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「第六章後編~ベルリア暗殺事件~」」(2006/12/29 (金) 22:49:53) の最新版変更点

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<p>「第六章後編~ベルリア暗殺事件~」<br> <br> 大賢者・荒巻スカルチノフ立ち会いで8カ国の指導者達は和平を結び闇の力を抑えるべく相互協力条例を結んだ。<br> <br> 民衆は長きに渡る戦乱から解放され笑顔が戻るかに思えた---だがそれは儚く脆い幻想に過ぎなかった。<br> <br> 日増しに増大する闇の力はここベルリアにも迫っていた、そしてその魔手は彼女達の直ぐ側までジワジワと接近しつつあった。<br> <br> ローゼン城にて調印式を結ぶのを見届けたスカルチノフを見送る為真紅は城の門前まで出向いた、如何に大賢者と言えど既に高齢で引退する予定だとか、たわいのない世間話をしつつ。<br> <br> 煙で薄汚れた夕暮れを背に立つスカルチノフ、別れの時は来た。<br> </p> <br> <p>ス「では、真紅の姫君様・・・これにて」<br> 真「えぇ、達者でね」<br> J「真紅様、会議は終わりになられたのですか?」<br> 真「えぇ、もう姉妹同士争う事は無くなったわ・・・」<br> J「左様にございますか・・・」<br> ス「真紅の姫君様・・・彼は・・・」<br> 真「あぁ、紹介が遅れたわ・・・桜田JUM、私の護衛を任せてる騎士よ」<br> ス「桜田君とやら・・・その剣は真紅の姫君様のエクスカリバーでは?」<br> J「は、はぁ・・・真紅様が僕に下賜してくださったものです」<br> ス「桜田君・・・ちょっとこっちにきなさい」<br> J「はぁ・・・」<br> <br> そう言ってスカルチノフの後に黙って付いていくJUM、そしてローゼン城の中庭まで来たとき突如スカルチノフが口を開いた。<br> <br> ス「桜田君・・・君はその剣に話しかけられた事はあるかね?」<br> J「剣が・・・話す?・・・!!」<br> <br> そう確かにJUMにはそんな記憶があった、アレはメグと初めて戦った時の狂気に満ちた一夜の事であった。<br> <br> 『少年、剣に己が身を委ねよ---さすれば道は拓かれん』<br> <br> 空耳で無ければ確かにJUMはその声を耳にした。<br></p> <br> <p> ス「その様子だと・・・話しかけられた事があるようだの?」<br> J「はい・・・数ヶ月前に一度だけですが」<br> ス「桜田君、エクスカリバーに2つの異名がある『約束された勝利の剣』と『王を選定する剣』の2つだ」<br> J「王を・・・選定する剣?」<br> ス「左様・・・かつて一人の青年が岩に刺さったその剣を抜いた」<br> J「・・・」<br> ス「それが若きローゼン帝だったのじゃ・・・彼はその剣を持って一大帝国を築き栄華を極めた」<br> J「で、ですが・・・僕は一介の騎士です、そのような恐れ多いこと等・・・」<br> ス「フォフォフォ・・・ローゼン帝は農民の出身じゃ、それに比べれば君の方が資格があるのじゃ」<br> J「はぁ・・・」<br> ス「だがの桜田君・・・その剣は真紅の姫君様の前にもう一人所有者がいたのじゃよ」<br> J「もう一人の所有者・・・?」<br> ス「黒衣の宰相・梅岡じゃよ・・・」<br> J「!?」<br> ス「そう・・・その剣は王を選定する剣ではあるが・・・資格を持ちながら邪な野望を抱く者がその剣を持てば・・・この世は恐怖と暴力に包まれてしまう」<br> J「この剣にそのような力が・・・」<br> ス「桜田君・・・君の瞳にはそのような野心は映ってなかった、故に真紅の姫君様もそなたに剣を預けたのじゃよ」<br> J「真紅様が?」<br> ス「ワシも願っておる、君ならその剣を正しき道を拓く為に使ってくれるとな・・・」<br> J「はっ・・・肝に銘じておきます」<br> <br> JUMは剣の柄をギュッと握りしめると深々と一礼をした、それと同時に彼の双肩に様々な重圧がのし掛かった。<br> <br> そのようなやり取りを終えた二人は真紅の待つ城門前までやってきた---そして運命の歯車が不快な軋みを立てて動き始めた。<br> </p> <br> <p>真「二人で何の話をしてたの?」<br> ス「いえいえ、つまらない昔話でございますよ」<br> 真「そう・・・じゃあ馬車を用意させるわ」<br> ス「斯様なお気遣いは無用でございますよ・・・」<br> 真「そう?でもそれぐらいさせて頂戴」<br> <br> しばらく待っていると水銀帝国の旗を立てた馬車が到着し護衛の兵に守られながらスカルチノフはソレに乗り込んだ。<br> <br> 乗り込み戸を閉める瞬間、スカルチノフは窓を開け身を乗り出した。<br> <br> ス「桜田君、邪な誘惑は常に君を引きずり込もうとしている・・・誘惑に負けてはいけない、自分の信念を曲げてはならない・・・いいね?」<br> J「はい・・・ありがとうございます」<br> ス「これを持って行きなさい、お守り代わりになるだろう・・・」<br> <br> そう言ってスカルチノフはJUMに自分が嵌めていた指輪を手渡し握らせた。<br> <br> 窓を閉め夕暮れの中を去っていく馬車---それが生きてる彼を見る最後であった。<br> <br> ベルリア郊外のシュタインゲルグ区における森林部、そこがスカルチノフ達の人生における終着点であった。<br> <br> 唯一生き残った兵の話ではシュタインゲルグ区の森林部を通過途中に黒い煙に包まれ、気が付いたら全滅していたとの事であった---。<br> <br> 殺害された兵達は皆食いちぎられたり引きちぎられたにも関わらずスカルチノフだけは鋭利な刃物で心臓を一突きにされていた。<br> <br> そして・・・この日をきっかけに『アイゼンガルド暗黒史』が始まる---。<br> </p> <br> <p>&lt;&lt;次回予告&gt;&gt;<br> <br> スカルチノフの死---それが全ての始まりであった。<br> <br> 暗黒の軍団は野を越え山を越え、今彼らの前に姿を現す---。<br> <br> 次回、薔薇乙女大戦・・・「第七章~自由の要塞~」・・・彼らは生き残る為に剣を取る・・・。<br> </p>

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