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~僕のSCOOL LIFE~ その3<br>
「それじゃあ、来週の部活までに仕上げてきてねぇ」<br>
僕達の歓迎会も終わり、すっかり日も暮れてファミレスから出て水銀燈さんがこれまた<br>
艶っぽい笑顔で言った。<br>
「それじゃあ、僕と翠星石はこれで。またね皆」<br>
「さよならですぅ」<br>
会計を済ませて後からでてきたお二人はそう言うと足早に帰っていった。おじいさんのお世話だとか<br>
で忙しいらしい。ちなみに支払いは先輩方のおごりだった。<br>
「待って下さい!!蒼嬢!翠嬢!家までお送りします!!!」<br>
と、べジータが猛スピードで二人についていく。<br>
「こっちによるなですぅ!!この変態!!」<br>
ボキッ!!っという鈍い音がして、べジータが倒れるのを尻目に僕と笹塚、そして何故か真紅さんまで<br>
同じ帰り道についた。他の人たちは帰る方向が違うのですぐに別れた。すごく後ろのほうで「・・・ここから<br>
が本当の・・・・」とか聞こえたけど気にしない。男は振り返ってはいけないのだ。<br>
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<p>「はぁ~・・・まいったなぁ。僕何書こっかなぁ?」<br>
と、先輩がいるので少し気まずい空気だったが、それを打破すべく口にだしてみた。<br>
「何でもいいって言ってたじゃないか?なんとかなるよ」<br>
「って言っても僕何も書いたことないし・・・・」<br>
「そんなの僕も一緒さ。でも僕俳句なんか書こうかなって思ってるんだ」<br>
なるほどいかにも笹塚らしい?チョイスだ。廊下での一句でも詠むつもりだろうか?<br>
「ん、じゃあ僕はこれで。また来週学校でな!真紅先輩もさようなら」<br>
「おう、じゃあな!」<br>
「・・・・・・さようなら」<br>
笹塚とも別れ、僕は真紅さんと二人きりになった。・・・・読書しながら歩くってすごい人だな。<br>
「あ~っと、そ、その、真紅さん?」<br>
少し気まずいが何とかしようと試みる僕。<br>
「ヒッ!な、何かしら?」<br>
よほど本に没頭していたのか、体をビクッとさせる真紅さん。そこまで没頭してたら危ないですよ?<br>
「あのですね、その、これどうしたらいいと思います?」<br>
ファミレスで水銀燈さんから渡された用紙をペラペラと示す。<br>
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「そんなことくらい自分で考えなさい。自由と言われたでしょう?」<br>
む~笹塚と同じ反応か・・・でもそこまで睨まなくても・・・・<br>
「そ、そうですよね。ア、あはハハハ・・・・」<br>
「・・?」<br>
こうして多分初めての真紅さんとの二人きりの会話はほんの数秒で幕を下ろした。<br>
それから5分くらい、会話も無く気まずいまま僕達は歩いた。我ながら情けない・・・こういう時はべジータ<br>
の馬鹿さ加減が羨ましい。・・・少しだけだよ?<br>
「あっ、じゃあ僕ん家ここなんで」<br>
そうこう考えてるうちに僕は自分の家に着いた。<br>
「えっ!?ここが?そ、そう。でわまたね」<br>
何でか僕の家をみて驚いた様子の真紅さん。僕の家になにかあるにかな?まさか!・・・・・・幽霊が見えるとか?<br>
「はい。それじゃまた学校で」<br>
僕もそういって玄関の鍵を開けて入ろうとすると、<br>
「ち、ちょっと待って!」<br>
と、真紅さんの呼ぶ声がして振り返る。<br>
「あ、あの・・・作品のことだけど・・・」<br>
ん?作品?あぁ、用紙のことか<br></p>
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<p>「はい?何ですか?」<br>
モジモジしている真紅さんに近づいて尋ねる。<br>
「・・そ、その、ほ、本当に何を書けばいいのかわからなかったら、土日のどっちでもいいから、部室にくるといいのだわ」<br>
・・?あぁ自習室でも使わせてくれるのかな?<br>
「・・い、いいものを見せてあげるのだわ。参考になるような・・・」<br>
顔がだんだん赤くなっていく真紅さん。参考になるものってなんだろう?<br>
「そ、それじゃぁ・・・・・さ、さようならなのだわ!」<br>
それだけ言い残して先ほどのべジータよりも早い速度で走っていく真紅さん。<br>
「・・・・・・・・・・?」<br>
まぁ、本当に困ったら行かせてもらおうかな。気にもなるし・・・。<br>
「って、あれ?真紅さん、来た道を戻ってんじゃないのか?」<br>
自室の窓から覗いてみると、やはり来た道を戻っている真紅さんの背中が見えた。チラッとこっちを振り返った気がしたが気のせいだろうか?<br>
「どうしたんだろ?真紅さん?」<br>
気になったが、下で姉が呼ぶ声がしたので、カーテンをしめて僕は下に行った。<br>
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<p>次の日<br>
