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『Lelien Maiden』」(2006/02/28 (火) 21:20:21) の最新版変更点

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<p>『Lelien Maiden』</p> <p>翠「起きるです・・・朝です!」<br> 蒼「ん~・・・」<br> 翠「ほ~ら、起きるです・・・。」<br> 蒼星石のおでこに唇を落とす・・・<br> 蒼星石はプリンセスのようにゆるゆると瞼を開けた・・・<br> 蒼「おはよう・・・」<br> 蒼星石は翠星石の頭に手を回し抱き寄せる<br> 翠「寝ぼけてるですか・・・ひゃっ!」<br> 耳に息を吹きかけられくすぐったさで体がヒクリと反応する<br> 蒼「耳・・・弱いよね・・・。」<br> 翠「ん・・・はぁ・・・やめるです蒼星石!」<br> 蒼「ええ・・・いいじゃない・・・。」<br> 翠「ひうっ!・・・学校に遅刻するですよ!!」<br> 蒼「はいはい・・・。」</p> <p>蒼「おはよう。」<br> 水「おはよう・・・蒼星石。」<br> 不意に後ろから抱きすくめられる<br> 水「今日も素敵だわぁ・・・。」<br> サラサラと柔らかな髪を指先で遊ばせる<br> 翠「水銀燈!私の蒼星石に手を出すなですぅ!」<br> 水「いいじゃなぁい・・・姉妹なんだから。」<br> 蒼「けど・・・あっちも怒ってるみたいだけど・・・。」<br> 指差した方にはなんとも複雑な顔をしている薔薇水晶が・・・<br> 薔「(私の銀ねえさまなのに・・・私の、銀ねえさまなのに・・・)」<br> 水「あぁん・・・そんな顔しないでぇ・・・薔薇水晶。」<br> 薔「だって・・・銀ねえさまが・・・。」<br> 慌てて横に行く水銀燈・・・上手く慰められたようだ・・・。</p> <p>蒼「おはよう・・・真紅。」<br> 真「おはよう・・・朝から熱いわね。まったくもっと節度のある接し方は出来ないの?」<br> 蒼「いいんじゃないかな・・・水銀燈も言ったけど・・・姉妹だし。」<br> 真「だからこそよ・・・。いずれにしてももう少し控えて欲しいのだわ・・・」<br> 蒼「そんな事言って・・・昔は真紅が一番べったりだったじゃないか・・・。」<br> 真「//////昔は昔なのだわ・・・。」<br> 本当は一番情が強いくせに・・・素直じゃない・・・<br> そこが可愛い所でもあるのだが・・・。<br> 蒼「雛苺と金糸雀は?」<br> 真「いつもの通りよ・・・。」<br> 蒼「また、服決めで盛り上がってるんだね・・・。」</p> <p>金「きゃぁ~!!可愛いのかしら雛苺~!」<br> 雛「金糸雀もすてきなの~!」<br> ポーズをとってはお互いを誉め合っている<br> 金「今日の服はこれで決まりかしら~?」<br> 雛「ヒナもこれでいくの~。」<br> 金「・・・にしても~。」<br> 雛「ふえ?」<br> 金糸雀は上から下までジーっと見る<br> 金「雛苺はなんでそんなに大きいのかしら~!?」<br> 小型でスリムな体形に似合わず胸だけはしっかり出ている・・・<br> というより姉妹で一番でかい・・・<br> 雛「ん~・・・分かんない。」<br> 金「それに比べて私は・・・。」<br> 自分の胸に手を当てる・・・。<br> 一番下ではないが大きくはない。<br> 雛「そういうのは・・・え~と、人それぞれなの。」<br> 金「雛苺・・・」<br> 雛「オンリーワンなの~。」