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水銀燈の野望 烈風伝 ~石山戦争編~」(2008/01/21 (月) 22:51:14) の最新版変更点

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<p><あらすじ><br> <br> 時は戦国の世。備前国に「薔薇乙女」と呼ばれる8人の姉妹がいた。<br> 天下統一の野望を抱く長女・水銀燈は、戦国大名となって遂に念願の上洛を果たす。<br> だが三好家を駆逐し畿内で勢力を広げる水銀燈に、次々と敵対する勢力が現れ始めた。<br> 石山本願寺との決裂によって、畿内は再び戦渦に巻き込まれようとしていた。<br> <br> <本編に登場する主な史実武将><br> <br> ○顕如(けんにょ/1543~1592)<br> 本願寺十一世法主。本名は光佐。全国の一向宗に対する支配力を強め、さらに武家や公家との縁組で勢力拡大に成功する。<br> 将軍・足利義昭の呼びかけに応じて信長包囲網の一角を担い、十年に渡って織田軍と激しい戦いを繰り広げた。<br> 本編では水銀燈の上洛に協力するが、その後決裂。一向一揆や雑賀、根来の鉄砲衆を差し向け水銀燈を苦しめる。<br> <br> <br> <br> ――永禄八年正月。<br> <br> 雪「ふぅ……この冬は冷えますわね」<br> 水銀燈は六角家の本城・観音寺城を攻撃中であった。<br> 薔「陣中で迎える新年は……何度目かな」<br> 銀「さあねぇ。これからも幾度となく迎えることになるかもよ?」<br> 水銀燈に従って来た兵は、雪華薔薇隊をはじめ三千程に過ぎない。<br> 六角家の誇る堅城をこの小勢で落とせるのかと、家臣たちも大いに危ぶんだ。<br> 薔「銀ちゃん……これだけで本当に大丈夫?」<br> 銀「味方は味方の陣中だけとは限らないわぁ。敵の中にだって味方はいるものよ」<br> その言葉どおり、六角家に従う武将達の中で合戦中に寝返る者が相次いだ。<br> もと筒井家臣の島左近勝猛、もと北畠家臣の鳥屋尾満栄などである。<br> しかしそれでも観音寺城は難攻不落であり、内外からの攻撃に晒されながらもしぶとく持ちこたえた。<br> 銀(早いところ近江を片付けて戻らないと、京が危ないんだけどねぇ)<br> 昨年本願寺勢が突如宣戦布告をして河内高屋城に攻め寄せたが、雛苺の奮戦によって何とか追い返すことが出来た。<br> 今のところ水銀燈は近江の戦場に釘付けであり、真紅は備中攻略を慎重に進めている。<br> 畿内の中心はいわばがら空きであり、その隙を本願寺がしつこく衝こうとしていた。<br> 薔薇乙女家が押さえている京や堺といった要所を、今は雛苺が必死に守っている状況なのだ。<br> 銀「今ごろあのコ『うゅー! もうだめなのー!』とか言ってるんじゃないかしら……」<br> 雪「焦りは禁物ですわ。敵は確実に力を削がれているのですから」<br> 陣中の焚き木に手をかざしながら、雪華綺晶は言った。<br> 薔薇水晶に酌をされ、ゆっくり酒盃に口をつける水銀燈。<br> 銀「そぉねぇ……」<br> しかしその後も観音寺城は落ちる気配もなく、一ヶ月以上持ちこたえた。<br> 翌月になってようやく水銀燈はその本丸を落とし、南近江を平定。<br> 六角義治は逃亡し、ここに近江佐々木氏の嫡流・六角家は滅亡したのである。<br> <br> 水銀燈の近江制圧の報はすぐに二条城の将軍・足利義輝のもとへ届けられた。<br> 明智光秀「近江の諸城は小谷の浅井領を除きことごとく薔薇乙女軍に降伏。