僕は休みの日だっていうのに、自室に籠って、パソコンとにらめっこしている。<br>
「小説・・・俳句・・・・絵画・・・・・詩・・・・・なんかいいのないかなぁ」<br>
そう、別に僕の趣味でもあるネットショッピングをしている訳ではない。ネットで作品のヒントになりそうなモノを探しているのだ。<br>
「えっと、なになに?「いますぐできる!これであなたも作家に!~短編集編~」おっ!これはいいかも!えっと、今なら送料無料で5日後までにお届け?じゃぁ駄目じゃん!間に合わないよ!」<br>
っとまぁ、こんな感じでさっきから無駄に時間を浪費している。そうそう上手い話なんかないかぁ・・・。<br>
「あぁ~どうしよっかなぁ。まず何にするか決めないと・・・」<br>
絵画・・・・絵は苦手だ。俳句・・・・まず季語をよく知らないので駄目、短歌も同様。詩・・・・・よくわからん。<br>
「となると・・・・小説かなぁ・・・・。んっ!?」<br>
っとここでいいサイトを見つけた。<br>
「なになに・・・、「中学生の宿題はこれでバッチリ!~夏・冬休みの自由創作~ 祝入学!という事で期間限定無料閲覧開始!今からライバルに差をつけよう!」か。へぇ~、便利な時代になったもんだなぁ・・・」<br>
と、ここでついつい閲覧アイコンをクリック。いや、これを写そうなんて思ってないよ?ただどんなもんか知りたいだけ。うん、知的好奇心って奴?<br>
「えっと、作文・・・っとこれか」<br>
画面をクリックし、そのページに飛ぶ。すると画面が原稿用紙に似せた画面になり、文字が羅列される。<br>
へぇ~18ページ相当の短編集か。なかなか本格的だな。<br>
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「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」<br>
しばらくの間黙って読んでみる。なかなかいい作品だ、と思う。そんなに気取った文体じゃないし、なによりばれないように個人でアレンジしやすい設定だ。・・・・・・やっちゃおっかな?<br>
「中学生向けっても、僕もちょっと前までそうだったし、問題ない?よな」<br>
ハッ!駄目だ駄目だ!それだけはまずい!そうだ!こういうときはべジータと笹塚に聞いてみよう。べジータはともかく、笹塚なら何らかの創作をしてるはずだ。<br>
「よし、携帯携帯っとあった!」<br>
鞄から携帯を取り出し、リダイヤルからべジータに電話をかける。<br>
プルルルルルルという発信音が3回くらい鳴って、ピッと音がして聞きなれたあいつの声が響く。<br>
「うぉおおおおおおおおぉおぉ!!どうしたJUN!!なにか!?創作のことについての質問かぁ!?」<br>
うわっ!ビックリしたぁ、おもわず切っちゃうとこだったよ。<br>
「なんでそんなにテンション高いんだよ?うるさいぞ!」<br>
「んなこと言ったって俺様の隠れた才能が開花して、創作がバリバリ進むんだよ!!こりゃぁ原稿用紙が足りないくらいかもな!!はっはっはっは!!」<br>
このM字ハゲ野郎・・・うるさいっての!ってちょっと待て?<br>
「お前もしかしてもう創作ができてんのか?うそだろ?」<br>
「あぁあ!?なんでウソつかなきゃなんねぇんだよ?もうバリバリよ!まだどんなのかは秘密だが、詩を書いてるってことだけ教えといてやるぜ!ハッハー!」<br>
マジかよ!しかもアホのこいつが詩だって?いったいどんなんなんだろう・・・・<br>
「いやぁ、やっぱ俺の蒼嬢への愛は原稿用紙20枚程度じゃおさまらんかぁ!っという訳でJUN!俺はこれから用紙を買いに文房具屋に行ってくるぜ!ついでに万年筆なんてぇのも買おっかな?なんてな!!ハハハ!じゃな!」 ブツッ!トゥートゥー・・・・<br>
「ってあいつ、自分からネタばれしてたよな?」<br>
蒼星石さんの苦笑いと翠星石さんのドン引きの様子が目に浮かぶ・・・・。<br>
「にしてもべジータがもう取り掛かってるってのはちょっと意外だな。あんなに焦ってたくせに」<br>
まぁ、あいつが入りたいって言い出したんだから当然かなぁ・・<br>
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<p>「えっと、次は笹塚か・・・」<br>
同じようにリダイヤル画面から笹塚の番号をプッシュ。 プルル・・・ガチャ!<br>
「はいもしもし?どうしたの、JUN?」<br>
出るの早っ!こいつ意外と反射能力高いのか!?<br>
「もしも~し?JUN?」<br>
「っと、悪い悪い。あのさ、文芸部の創作、あれどうした?」<br>
「あぁ、あれね。僕はまだ出来てないけど、俳句を書くことにしたよ。テーマも決めたし、季語やら何やらも家にあった本でわかれそうだしね」<br>
「へぇ~俳句かぁ・・・俺はまだ決めてないけどべジータのアホは詩にしたらしいぜ。身の毛もよだちそうなトビっきりの奴が期待できそうだぞ。」<br>
もっとも身の毛がよだつのは僕達じゃなくて蒼星石さんなんだろうけど。<br>
「ふぅ~ん。で、JUNはどうするのさ?結構時間かかるだろうから早めに決めた方がいいよ」<br>