<br> ニコッと笑った顔・・・例えるなら純真無垢な天使か・・・<br> 金「か・・・可愛いのかしら~!!」<br> 雛「カ・・・カナちゃん!ほっぺがまさちゅーせっちゅ!!」</p> <p><br> ―学校<br> 下駄箱を開けると・・・<br> 翠「あれ~・・・」<br> 蒼「どうしたの・・・」<br> 翠「また入ってやがるです・・・。」<br> 雛「ラブレターなの~!」<br> 蒼「・・・・・・」<br> 水「どうするのよ、翠星石w」<br> 翠「無視するに決まってますぅ。」<br> 真「それはいけないわ・・・付き合うつもりがないならキッチリ断っておくべきよ・・・それが礼儀なのだわ。」<br> 翠「まぁ・・・その方が後腐れなさそうですね・・・。」<br> 翠星石は深くため息をつき心底嫌そうな顔をする。<br> そして、一人すたすたと教室へ向かってしまった。<br> 金「この間ももらってたけどモテモテなのかしら~・・・」<br> 蒼「早くしないと・・・予鈴なっちゃうよ・・・。」<br> 雛「あ・・・蒼星石ぃ・・・!」<br> 金「・・・なんで起こってるのかしらぁ?」<br> 水「そりゃぁ・・・いい気分はしないわよぉ・・・ねぇ、薔薇水晶?」<br> 薔「・・・うん。」<br> 水銀燈はクスクスと笑っていた・・・。</p> <p>―授業中・・・<br> 金「・・・それでね・・・。」<br> 雛「くしししし・・・。」<br> 梅「こらー、雛苺、金糸雀、私語するな~。」<br> 雛「うい~・・・。」<br> 金「・・・は~い。」<br> 梅「それから、笹塚~。言わなくても分かってると思うが廊下に立っとけ~。」<br> 笹「・・・・・・」<br> 翠「え~っと・・・あ・・・シャーペンの芯がないですぅ・・・。」<br> 筆箱の中にある替え芯もカラだった・・・ちゃんとチェックしておくんだった・・・。<br> 翠「・・・蒼星石~・・・シャーペンの芯貸してほしいですぅ・・・」<br> 蒼「・・・はい・・・。」<br> 翠「ありがとですぅ・・・」<br> 蒼「早く・・・前向いたほうがいいよ・・・」<br> 翠「・・・なに怒ってるですか・・・?」<br> 蒼「別に・・・」<br> 梅「翠星石~、お前も廊下立つか~?」<br> 翠「・・・(よく、分からんです・・・)」</p> <p>―昼休み<br> 翠「え~っと・・・体育館裏まで・・・ベタ過ぎるですちったぁ変化つけやがれですぅ。」<br> 体育館裏に行くと、男子生徒が一人いた。<br> 整った顔立ちで背もそこそこある・・・ラブレターなんて古風な手を使う辺り悪い人間じゃなさそうだ。<br> 男1「翠星石さん・・・?良かった来てくれて・・・手紙読んでくれた?」<br> 翠「一応、読んでやったです。」<br> 男1「あの・・・俺・・・。」<br> 翠「言っときますけど、私はお前と付き合う気は更々ないです。」<br> 男1「え・・・?」<br> 流石にそこまで言っては・・・と思えるぐらいに一刀両断<br> 翠「それだけ言いに来たです、頑張って他の女でも探す事です。」<br> 男1「ちょ・・・ちょっと!!」<br> 翠「なんです?まだ何かあるですか・・・?」<br> 男1「いや・・・聞くだけでも・・・。」<br> 翠「お前の言いたいことは手紙でちゃんと理解したです。その上で付き合わないと言ってるんです。」<br> 翠星石の言う事もごもっともだが、この男子生徒はそれだけでは納得しなかった。<br> 男1「ちょ・・・ちょっと待ってくれよ!」<br> 翠「しつこいです!お前に言う事はないです!!」