これより左中将殿は摂津石山へと向かわれる由」<br> 義輝「そうか、早くも近江を鎮めたか。しかし、何ゆえ本願寺とまでことを構えるに至ったかのう」<br> 光秀「おそれながら、その儀につきましては本願寺からの一方的な通告だったと聞いておりまする」<br> 義輝「左様か。しかしいずれにしろ、いったん戦端を開いた以上只事では済むまい」<br> 暗い表情になる義輝。<br> 石山本願寺と敵対するということは、全国の一向門徒を敵にまわすということなのである。<br> 義輝「光秀。すまぬが観音寺と石山へ行ってはくれぬか?」<br> 光秀「はっ?」<br> 義輝「畿内に平和が戻った今、左中将と顕如上人が相争うはまことに無益……なんとか双方を説き伏せ、和睦させて欲しいのだ」<br> 光秀「……ははっ」<br> かしこまって退出した光秀だが、内心は弱りきっていた。<br> (何たること……上様は御舎弟がこたびの黒幕だということをご存知ないのだ。果たしてどうしたものやら……)<br> <br> 悩んだ挙句、光秀は将軍の弟・義秋に一応報告しておくことにした。<br> 義秋「なに、兄上が和睦を勧めたと? ならぬならぬ、そんなことをしては折角ここまで組み上げた戦略が台無しぞ」<br> (どないせえっちゅうんじゃヽ(`Д´)ノ)<br> 光秀は頭を抱えた。<br> 義秋「だいたい今さら顕如上人が和睦などに応ずると思うか? もはや水銀燈への包囲網は動き始めておるのだ」<br> 光秀「しかし、その包囲網も思ったように機能していないのでは? 織田信長は美濃攻略に手間取り、未だ動けずにおります」<br> 義秋「う……」<br> なんとか反論を試みる光秀。<br> 水銀燈を敵にまわしたくない光秀としては、ここは義輝の収拾策のほうに希望をかけたかった。<br> 義秋「だが信長は伊勢にも兵力を差し向けておる。伊勢方面から大和を衝けばさしもの水銀燈も慌てざるを得まい」<br> それは光秀も気になっている点ではあった。<br> 織田軍は伊勢の北畠氏に攻勢をかけ、今や伊勢志摩を八分どおり手中に収めてしまっているのである。<br> 光秀「ゆえに左中将殿は大和を重点的に固められたのです。今や大和の防備は鉄壁の如く、織田の攻撃でもびくともしませぬぞ」<br> 義秋「ん? 十兵衛そなた、先程より随分と水銀燈の肩を持つのう」<br> 光秀「そ、そのような、はははw 滅相もござりませぬ」<br> 図星を衝かれ、てきめんにうろたえる光秀。<br> 光秀「とっとにかく、こたびは和議を講ぜよとの上様の仰せにござる。拙者はその命に従わねばなりませぬ」<br> 光秀は逃げるようにして義秋の屋敷を後にした。<br> <br> ――永禄八年四月。<br> <br> 明智光秀は幕府の使者として石山本願寺に向かい、門主・顕如に水銀燈との和睦を勧めたが手応えはなかった。<br> 顕如「左中将は我らとの盟約に反し一向宗を弾圧した。門徒を束ねる身としてこれを見過ごすわけには参りませぬ」<br> 顕如の言う「弾圧」とは水銀燈配下との些細な諍いに過ぎなかったが、義秋の調略が行き届いているのか頑として譲らなかった。<br> (一度動いた門徒どもをを止めるのは容易ではない……やはり左中将殿の方から説くしかなさそうだ)<br> 光秀は河内国に居るという水銀燈を訪ねていくことにした。<br> <br> 河内の水銀燈の領内に入った光秀は、驚いた。<br> 街道という街道を慌しく騎馬武者が往来し、まるで合戦前夜の様相を呈しているのである。<br> 光秀「これはいったい……」<br> ?「あら? 