それが問題なんだよなぁ、とボソボソと携帯に呟く。<br>
「だったら学校の部室に行ってみたらどう?静かだろうし何かヒントがあるかもしれないし」<br>
「部室ねぇ・・・・・あっ!」<br>
そうだ!昨日真紅さんに言われた事を思い出した!<br>
「??どうしたの?急に」<br>
「い、いやちょっとな。ありがとな!少しイメージがまとまってきたみたいだ」<br>
「そう、よかったじゃない・・・・「ブツッ!」・・・もしも~し?</p>
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僕は笹塚との電話を一方的に切ると、すぐに学校に行く準備をはじめた。笹塚をこうゆうキャラで<br>
確立させようという思惑もあったしね。あいつキャラ薄いからさ?・・・・って僕も人のこと言え<br>
ないけどさ・・。<br>
「姉ちゃ~ん!僕ちょっと学校に行ってくるから!」<br>
玄関で靴をはきながら、おそらリビングにいるであろう姉に声をかける。すぐに「気をつけてね~」という返事が返り、その声を背に家を出る。<br>
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それから走ること15分程学校にたどり着いた。別に走る必要は無かっただろうが、何故か走りたい気分だった。<br>
校庭の方では野球部の威勢のいい声が響いている。部室のあるところから近い入り口に向かうと、裏手の方か<br>
らパンッだのドンッだの小気味のいい音が聞こえてくる。その度に「「「ヨシッ!」」」という弓道部員のこれま<br>
た威勢のいい声。あぁ弓道もよかったかもなぁ・・・カッコいいしあんま体力とか必要なさそうだし。あっ、でも結<br>
構飽きやすいって中学の頃聞いたことがあったけ。飽きっぽい僕にはむかないか・・・。<br>
そうこう考えてるうちに部室の前に着く。と、また弓道部のほうからパチパチパチと拍手の音が聞こえる。なにかめで<br>
たい記録でもでたのかな?と思いつつ僕も心の中で拍手する。<br>
「こんにちはぁー」<br>
少し小声で挨拶をして中に入る。ほら?なんかこういう時って小声にならない?えっ!?僕だけ?いやいや絶対あるっ<br>
て!ま、今はどうでもいいけどさ。<br>
「あれ?誰もいないのかな?」<br>
部室をグルリと見回してみる。が、当の真紅さんはおろか人の気配も感じない。奥かな?と思い、さらに続く奥の部屋<br>
へと行き、そこも見回すがやはり誰もいない。ただ綺麗に整頓された机と何故か冷蔵庫や流し台があるだけである。・・・<br>
・初めて来たときから思ってたけど、この部室の広さにこの冷暖房完備に充実した設備、ちょっとばかり、否、かなり優遇しすぎじゃないか?<br>
「まぁ、先輩が美人だからなぁ・・」<br>
と、勝手な結論を導いて手ごろな位置のいすにすわる。<br>
とりあえず原稿用紙を机の上に広げ、一応考察を練ってみる。が、<br>
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<p>「やっぱ駄目だ・・・・何も浮かばん・・・・・・」<br>
考えること3分程。早速飽きた僕は部室をもう一度見回す。 ガラッ!<br>
「ん?誰か来たかな?」<br>
突然隣の「部屋からドアの開く音がしてカツカツと足音がしている。<br>
「あ、あらJUN。もう来ていたの?思ったよりも早い段階で来たのね」<br>
とドアを開けて現れたのは僕を呼んだ張本人真紅さんだった。僕がいたことに<br>
少しビックリしたのか、顔がちょっと引きつっている。<br>
「こんにちは。真紅さん」<br>
とりあえず挨拶を返す。<br>
「あの、早速で悪いんですけど、昨日の話・・・・」<br>
「あ、そ、そうだったわね!じゃ、じゃぁこっちの部屋に来るのだわ」<br>
といってさらに奥の部屋への扉を示す。ってまだ部屋があったのか!どんだけ広いんだ?<br>
「何をしてるの?早くきなさい。あ、やっぱり紅茶を先にいれてもらおうかしら?」<br>
こうしてこの後僕はいろんな意味で驚くことになろうとは、紅茶を淹れさせられている僕にはまだ知る由もなかった・・・・・。<br>
ま、多少の脚色があるけどね(笑)<br>
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つづく?<br>
「ふぉぉおおおおおぉおおぉぉ!!!!おのれJUN!!!俺の知らない間にナニをするつもりだぁあ!?」<br>
「あれっ!?べジータなんだいその用紙の束は?」<br>
「よ、よう笹塚。これは俺の作品だ!!でもまだ見せるわけには・・・・」<br>
「あれこんなとこに1枚落ちてるよ?なになに・・・・・・・」<br>
「くぁwせdrftgyふじこlp;@よ、読むんじゃねぇーーーー!!!!」<br>
「・・・・・べジータ、君との楽しかった日々は忘れないよ・・・さよなら・・・」<br>
「ちょ、まっ!くっ!・・・・ここからが本当の・・・・・」<br>
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