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Another RozenMaiden 第6話  拒絶」(2006/03/26 (日) 11:52:52) の最新版変更点

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<p><a title="anotherrozenmaiden6" name= "anotherrozenmaiden6"></a>        Another RozenMaiden<br>           第6話 拒絶 <br> <br> 翌日。ピンポーン。玄関のチャイムで目が覚める。<br> JUM「またかよ。うるさいなぁ。」時計が指すのは、8時30分ピッタリだ。<br> JUM「やっぱり8時30分か!」既に真紅たちが来ているのだ。<br> ベッドから飛び起きると、急いで着替えを済ませる。<br> 部屋を出て階段に向かう途中、水銀燈の部屋の前で足が止まる。<br> JUM「水銀燈・・・・・。」昨日のことがある。きっと、まだ水銀燈は怒っているだろう。<br> 水銀燈の部屋に背を向ける。ほぼ同時に、再び玄関のチャイムが鳴る。<br> JUM「うるさいな!今行くよ!」僕は自分の置かれている状況を思い出すと、<br> 慌てて階段を降り、玄関の扉を開けに向かう。<br> 雛「JUM。おはようなのー。」扉を開けると同時に、雛苺が飛びついてくる。<br> 遮る者が居ないので、今日もまた腕を掴まれる。<br> 紅「8時30分を4分回っているのだわ。昨日より3分だけ成長したわね。」<br> 真紅が愛用の懐中時計を取り出して言う。<br> JUM「成長したって・・・・まぁ、ありがとう。」<br> 真紅に軽く苦笑いを返す。果たして喜んで良いのやら。<br> 金「ひょっとして、JUMは今日も起きたばかりなのかしらー?」<br> JUM「今日もなんだ。ごめん。」寝癖が無い分だけ、昨日より時間は掛からない。<br> しかし、迷惑を掛けることに変わりはない。<br> 紅「それなら、すぐに食事を済ませて頂戴。今なら、まだ時間があるのだわ。」<br> JUM「ありがとう。そうさせて貰うよ。」珍しく、真紅が好意的な発言をしてくれる。<br> しかし、いつ真紅の気が変わるか分からない。僕は急いで家に戻ると、居間へ向かう。<br> 相変わらず水銀燈の姿は見えないが、食卓には一人分の食事が用意されている。<br> 食事と一緒に僕専用の箸が置かれている。<br> そこから察するに、この食事は僕の分なのだろう。<br> 紅「水銀燈はどうしたの?JUM。」真紅が紅茶を啜りながら訪ねてくる。<br> JUM「それが・・・・・。」<br></p> <br> <p>蒼「水銀燈は、もう出かけたようだね。」<br> 言いかけた僕の台詞を遮り、蒼星石が代わりに答える。<br> JUM「何で分かるんだ?」水銀燈は熱を出して寝込んでいたはず。<br> 蒼「玄関に、水銀燈の靴は無かったよ。」鋭い蒼星石の指摘。<br> 気づいていない僕が馬鹿なだけだろうか。<br> 翠「その程度に気づかないなんて、チビ人間はバカなヤローですぅ。」<br> そういえば、食事も一人分しか用意されていなかった。<br> 既に食事を終え、水銀燈は学園に向かったのだろう。<br> JUM「気づいていたなら、もっと早く教えてくれよ。」<br> 翠「そ、それはチビ人間が気づくのを・・・・・待っていてやったのですぅ。」<br> 翠星石は突っ込むのが得意だが、突っ込まれるのには弱い。<br> 蒼「そういえば、昨日と同じだね。」言われて初めて気が付く。<br> 昨日と同じ状況となのだ。僕の脳裏に不安がよぎる。<br> とにかく学園に向かい、真偽を確かめなければどうしようもないだろう。<br> 紅「無駄話をしている時間は無いのだわ。JUM、もう食べないのなら出発よ。」<br> 真紅が僕たちの会話を遮る。真紅の方を向くと、既に出発の準備を整えていた。<br> 紅「では出発よ。」そう言うと、有無を言わさず出発する真紅たち。<br> JUM「ちょっと待ってくれよ。」僕はまだ半分も食べ終えていないのだ。<br> 朝食の残りを一気に胃へと流し込む。<br> 蒼「そんなに急がなくても大丈夫だよ、JUM君。」<br> 一人残ってくれた蒼星石がフォローを入れてくれる。だが、余り時間は無い。<br> 最後の残りを口に詰め、水を飲んで強引に胃へと送る。<br> JUM「待たせたな。」<br> 蒼「それじゃ急ごうね。JUM君。」蒼星石が笑顔を返してくれる。<br> 水銀燈を見つけるためにも、僕は学園への道を急いだ。<br></p> <br> <p>紅「JUM。どうしたの?早く教室の扉を開けて頂戴。」<br> 教室前。中に入ることを躊躇う自分が居る。<br> JUM「ああ・・・・。」蒼星石の話が本当なら、水銀燈はここに居るはずだ。<br> 学園に来た以上、教室に入るのは避けられない。<br> 自分にそう言い聞かせると、意を決して教室の扉を開ける。<br> JUM「おはよう。」教室の中に入ると蒼星石の言葉通り、水銀燈の姿があった。<br> 水銀燈は僕に気づいていないらしく、こちらを振り向こうとはしない。<br> ゆっくりと、水銀燈の隣である自分の席に腰掛ける。