<br> さっさと立ち去りたいが腕を捕まれ思うように行かない<br> 男1「俺が・・・どんな気持ちでいたか・・・。」<br> 翠「知らんです!さっさと諦めるです・・・・・・いたっ・・・。」<br> 握られたところが痛んだ・・・かなりの力で捕まれている<br> 翠「だから・・・離すで・・・」</p> <p>バシッ!!</p> <p>蒼「汚い手で翠星石に触れないでくれるかな?」<br> 翠「蒼星石・・・来たですか?」<br> 蒼「ごめん・・・つけてきちゃった。」<br> 男1「お・・・おま・・・。」<br> 手が払いのけられたと思ったら、男・・・いや、女子生徒が間に入ってきている・・・。<br> 蒼「さっきから翠星石は付き合えないって言ってるよね?」<br> 男1「お・・・お前に何の関係が・・・。」<br> 蒼「関係・・・あるよ・・・?だって・・・」</p> <p>蒼「僕達恋人同士だから・・・。」</p> <p> そう言って翠星石の頬にキスをした後、男子生徒を見てふっと笑う<br> 翠「そ・・・蒼星石///」<br> 蒼「誰にも渡すつもりはないんだ・・・だから・・・諦めてくれないかな・・・?」<br> 男1「諦めって・・・おま・・・女だろ!?」<br> 蒼「関係ないよ・・・男だろうが・・・女だろうが・・・。」<br> 男1「いや・・・普通は・・・」<br> 蒼「僕は翠星石を愛してる・・・その気持ちは誰にも負けない。そして・・・翠星石も僕を愛してくれてる・・・。」<br> 翠「・・・///はい・・・ですぅ。」<br> 流されて、翠星石は思わず頷く・・・<br> 蒼「君が立ち入る隙なんてないんだよ・・・だから・・・」</p> <p>蒼「さっさと消えてくれないかな?」</p> <p><br> 翠「助かったです・・・蒼星石・・・。」<br> 蒼「・・・・・・・・・」<br> 翠「蒼・・・星・・・石?」<br> 一瞬だった・・・体を後ろの壁に軽く押し付けられたかと思うと、次の瞬間には・・・<br> 二人の唇が重なっていた<br> 翠「・・・・・・むっ・・・蒼星石・・・誰か来たらどうするですか・・・!」<br> 蒼「構わないよ・・・見せ付けてあげれば・・・君に言い寄る人もいなくなる・・・。」<br> 翠「ちょっと・・・蒼星・・・むぅっ・・・。」<br> 再び唇が重なる・・・。<br> 今度は舌が入ってきた・・・。<br> 翠「/////////////////!!!!!!」<br> 頭の中が真っ白になった・・・訳が分からない・・・<br> どうしてこんな事を・・・<br> けれど・・・相手は蒼星石だ・・・別の相手だったら蹴り飛ばして半殺しにしてやるが・・・<br> 翠「ん・・・むぅ・・・」<br> 相手は・・・蒼星石・・・。<br> その感触に恍惚としてくる・・・。<br> 気付けば蒼星石の背中に手を回し・・・何かを得ようとするように自らも舌を動かす・・・<br> 蒼「ん・・・。」<br> 翠「んむ・・・・・・ん・・・。」<br> 小さな水音のようなものだけが聞こえる・・・。<br> 二人は暫く大人のキスに酔いしれた・・・。</p> <p>蒼「ふぅ・・・。」<br> 蒼星石が離れる・・・。<br> 二人の間に唾液の糸が生まれ、プツンと切れる・・・。<br> 翠「あ・・・あの・・・。」<br> 蒼「ごめん・・・翠星石・・・。」<br> 謝りながら、蒼星石は翠星石の肩に頭を預ける・・・。<br> 翠「・・・なんであやまるですか・・・?」<br> 蒼「・・・あんな事して・・・。」<br> 翠「別に怒ってないです・・・むしろ・・・その///」<br> 蒼「どうしても・・・嫌だったんだ・・・。」