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第41話「情報」」(2006/06/26 (月) 02:24:46) の最新版変更点

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<p>シ「本当に何者だ!?お前は!?」<br> J「言うなら死の曖昧が濃い者、死なんて気合である程度何とかなる。」</p> <br> <p> そう言うと、フンと鼻を鳴らしてジュンは椅子に座る。<br> 如何見ても、刺客と戦う態度では無いジュンに。<br> シュルクは刺客としての、プライドを傷付けられたのか、憤怒を湛えていきり立っている。<br> するとジュンは、今にも襲い掛かりそうなシュルクに、笑いながら言った。</p> <br> <p> J「それ程人間の生き死になんて、曖昧なものは無い。」<br> シ「可笑しいぞ!?何で生きてる!?腹を裂いて!頭を潰して!」<br> シ「其れでもお前は、死なないって言うのか!?」<br> J「其れは違うよ、殺しの詰めがただただ、非常に甘かっただけの事。」<br> J「俺だって、細胞が一つたりとも残らなければ死ぬさ。」<br> シ「こやつ・・・やってくれる!」</p> <br> <p>そう言うと、戦闘の幕は斬って落とされた。<br> 先ずはシュルクが能力なのか、体の変形を促す・・・<br> すでにジュンの死者当然だったはずの、ジュンの体は既にほぼ全快している。<br> 傷らしい所は、服以外は何処にも無い。</p> <br> <p>シ「グルルルルル、ゴガァ!」</p> <br> <p> 二足歩行から四足歩行、体毛を全身から生やし、爪を尖らす。<br> 体を変形させ、作り上げたのは狼の体。<br> 其の姿は、毛を逆立たせ眼を血走らさせて、牙を剥き。<br> 普通の人間ならば、見ただけで腰を抜かすほどなのだが。<br> しかしジュンは、哀れの篭った眼をしている。<br> まるで死に急ぐ人間を、哀れむかのように。</p> <br> <p>シ「さぁ、とっとと殺ろうか・・・」<br> J「・・・出来れば、投降して洗いざらい喋ってもらいたいんだが・・・」<br> シ「其れは出来ない・・・俺の生き死にだって掛かってるんでね。」<br> J「そうか・・・残念だが、お遊びは此処までだ。」</p> <br> <p> 途端にジュンの表情が暗くなり、ジュンの心臓が爆音を立て始める。<br> 交渉は無理だと思ったのか、ジュンが手を振りかざす。<br> 手に填められた、意思により変形するリングは、手の甲に集まる。<br> 両手の鉄は、液のようになり、両手の甲に集まった。<br> 液体の鉄は、一瞬球体になったかと思うと。<br> 無数の剣となって、打ち出された。<br> 瞬間的に無数のあらゆる針が、シュルクに突き刺さらんと、襲い掛かる。<br> シュルクの右腕、左太股を針が抉る。<br> しかし、シュルクも横に飛んで、致命傷を避けた。<br> 喋る間も無きこの戦闘、シュルクが体の傷部分を、液に変えて傷を塞ぎ始めつつ。<br> シュルクは狼の腕で、横薙ぎにジュンを切りつけた。<br> しかしジュンは其れを見切ると、鉄を大鎌に変えて攻撃を防いだ。<br> ジュンも大鎌で、シュルクを裂かんばかりに、三方向から大鎌の銀光を浴びせた。<br> シュルクはその銀光を、ギリギリで避けるが、剣圧で皮膚の表面が切れる。<br> しかし罵声を浴びせる暇も無く、足で地面を弾き間合いを取り。<br> 神速のスピードで、ジュンを切り裂こうとする。<br> ジュンは其れを避ける事無く、大鎌で勝負を挑んだ。<br> 其れが、ジュンなりの礼儀なのだろうが、普通なら勝てるわけが無い。<br> しかしジュンには、最新の改造技術が施されている。<br> ぶつかる瞬間、何かが発射される音がする。<br> シュルクの口から、赤い液体が発射される。<br> 如何やら液体は血で、ジュン目に当って視界が塞がれたようだ。<br> シュルクは舌を噛み、血で目潰しを謀ったようだ。</p> <br> <p>J「チッ!」</p> <br> <p> シュルクはジュンの体を数度刻むと、飛んできたジュンの鎌を避ける為、間を開けた。<br> するとジュンは、耳を辺りに向ける。<br> 如何やら聴覚で、相手を捕らえるようだ。<br> シュルクは其れに気が付くが、行動が数秒遅れた。</p> <br> <p>J(右前2歩、其のまま前4歩!)</p> <br> <p>視界が開く前に、銀光を迸らせる。<br> 銀光がシュルクを捕らえる、肉と骨が引き千切られる音がする、如何やら当たったようだ。<br> 視界が開けて来ると其処には、肩から胸まで裂けたシュルクが居た。<br> シュルクは信じられない、と言わんばかりに目を見開き。<br> 肺を傷つけたのか、血を吐いた。<br> ジュンの傷は既に、全快していた。</p> <br> <p> シ「ケフッ!クハッ!ゼェ・・・ゼェ・・・何だ・・・そりゃ!?」<br> J「冥土の土産に教えておこうか・・・殺戮兵器・・・」</p> <br> <p> まだ名前を付けていなかったのを思い出すと、瞬時的に名をつけた。</p> <br> <p>J「・・・ラグナロクだ。」