「「しっぽの話」 スィドリーム編」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「「しっぽの話」 スィドリーム編」(2006/12/09 (土) 19:25:45) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
<p>我輩は猫である。名前はスィドリーム!<br>
どこで生まれたかとんと見当もつかぬ。何でも、あったかいお母さんのお腹上で、<br>
ニャ―ニャ―鳴いていた事だけは記憶している。<br>
<br>
これですよ。やっぱり猫のエッセイはこうでねぇといけないですぅ。<br>
そんなわけで、今回は私、スィドリームのお話ですぅ。耳の穴かっぽじってよぉく聞くですよぉ!<br>
<br>
私の朝は、いつもどおりの朝寝から始まるです。<br>
あとは、朝酒朝湯があれば、身上つぶせるかもですが。<br>
残念ながらスィドリームは猫なので、酒は飲めないし、お風呂なんて大嫌いです。<br>
<br>
それはさておき、何時もは朝のご飯当番の蒼星石から呼ばれるまで、<br>
ずるずるぐたぐたと惰眠を満喫しているです。<br>
けれど、今日は横で図体と冬場のあったかさばかりがとりえのレンピカってぇ駄犬が<br>
なにやら言っているので、鼻に一発爪パンチ。まったく、余計なお世話です。<br>
<br>
「レンピカ!スィドリーム!ご飯だよ!!」<br>
<br>
そして、待望のお呼びがかかったら、光の速さで起きだして、尻尾を立てて突進です。<br>
今日のご飯はちょっと少なめ。……粉が多いってことは、きっと袋の底の残り物ですね。<br>
流石にこれだけじゃ足りないです。<br>
横を見上げれば、一人前の忠犬気取りのレンピカが、じいっと蒼星石を見上げています。<br>
丁度良いです。そんなにぼんやりしていたら、何時の間にかご飯はなくなってしまうですぅ~</p>
<p>
「うわ、ダメだよスィドリーム!レンピカのご飯取っちゃ」<br>
<br>
でも、少し食べた所ですぐに見つかってしまったです。<br>
うう、食べないからいらないと思ったですよ?レンピカはご飯いらないですよ!<br>
そう言っているのに、蒼星石は私を持ち上げてお皿から引き剥がしやがったです。うう、残念。<br>
<br>
きゅぅん。ヴワフッ<br>
『もう。そんなに食い意地が張ってると、テレビに出てるみたいな巨大デブ猫になっちゃうぞ!』<br>
<br>
大きなお世話です!その無駄にでっかい頭にもいっちょ猫パンチ。<br>
食べ終わったら、レンピカは玄関に見送りに行くみたいですけど、<br>
スィドリームはまず、ゆっくりきれいに身づくろいです。<br>
顔も洗って耳まできれいにごしごしごしごし。背中もお腹も手足もぺろぺろ。<br>
……よし完璧。今日も朝日にきれいな三色の毛が映えるのです!<br>
猫は犬なんかと違って、風呂は嫌いでも体はいつも清潔ピカピカです。<br>
<br>
あとはゆっくり、二階に上がって昼寝をするです。<br>
そう思いながら歩いていくと、台所前でおやつを待って、お座りしているレンピカが。<br>
ほら、レンピカだって人のこといえないくらいの食い意地です。<br>
でも残念ながら、ご飯のすぐ後。おばあさんは何もくれなかったみたいです。<br>
ついでなので、ご飯中のお返しをしてから上に上がっていこうかな。<br>
<br>
レンピカこそおやつを食べてばっかりででぶでぶ犬になるですぅ!<br>
<br>
よしすっきりです。じとーっとした目でこっち見てますが、そんなのは無視無視です。<br>
さて二階。扉が開いているのは……よし、ご主人様の翠星石の部屋ですね。<br>
ご主人様はいつもいつもいい加減に扉を閉めるので、ちょびっと隙間が空いていて、<br>
とても扉があけやすいです。</p>
<p>
前足をそっとスキマに差し込んで、えいやっ!と気合で扉を開きます。<br>
<br>
よし、ひらいた。今日も干した布団がベランダに。ううんあったか。やはり春はベランダですね。<br>
冬はコタツか、さり気にレンピカのお腹が一番居心地が良かったりするですが。<br>
それはさておき、しばらく此処でお昼寝ですぅ……<br>
<br>