<br> 何が嫌なのかは何となく察しがついた・・・。<br> 翠「私は・・・蒼星石が一番です・・・。」<br> 蒼「ありがとう・・・信じてる・・・信じてるんだ・・・けど・・・。」</p> <p>君が・・・誰かに告白されるたび・・・<br> そっちに行くんじゃないかと怖かった・・・<br> 僕は・・・こんなに翠星石のことが好きなのに・・・<br> だから・・・翠星石に触れたあの人を許せなかった・・・<br> 誰にも・・・渡したくない・・・<br> もしも・・・無理に奪おうとする人がいたら・・・<br> 僕はその人を殺してしまうかもしれない</p> <p>翠「・・・助けてくれてありがとうです。」<br> 蒼「・・・嫌いにならなかった・・・?」<br> 翠「もっと・・・好きになってしまったです・・・。」<br> 蒼「良かった・・・。」<br> 翠星石の頭をあやすようにぽんぽんと叩く<br> 蒼「ごめんね・・・。」<br> 翠「まだ、謝るですか・・・?そういうことなら・・・。」<br> 蒼星石の頬に両手を添えグイっと自分の方に向ける<br> 蒼「翠・・・」<br> 今度は翠星石のほうから重ねてきた・・・<br> 翠「これで・・・おあいこです///」<br> 顔を真っ赤にしている翠星石をみると何だか心が軽くなる・・・<br> 蒼「・・・ふふふ・・・そうだね・・・。」<br> 二人で顔を見合わせて笑う・・・<br> 翠「あっ!!」<br> 蒼「ど・・・どうしたの?」<br> 翠「皆を待たせてるですぅ!!」<br> 蒼「そ・・・それは急がないとね・・・。」</p> <p><br> 雛「遅いの~!!」<br> 金「先に食べ始めちゃったのかしら~。」<br> 翠「ごめんです・・・ちょっと色々とあったです。」<br> 雛「いろいろ・・・?」<br> 蒼「ん・・・まぁ・・・色々とね。」<br> 金「なんで、蒼星石が紅くなるのかしら~?」<br> 翠「それは、もういいです!真紅たちはいったいどう・・・」<br> 蒼「翠星石・・・」<br> 蒼星石が指差した先には・・・</p> <p>木陰の芝生に真紅、水銀燈、薔薇水晶がいた。<br> 薔薇水晶は水銀燈の膝枕で眠っている・・・。<br> 真「あら・・・話がついたみたいね。」<br> 水「蒼星石が一緒のところを見ると、一悶着あったんじゃなぁい?翠星石も大変ねぇ・・・」<br> 真「その言い方・・・あなたも経験ありかしら・・・。」<br> 水「ふふふ・・・そのおかげでうっとおしいのは無くなったけど・・・。」<br> 膝で寝ている薔薇水晶の頭を撫でる・・・。<br> 真「その娘もあなたにゾッコンなのだわ・・・。」<br> 水「一度言われたわぁ・・・その辺の男には渡せないって・・・。」<br> 真「どうしたものかしらね・・・貴女はそれでいいのかしら?」<br> 水「そうねぇ・・・。」<br> 空を見上げる・・・<br> 水「先の事は分からないけど・・・皆大事な妹だけど・・・薔薇水晶だけは特別・・・かも知れないわ・・・。」<br> 視線を落とし、眠っている薔薇水晶をいとおしそうな目で見る・・・。<br> 水「貴女は・・・?」<br> 真「姉妹以上の感情を持つと・・・きっと後で寂しい思いをするのだわ・・・。私は・・・それに耐えられない・・・。」<br> 水「そう・・・。」<br> 真「けれど・・・。」<br> 真紅は水銀燈に寄り添うようにもたれかかる<br> 真「・・・貴女とこうしているのは・・・悪い気分じゃないわ・・・。」<br> 水「あら・・・光栄だわぁ・・・。」<br> 薔「・・・・・・・・・すやすや・・・#」</p> <p> 翠「・・・寝ているはずの薔薇水晶から黒いオーラが出てるのは気のせいですか?」