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Blacktea-ReinerRubin-」(2007/02/08 (木) 15:00:22) の最新版変更点

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<p>秋深ったある日、大学の友達がいきなり誘ってきた<br> 「ねぇ、水銀燈?」<br> 「なぁにぃ?」<br> 「紅茶でも飲まない?少しお話しましょう」<br> Blacktea-ReinerRubin-<br> <br> 銀「何よぉいきなり」<br> 真「たまにはいいじゃない」<br> 銀「私がコーヒーに誘ったら来ない癖にぃ」<br> 真「また行くのだわ」<br> 銀「わかったわよぉ」<br> 彼女に連れられて喫茶店に入る。<br> こんな感じの喫茶店は何年ぶりだろうか。<br> 「いらっしゃいませ・・おや、真紅さんじゃありませんか」<br> 真「久しぶりね、マスター」<br> マスターと呼ばれたその男はどこか・・・兎に似ていた。<br> 「そちらの方は・・・おや、湖の側のカフェのバリスタさんではありませんか」<br> 銀「あらぁ、ご存知で?」<br> 「店長からお話は聞いております」<br> 真「看板娘なのね」<br> 銀「そんなとこかしらね」<br> 「またドッピオでもお願いします」<br> 銀「はぁい」<br> 真「マスター、いつものお願いするわ」<br> 銀「常連なのねぇ」<br> 真「そんなとこだわ」<br></p> <br> <p>彼女はアッサムティーを注目したようだった。<br> 正直言うと、私はコーヒーとお酒以外はかなり疎い。だからアッサムと言われても何のことかわからなかった。<br> 真「最近何だか浮き沈みが激しいわね」<br> 銀「そぉ?」<br> 真「こないだはルンルン言いながらヤクルト飲んでたのに、昨日は何だかどんよりしていたのだわ」<br> この子はどうしてこう・・デリカシーみたいなものが無いのかとたまに思う。振る舞いは確かにレディにふさわしいのだろうが、もう少し考えてもいいのではと。<br> 銀「そうねぇ・・確かに言われてみたらそうかもね・・」<br> 真「素敵な男性(ひと)でもできたの?」<br> 銀「違うわよぉ」<br> 私は慌てて否定する。<br> 真「その割には・・・随分慌てているわね」<br> 銀「そんなことないわぁ・・・少し昔のこと思い出しちゃっただけよぉ」<br> JUNが泊まった日の夢がフラッシュバックする。また少し沈みそうだ。<br> 真「そう」<br> 彼女は一言だけ言った。<br> なんと言うか、これが彼女のやり方なのだろうと思う。必要以上の詮索はせずに自分から話すように誘導する。<br> 警察官にでもなったらどうだろうか。<br> 真「少し、葉が古いの?薫りがあまりないのだわ」<br></p> <br> <p>「おっと失礼。すぐに煎れなおしましょう」<br> 真「そうして頂戴。それから、お茶請けも頂けるかしら?」<br> 「かしこまりました」<br> 慣れた感じのやりとり。<br> 何だか私とJUNが店で交すような感じだった。<br> 銀「・・・好きな人できたのよ。でも、何だか相手は気付いてないだろうし・・・それに」<br> 真「?」<br> 銀「私なんかが幸せになっていいのかなぁって・・・」<br> 真「・・・貴方は今、幸せ?」<br> 私はキョトンとしてしまった。<br> 銀「幸せ・・・そうね。幸せなのかもね」<br> 真「なら、お好きになさい。私が決めることではないわ。相手がどんな方は知らないけど、貴方を引き込むだけの魅力はあるんでしょうから」<br> 銀「パッとしないわよぉ」<br> 真「あなたが外見だけで判断するとは思えないのだわ」<br> 銀「そらそうよぉ」<br> 真「そう。それよりさっき言ったこと・・昔のことと、関係あるの?」<br> 銀「・・・少しね」<br></p> <br> <p>銀「私ねぇ・・・人一人死なしてるのよ」<br> 真「えっ?」<br> 銀「私が小学校上がる前よぉ・・・」<br> 真「そう。その人は貴方を憎んでると思うの?」<br> 銀「わかんないわぁ・・・」<br> 真「そう」<br> 銀「でも・・・」<br> 真「でも?」<br> 銀「毎年お墓には行ってるのよぉ。それでね・・・」<br> 3年前の墓参りの帰りに、私は事故にあいかけた。<br> 相手のクルマは信号無視。<br> だが、私は無傷で済んだ。何故か靴ひもがその日は結んでも結んでもほどけていた。<br> ・・・横断歩道で信号が青になったその時も。<br> 何故か私は靴ひもを引きずらずに屈んで結んだ。<br> そして起き上がってあるこうとしたその時・・・<br> 銀「一歩踏み出してたら死んでたわぁ」<br> 真「そう。でも・・・その人はあなたのことを思っているわね」<br> 銀「そうなの?」<br> 真「そうよ。貴方は思われているわ。思われていなかったら・・・今私と紅茶を飲んでることはないでしょうね」<br> 銀「そうなのかなぁ・・・」<br> 真「ま、どう考えるかはあなたの自由よ。マスター、御勘定を」<br> </p> <br> <p>どうも彼女は私の文まで払ってくれたようだ。<br> 真「またコーヒーをお願いするわ。」<br> 銀「・・・確信犯ねぇ」<br> 真「なんのことかしら?」<br> 銀「もういいわぁ」<br> 真「・・・正直になること。私からは、それだけよ」<br> <br> 自分に正直に・・・<br> なんだかそんなことを考えて生きてきた気がしない。<br> これからは、‐少しだけでも‐自分に正直になろうかと思う。<br> <br> クリスマスは・・・思いきって誘ってみよっかな。<br> <br> おしまい<br></p>

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