<br> チラリと横目に水銀燈の様子を伺う。<br> 水銀燈は表情一つ変えていない。僕を無視しているのだろうか。<br> JUM「水銀燈・・・・・。」覚悟を決め、僕はゆっくりと水銀燈に話しかける。<br> 銀「何よぉ?」水銀燈がこちらを向く。明らかに不機嫌、といった表情だ。<br> JUM「昨日は・・・・ゴメンな。」<br> 銀「だからぁ?」水銀燈は目を細め、更に嫌悪感を露わにする。<br> JUM「僕が悪かった。すまない。」とにかく、昨日のことを謝らなければ。<br> 銀「うるさいわねぇ。私に話しかけないでよぉ。」<br> 席から立ち上がり、いきなり僕の頬をはたく水銀燈。<br> JUM「うわっ!」突然のことに僕はバランスを崩し、椅子から転げ落ちてしまう。<br> 紅「JUM!」その光景を見ていた真紅が、こちらに駆け寄ってくる。<br> 紅「水銀燈!JUMに何てことをするの!」僕と水銀燈の間へ割って入る真紅。<br> JUM「いいんだよ。悪いのは僕なんだから。」<br> 立ち上がると、僕は水銀燈と対峙する真紅を静止する。<br> 紅「で、でも・・・・・。」僕の制止に真紅が横に退く。<br> 真紅が退くと視界が開け、水銀燈の表情が見える。<br> 僕を睨みつけるその瞳に、うっすらと涙が溜まっているように見える。<br> 僕がその瞳を見つめると、水銀燈は顔を逸らし、<br> 銀「ふん。真紅とでも仲良くやってなさぁい。」<br> そう言うと水銀燈は教室から出て行ってしまった。<br></p> <br> <p> 放課後。水銀燈は朝のHR前に教室を出て以来、ついに戻ってくることはなかった。<br> JUM「・・・・・・・。」水銀燈がどこに行ったのかは分からない。<br> 誰も居ない教室で僕は水銀燈の帰りを待っている。<br> 蒼「JUM君・・・・・。」どうやら、誰も居ないわけではないようだ。<br> JUM「蒼星石。まだ居たのか?」<br> 声のする方を見ると、教室の隅に蒼星石が立っている。<br> 蒼「今、教室に戻ったんだよ。・・・・JUM君こそ帰らないの?」<br> 教室の両扉は閉じている。開いた音も聞こえなかった。<br> 蒼星石は、ずっと教室に居たのだろう。<br> JUM「もう帰るよ。ここに居ても、もう来ないだろうしな。」<br> 既に水銀燈は、家に帰ったのかも知れない。そう思えてくる。<br> 蒼「・・・・・・。」僕の言葉に、何故か蒼星石は俯いてしまう。<br> 反応がないので、取り敢えず僕は荷物を纏め始める。<br> 蒼「JUM君が帰るのなら、僕も帰るよ。」<br> 荷物を纏める僕の様子に気づいたのか、蒼星石も慌てて荷物を纏め始める。<br> JUM「そうか。それじゃ、久しぶりに一緒に帰るか。」<br> 折角の機会だ。蒼星石に水銀燈のことを相談するのも良いだろう。<br> 蒼「うん。」蒼星石の表情が急に明るくなる。<br> 蒼星石が荷物を纏め終わったのを確認し、話を切り出す。<br> </p> <br> <p>JUM「蒼星石。相談したいことがあるんだ。」<br> 蒼「うん・・・・・。いいよ・・・・・・。」<br> 蒼星石の表情が暗くなる。何か悪いことを言ってしまったのだろうか?<br> 蒼「・・・・・もしかして・・・・水銀燈のこと?」ゆっくりと蒼星石が口を開く。<br> JUM「良く分かったな。さすが蒼星石だ。」図星だった。<br> 同じ教室に居れば、早朝の事件を見ているだろう。当然のことかも知れない。<br> 蒼「JUM君の顔に書いてあるからね。」蒼星石の表情が明るくなる。<br> 蒼「もう遅いから、帰りながらでもいい?」<br> しかし先程までの明るい表情に比べると、今の蒼星石の表情はどこか暗い。<br> JUM「それじゃ、行こうか。」このまま、ここに居ても進展しないだろう。<br> 蒼「うん。」僕は蒼星石を促すと、二人で教室を出る。<br> そんな二人のやり取りを見ている者がいた。<br></p> <br> <p>銀「・・・・・JUMぅ。」<br> JUMと蒼星石が連れ立って教室から出るのを見てしまう。<br> JUMが教室に残っているのは知っていた。<br> でも、蒼星石まで教室に居たのは予想外だった。<br> その上、二人で一緒に出て行ってしまうなんて。<br> 嫌われよう。そう決心したはずなのに、涙が止まらない。<br> 窓の外を見る。もしかしたら、校庭をJUMが通るかもしれない。<br> すると、校庭にJUMが蒼星石と並んで帰宅している姿が見える。<br> 銀「そんな・・・・・・、嘘よぉ。」<br> 私はJUMを拒絶するようになり、わずか1日。<br> たったそれだけの間に、蒼星石にJUMを奪われてしまった。<br> 銀「JUMぅ。どうしてなのぉ・・・・。私を捨てないでよぉ・・・・。」<br> 私は人目も気にせず声を上げて泣いた。<br> 紅「水銀燈。貴女はまだJUMのことを・・・・。」<br> 私のそばを通る人影。私はそれを気に留めることもなく泣き続けた。<br> Another RozenMaiden 第6話  拒絶 終<br> <br> Another RozenMaiden 第7話  疑惑 に続く。</p>

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