「ドッペル The 2nd days その一」の編集履歴（バックアップ）一覧はこちら
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翠「起きるのが遅ぇですよ。ま、あともう少しかかりますが」<br>
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彼女は少し早く起きたようで既に夕食の準備をしていた。なんとも香ばしい匂いが部屋を包んでいる。<br>
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ジ「いつ起きたんだ？」<br>
翠「４０分ぐらい前ですかねぇ」<br>
ジ「今日は何つくったんだ？」<br>
翠「それはあとでのお楽しみですぅ」<br>
ジ「じゃあ風呂でも洗ってくるよ」<br>
翠「ありがとうです」<br>
ジ「いや、ここ僕ん家だしね。当たり前だよ。寧ろ毎日三食つくってくれる翠星石に感謝だよ」<br>
翠「毎日つってもまだ１日しか泊まってませんがね」<br>
ジ「だけどなんかとんでもなく１日が長いんだよな」<br>
翠「まあしょうがないですよ。夢と現実の両方の意識を共有出来るんですから」<br>
ジ「それはそうなんだが、まだ慣れてないかな」<br>
翠「時間はたくさんあるですから気長にするですぅ」<br>
ジ「そうだな。ありがと」<br>
そう言って僕は風呂掃除をした。たまに姉ちゃんが忙しいときには、手伝いとしてやっているのであまり苦でもない。<br>
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ジ「ふぅ。掃除完了。もうできたかな」<br>
翠「さっさとくるですー！もうできてるですよぉー！」<br>
ジ「わかった。今行くよ」<br></p>
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<p>翠「今日はハンバーグにしてみたです」<br>
ジ「見た目はいい出来だな」<br>
翠「味もいいですよ」<br>
ジ「そうか、では」<br>
ジ・翠「いただきます」<br>
ジ「………」ﾓｸﾞﾓｸﾞ<br>
翠「……どうですか？」<br>
ジ「う～ん、姉ちゃんよりも美味しいかも」<br>
翠「そりゃそうですぅ。翠星石が頑張ってつくったものです。愛情たっぷりですよ」<br>
ジ「それは嬉しいな」<br>
翠「なんかこうしていると……」<br>
ジ「ん？こうしていると？」<br>
翠「夫婦みたいですねぇ」<br>
ジ「ングフッ！」<br>
ジ（危うく口の中のものが出そうになった。汁物だったら吹き出してるところだぞ）<br>
ジ「お、お前は何を言ってるんだよ！？」<br>
翠「怒るなですぅ。ちょっとした冗談ですよ」<br>
ジ「まあ、別に怒っちゃいないけどさ、食事中に妙なこと言うなよ」<br>
翠「冗談ですぅ」<br>
ジ「な～にションボリしてんだよ」<br>
翠「誰も落ち込んでなんかいないですぅ！バカバカバカチビ！」<br>
ジ「うを！久々に酷いいわれようだ」<br>
翠「さっさと食えですぅ！台所が片付かんです」<br>
ジ「わかったわかった」<br>
翠「返事は一回でいいですぅ」<br></p>
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<p>ジ「ごちそうさま。美味かったよ」<br>
翠「もっと感謝しろですぅ」<br>
ジ「もう風呂沸いてるからお先どうぞ。疲れがとれるぞ」<br>
翠「別に疲れてなんざいねぇですがそこまで言うなら入ってやるです」<br>
ジ「いい加減機嫌直せよ」<br>
翠「覗くなですよ」<br>
ジ「覗くわけないだろ。じゃあ僕先に上にいってるから」<br>
翠「わかったですぅ」<br>
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僕は二階にある自分の部屋へと向かった。昨日からいやに片付いている。<br>
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ジ（まったく……言葉には気を付けないとな。僕が悪いとは思えないけど）<br>
ジ（特になにもすることないな。なんか寝てばっかりだけど疲れてるようだな。少し仮眠でもとるかな）<br>
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――３０分後――<br>
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翠「はぁ～気持よかったですぅ～。生き返ったですよ～」<br>
ジ「………」<br>
翠「あれ？なんとか言うですぅ」<br>
ジ「………」<br>
翠「？」<br>
ジ「……ｽｰ」<br>
翠「なんだ寝てたですか。気持ちよさそうに寝てるですね。まあ色々とあったですからね」<br>
翠「……起きないですね。翠星石も隣で寝らせてもらうですぅ」<br>
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<p>――更に３０分後――<br>
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ジ（そろそろ起きないと……？肩が重い？）<br>
ジ「……翠星石の頭だったのか。僕が言うのもなんだけど風邪引くぞ？」<br>
翠「……ｽｩ……」<br>
ジ「寝てるのか。いつ来たんだろ？それにしても可愛らしい顔で寝てるな」<br>
ジ「そういえば風呂入らないとな。翠星石は……僕のベッドに寝せておくか」<br>
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そういいながら僕はベッドに翠星石を寝かした。<br>
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翠「うぅん……」<br>
ジ「！！」<br>
翠「……ｽｩ」<br>
ジ（ちょっとびっくりしたな）<br>
翠「……ｼﾞｭﾝ……」<br>
ジ（なんの夢見てんだろ？気になるな）<br>
翠「………ｽｷ……ですぅ」<br>
ジ「！！ね、寝てるよな……？」<br>
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キョロキョロと挙動不審な僕。誰もいないことを確認している。そのあと僕は彼女の側に近付いた。<br>
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ジ「…ぼ……僕も翠星石が好き…かな」<br>
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自分の顔が赤くなっていくのがわかる。<br></p>
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ジ（なっなにバカなことをやってるんだ僕は！さあ風呂風呂！）<br>
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恥ずかしさからか大急ぎで風呂場に向かった。寝起きで所々ぶつけたが気にしない。いや気にできなかった。<br>
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ジ（くぅ～～～～生き返るな～。風呂はいいな）<br>
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で、さっきの事を思い出す。<br>
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ジ（あれは偶々翠星石の夢をみてただけであって、ちょっと寝呆けてただけなんだよ。うん）<br>
ジ（別にこうね……あの…なんだ……ああ！もういい！）<br>
ジ（どうせ翠星石は寝てたんだから聴いてないはずだから風呂からあがったら何気無く寝よう）<br>
ジ（なに僕は興奮してんだよ。落ち着け桜田ジュン）<br>
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そう思いつつ水をかぶった（もちろん頭だけ）。<br>
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――２０分後――<br>
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ジ（ああ～逆に疲れたような気がするな。でも水をかぶったせいで眠気吹っ飛んじゃったから寝るわけにもいかないし）<br>
ジ（そういえば、昨日も今日も勉強してなかったな。毎日やらないと順位落ちるからな。翠星石も寝てて何もやることないし今からするか）<br>
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<p>(続く)</p>
