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「T18k - 第一章」(2006/03/10 (金) 00:24:25) の最新版変更点
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<p>『T18k - 第一章』<br>
学校ではクールな一匹狼で通(とお)っている水銀燈。</p>
<p>場所は薄暗い体育館裏。<br>
男「あ、あのっ!これ僕の気持ちですっ!受け取ってください!!」<br>
水銀燈「はぁ?私がそんなもの受け取るわけないでしょ・・・」<br>
男「あっ!水銀燈さん!行かないで!!<br>
うう・・行ってしまった・・・でも去る姿も美しい!!」</p>
<p>場所はお昼の教室。<br>
翠星石「ねぇ、水銀燈さん!一緒にお昼ご飯食べるですっ!」<br>
銀「あらぁ、ごめんなさぁい。私ちょっと用があるの」<br>
翠「フラれちゃった・・・・でもそんな水銀燈さんがカッコイイですぅ!!」<br>
蒼星石「姉さんも懲りないね・・・・・」</p>
<p>
水銀燈はキャラを作っているわけでなく、人付き合いが嫌いだった。<br>
しかしその仕草や外見が美しく、尋常でない人気があった。ただ単にマゾが多いだけかもしれない</p>
<p>が。<br>
そんな水銀燈には毎晩楽しみがあった。<br>
それは銭湯だった!</p>
<p>じじい「お嬢ちゃん、また来たねぇ」<br>
カウンターで肘をつきながらじじいが話しかけた。<br>
銀「うるさいわねぇ・・・気安く話しかけるなといつも言っているでしょう」<br>
桶を片手に持った水銀燈が、小銭をカウンターに置きながら言った。<br>
じ「まあまあ、この時間帯に来るのはお嬢ちゃんだけだからさみしいんじゃ。この事を秘密にし<br>
てやってるんじゃ。少しくらい話しても・・・」<br>
ピシャッ、と水銀燈が引き戸を閉めた。</p>
<p>
コンクリートの床に竹の敷物。木の棚には一つずつ竹の籠がある。更衣室だ。<br>
銀「・・・・・・・ふふ・・うふふっ♪」<br>
自然と笑みがこぼれる。<br>
服をポイポイと脱ぎ散らかす。<br>
ガラッ<br>
ドタドタドタ<br>
銀「じゃ~んぷっ♪」<br>
ザブーン<br>
銀「ふぅ・・・・気持ちいいわぁ・・・あのじじい、ちゃんと言いつけを守って42.5℃にしてあ<br>
るわね。感心感心♪」<br>
広い湯船。壁には大きく富士山が描かれている。<br>
水銀燈は湯船に備え付けてあったビート板を手に取った。<br>
銀「フーフフ~ンフ~ン♪」<br>
ザバザバザバザバ<br>
薔薇水晶「水銀燈・・・銭湯ではあまり泳がない方がいい・・・・」<br>
銀「うるさいわねぇ・・・・誰も居ないんだからいい・・・ってきゃあ!!」</p>
<p>静かな・・・・お湯の流れる音だけがする沈黙。<br>
薔「・・・・・・・・・」<br>
銀「・・・・・・・・・・・」<br>
薔「・・・・・・・・・・・・・・」<br>
銀「・・・・・・あ・・・あのさ・・・・・」<br>
水銀燈が口を開いた。<br>
薔「・・・・何?」<br>
銀「今のこと・・・・・秘密にしておいて・・・・くれないかしら・・・・・・?」<br>
薔「どうして・・・?」<br>
薔薇水晶は不思議そうな顔をした。<br>
銀「どうしてって・・・その・・・は、恥ずかしいから・・・・・・」<br>
目を逸らして恥ずかしそうに言う水銀燈を見て、薔薇水晶はしばし考えてこう言った。<br>
薔「・・・そうね・・・・明日・・・学校をサボって・・・・・私に付き合ってくれたら秘<br>
密にしてあげる・・・・・」</p>
<p>
そんなわけで隣町にある駅前のマルイにやって来たノダ☆<br>
銀「遅いわねぇ・・・・」<br>
制服姿の水銀燈が地団駄しながらそう思った。<br>
薔薇水晶が取り付けた約束は、午前10時に白壁(しらかべ)駅前の大きな横断歩道を渡ったところ<br>
にあるマルイ前集合というものだった。<br>
銀「(自分から約束しておいて遅刻かしら・・・呆れたぁ)」<br>
薔「ごっ、ごめん!水銀燈!」<br>
横断歩道の向こう側で制服を着た薔薇水晶が手を振っている。<br>
水銀燈がひらひらと手を振ると、薔薇水晶は走って横断歩道を渡ってきた。<br>