<br> 蒼「気のせいだと思うよ・・・うん。」<br> 金「真紅と水銀燈はラブラブなのかしら~?」<br> 雛「ラブラブなの~。」<br> 蒼「ふ・・・二人とも!」<br> 万が一薔薇水晶に聞こえてたら殺されかねない・・・<br> 雛「うゆ?」<br> 金「ん?なにかしら雛苺?」<br> 雛「カナちゃん、お口にケチャップついてるの~。」<br> 雛苺はそれを指で拭い取りペロリと舐める・・・<br> 雛「んふふ~♪」<br> 金「ひ・・・雛苺・・・///」<br> 金糸雀の顔が見る見る紅くなっていく<br> 雛「ん?」<br> 金「(こ・・・これは・・・間接キスという奴かしら~///)」<br> 多分違う<br> 金「(雛苺に乙女の純潔を奪われるなんて一生の不覚かしら~///)」<br> それも違う<br> 金「(でも・・・雛苺になら・・・)」<br> 雛「?」<br> 金糸雀の勘違いは止まらない・・・</p> <p>―放課後・・・帰り道<br> 翠「ん~・・・今日も疲れたですぅ・・・。」<br> 真「さっさと帰らないとくんくんが始まるのだわ・・・。」<br> 水「薔薇水晶・・・あんまりくっつくと歩きにくいわよぉ・・・。」<br> 薔「私は・・・平気。」<br> 蒼「今夜は何にするんだい?」<br> 薔「シュウ・・・」<br> 雛「花丸ハンバーグがいいの~!」<br> 金「カナもそれがいいのかしら~。」<br> 翠「じゃあ、それに決まりです、材料買って帰るです。」<br> 薔「・・・・・・・・・くすん・・・」<br> 水「はいはい、私が今度作ってあげるから泣かないの・・・。」<br> 薔「・・・・・・///」<br> 翠星石と蒼星石はさり気なくてを繋ぎ・・・<br> 薔薇水晶は水銀燈にべったり・・・<br> 雛苺と金糸雀は楽しくおしゃべり・・・<br> 真「(7って・・・2で割り切れないものねぇ・・・)」<br> 真紅はふぅとため息をついた・・・。</p> <p>雛「金糸雀~入るの~。」<br> 金「どうぞ~って・・・そのお菓子は何なのかしら~!?」<br> 雛「金糸雀とお話しながら食べるの~。」<br> 金「そんなことしたら私が水銀燈に怒られてしまう~!?」<br> 雛「食べないの?」<br> 金「・・・・・・・・・・・・」</p> <p>ポリポリポリ・・・</p> <p>金「それで、何の用なの?」<br> 雛「ん~特に何もないの~。」<br> 金「何もないの・・・?」<br> 雛「金糸雀とお話がしたかったの・・・。」<br> 金「・・・///(ちょっと照れくさいかしら///)」</p> <p>ポリポリポリ・・・</p> <p> 金「雛苺・・・あなた、将来何になるつもりかしら?」<br> 雛「えっとね・・・うにゅうを作る人~。」<br> 金「うにゅう・・・ああ、いちご大福ね・・・。てことは・・・和菓子職人?」<br> 雛「金糸雀は何になるの?」<br> 金「私は・・・この頭脳を最も生かせるところかしら?」<br> 雛「頭脳・・・じゃあじゃあ、ヒナと一緒にうにゅうを作るの~!」<br> 金「和菓子職人の何処が頭脳を・・・」<br> 雛「そしたら、金糸雀とずっと一緒なの。」<br> 金「え・・・?」</p> <p>雛「ヒナは金糸雀とずっと一緒にいたいの~!」</p> <p>その言葉を聞いて、目が段々潤んでくる・・・・<br> こんなに自分勝手なのに・・・なんだか無償に</p> <p>雛「かな・・・りや・・・?」<br> 金「雛苺ぉぉぉぉぉ!!<br> 雛「ぎゃー!