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<p>第四章～勃発・リンボン叛乱事件～<br>
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ルベール会戦は終わり一時だけの平和が訪れた、しかしそれも直ぐに西方は雛伯国からの緊急を告げる伝令によって平和は踏みにじられた。<br>

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所は変わって雛伯国、別名『傭兵国家』と言われる程この国では国家認定傭兵派遣業が盛んな国であった。<br>

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また首都・リンボンは貿易商業都市としても知られ世界中の商船が訪れる一大貿易港もあり商業の盛んな国でもあった。<br>

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それを統治するのはローゼン家第六姫・雛苺伯爵である、彼女は大賢者・荒巻スカルチノフより魔術の薫陶を受けた希代の魔術師でもあった。<br>

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当初国家の存続が危ぶまれるほど国内情勢は不安定で各地の土着貴族や諸勢力が度々叛乱を起こしていた。<br>

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それらを平定し国内安定に貢献し尽力したのが雛苺の側近であり宰相の柏葉巴である、彼女はその類い希なる軍略で叛乱を次々に鎮圧し別名『鉄血宰相』とまで呼ばれた名臣である。<br>

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雛苺・柏葉巴の二人によって雛伯国は長年平和を謳歌していた、しかしこの平和な雛伯国にも戦乱の火種が飛び火してきたのである。<br>
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<p>－－－雛伯国にて叛乱の気配あり。<br>
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この報告を聞くや否や真紅はＪＵＭと共に１０００名にも満たない僅かな軍勢を連れてロイエンタールを出航し雛伯国の首都・リンボンへと南下した。<br>

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入港を明日に控えたＪＵＭと真紅達、丁度その頃リンボン城を脱出する一団があった。<br>

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青白い三日月とこの世の財の２割を集めたと言われるリンボン城を背に脇目もふらずに脱出する一団、供は僅かに十名弱。<br>

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かつて万を超える軍勢を所有していた人物からは想像もつかない程落ちぶれた一団、それでもなお忠義を誓い死出の旅とも知れない逃避行に付き従う者達もいた。<br>

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彼らが傷つき一人一人と脱落してまで守り抜こうとするこの国の至宝。<br>

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ローゼン八姉妹の中で今現在最も栄達と転落を味わった者・雛苺とその重臣・柏葉巴の両名である。<br>

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騎士Ａ「巴様・雛苺様！！今度は我らの番にございます！！先に黄泉の国にてお待ちしておりますが故！！御免！！」<br>

巴「すまない・・・」<br>
雛「バイバイなの～・・・」<br>
騎士Ｂ「勿体ないお言葉に存じます！！ではこれにて！！どうかご無事で！！」<br>
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そう言って最後の騎士達がエモノを手に速度を落とし足止めの為の人柱になっていく、二人に最後まで付き従ってきた騎士達はローゼン帝の時代から二人に仕えてきた古参”戦友”達ばかりである。<br>

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だが多勢に無勢、如何に精強な騎士達と言えどもたちまち反乱軍に刺され突かれ死んで行った、足止めになったのはわずか二分弱、彼らの命と引き替えに得た時間はわずか二分弱でしかなかった。<br>

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－－－悔しい・・・。<br>
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巴はやがて聞こえなくなってきた剣戟の音を耳に血が滲む程唇を噛み締めた。<br>

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その血は私達を守るために散っていった友達に捧げる哀悼の意であると言わんばかりにその僅かな血を大地に落とした。<br>

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雛「うぅ・・・トモエ、ヒナ怖いのぉ～・・・」<br>
巴「ご安心ください雛苺様、微力ながら私がいる限り例え修羅道に墜ちようとも雛苺様に指一本たりとて触れさせはしませんっ！！」<br>

雛「うん！！トモエがいてくれたらヒナ、怖くないの～！！」<br>

巴「有り難き幸せ・・・御者！！このまま市街地を抜けろ！！そこから港に出れば奴らを撒けるかもしれん！！」<br>

御「ははっ！！」<br>
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巴は御者にそう命じると馬車の外を眺めた－－－もうすぐ夜が明け血の如く紅き黎明を迎える。<br>
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<p>＜＜次回予告＞＞<br>
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雛苺一行は真紅達が待つ港までの逃避行を始めた、一人一人と戦友達が闇夜に消えていく。<br>

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悲劇の一夜が明け、血のように紅き黎明を迎える、市街地を抜け港へと向かう一行。<br>

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夜が明けると同時に港に入る真紅達、だがそこで待ち受けていたのは・・・。<br>

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次回、薔薇乙女大戦・・・「第五章前編～血染めの黎明～」・・・何故、貴女がここにいるの？・・・。</p>