銀「あっ!危ない!!」<br>
キキイィーーーッ</p>
<p>男「オイ嬢ちゃん!死にてえのか!!」<br>
トラックの運転手が怒鳴った。<br>
薔「あ・・・ご、ごめんなさい・・・・・」<br>
薔薇水晶は深々と謝って、すぐ水銀燈の元に走り出した。<br>
銀「ちょっとぉ、危ないじゃなぁい?何考えてるの?」<br>
水銀燈が手を腰に当てて言った。<br>
薔「ご・・ごめんなさい・・・・」<br>
しゅん、とする薔薇水晶。<br>
銀「赤信号は渡っちゃ行けないって、そんなことも知らないの?もう買い物に付き合わないわよ?」<br>
薔「そっ、それはやだ!ごめんなさい!もうしないからっ!!」<br>
そんな薔薇水晶が、突然取り乱した。<br>
銀「え・・・えっとぉ・・・・」<br>
水銀燈は驚いて、言葉が出てこなくなった。<br>
薔「あっ、ご・・ごめんなさい・・・・」<br>
銀「別に・・そんなに謝らないでも、もうしないっていうならいいのよぉ・・。<br>
それより話を元に戻すけど・・・・」<br>
薔「・・・・?」<br>
銀「何で遅刻したの?」<br>
薔「あっ・・ごめんなさい・・・・」<br>
薔薇水晶はまた謝った。</p>
<p>薔「それのことなんだけど・・・はい、これ・・・」<br>
薔薇水晶が手に持っていた紙袋からゴソゴソと何かを取り出した。<br>
銀「これは・・たい焼き?」<br>
差し出されたたい焼きを水銀燈は受け取る。<br>
薔「うん・・赤月(あかつき)駅を降りたところをすぐのところにあるたい焼き屋のたい焼き。<br>
・・・・おいしいんだよ」<br>
赤月駅とは、水銀燈たちの最寄りの駅である。<br>
銀「ふぅん・・モグモグ・・・・確かにこれは美味しいわね」<br>
薔「うん・・・私のお気に入りのお店・・・これ買うために列んでたら遅くなっちゃって・・・・」<br>
薔薇水晶は食べながら言った。<br>
銀「いいのよぉ。こっちこそありがと。こんな美味しい物ご馳走してくれて」<br>
薔「1個・・・・100円」<br>
銀「・・・・・・・」</p>
<p>二人はマルイの1Fの食品フロアを歩いていた。<br>
同じクラスだが無口な薔薇水晶と人付き合いが嫌いな水銀燈・・・・おかしな組み合わせだった。<br>
薔「あ・・・チョコソフト・・・」<br>
ふらふら<br>
薔「あ・・・みたらしだんご・・・」<br>
ふらふら<br>
薔「あ・・・クレープ・・・」<br>
銀「ちょっとぉ・・・・大丈夫なの?」<br>
薔「・・・何が?」<br>
薔薇水晶はクレープをせっせと食べている。<br>
銀「その・・・・・体重とか」<br>
水銀燈はちょっと恥ずかしそうに言った。<br>
薔「私・・・食べてもあまり太らないから大丈夫」<br>
銀「そう・・・・・それは羨ましいわねっ・・・・」<br>
薔「水銀燈・・・・・最近太っいたっ・・・」<br>
薔薇水晶が言い終わる前に水銀燈が額を小突いた。<br>
銀「うるさいわねぇ、そういう事は聞くものじゃないわ」<br>
薔「・・・でも・・・水銀燈は胸あるしそんなに気にしなくても・・・・・」<br>
二人は水銀燈の胸に視線を落とす。<br>
銀「そ、そう?そうよね、私もそう思ってたのよぉ」</p>
<p>
銀「あらぁ?こんな所にゲーセンなんてあったかしら?」<br>
2Fのフロアの端に、真新しいゲーセンがあった。<br>
薔「うん、最近できたんだよ。寄ってってみる?」<br>
銀「そうね、時間はたっぷりあるんだし。ところで貴女ヤケに詳しいわねぇ・・・」<br>
薔「うん、昨日水銀燈がOKしてくれた後、下見に来たんだよ」<br>
銀「(OKした後って・・・真夜中よね・・・・・・・・)」<br>
二人はゲーセンに入った。<br>
銀「(あっ・・・あれは・・・!!!)」<br>
水銀燈の視線が一つのUFOキャッチャーに釘付けになった。<br>
薔「・・・・・どうしたの?」<br>
水銀燈は慌てて視線を戻した。<br>
銀「えっ、えっとぉ・・・・・なんでもないわ!」<br>
薔「ふぅん・・・・あ、あのUFOキャッチャーやってみようかー」<br>
薔薇水晶が先程水銀燈が釘付けになったUFOキャッチャーに向かっていった。<br>
銀「(・・・・意地張った自分が馬鹿みたいじゃなぁい・・・・・)」</p>
