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「色褪せた世界で」(2006/12/17 (日) 19:12:48) の最新版変更点
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<p>「なぁ…そんな悲しそうな顔するなよ…」<br>
「うるさいなぁ…そんな顔なんてしてないよぉっ…」<br>
「いや…どこからどうみてもしてるって…」<br>
「わっ、悪いっ！？ジュン君としばらくの間会えないから悲しかったらいけないのっ！？」<br>
「んー…そう言ってくれるのは嬉しいんだけどさぁ…今からちょっとの間生徒会室に行ってくるだけだろ？」<br>
「そうだけどさぁ…君と離れたくないんだよぉ…」<br>
<br>
そんな風にモジモジしてる蒼星石がとても可愛くて…僕は彼女を強く抱きしめる<br>
<br>
「ひゃっ！？//ジュ、ジュン君！？」<br>
「だーいじょうぶだよ。ちゃんと終わるくらいに向かえに行くから…なっ？」<br>
「うん…ジュン君…大好き…///」<br>
「僕もだよ。蒼星石…」<br></p>
<br>
<p>「あのさぁ…あなたたちぃ…」<br>
「ここが公衆の面前だと言う事をもっと自覚するべきなのだわ」<br>
「翠星石の妹が…あんなチビに…あんな…（ブツブツ）」<br>
<br>
「あ、あはははは……」<br>
「ジュ、ジュン君っ！じゃぁ僕生徒会室行ってくるからっ！また後でねっ！」<br>
「あ、バカ…この場において行くなってば…」<br>
「ジューン…あなたにわぁ、すこぉしおしおきが必要かもしれないわねぇ…？」<br>
「そうね。一回くらい死んでみるべきなのだわ。」<br>
「蒼星石があんなになったのは…こいつのせい…こいつさえ殺れば…（ブツブツ）」<br>
「あ、あのー…あっ、あそこにくんくんがっ！」<br>
「「何っ！？どこ（ぉ）（なのだわ）！？」」<br>
「ちょっとぉ…くんくんなんてどこにもいないじゃなぁい…って、アラ…？」<br>
「に、逃げられてしまったのだわ…」<br>
「今度見つけたら…容赦しないです…(ブツブツ)」<br></p>
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<p>
「ふぅ…あぶないあぶない…マジで殺されるかと思った…」<br>
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鬼の形相をした二名と何やらぶつぶつ物騒なことを言っていた一名をなんとか振り切り、僕は生徒会室のある特別校舎へと来ていた。<br>
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「でも…蒼星石も大胆になったよなぁ…」<br>
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以前は…もっと、こう…クールキャラだったのになぁ…友達の薔薇水晶曰く、<br>
「…それはジュンのおかげ」<br>
らしいけど。そうなのかなぁ？そんなことを考えていると…<br>
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「ジュンくぅ～ん♪」<br>
<br>
そう言って蒼星石が僕に飛び込んできた。<br>
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「おっ？もう終わったのか？」<br>
「うん♪ただいまぁ♪ホントに待っててくれたんだね…僕嬉しいよ♪」<br>
「ははっ、おかえり。だって約束しただろ？」<br>
「うんっ！」<br>
「さて、そろそろ帰ろうか？」<br>
「帰ろ～帰ろ～♪」<br></p>
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学校を後にした僕たちは、朝も通った通学路を歩いている。朝と同じように、しっかりと手を繋いで。<br>
<br>
「そういえばさぁ……」<br>
「ん？どうした？」<br>
「あ、いや…いきなりで悪いんだけど…ほら、人間って『死んだら生まれかわる』って言うじゃない？今僕たちはこうして付き合ってるけどさ…やっぱりお互いにいつかは死んじゃうじゃない？」<br>
「あぁ…そりゃなぁ。」<br>
「それでさ、死んで生まれかわっても、二人はまた一緒になれるのかなぁ…って思って…」<br>
「…まだ死んでもないのにそんなことを……」<br>
「むっ…僕は真剣なんだよ…？」<br>
「ははっ、ごめんごめん。んー…そうだなぁ…そんなこと余計な心配だと思うよ？」<br>
「…どうして？」<br></p>
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<p>
「もし生まれ変わって別々の道を生きたとしてもさ、僕がきっと蒼星石を見つけてあげるよ。」<br>
「ジュン君…」<br>
「僕が君の太陽になってさ、蒼星石っていう花が寂しさで枯れないように…照らし続けてあげる……なーんて、ちょっとクサイかな？」<br>
「…そんなことないよ。ジュン君ありがとう…やっぱり僕は君が大好きだよ。ううん、愛してる…///」<br>
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そう言う彼女の顔が真っ赤に染まってるのは夕日のせいだけじゃないだろう。<br>
愛の言葉っていうのはやっぱり照れるけど…君がすごく愛しくて、自然に言葉が出てきた。<br>
<br>
「なぁ蒼星石…僕はなんのとりえもないし、誇れるものなんて何もない。そんな僕だけど…全てを捨ててでも君を守ってみせる。<br>
全てを捨ててでも守れる人…僕にとってそれは君じゃなきゃ意味がないんだよ。だから…ずっと僕の傍にいてくれないか？」<br>
</p>
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<p>そう言ったあと、何故か数秒の沈黙が流れた…<br>
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「ジュン君……それって、あの、そのぉ…ぷ、プロポーズ…？///」<br>
「へ・・・？あっ！！！///いや、あの、それ…は…///」<br>
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うわぁ、口に出してから気づいた…こんなのまさにプロポーズじゃないかっ…死ぬほど恥ずかしい……<br>
横の蒼星石も…やっぱりさっきより真っ赤な顔してる…<br>
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「あ、あの…蒼せ…」<br>
「ジュン君。」<br>
「なっ、なんだい！？」<br>
「僕…今すごく幸せだよ。君と出会えてホントによかった…こんな僕でよかったら、これからもずぅっと一緒にいてください<br>
。」<br>
「蒼星石…」</p>
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<p>「ねっ、ジュン君…」<br>
そう言って彼女は目を瞑り、唇をかすかに前につきだした。<br>
「蒼星石っ…こ、こんなトコでっ…？」<br>
「ジュンくぅん…はぁやぁくぅ～…」<br>
「やれやれ…蒼星石…これからもずっと一緒だよ…」<br>
<br>
<br>
僕らは色褪せた世界で誓いの口づけをした…<br></p>