明智殿ではございませぬか」<br> 不意に声をかけられ振り返ると、そこにはきらびやかな戦装束を身に纏った少女がいた。<br> 光秀「貴女は確か、左中将殿の妹君……」<br> 雪「はい、雪華綺晶ですわ。それにしてもかようなところでお目にかかるとは……いかがなされたのです?」<br> 光秀「拙者は上様の使いにて……いや、貴女こそいかがいかがなされた。これではまるで戦支度ではござらぬか」<br> 雪「ええ。和泉国にて照蓮寺の門徒衆が蜂起したとのことゆえ、これより討伐に向かうところなのです」<br> 光秀「なんと、一向一揆とは……左中将殿自ら御出陣でござるか?」<br> 雪「そうですわ。そんなわけで今はあまり長話も出来ませぬ。これにて失礼いたしますわ」<br> そう言い残して雪華綺晶は去っていった。<br> (どうやら事態は抜き差しならぬところまで来ているようだ……これは私一人の手には負えぬかも知れん)<br> <br> 銀「門徒衆なんて鉄砲で蜂の巣にしてくれるわ……と思ってたけどぉ」<br> 千五百丁もの鉄砲を雪華綺晶、薔薇水晶、雛苺の部隊に持たせた水銀燈だが、その日はあいにくの雨であった。<br> 火縄が濡れるため鉄砲の使えない薔薇乙女軍に対し、照蓮寺門徒衆は念仏を唱えながら執拗に襲い掛かってくる。<br> 門徒A「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏……」<br> 門徒B「死を恐れるな! 進めば極楽、戻るは地獄ぞ!」<br> 銀「なんなのこいつら……キモチわるぅい」<br> 戦意の衰える気配も見せない門徒たちを相手に、さすがの水銀燈も攻めあぐねた。<br> 雪「姉上、雨さえあがればいつでも鉄砲をお見舞いできますわ。部下に火縄を濡らさぬよう指示していますから」<br> 銀「ありがと。じゃあお日様を拝むまでの間、ひと暴れしてこようかしら」<br> 雨と泥に塗れながらも水銀燈は壮絶な騎馬突撃を敢行し、群がる門徒衆を蹂躙した。<br> 銀「さぁ坊主ども、念仏は十分唱えたかしらぁ?」<br> 門徒C「げえっ、進むも地獄!? ぎゃあっ!!」<br> この突撃の威力の前には阿弥陀仏の力も及ばず、おびただしい数の坊主頭が宙に舞ったのだった。<br> 薔「雨が……あがった」<br> 雪「今ですわ! 一斉射撃!!」<br> 雛「はにかむになっちゃえー! なのー!!」<br> わずかな晴れ間を縫って薔薇乙女軍の鉄砲が一斉に火を噴き、一揆勢はほぼ潰滅した。<br> 銀「やっと静かになったわねぇ。仏なんかにすがったってこの私に敵うわけないのに……お馬鹿さぁん」<br> <br> ――翌月。永禄八年五月。<br> <br> この月も水銀燈は和泉国における一揆勢の討伐に手を焼いていた。<br> 雪「織田信長が北畠家を滅ぼし伊勢志摩を平定、さらに大和へ向けて進軍を開始したとのことですわ。その数およそ七千五百」<br> 銀「とうとう私の領内を狙ってきたわねぇ。それもなかなかの大軍じゃない」<br> 伊勢での織田信長の動きを警戒した水銀燈は、大和の整備には特に力を注いでいたのだった。<br> 薔「このままでは、本願寺との挟み撃ちに遭うかも……」<br> 銀「焦ることはないわぁ。当面の敵は本願寺よ。大和の守りは松永弾正に任せておけば間違いないわ」<br> 冷静な声でそう言ったものの、水銀燈の胸の内ではわだかまりが渦を巻いていた。<br> (本願寺といい三村といい織田といい……こうも周りが敵だらけになるなんて、イマイチ釈然としないわねぇ。もしや……)<br> <br> その頃、西国でも大きな動きがあった。<br> 備中の三村家の諸城を次々に陥とした真紅軍は、三村家親を最後の砦である鶴首城に追い込んだのである。