のお尻が若干宙に浮いているのにお気づきだろうか?<br /> では続けて再生。水銀燈が腹筋と背筋を駆使して僅かに跳ねて…これまた速い。さらにスローにすると…なんと、まるでねじように体を左に回転させながら足を抜いていたのだ!<br /> まず足先が真紅の右足に当たらないように引き抜かれ、腰を浮かせたスペースを利用し膝下の真紅の左足にぶつからないように反時計回りにねじっている。<br /> そして床に置いた手で体を左側に飛ばし、かつ真紅の左足に触れないようまるでエビ反りのような体制になっていたのだ。<br /> これにはさすがの真紅も苦笑い。水銀燈はもぞもぞと体制を立て直し、見事脱出に成功したのだった。この娘、ただ者ではない。<br /> その後、やってきたジュンに二人とも足がぶつかるというハプニングがあったが、水銀燈と真紅は互いの検討を讃えるかのように始終笑顔であった。<br /> しかし!この桜田家には彼女達をさらに凌ぐとんでもないヤツが存在した!!<br /><br /><br /> 午後八時過ぎ。リビング三人が夕食をとり終わって和やかな空気のままお茶を楽しんでいると…<br /> 「帰った…」<br /> ここで、学校から直接ダンス教室へ行っていた三女薔薇水晶が登場。怪しい。見るからに怪しい雰囲気を漂わせている。この三女が、これからアリスゲームを波乱に導くことになってしまうのだ。<br /> 「あー、お疲れさーん」<br /> 「お帰りなさい薔薇水晶」<br /><br /> 「お帰りー」<br /> 三人が彼女の声に答えていると、<br /> 「ホッ…イエア…ウッ…」<br /> 何故かムーンウォークでリビングにやってくる薔薇水晶。ダンス教室で覚えたたらしいソレを奇妙な声と共に続ける。続ける。ま~だ続ける。結局コタツをムーンウォークで一周してしまった。それにしてもこの娘、ノリノリである。<br /> 「むぅ…」<br /> そしてコタツの最後の場所である北側に立った薔薇水晶であるが、当然薔薇水晶にもアリスゲームの義務がある。<br /> しかし既に三人が入ってしまったコタツに足を入れるのは難易度が相当高い。悩む薔薇水晶。すると薔薇水晶は溜め息を付いてから女座りで膝だけコタツに入れてしまった。<br /> まあ仕方ないと軽く目配せする真紅と水銀燈。だがしかし、彼女の暴走はここから始まった!<br /><br /> おもむろにコタツから出てしまっている足先に手を持っていく薔薇水晶。するとなんと、靴下を脱がし始めたではないか!<br /> 真っ赤にかじかんだ爪先が晒される。これは冷たそうだ。しかし薔薇水晶は軽く…いや、怪しく微笑んでいる。はっきり言ってかなり気色悪い。<br /> ヤバげな笑顔をのまま、薔薇水晶はゆっくりと足をコタツの中へ…<br /> 「ひっ!」<br /> 突如として上がる真紅の小さな悲鳴。<br /> 「ん?どうした真紅」<br /> 「い、いえ…何も…」<br /> ジュンに答えてから薔薇水晶を睨みつける真紅。当の薔薇水晶は口笛を吹きたいらしいがまったく吹けてない。これではただのタコ唇だ。<br /> その後数分は何事もなかったように時間が過ぎるも、薔薇水晶はやはりもう片方の足をコタツへと忍ばせる。そしてゆっくりとその魔の手、いや魔の足が近づいていき…<br /> 「んんっ…!」<br /> 今度は水銀燈の喘ぎ声。なんともセクシーだ。ジュンは突っ込んでいいのか悪いのかわからず動揺してしまう。水銀燈も薔薇水晶を睨みつけるが、薔薇水晶は何故か満面の笑み。<br /> 既にお気づきの方もいるだろう。そう、この娘、実は変態なのだ。<br /><br /> またアリスゲームがコタツに入るまでの戦いである以上、四人が揃った時点でその拘束は解かれるのである。これはジュンに配慮しての事であったがこの娘には関係ない。<br /> 「んっ…ッ…」<br /><br /> ここで今度は真紅が悩ましげな声。薔薇水晶は実に嬉しそうだ。<br /> コタツの中を見てみると…薔薇水晶の爪先が真紅の太ももをなぞっているではないか。なんて羨まし…いや、けしからん娘だろうか。<br /> 「はうっ…!」<br /> さらに薔薇水晶は同時に水銀燈の太ももまで撫で始めてしまった。ダンスによって鍛えられた股関節により生み出される足技はまるで触手のように二人の乙女を責めてしまう。<br /> 二人も足を動かし抵抗するも暴走した彼女は止まらない。足の指を器用に使ってズボンや靴下の中に入り込んでくる。あーもう真紅は靴下を脱がされてしまった。これには真紅も頬が引きつるのを押さえられない。<br /> こうして姉二人をたっぷりと楽しんだ薔薇水晶だがこれ以上やると本気で怒られかねないのでここで中断。<br /> それでも満足げな薔薇水晶と、顔を真っ赤にしている水銀燈と真紅。ジュンが若干前屈みなのはご愛嬌。<br /> こうして、今日も桜田家の夜はコタツと共に更けていったのだった。<br /><br /> さて、ジュンがいる事をいいことに足を撫で回したこのセクハラ。あなたなら許せる?許せない?</p>

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