何を買えばいいの?


※2022年12月改訂

いざDJを始める時に困るのが機材。大体どれもこれも似たような形と色をしてるうえ非常に数が多く確実に混乱するので、(これ書いてる人はタンテ買うまでDJ機器メーカーはテクニクス以外存在しないと思ってた)
ここではなるべく金銭的、あるいは精神的負担を減らすことを念頭に置いておすすめ順に説明します。

金銭・精神的に確実な方法は「ある程度の性能と耐久性がある製品」を前提に「保証付き新品」か「売却価格が高い中古品」を購入するのがおすすめです(性能や耐久が悪いと続けられないし、万一飽きても買取安いと金銭的負担が大きいため)

その上で、DJセット(ターンテーブル×2+ミキサー×1+レコード針×2)で、新品なら15~30万、中古なら5~10万が大体の目安になります。

≪そもそも何を買えばいいの?≫


※以下忙しい方のため先に新品でおすすめの組み合わせだけ記載。

・ターンテーブル:Pioneer PLX1000 or Technics SL1200 MK3D
・ミキサー:NI Traktor Z2 or Numark Scratch
・レコード針:Ortofon CONCORDE DJ or CONCORDE SCRATCH


以下一通り必要な機材
  • ターンテーブル×2台(スクラッチだけなら1台だけでもOK)
  • ミキサー×1台
  • レコード針×2個(ターンテーブルの数だけ必要)

以下必要であれば適宜追加
  • スピーカー×1組(通常は2台1組、スクラッチだけなら1台でもOK)
  • ヘッドフォン×1個
  • DJテーブル×1台
  • スリップマット×2枚(ターンテーブルの数だけ必要)
  • DVS(デジタルバイナルシステム)×1台

基本的にターンテーブル×2台とミキサー1台+レコード針×2が最低限必要な機材です。スピーカーは設置環境によっては置けない or 音を出せない方もいるのでその場合はヘッドフォンで代用、DJテーブルは専用品もありますが高さに不満がなく揺れないなら普通の机やメタルラックでも良いです。

スリップマット(レコードの下に敷いて滑りを良くするもの)はターンテーブル購入時に付属していなければ別途必要です。DVS(デジタルバイナルシステム)はここ10年程で普及した「PC内の音源データをターンテーブル上の専用レコード盤を使い本物のレコードの様に扱う」機材です。PC音源を使用せずレコードだけで良いなら不要です。


≪DJ機材の探し方のコツ≫



1.新品をDJ機材専門店で買う

手っ取り早いのがこれです。(金の)力こそパワー。ただしいくつか注意したいこともあります。

新品を購入する場合はまず保証がしっかりしているかを確認しましょう。もし海外メーカー製品であれば正規代理店経由の製品を。
一部ショップ(サウンドハウス等)では並行輸入品を販売していますが海外メーカーの場合修理に出すと1ヶ月以上かかる場合があり、また修理代も代理店経由に比べ高額なことが多いばかりか並行輸入品だと修理自体を断られる場合もあります。


2.中古品をDJ機材専門店で買う

次に安牌なのがこちら。中古とはいえ大抵はメンテされており保証期間を設けているところもあり。注意するべき点は以下。

もし中古品を探すなら専門店だとしてもメンテ済み販売かどうか念の為確認を。商品によってはノーメンテの場合もあります。
また、中古品をネット通販で探す時は複数の店舗を確認すること。販売されている地方によっては同じ商品でも値段に差がある(古い例ですがVestax Pmc-07Proは関東と関西で買取・販売の値が倍近く違った)ということが有ります。


3.メンテ済み中古品・新品同様品等を大手リサイクルショップで買う

意外と侮れないのが最近の大手リサイクルショップ。DJ機材でも専門部署を設けたり外注業者に依頼しメンテした上で保証を付けて(無償修理、あるいは返金)販売していることも多いです。さらに相場以下で入手できることも(これ書いてる人はハードオフでVestax QFO(状態によっては20万超え)が30000円で売ってるのを見たことがあります)


4.大手フリマアプリやネットオークションサイトで買う

端的に言うと「玄人向け」です。激レア品が相場無視の超低価格で購入できることもあれば、商品説明と全く違う状態で到着し出品者と直接やり取りする羽目になることもあります。
ある程度相場や状態が見極められるようになった方、あるいはどうしても欲しい製品がある場合のみ選ぶべきです。



≪1から始める初心者さん向けおすすめ機材≫


おすすめターンテーブル


ターンテーブルは基本的に頑丈なのでたとえ新品で無くとも良心的な中古機材店や一部リサイクルショップのメンテ済み品なら使用には問題無いです。むしろ注意するべきは最近専門店等でも販売されている「初心者向けセット」に入っている安いタンテで下手すると曲の頭出しスクラッチ程度でもプラッター(回る部分)が動かなくなるという「最低限度のDJプレイが出来なくも無い」レベルの性能なので買っても後々手放す可能性が高いです。アレ買うなら中古で良いからちゃんとしたの買うべき。