<br> 紅「ふう。思った以上に手間取ったけれど、ようやくここまで漕ぎ着けたのだわ」<br> 真紅は総勢一万以上の兵力をもって鶴首城を包囲、一ヶ月に及ぶ兵糧攻めの末これを攻め落とした。<br> 当主の家親はじめ一門は斬首され、三村家は滅亡。<br> こうして薔薇乙女家の領国は備中、そして備後国まで広がることとなった。<br> 翠「これでようやく、西国の戦線にもけりが着いたですぅ」<br> 蒼「そうだね。早く京へ戻って水銀燈を助けないと」<br> 金「それなんだけど……水銀燈からこんな手紙が届いてるのかしら」<br> ジ「どれどれ……『お疲れ、真紅ぅ。今頃はもう備中を平定してると思うけど、戻る必要はないわ。そのまま西国を固めておいて頂戴』」<br> 翠「へ?」<br> 巴「どういうことなの? 今畿内では一向一揆が頻発して大変だって聞いたのに……」<br> 紅「どうやら水銀燈は、西国の情勢にまだ不安を感じているようね」<br> 手紙を読み終えて真紅が言った。<br> 紅「こう次々と敵が湧いてくる状況では、私達が京へ上る間に再び西国で乱が起こっても不思議ではない……そういうことなのだわ」<br> 真紅は備中・備後の諸城に城代を置いて播磨へ戻り、その後は美作を中心に領内の整備を進めた。<br> またジュンは水銀燈の命に従って美作の西部に築城を開始。<br> ジ「これは西からの侵略に備える守りの城となり、また山陰進出のための前線基地にもなる。しっかりした城に仕上げないとな」<br> <br> 雪「……明智殿。お話とはどのようなことなのです?」<br> それは石山本願寺攻撃のための出陣準備に追われている時であった。<br> 雪華綺晶のもとを突然光秀の家来が訪れ、会って話をしたいという光秀の意思を伝えてきたのである。<br> 光秀は堺の街にほど近い浜辺で、たった一人で彼女を待ち受けていた。<br> 光秀「よくおいでくだされた。まずは礼を申す」<br> うやうやしく一礼する光秀。<br> 雪「上様のおぼえめでたい明智殿ですもの。当然信じておりますわ」<br> 光秀「そう言って頂けるのは嬉しくもあるが、反面この上なく辛いものでもありまする」<br> 心底辛そうな表情であったが、やがて決断したように光秀は切り出した。<br> 光秀「散々悩み申したが、やはり知らせることにいたした。姉君に伝えて頂きたい。こたびの本願寺、三村、織田の動きについてでござる」<br> 雪「まぁ……やはり、何か裏が?」<br> 光秀「左様。彼等の動きはすべて、公方様の御弟君・左馬頭義秋様の企みによるものでござる」<br> 雪「そんな……!」<br> さすがに雪華綺晶も驚いた。<br> あれほど水銀燈に信頼を寄せていた将軍家の身内が、水銀燈を陥れようとしているなどとは思いもよらない。<br> 光秀「言うまでもござらぬが、公方様はこのことを御存知ない。上様の左中将殿への思いはいささかも変わってはおり申さぬ」<br> 雪「されど、それでは……」<br> 光秀「左様、このままでは左中将殿と幕府とは決裂してしまいまする」<br> 悲壮な顔つきで光秀は訴えた。<br> 光秀「拙者、左馬頭様の陰謀を知りながら恩義ある為に御止め致すことが出来ず……左中将殿には申し開きのしようもござらぬ」<br> 雪「そのような……明智殿に非はございませんわ」<br> 光秀「いや、拙者は幕府再建にあれほど尽力された左中将殿を裏切り申した。せめて真実をお知らせし、後の判断を委ねとうござる」<br> <br> 銀「後の判断は任せる……明智殿はそう言ったのね?」