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ジャイアニズム」(2020/10/07 (水) 20:44:48) の最新版変更点

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<p>「なぁ、翠星石…」<br> 「あむっ…なんですか?はむっ…ジュン」<br> 「何で僕が楽しみにとって置いたプリンを食べてる?」<br> 「あぁ、そんなことですか」<br> <br> 少しムッとした僕の顔の前に、翠星石のひとさし指が向けられる。<br> <br> 「昔っから言ってるじゃないですか。<br>   おめぇのものは翠星石のもの。翠星石のものは翠星石のものって」<br> <br> 女ジャイアンめ。そんな言葉を喉の奥に封じ込めた。<br> …どうにも悔しくなった僕は翠星石を少しからかうことにした。<br> <br> 「……そうだな」<br> 「!? きょ、今日は随分物分かりが良いですね…<br>   いつもだったらもっと怒るですよ?」<br> <br> 翠星石の訝しそうな瞳を見据えながら、僕の口は心にも無い戯言を紡いでゆく。<br> <br> 「だって正しいじゃないか。僕のものは翠星石のもの…<br>   僕の心も、身体も、全部お前のものだよ」<br> 「…ジュン!?ややややや、やっぱり今日のおめぇは変ですぅ!<br>   熱でも有るんじゃないですか!?おでこ出すですっ」<br> <br> 翠星石のおでこと僕のおでこが触れ合う。想定の範囲外だ。<br> 翠星石の唇までわずか数cm。──冷静だった僕の理性が決壊した。<br> </p> <br> <p>「翠星石」<br> 「何ですか?ジュ──っ!?」<br> <br> ああ、甘いな。プリンのせいか?<br> 『プリン、返してもらうぞ』とでも言わんばかりに翠星石の口内を侵す。<br> 僕の唾液と翠星石の唾液が絡み合う。<br> 僕の舌と翠星石の舌が絡み合う。<br> 僕らの口が繋がった…そんな錯覚さえ覚える程だった。<br> 翠星石が積極的になってきたところで僕は後ろに引いた。<br> <br> 「ジュン…何でやめるですかぁ…?」<br> <br> 切なげな、とろんとした瞳。いかんいかん。翠星石のペースに持っていかれる。<br> <br> 「僕のもの…いや、僕はお前のものだ。──お前はどうしたい?」<br> 「…すっ、翠星石は……ジュンが欲しい…ですぅ…<br>   心も…身体も…全部よこせですぅ……!」<br> 「そうか。…じゃあ、貰ってくれ」<br> <br> 優しく、トランプが倒れるように、僕は翠星石を押し倒した。<br> <br> <br> 僕はお前のもの。でも同時に、お前は僕のものだ───。</p>
<p>「なぁ、翠星石…」<br /> 「あむっ…なんですか?はむっ…ジュン」<br /> 「何で僕が楽しみにとって置いたプリンを食べてる?」<br /> 「あぁ、そんなことですか」<br /> <br /> 少しムッとした僕の顔の前に、翠星石のひとさし指が向けられる。<br /> <br /> 「昔っから言ってるじゃないですか。<br />   おめぇのものは翠星石のもの。翠星石のものは翠星石のものって」<br /> <br /> 女ジャイアンめ。そんな言葉を喉の奥に封じ込めた。<br /> …どうにも悔しくなった僕は翠星石を少しからかうことにした。<br /> <br /> 「……そうだな」<br /> 「!? きょ、今日は随分物分かりが良いですね…<br />   いつもだったらもっと怒るですよ?」<br /> <br /> 翠星石の訝しそうな瞳を見据えながら、僕の口は心にも無い戯言を紡いでゆく。<br /> <br /> 「だって正しいじゃないか。僕のものは翠星石のもの…<br />   僕の心も、身体も、全部お前のものだよ」<br /> 「…ジュン!?ややややや、やっぱり今日のおめぇは変ですぅ!<br />   熱でも有るんじゃないですか!?おでこ出すですっ」<br /> <br /> 翠星石のおでこと僕のおでこが触れ合う。想定の範囲外だ。<br /> 翠星石の唇までわずか数cm。──冷静だった僕の理性が決壊した。</p> <p> </p> <p>「翠星石」<br /> 「何ですか?ジュ──っ!?」<br /> <br /> ああ、甘いな。プリンのせいか?<br /> 『プリン、返してもらうぞ』とでも言わんばかりに翠星石の口内を侵す。<br /> 僕の唾液と翠星石の唾液が絡み合う。<br /> 僕の舌と翠星石の舌が絡み合う。<br /> 僕らの口が繋がった…そんな錯覚さえ覚える程だった。<br /> 翠星石が積極的になってきたところで僕は後ろに引いた。<br /> <br /> 「ジュン…何でやめるですかぁ…?」<br /> <br /> 切なげな、とろんとした瞳。いかんいかん。翠星石のペースに持っていかれる。<br /> <br /> 「僕のもの…いや、僕はお前のものだ。──お前はどうしたい?」<br /> 「…すっ、翠星石は……ジュンが欲しい…ですぅ…<br />   心も…身体も…全部よこせですぅ……!」<br /> 「そうか。…じゃあ、貰ってくれ」<br /> <br /> 優しく、トランプが倒れるように、僕は翠星石を押し倒した。<br /> <br /> <br /> 僕はお前のもの。でも同時に、お前は僕のものだ───。</p> <p> </p>

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