<p>
二人がやってきたUFOキャッチャーにはくんくん探偵1/1スケール人形限定版があった。<br>
薔「じゃあやってみよっと・・・・」<br>
銀「待ってぇ!!」<br>
100円を入れようとした薔薇水晶の手を高速で水銀燈が遮った。<br>
薔「え・・・・?」<br>
銀「わ・・私に・・・・・やらせてちょうだぁい・・・・・・」<br>
そう言うと、水銀燈はおもむろにサイフから100円玉を取り出し、スロットイィィィン!!<br>
ウィーン<br>
ウィーン<br>
銀「(ふふふ・・・待ってなさぁい・・・私の可愛いくんくん・・・・・)」<br>
薔「水銀燈、声に出てるよ」<br>
銀「えっ!ウソッ!!!」<br>
水銀燈は慌てて口を押さえてしまい・・・・・<br>
ウィ~ン<br>
UFOキャッチャーは何も無いところを掬った。</p>
<p>薔「あー・・・・」<br>
薔薇水晶が残念味のかけらも無く言うのに対し<br>
銀「ああぁ・・・ぁ・・・・・・」<br>
水銀燈はUFOキャッチャーの前で崩れ落ちた。<br>
薔「ごめん・・・さっきの嘘・・・・・」<br>
銀「なんですってェ!!!!!」<br>
グーを作って迫る水銀燈。<br>
薔「安心して・・・・・今この人形あげるから・・・・・・」<br>
そう言って薔薇水晶はコインを投入した。<br>
ウィーン<br>
ウィィーン<br>
ヒュー、ポト<br>
薔薇水晶はいとも簡単にくんくん人形を手に入れた。</p>
<p>フリフリ・・とくんくん人形を振る薔薇水晶。<br>
薔「・・・・・・・・・・・」<br>
それを『待て』をくらった犬のように見つめる水銀燈。<br>
銀「・・・・・・・・・・・・」<br>
薔「じゃあ約束通り・・あげるね。ほーい」<br>
薔薇水晶はくんくん人形を放り上げた。<br>
銀「わんっ!わんわんわんっ!!!」<br>
薔「うふふ・・・・・・」<br>
銀「(はっ!!しまった・・喜びの余り犬化しちゃったわ・・・・・)」<br>
周囲の視線が水銀燈に集中する。<br>
銀「オ・・・オホン!く、くれるっていうなら貰っておこうかしら・・・・」<br>
くんくん人形は既に水銀燈の鞄にしまわれていた。</p>
<p>二人はゲーセン内を散策している。<br>
薔「あ・・・・」<br>
銀「んん?なぁに?」<br>
薔薇水晶はある物に気づき、水銀燈の袖を引っ張った。<br>
薔「あれ・・やろう」<br>
薔薇水晶が指さした先にあったものは<br>
銀「・・・プリクラ??」<br>
そう、プリクラ雪月花だった!<br>
銀「やぁよ。私写真とかそういうの好きじゃないしぃ・・・」<br>
薔「・・・・・お願いだから、やろう・・」<br>
歩き出そうとする水銀燈の袖をぐいぐいと薔薇水晶が引っ張る。<br>
銀「やーよー!私は写真はいやなのよぉー!」<br>
薔「・・・・うるうる」<br>
薔薇水晶は潤んだ瞳で水銀燈を見つめた。<br>
銀「うっ・・・・・・・・・」<br>
薔「ね?一緒に・・・やろう?」<br>
銀「しょうがないわねぇ・・・一回だけよ・・・・・・」</p>
<p>
薔薇水晶が先導し、二人はプリクラ筐体内に入っていく。<br>
薔「じゃ・・撮るよ・・・・1+1はー・・・?」<br>
銀「・・・・・・・2」<br>
パシャ<br>
ウィ~ン<br>
出てきた写真は、口元だけ笑顔でピースをしているの薔薇水晶とふてくされた水銀燈という奇妙<br>
なものだった。<br>
薔「はい・・・・・これ水銀燈の分・・・」<br>
銀「ありがと。でもこれの何が楽しいのぉ?」<br>
薔薇水晶はプリクラを大事そうに胸に抱えながら、言った。<br>
薔「こうやって、プリクラを撮るのは・・・・・・・友達の印なんだよ」<br>
銀「・・・・・・・・ふぅん」<br>
銀「(友達・・・ねぇ・・・・。一番縁の無い言葉かもしれないわねぇ・・・・・)」<br>
薔「・・どうかした?」<br>
銀「ううん、なんでもないわぁ」</p>
<p>
銀「・・・新しいだけあって人気の物は押さえてあるのねぇ。あ、スリルレース・・・」<br>
水銀燈が見つけた『スリルレース』とはインターネットランキング機能付きのカーレースゲーム。<br>
3DCG映像でいろんな意味でギリギリのコースを走り抜けるというスリルが人気を呼んでいる。<br>