<br> 雪「ええ……」<br> 雪華綺晶からの報告を聞いた水銀燈は、あとは何も答えずただ黙々と本願寺攻めの準備を進めた。<br> その胸の奥深く秘められた本心は、雪華綺晶にも読むことは出来なかった。<br> <br> ――永禄八年八月。<br> <br> 畿内の一向一揆の鎮定をほぼ終え、水銀燈はいよいよ石山本願寺へ向けて出陣した。<br> その兵力はおよそ五千、顕如をはじめ本願寺に籠る僧兵は四千。<br> 雪「石垣に堀……これは寺というよりも城塞ですわね」<br> 予想以上の防備を誇る門徒の根城を目の当たりにし、雪華綺晶は唸った。<br> 銀「さぁて、今から生臭坊主どもを一人残らず地獄へ送ってあげるわ。覚悟しなさぁい!」<br> 顕如「いい気になりおって……門徒達よ! 御仏に代わってあの小娘に仏罰を与えてやるのじゃ!」<br> 雛「うっさいハゲ!!」<br> 雛苺隊に派手に鬨の声をあげさせ、水銀燈は正面から攻め込む気配を見せた。<br> しかしその一方で密かに雪華綺晶と薔薇水晶を裏門へ向かわせていたのであった。<br> 門徒A「なにっ、敵が裏門へ? 急げ! 急ぎ防ぐのだ!」<br> 薔「まだよ……まだ引きつけて」<br> 弓矢攻撃に耐えながら、雪華薔薇隊は門内への侵入のタイミングを図った。<br> 正面の雛苺隊との同時突入を狙っているのだ。<br> 雪「今ですわ!」<br> 雛「それいけなのー!」<br> 二つの門が同時に突破され、薔薇乙女軍が境内へ一気に突入した。<br> 水銀燈の騎馬隊が先陣切って雪崩れ込み、存分に暴れまわる。<br> 銀「そらそらそらそらぁ! そんなに浄土へ行きたいんなら、この『迷鳴』で即身成仏させてあげるわぁ!!」<br> 門徒B「がふっ! な、南無阿弥陀仏……」ガクッ<br> しかしその後門徒らは防備の固い伽藍へ立て籠り、しぶとく抵抗を続けた。<br> さらに下間頼廉などの坊官が中心となって組織的に反抗する門徒衆に、雪華薔薇隊も意外な苦戦を強いられてしまう。<br> がきっ、と鈍い音が響き、薔薇水晶の体が一瞬よろめいた。<br> 薔「ぐっ……!」<br> 雪「ばらしー!?」<br> 薔「大丈夫、銃弾が眼帯をかすめただけ……」<br> 銀「マズイわぁ。どうやらちょっと深入りしすぎたみたいね……」<br> 顕如「ははは、やはり所詮は女子供よのう。我らに御仏の御加護がある限り、貴様らごときに勝ち目はないのだ」<br> 雛「えーい、うるさいのーっ! えせ坊主はこれでも喰らって死んじゃえなのー!!」ポイポイポポイ<br> 顕如「痛ッ! えぇい、石を投げるな!」<br> 今回鉄砲を携行していなかった雛苺隊は、なんとあらかじめ集めておいた石礫を大量に投げ始めた。<br> 軽装の者が多い門徒衆にはこれが意外なほどの効果を発揮し、僧兵達は怯み始めたのである。<br> 銀「雛苺、よくやったわ! 今よ!!」<br> この機を逃さず、薔薇乙女軍は総攻撃を開始。<br> 門徒衆を大壊乱に追い込んだ。<br> 顕如「お、おのれ、我が本願寺がかような者どもに……覚えておれ! 必ず取り返してみせようぞ!」<br> 顕如は坊官らとともに脱出し、紀伊の雑賀衆を頼って落ち延びた。<br> 雪「ついに陥としましたわね、一向宗の総本山を」<br> 銀「そぉね。でもまだよ。紀州を徹底的に潰さない限り、畿内の一向一揆は無くならないわ」<br> 紀伊国には雑賀衆、根来衆など本願寺に好意的な武装集団が根付いていた。<br> この一帯を制圧するには再び多くの犠牲を払うことになりそうであった。</p>

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