の、前に。ねっころがると、なんだか背中が痒くなるですね。<br>
起き上がって、後ろ足で背中をかしかし。ううう、微妙に痒い所に足が届かないです。<br>
仕方ねーです。地面に背中をごろんごろん。ごしごしごしごしごろんごろん。<br>
んな~~~~ぅ……あー、きもちいいです。このお日様が、眠気をさそ……<br>
<br>
にゃ~~~~ぁ<br>
『そーねぇ。ここのベランダ、やっぱり気持ちいいわねぇ~』<br>
<br>
ふと、横を見ると、そこには真っ黒黒コゲまっくろけーの猫が一匹。<br>
<br>
なぁう?<br>
『どしたのぉ?スィドリーム。取り逃がした雀にフンぶつけられたような顔してぇ』<br>
<br>
め…メイメイ、お前一体何時からそこに居たですぅ?<br>
<br>
『さっきからよぅ。最初は屋根の上にいたんだけどぉ。下でスィドリームが気持ちよさそうに<br>
背中こすりつけてるから降りてきちゃったわぁ』<br>
<br>
にこにこぼんやりと、人畜無害そーな顔したこの黒猫は、メイメイ。<br>
腹黒そうなまっくろけっけーの癖して、本当に中までおっとりおっとりした奴ですぅ。<br>
まあ、誇り高い猫の一族な訳ですから?本人曰く狩りの時にはびしっと決めてるみたいですけど。</p>
<p>
それにしても、不覚ですぅ。このおっとりにあの無防備なゴロゴロ姿を見せてしまうとは……<br>
恥ずかしくて思わず爪とぎしそうです。<br>
うう、爪とぎ爪とぎ。何処に置いてあったっけ?<br>
<br>
にゃ。<br>
『爪とぎはここよぅ。ちょくちょくベランダに出してあるから、使わせてもらってるわぁ』<br>
<br>
む。ありがとうです。がりがりばりばり<br>
それにしても、メイメイ。いつも思うですが、お前本当にご主人と似てないですね。<br>
前に見たお前のご主人、眼光鋭い感じで随分強そうな、性格キツそうな感じでしたよ?<br>
<br>
『そうかしらぁ?確かにちょっとしかめっ面が多いけどぉ。<br>
ご主人様は、入院した親友のお見舞いにほぼ毎日行っちゃうような優しいひとよぉ?』<br>
<br>
それはびっくり。人間は意外と見かけによらねぇもんですぅ。<br>
<br>
『それに、おうちで一緒にだらだらしている時とか、よくそっくりね、って言われるわぁ』<br>
<br>
それもびっくり。一体どうそっくりなんですぅ?<br>
そう聞いたら、メイメイはふわぁ~~~っと伸びをして、そのままゴロンと寝転がった。<br>
<br>
クワァ~~~~ゥ……<br>
『こぉ~~~~……やってね?寝っ転がってたら、ご主人様もおーっきく伸びをしてね。<br>
何時の間にか、一緒に同じポーズでお昼寝してたらしいわよぉ?』<br>
<br>
それはどっちかと言えば、お前がご主人に似たのじゃなくて、ご主人がお前に似たんじゃないか、<br>
って気がするですぅ。</p>
<p>
『そうかもぉ。まぁ、とにかく似てないなんて事は無いのよ~ってことでぇ……おやすみぃ』<br>
<br>
寝ちまったです。まあ、確かにここのベランダは居心地がよくって……ねむ……zZZ<br>
<br>
ちょっと冷やりとした風が吹いて、目を覚ましたらお昼過ぎ。<br>
影が動いて、私が寝ているところに日が当たらなくなったみたいです。<br>
メイメイも何時の間にか居なくなってるですね。<br>
ああ残念。ベランダお昼寝タイムはこれで終了。大きく伸びして立ち上がるです。<br>
これから一体何をしようかな。<br>
下のレンピカとおしゃべりでもするか、それともちょっくらお散歩か。<br>
<br>
うーん、そうですね。あいつ、今日は要らんことばっかりいうので、散歩にするです。<br>
ぴょーん、と上に飛び上がったら、後はすたすた屋根の上。<br>
ああ、屋根の上ってあったかいですねぇ。きもちいいですねぇ。眠く…ね む く……<br>
<br>
前言撤回。次にするのは、屋根の上でおやすみなさいに決定。決定。大決定。<br>
寝すぎとかいうなですよ?猫は、昔「寝る子」と書いて「ねこ」と呼んだくらいですから。<br>
このくらい全然普通です。あったりめーです。<br>
さっきのメイメイだって、きっとまた別の寝場所にいったですよ。<br>
ま、そんなわけで、スィドリームのお話は、これにておしまい。おやすみなさいですー♪</p>