<br> シ「聞いた事も無い、見たことも無いぞ?」<br> J「そりゃそうだろうな・・・やっぱり降参は出来ないのか?」<br> シ「俺が喋ったことは奴等に筒抜け、俺は体に仕掛けられた特殊な機械で、細胞を死滅させられて溶かされ、液となり蒸発する。」<br> シ「・・・最後に言っておこう、俺は手先の手先ぐらいの存在だ、それでもお前はやるのか?」<br> J「確かに相手は強大で、絶対に勝てないかもしれない、もしかしたら死ぬかもしれない。」<br> J「それでもな、でもやらなければ可能性はゼロなんだ、そして皆死んでしまう。」<br> シ「・・・そうか、最後の情報・・・。」</p> <br> <p>此処で体が徐々に、溶け始めていた。<br> 既に足は分解しかけている。</p> <br> <p>シ「死都・・・狂・・・都・・・」<br> J「・・・京都?・・・何故・・・」</p> <br> <p> 其の瞬間、シュルクの体は液体となり、一瞬で霧となって霧散した。<br> まるで、名残惜しそうに煙が少し残っていたが、其れもあっと言う間に消滅した。</p> <br> <p>J「・・・一体何人死ねば、之は終わるのか・・・」<br> J「一体誰が・・・何が・・・」</p> <br> <p> ふと部屋を見る、部屋は剣や謎の液で大分汚れていた。<br> そして一息つくと、汚れえた部屋を掃除し始めた。<br> そして、全身についた血を落とすため。<br> 服ごと風呂に入った。</p> <br> <p>J「・・・まるで、死神だな。」</p> <br> <p>とある所の地下、其処にそれらは居た。<br> 一人の男と人と形容するには、余りに重々しい雰囲気を纏ったそれが居た。<br> するとそれは、男に話しかける。</p> <br> <p>???「・・・失敗したようだな。」<br> 部下「アレは捨て駒です、相手の実力を見たいですから。」<br> ???「そうか・・・そうだ、アレはどうだ?良い素体だろ?アレ。」<br> 部下「ええ、アレは良いんですが、何分凶暴性が無いもので・・・」<br> ???「アレを使うのは、もう少し後か・・・まぁいい、時間はまだまだある。」<br> ???「下がれ。」<br> 部下「仰せのままに、我主。」<br> 主「・・・私の体・・・もう一つの私か・・・」<br> 主「・・・・・・」<br> 主「・・・次は何時会えるのか・・・」</p> <br> <p>そう言うと、其処から主が消失した。<br> 其処から少し離れた、所でさっきの部下が居た。</p> <br> <p>部下「・・・主・・・」<br> 部下「親愛なる、主よ・・・」<br> 部下「もっと、楽しさを・・・」<br> 部下「もっと、私を楽しませて下さい・・・」<br> 部下「偉大な・・・」<br> 部下「強大な・・・主よ・・・」<br> 部下「もっと、変化を・・・」<br> 部下「もっと・・・」</p> <br> <p>そう言うと部下も、其処から姿を消した。</p> <br> <p>昨日の出来事から、10時間後。<br> ジュンたちは、ロビーに集合していた。<br> 10時間の間に、中に侵入していた異常を調べ上げ。<br> 見つかったスパイを、地下の最下層の尋問室送りにしていた。<br> そうする事、数時間後。<br> ジュンたちは起きて着て、集まった情報を頼りに、首都京都に行く事にした。<br> 既に皆の用意は出来ており、食事も全部終わって、ロビーに集合している。</p> <br> <p>J「・・・(コキッコキッ・・・)」</p> <br> <p> 無言を打ち消すように、ジュンが骨を鳴らし静寂をかき消すと。<br> ロビーから一行は出発し、バスに乗り込んだ。</p> <br> <p> J「・・・さて・・・皆、命を此処に捨てていってもらう、之は恐らく俺等にしか出来ない事だ。」<br> J「嫌とは言わせない・・・いや、はいと言わざるを得ない。」</p> <br> <p> 無言でジュンの話を聞く皆、笹塚やアーカード、スネークは。<br> 今日から、本拠地の防衛施設を守る事にしている。<br> 移動は基本的に車の予定だが、破壊された時は歩きと言う事になる。</p> <br> <p>J「・・・良いな?それでは之から、バスに乗る。」</p> <br> <p>そう言うと、皆はバスに乗り込んだ。<br> 先ずは此処から近い、大阪支部まで行く事になっている。<br> 其処から次にシュルクの言っていた、京都まで行くことになっている。<br> 先ほど、罠かもしれないと考えたが、行かなくては何も分からない事を思い出すと。<br> このハイリスクハイリターンな賭けに、出るしかなくなった。<br> 車の運転はジュンがする、国の特別車なので、検問に捕まる事は先ず無い。<br> それ以前に、検問が生きてることさえ怪しい所だ。<br> 出発準備は出来ているが、皆表情が暗い。<br> しかし、皆が大丈夫なのか分からない今、暗くなるのも分かる。</p> <br> <p>J「・・・出発・・・」</p> <br> <p>それだけ言うと、車を出発させた。<br> 静寂を車のエンジン音が、揉み消した。</p>

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