カナちゃんほっぺがまさちゅーせっちゅ!!」</p> <p>金「カナも雛苺と一緒ならそれで幸せかしら~!!」</p> <br> <p>薔「水銀燈・・・入るね・・・。」<br> 水「どうぞぉ・・・。」<br> 薔「・・・聞いてもいい?」<br> 水「なに?答えられる事なら何でもいいわよぉ・・・?」<br> 薔「水銀燈・・・私・・・嫌な娘?」<br> 一瞬時が止まる・・・<br> 水「どおしたの・・・急に?」<br> 薔「昼休み・・・水銀燈と真紅が仲良くしてた・・・。」<br> 水「ああ・・・あれねぇ・・・起きていたの?」<br> 薔「・・・私・・・嫉妬・・・してた・・・」<br> 水「薔薇水晶・・・。」<br> 薔「真紅と・・・水銀・・・ううん・・・銀ねえさまが仲良くするのは・・・普通なのに・・・私・・・。」<br> 薔薇水晶の声が震えている・・・<br> 薔「とっても・・・嫌だった・・・。」<br> つっ・・・と頬を涙が伝う・・・<br> 薔「今日だけじゃない・・・昨日も・・・その前も・・・銀ねえさまが誰かと・・・私以外の人といると・・・」<br> 水「・・・良い娘ね・・・。」<br> 薔「良い娘なんかじゃない・・・!私・・・とっても・・・自分勝手だ・・・!」<br> 水「・・・違うわ・・・薔薇水晶・・・。」<br> 薔「私・・・とっても・・・嫌な娘だ・・・!」<br> 水「違うわ!」<br> 薔「!!」<br> 水銀燈は薔薇水晶を後ろからそっと抱き締める・・・。<br> 水「貴女はとっても強くて優しい娘・・・だから・・・苦しいのよ・・・。」<br> 薔「・・・どういう・・・こと・・・」<br> 水「嫉妬・・・そういう気持ちは誰にでも在るの・・・そしてそれは、相手を想うほどに強くなるわ・・・。」<br> 薔「・・・・・・・・・」<br> 水「人によっては・・・それに流されて取り返しのつかない事になる人もいるわ・・・<br>   けれど、貴女はちゃんと向き合ってる・・・ちゃんと認めてる・・・それはあなたが強いから・・・。」<br> 薔「強い・・・?」<br> 水「そして・・・それを認めて苦しむのは・・・優しい証拠・・・。」<br> 薔「優しい・・・?」<br> 水「真紅に悪いって思ってる・・・?」<br> 薔「うん・・・。」<br> 水「人は皆・・・正と負両方の心をもっている・・・どちらか片方だけの人間はいないわ・・・。」<br> 薔「でも・・・まったく怒ったりしない人もいる・・・。」<br> 水「そうね・・・けど、それは・・・表面に出さないだけよ・・・。」<br> 薔「出さない方が・・・良いの・・・?」<br> 水「時と場合・・・相手によるわぁ・・・。」<br> 薔「銀ねえさまは・・・?」<br> 水「私は・・・薔薇水晶の気持ち・・・素直に出して欲しいわ・・・。」</p> <p> 水「笑ってる薔薇水晶・・・怒ってる薔薇水晶・・・泣いてる薔薇水晶・・・やきもち妬いてる薔薇水晶・・・<br>   私は全部好きだわぁ・・・」</p> <p>水「だから・・・気にしなくていいのよ・・・。」<br> 薔「銀ねえさまも・・・嫉妬するの?」<br> その質問に思わず吹き出す・・・<br> 水「そうねぇ・・・貴女がラブレターもらった時は複雑な気分よぉ・・・?」<br> 薔「本当に・・・?」<br> 水「ええ。」<br> 薔「・・・良かった・・・。」<br> 嫉妬なんていう感情を抱いていたら・・・嫌われるかもしれない・・・そう思っていた<br> けれど・・・そんな所も含めて好きだといってくれた・・・<br> 水「それに、安心して・・・私は・・・真紅も、雛苺も、翠星石、蒼星石・・・金糸雀・・・みんな好きよぉ・・・。」