あくまで『スリル○ライブ』じゃないよ。<br>
薔「フフフッ・・・勝負する・・?」<br>
チラッ、と薔薇水晶が専用エントリーカードを見せた。<br>
銀「貴女もスリルドライバーだったなんて意外だわぁ・・・・この勝負、逃げる訳にはいかないよ<br>
うね・・・・」<br>
水銀燈も負けずにチラッ、と専用エントリーカードを見せた。<br>
これは『スリルドライバー』間での試合開始の合図なのであった。<br>
薔薇水晶は席に腰掛けると、言った。<br>
薔「ただ勝負するんじゃつまらない・・・勝った方は明日一日負けた方に一つだけ命令できると<br>
いうのは・・・どう?」<br>
水銀燈はニマリと笑みを浮かべる。<br>
銀「いいわよ。その言葉、後悔させてあげるわぁ・・・・」<br>
二人は財布から100円玉を取り出し、スロットイィィィン!!そして、エントリーカードを<br>
カードイイィィン!!!<br>
薔「コースは『デス・ヒルスーパーX改Ver18.269』よ!異論は無いっ?」<br>
銀「無いわ!さっさと始めるわよッ!!!」</p>
<p>二人の女の熱い闘いは終わった。<br>
水銀燈の画面には2nd・・薔薇水晶の画面には1stという文字が表示されている。<br>
銀「そ・・・・そんな・・・・・・・」<br>
薔「ふふっ・・勝っちゃたぁ~・・・水銀燈に勝っちゃたぁ~」<br>
水銀燈は地に膝と手をつき、薔薇水晶は笑顔で喜んだ。<br>
銀「い・・いいわっ・・・私も女だもの・・・・・何でも命令すればいいじゃない・・・・・」<br>
薔「それじゃあ・・・・・・」<br>
銀「・・・・・・・・・・・・ゴクリ」<br>
薔薇水晶は微笑しながら、言った。<br>
薔「明日一日は・・・語尾に『わん』を付けて喋って」</p>
<p>
銀「(はあ・・・語尾に『わん』なんて・・・・どういう趣味してんのかしらぁ・・・・)」<br>
夜。水銀燈はいつもの銭湯で疲れを癒している。<br>
銀「(にしても、今日は疲れたわぁ・・真紅と言い争いするよりよっぽど・・・・・)」<br>
そう思いつつ、ビート板を手に取り<br>
バシャバシャバシャ<br>
薔「水銀燈、銭湯は泳ぐところじゃない・・・」<br>
昨日と同じ、湯船の隅に薔薇水晶が居た。<br>
銀「きゃあっ!!!あ・・貴女・・・・また居たのね・・・・・・」<br>
薔「うん、これから毎日・・・この時間にこの銭湯に来ることにした」<br>
銀「なっ、なんでえェ!?」<br>
薔「だって、水銀燈が居るから・・・・・」<br>
銀「な・・・な・・・・・・」<br>
水銀燈は金魚のように口をパクパクさせた。<br>
薔「それより、この後水銀燈の家に行っちゃダメ?」<br>
銀「え・・?や、やぁよぅ。今日遊んであげたのは気が向いたから。勘違いしないでちょうだぁい」<br>
薔「う・・そうだよね・・・。ごめんね」<br>
薔薇水晶は子猫のようにしゅんとなった。<br>
銀「うっ・・・・・」<br>
銀「(参ったわぁ・・・。でも、よく考えるとこんなに他人と遊んだのも久しぶりかもしれない<br>
わね・・・・・)」</p>
<p>薔「・・・・・・・・・」<br>
銀「ねぇ・・・」<br>
気まずい沈黙を破ったのは水銀燈だった。<br>
薔「・・・え?」<br>
銀「今日はダメだけど・・・・明後日の祝日なら・・・・いいわよ」<br>
薔「ホントッ!?やった♪」<br>
銀「きゃあっ!ちょっと!抱きつかないで!!・・もうッ!!」<br>
薔薇水晶の脳天めがけてゴスッ、と水銀燈の肘打ちが入った。<br>
薔「ブクブク・・・プハッ!あっ、ごめんなさい・・・余りにも嬉しくて我を失っちゃって」<br>
銀「別に・・・・・いいけどぉ・・・・・・」<br>
水銀燈は息が切れている。<br>
薔「ねぇ、水銀燈」<br>
銀「何?」<br>
薔「今日・・・楽しかった?」<br>
水銀燈は少し考えて、笑いながら言った。<br>
銀「・・・・・・まぁまぁねぇ」<a title="t18k_1" name=
"t18k_1"></a></p>
<p>『T18k - 第一章』<br>
学校ではクールな一匹狼で通(とお)っている水銀燈。</p>
<br>
<p>場所は薄暗い体育館裏。<br>