<br> 薔「私も・・・皆大好き・・・。」<br> 水「けれど・・・私の一番は貴女だわ・・・。」<br> 薔「私も・・・銀ねえさま・・・が一番・・・。」<br> 自分を抱き締めている腕をキュッと握る・・・<br> 薔「銀ねえさま・・・いつもと違う香りがする・・・。」<br> 水「分かる・・・?シャンプー変えてみたの・・・。」<br> 薔「・・・とっても・・・いい香り・・・。」<br> 水「ありがとう・・・。」<br> 薔「・・・銀ねえさま・・・。」<br> 水「なぁに・・・?」<br> 薔「こういうの・・・愛してるっていうの・・・?」<br> 水「・・・きっと、そうねぇ・・・。」<br> 薔薇水晶は体をひねり後ろを向くと、<br> 水銀燈にそっと口付けをして・・・</p> <p>薔「・・・銀ねえさま・・・愛してる・・・w」</p> <p><br> 蒼「翠星石・・・ごめんね・・・昼間は。」<br> 翠「まだ言ってるですか・・・別にいいです。」<br> ベッドに並んで座る二人の間に沈黙が流れる・・・<br> 蒼「あのさ・・・」<br> 翠「蒼星石が・・・恋人同士だって言った時・・・とってもビックリしたですけれど・・・とっても・・・嬉しかったです。」<br> 蒼「でも・・・迷惑じゃなかったかな・・・?」<br> 翠「そんな事ないです・・・。」<br> 翠星石は自分の手を蒼星石の手に重ねる<br> 翠「蒼星石のこと・・・大好きです・・・。けれど・・・やっぱり不安になる時もあるです・・・。」<br> 蒼「・・・・・・」<br> 翠「女の子同士じゃ・・・ダメなんじゃないかって・・・。けど・・・蒼星石がああ言った時・・・すっきりしました。」<br>  「これで・・・良いんだって・・・。だから決めました・・・」</p> <p> 翠「翠星石は・・・ずっとずっと蒼星石の側にいるです・・・。」</p> <p>蒼「・・・はは・・・。」<br> 正直・・・この笑顔は反則だと思う<br> 翠「蒼星・・・うっ・・・。」<br> 蒼星石に抱きすくめられる・・・その感触がとても心地良い<br> 蒼「僕も・・・君の側にいる・・・。」<br> 翠「ふふふ・・・。」<br> 蒼「ねぇ・・・昼間の続きしよ?」<br> 翠「・・・続き・・・///キス・・・ですか・・・?」<br> 蒼「うん・・・ダメ?」<br> 翠「・・・・・・//////」</p> <p>真「皆何しているのかしらね・・・。」<br> 真紅は部屋で一人・・・皆が写った写真を眺めていた・・・。<br> 何時からだろうか・・・自分たちの間で・・・姉妹愛以上の感情が生まれたのは・・・<br> 真「・・・辛いだけなのだわ・・・。」<br> 水銀燈にはそう言った・・・確かにそれもあるがそれが全てではない・・・</p> <p>ちょっと意地悪な水銀燈が好き・・・<br> ちょっとドジな金糸雀が好き・・・<br> ちょっと意地っ張りな翠星石が好き・・・<br> ちょっと頑固な蒼星石が好き・・・<br> ちょっと泣き虫な雛苺が好き・・・<br> ちょっと朴念仁な薔薇水晶が好き・・・</p> <p> 真「誰か一人なんて・・・難しすぎるのだわ・・・。」<br> 気が付けば・・・少し離れてみるしかなかった・・・。<br> 真「ま・・・みなの幸せをただ願うのも・・・愛の形ではあるわね・・・。」</p> <p> どんな形でもいい・・・皆が・・・等しく幸せになれるよう・・・。</p> <p>end</p>

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