男「あ、あのっ!これ僕の気持ちですっ!受け取ってください!!」<br>
水銀燈「はぁ?私がそんなもの受け取るわけないでしょ・・・」<br>
男「あっ!水銀燈さん!行かないで!!<br>
うう・・行ってしまった・・・でも去る姿も美しい!!」</p>
<br>
<p>場所はお昼の教室。<br>
翠星石「ねぇ、水銀燈さん!一緒にお昼ご飯食べるですっ!」<br>
銀「あらぁ、ごめんなさぁい。私ちょっと用があるの」<br>
翠「フラれちゃった・・・・でもそんな水銀燈さんがカッコイイですぅ!!」<br>
蒼星石「姉さんも懲りないね・・・・・」</p>
<br>
<p>
水銀燈はキャラを作っているわけでなく、人付き合いが嫌いだった。<br>
しかしその仕草や外見が美しく、尋常でない人気があった。ただ単にマゾが多いだけかもしれない</p>
<p>が。<br>
そんな水銀燈には毎晩楽しみがあった。<br>
それは銭湯だった!</p>
<br>
<p>じじい「お嬢ちゃん、また来たねぇ」<br>
カウンターで肘をつきながらじじいが話しかけた。<br>
銀「うるさいわねぇ・・・気安く話しかけるなといつも言っているでしょう」<br>
桶を片手に持った水銀燈が、小銭をカウンターに置きながら言った。<br>
じ「まあまあ、この時間帯に来るのはお嬢ちゃんだけだからさみしいんじゃ。この事を秘密にし<br>
てやってるんじゃ。少しくらい話しても・・・」<br>
ピシャッ、と水銀燈が引き戸を閉めた。</p>
<br>
<p>
コンクリートの床に竹の敷物。木の棚には一つずつ竹の籠がある。更衣室だ。<br>
銀「・・・・・・・ふふ・・うふふっ♪」<br>
自然と笑みがこぼれる。<br>
服をポイポイと脱ぎ散らかす。<br>
ガラッ<br>
ドタドタドタ<br>
銀「じゃ~んぷっ♪」<br>
ザブーン<br>
銀「ふぅ・・・・気持ちいいわぁ・・・あのじじい、ちゃんと言いつけを守って42.5℃にしてあ<br>
るわね。感心感心♪」<br>
広い湯船。壁には大きく富士山が描かれている。<br>
水銀燈は湯船に備え付けてあったビート板を手に取った。<br>
銀「フーフフ~ンフ~ン♪」<br>
ザバザバザバザバ<br>
薔薇水晶「水銀燈・・・銭湯ではあまり泳がない方がいい・・・・」<br>
銀「うるさいわねぇ・・・・誰も居ないんだからいい・・・ってきゃあ!!」</p>
<br>
<p>静かな・・・・お湯の流れる音だけがする沈黙。<br>
薔「・・・・・・・・・」<br>
銀「・・・・・・・・・・・」<br>
薔「・・・・・・・・・・・・・・」<br>
銀「・・・・・・あ・・・あのさ・・・・・」<br>
水銀燈が口を開いた。<br>
薔「・・・・何?」<br>
銀「今のこと・・・・・秘密にしておいて・・・・くれないかしら・・・・・・?」<br>
薔「どうして・・・?」<br>
薔薇水晶は不思議そうな顔をした。<br>
銀「どうしてって・・・その・・・は、恥ずかしいから・・・・・・」<br>
目を逸らして恥ずかしそうに言う水銀燈を見て、薔薇水晶はしばし考えてこう言った。<br>
薔「・・・そうね・・・・明日・・・学校をサボって・・・・・私に付き合ってくれたら秘<br>
密にしてあげる・・・・・」</p>
<br>
<p>
そんなわけで隣町にある駅前のマルイにやって来たノダ☆<br>
銀「遅いわねぇ・・・・」<br>
制服姿の水銀燈が地団駄しながらそう思った。<br>
薔薇水晶が取り付けた約束は、午前10時に白壁(しらかべ)駅前の大きな横断歩道を渡ったところ<br>
にあるマルイ前集合というものだった。<br>
銀「(自分から約束しておいて遅刻かしら・・・呆れたぁ)」<br>
薔「ごっ、ごめん!水銀燈!」<br>
横断歩道の向こう側で制服を着た薔薇水晶が手を振っている。<br>
水銀燈がひらひらと手を振ると、薔薇水晶は走って横断歩道を渡ってきた。<br>
銀「あっ!危ない!!」<br>
キキイィーーーッ</p>
<br>
<p>男「オイ嬢ちゃん!死にてえのか!!」<br>
トラックの運転手が怒鳴った。<br>
薔「あ・・・ご、ごめんなさい・・・・・」<br>
薔薇水晶は深々と謝って、すぐ水銀燈の元に走り出した。<br>
銀「ちょっとぉ、危ないじゃなぁい?何考えてるの?」<br>
水銀燈が手を腰に当てて言った。<br>
薔「ご・・ごめんなさい・・・・」<br>
しゅん、とする薔薇水晶。<br>
銀「赤信号は渡っちゃ行けないって、そんなことも知らないの?もう買い物に付き合わないわよ?」<br>
薔「そっ、それはやだ!ごめんなさい!もうしないからっ!!」<br>
そんな薔薇水晶が、突然取り乱した。<br>
銀「え・・・えっとぉ・・・・」<br>
水銀燈は驚いて、言葉が出てこなくなった。<br>
薔「あっ、ご・・ごめんなさい・・・・」<br>
銀「別に・・そんなに謝らないでも、もうしないっていうならいいのよぉ・・。<br>
それより話を元に戻すけど・・・・」<br>
薔「・・・・?」<br>
銀「何で遅刻したの?」<br>
薔「あっ・・ごめんなさい・・・・」<br>
薔薇水晶はまた謝った。</p>
<br>
<p>薔「それのことなんだけど・・・はい、これ・・・」<br>
薔薇水晶が手に持っていた紙袋からゴソゴソと何かを取り出した。<br>
銀「これは・・たい焼き?」<br>
差し出されたたい焼きを水銀燈は受け取る。<br>
薔「うん・・赤月(あかつき)駅を降りたところをすぐのところにあるたい焼き屋のたい焼き。<br>
・・・・おいしいんだよ」<br>
赤月駅とは、水銀燈たちの最寄りの駅である。<br>
銀「ふぅん・・モグモグ・・・・確かにこれは美味しいわね」<br>
薔「うん・・・私のお気に入りのお店・・・これ買うために列んでたら遅くなっちゃって・・・・」<br>
薔薇水晶は食べながら言った。<br>
銀「いいのよぉ。こっちこそありがと。こんな美味しい物ご馳走してくれて」<br>
薔「1個・・・・100円」<br>
銀「・・・・・・・」</p>
<br>
<p>二人はマルイの1Fの食品フロアを歩いていた。<br>
同じクラスだが無口な薔薇水晶と人付き合いが嫌いな水銀燈・・・・おかしな組み合わせだった。<br>
薔「あ・・・チョコソフト・・・」<br>
ふらふら<br>
薔「あ・・・みたらしだんご・・・」<br>
ふらふら<br>
薔「あ・・・クレープ・・・」<br>
銀「ちょっとぉ・・・・大丈夫なの?」<br>
薔「・・・何が?」<br>
薔薇水晶はクレープをせっせと食べている。<br>
銀「その・・・・・体重とか」<br>
水銀燈はちょっと恥ずかしそうに言った。<br>
薔「私・・・食べてもあまり太らないから大丈夫」<br>
銀「そう・・・・・それは羨ましいわねっ・・・・」<br>
薔「水銀燈・・・・・最近太っいたっ・・・」<br>
薔薇水晶が言い終わる前に水銀燈が額を小突いた。<br>
銀「うるさいわねぇ、そういう事は聞くものじゃないわ」<br>
薔「・・・でも・・・水銀燈は胸あるしそんなに気にしなくても・・・・・」<br>
二人は水銀燈の胸に視線を落とす。<br>
銀「そ、そう?そうよね、私もそう思ってたのよぉ」</p>
<br>
<p>
銀「あらぁ?こんな所にゲーセンなんてあったかしら?」<br>
2Fのフロアの端に、真新しいゲーセンがあった。<br>
薔「うん、最近できたんだよ。寄ってってみる?」<br>
銀「そうね、時間はたっぷりあるんだし。ところで貴女ヤケに詳しいわねぇ・・・」<br>
薔「うん、昨日水銀燈がOKしてくれた後、下見に来たんだよ」<br>
銀「(OKした後って・・・真夜中よね・・・・・・・・)」<br>
二人はゲーセンに入った。<br>
銀「(あっ・・・あれは・・・!!!)」<br>
水銀燈の視線が一つのUFOキャッチャーに釘付けになった。<br>
薔「・・・・・どうしたの?」<br>
水銀燈は慌てて視線を戻した。<br>
銀「えっ、えっとぉ・・・・・なんでもないわ!」<br>
薔「ふぅん・・・・あ、あのUFOキャッチャーやってみようかー」<br>
薔薇水晶が先程水銀燈が釘付けになったUFOキャッチャーに向かっていった。<br>
銀「(・・・・意地張った自分が馬鹿みたいじゃなぁい・・・・・)」</p>
<br>
<p>
二人がやってきたUFOキャッチャーにはくんくん探偵1/1スケール人形限定版があった。<br>
薔「じゃあやってみよっと・・・・」<br>
銀「待ってぇ!!」<br>
100円を入れようとした薔薇水晶の手を高速で水銀燈が遮った。<br>
薔「え・・・・?」<br>
銀「わ・・私に・・・・・やらせてちょうだぁい・・・・・・」<br>
そう言うと、水銀燈はおもむろにサイフから100円玉を取り出し、スロットイィィィン!!<br>
ウィーン<br>
ウィーン<br>
銀「(ふふふ・・・待ってなさぁい・・・私の可愛いくんくん・・・・・)」<br>
薔「水銀燈、声に出てるよ」<br>
銀「えっ!ウソッ!!!」<br>
水銀燈は慌てて口を押さえてしまい・・・・・<br>
ウィ~ン<br>
UFOキャッチャーは何も無いところを掬った。</p>
<br>
<p>薔「あー・・・・」<br>
薔薇水晶が残念味のかけらも無く言うのに対し<br>
銀「ああぁ・・・ぁ・・・・・・」<br>
水銀燈はUFOキャッチャーの前で崩れ落ちた。<br>
薔「ごめん・・・さっきの嘘・・・・・」<br>
銀「なんですってェ!!!!!」<br>
グーを作って迫る水銀燈。<br>
薔「安心して・・・・・今この人形あげるから・・・・・・」<br>
そう言って薔薇水晶はコインを投入した。<br>
ウィーン<br>
ウィィーン<br>
ヒュー、ポト<br>
薔薇水晶はいとも簡単にくんくん人形を手に入れた。</p>
<br>
<p>フリフリ・・とくんくん人形を振る薔薇水晶。<br>
薔「・・・・・・・・・・・」<br>
それを『待て』をくらった犬のように見つめる水銀燈。<br>
銀「・・・・・・・・・・・・」<br>
薔「じゃあ約束通り・・あげるね。ほーい」<br>
薔薇水晶はくんくん人形を放り上げた。<br>
銀「わんっ!わんわんわんっ!!!」<br>
薔「うふふ・・・・・・」<br>
銀「(はっ!!しまった・・喜びの余り犬化しちゃったわ・・・・・)」<br>
周囲の視線が水銀燈に集中する。<br>
銀「オ・・・オホン!く、くれるっていうなら貰っておこうかしら・・・・」<br>
くんくん人形は既に水銀燈の鞄にしまわれていた。</p>
<br>
<p>二人はゲーセン内を散策している。<br>
薔「あ・・・・」<br>
銀「んん?なぁに?」<br>
薔薇水晶はある物に気づき、水銀燈の袖を引っ張った。<br>
薔「あれ・・やろう」<br>
薔薇水晶が指さした先にあったものは<br>
銀「・・・プリクラ??」<br>
そう、プリクラ雪月花だった!<br>
銀「やぁよ。私写真とかそういうの好きじゃないしぃ・・・」<br>
薔「・・・・・お願いだから、やろう・・」<br>
歩き出そうとする水銀燈の袖をぐいぐいと薔薇水晶が引っ張る。<br>
銀「やーよー!私は写真はいやなのよぉー!」<br>
薔「・・・・うるうる」<br>
薔薇水晶は潤んだ瞳で水銀燈を見つめた。<br>
銀「うっ・・・・・・・・・」<br>
薔「ね?一緒に・・・やろう?」<br>
銀「しょうがないわねぇ・・・一回だけよ・・・・・・」</p>
<br>
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薔薇水晶が先導し、二人はプリクラ筐体内に入っていく。<br>
薔「じゃ・・撮るよ・・・・1+1はー・・・?」<br>
銀「・・・・・・・2」<br>
パシャ<br>
ウィ~ン<br>
出てきた写真は、口元だけ笑顔でピースをしているの薔薇水晶とふてくされた水銀燈という奇妙<br>
なものだった。<br>
薔「はい・・・・・これ水銀燈の分・・・」<br>
銀「ありがと。でもこれの何が楽しいのぉ?」<br>
薔薇水晶はプリクラを大事そうに胸に抱えながら、言った。<br>
薔「こうやって、プリクラを撮るのは・・・・・・・友達の印なんだよ」<br>
銀「・・・・・・・・ふぅん」<br>
銀「(友達・・・ねぇ・・・・。一番縁の無い言葉かもしれないわねぇ・・・・・)」<br>
薔「・・どうかした?」<br>
銀「ううん、なんでもないわぁ」</p>
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<p>
銀「・・・新しいだけあって人気の物は押さえてあるのねぇ。あ、スリルレース・・・」<br>
水銀燈が見つけた『スリルレース』とはインターネットランキング機能付きのカーレースゲーム。<br>
3DCG映像でいろんな意味でギリギリのコースを走り抜けるというスリルが人気を呼んでいる。<br>
あくまで『スリル○ライブ』じゃないよ。<br>
薔「フフフッ・・・勝負する・・?」<br>
チラッ、と薔薇水晶が専用エントリーカードを見せた。<br>
銀「貴女もスリルドライバーだったなんて意外だわぁ・・・・この勝負、逃げる訳にはいかないよ<br>
うね・・・・」<br>
水銀燈も負けずにチラッ、と専用エントリーカードを見せた。<br>
これは『スリルドライバー』間での試合開始の合図なのであった。<br>
薔薇水晶は席に腰掛けると、言った。<br>
薔「ただ勝負するんじゃつまらない・・・勝った方は明日一日負けた方に一つだけ命令できると<br>
いうのは・・・どう?」<br>
水銀燈はニマリと笑みを浮かべる。<br>
銀「いいわよ。その言葉、後悔させてあげるわぁ・・・・」<br>
二人は財布から100円玉を取り出し、スロットイィィィン!!そして、エントリーカードを<br>
カードイイィィン!!!<br>
薔「コースは『デス・ヒルスーパーX改Ver18.269』よ!異論は無いっ?」<br>
銀「無いわ!さっさと始めるわよッ!!!」</p>
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<p>二人の女の熱い闘いは終わった。<br>
水銀燈の画面には2nd・・薔薇水晶の画面には1stという文字が表示されている。<br>
銀「そ・・・・そんな・・・・・・・」<br>
薔「ふふっ・・勝っちゃたぁ~・・・水銀燈に勝っちゃたぁ~」<br>
水銀燈は地に膝と手をつき、薔薇水晶は笑顔で喜んだ。<br>
銀「い・・いいわっ・・・私も女だもの・・・・・何でも命令すればいいじゃない・・・・・」<br>
薔「それじゃあ・・・・・・」<br>
銀「・・・・・・・・・・・・ゴクリ」<br>
薔薇水晶は微笑しながら、言った。<br>
薔「明日一日は・・・語尾に『わん』を付けて喋って」</p>
<br>
<p>
銀「(はあ・・・語尾に『わん』なんて・・・・どういう趣味してんのかしらぁ・・・・)」<br>
夜。水銀燈はいつもの銭湯で疲れを癒している。<br>
銀「(にしても、今日は疲れたわぁ・・真紅と言い争いするよりよっぽど・・・・・)」<br>
そう思いつつ、ビート板を手に取り<br>
バシャバシャバシャ<br>
薔「水銀燈、銭湯は泳ぐところじゃない・・・」<br>
昨日と同じ、湯船の隅に薔薇水晶が居た。<br>
銀「きゃあっ!!!あ・・貴女・・・・また居たのね・・・・・・」<br>
薔「うん、これから毎日・・・この時間にこの銭湯に来ることにした」<br>
銀「なっ、なんでえェ!?」<br>
薔「だって、水銀燈が居るから・・・・・」<br>
銀「な・・・な・・・・・・」<br>
水銀燈は金魚のように口をパクパクさせた。<br>
薔「それより、この後水銀燈の家に行っちゃダメ?」<br>
銀「え・・?や、やぁよぅ。今日遊んであげたのは気が向いたから。勘違いしないでちょうだぁい」<br>
薔「う・・そうだよね・・・。ごめんね」<br>
薔薇水晶は子猫のようにしゅんとなった。<br>
銀「うっ・・・・・」<br>
銀「(参ったわぁ・・・。でも、よく考えるとこんなに他人と遊んだのも久しぶりかもしれない<br>
わね・・・・・)」</p>
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<p>薔「・・・・・・・・・」<br>
銀「ねぇ・・・」<br>
気まずい沈黙を破ったのは水銀燈だった。<br>
薔「・・・え?」<br>
銀「今日はダメだけど・・・・明後日の祝日なら・・・・いいわよ」<br>
薔「ホントッ!?やった♪」<br>
銀「きゃあっ!ちょっと!抱きつかないで!!・・もうッ!!」<br>
薔薇水晶の脳天めがけてゴスッ、と水銀燈の肘打ちが入った。<br>
薔「ブクブク・・・プハッ!あっ、ごめんなさい・・・余りにも嬉しくて我を失っちゃって」<br>
銀「別に・・・・・いいけどぉ・・・・・・」<br>
水銀燈は息が切れている。<br>
薔「ねぇ、水銀燈」<br>
銀「何?」<br>
薔「今日・・・楽しかった?」<br>
水銀燈は少し考えて、笑いながら言った。<br>
銀「・・・・・・まぁまぁねぇ」<a title="t18k_1" name=
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