  • Pioneer PLX-1000 - 30年ぶりにパイオニアから発売されたDJ向けターンテーブル。22年初頭まではTechnics SL1200MK7よりは安かった(実売7万円)が価格改定が行われ実売105000円とSL1200MK7より5000円ほど値上がりしてしまった。各部の質感や操作感はSL1200MK7より良好。


  • Technics SL1200MK3 or 3D or7 - 定番機種。現行のMK7は最大± 16%のピッチコントロールやリバース再生など順当に進化したモデルですが新品1台で100000円もするので、それなら中古のMK3 or MK3Dなら遥かに安く購入可能。出来ればピッチリセット機能があるMK3Dの方が便利なのでおすすめ。後継製品のMK5は2021年現在、40000円超が相場なので割高感あり。


Technics SL1200MK3(カラーはブラックのみ)
~30000円まで(中古購入時)


Technics SL1200MK3D(カラーはシルバー or ブラックだが中古相場はシルバーの方が3~5000円程度安いのでお勧め)
~35000円まで(シルバー。中古購入時)


Technics SL1200MK7(カラーはブラックとシルバー)


+ その他おすすめのターンテーブル
新品



中古(1台~15000円までが目安)

  • Vestax PDX2000系 - テクニクスに比べて安くて高機能。ただし中古、特にフリマアプリやヤフオク中古は故障していることも多いためメンテ済みか動作確認済みでなければNG。後継機種の3000系は安くとも25000円超のためどうしても欲しい場合以外は非推奨。

  • PDX-a1系PDX-a2系 - 同じVestaxで1万以下で購入できるこちらもアリ。起動トルクは1.6kgと少し劣りますが低価格。

※ともにアース線かアース線付RCAケーブルが必要なので購入時付属しているか注意。






ミキサー


DJがよくつまみをいじっているアレ。基本的には2chミキサー(2台の入力が出来る)で十分です。chとEQ数(イコライザー。入力音から特定の帯域を増減する)は多いものが必要になったら買い変えましょう。近年はDJ用ソフトを動作させるためのオーディオインターフェース内蔵型が主流。


おすすめミキサー(Serato)

※以下コントロールバイナル(DJソフトを使うためのレコード)別売りなので注意。

  • Numark Scratch - Seratoインターフェイスとmini innofaderを搭載し65000円で購入可能(値上がり前は5万だったのに…)他メーカーの上位機種と比べるとパッドが半分(8個)しかないのが欠点か。

※物理的接触が無く音漏れが無い「mini innofader」を搭載しているが、耐久性が良くなくハードな使用で音漏れする場合もあるので注意。



+ その他ミキサー(中古含む)
新品(DVS対応機種)

  • Pioneer DJM-S3 - Numark Scratchより1万円ほど高価でパッドも無し。しかし天下のパイオニア製で中古価格やドライバ更新等は安定している。

  • Pionner DJM-S11(SE) -(金の)力こ略。おそらく史上最高のスクラッチDJ向けフェーダーこと「MAGVEL FADER PRO」、2つのトラックを1つのトラックとして扱いDJプレイが可能なデュアルデッキなどを備えた現在最高性能の機種。主要DJソフトも全部動く。だが販売価格は脅威の28万オーバー。


  • RANE SEVENTY -後述のSEVENTY-TWOから液晶タッチパネルの削除、縦フェーダー位置変更などよりバトルDJ向けに変更されたモデル。タッチパネル削除がマイナスポイントと思いきや対してUIが悪く使いづらいため対してプラスになっておらず価格も1万ほど下がったので結果プラマイゼロ。とはいえ21万する。


以下Serato DJ Pro対応機種(中古)
  • RANE SEVENTY-TWO - 現行の液晶タッチパネル付きミキサーの先駆けになったモデル。音質は間違いなく現行フラグシップ機で最高峰、外装も金属を多用し質感はDJM-Sシリーズでおなじみのプラスチッキー感ゼロ、しかも初代なら中古市場価格は12~14万程度で購入可能と、音質重視ならこれが一番におすすめ。

  • RANE SIXTY-TWO - 1世代前のフラグシップ機。最新のSerato DJ Pro(バージョン2.5.7)ではついに対応機種から外れ使用できなくなってしまった。しかしミキサーとしてはPC2台使用可能やサポートが終了したScratchLIVEも使用可能、価格帯も6~8万程度と自宅用ならまだまだ現役。

  • Pionner DJM-S9 - 後継のS7が誕生し影が薄くなったが、主要DJソフト全部動作可能、縦フェーダーはS11と同じ仕様(S7はより安価な基盤直付けバージョン)、何よりMAGVEL FADER PRO搭載機で最も価格帯が安く(10~13万)自宅で使うならこれが一番かも。なお音質はおそらくこの価格帯のモデルで一番悪い。

以下Traktor対応機種(中古)

  • Native Instruments Traktor Kontrol Z2 - Traktor Scracthに対応したオーディオインターフェース内蔵ミキサー。発売から約9年経過した今でも第一線で使用される定番機種。新品で8万前後。
しかしついに生産終了してしまったようで、国内外で新品在庫が無い状態。

中古品を購入する場合は後述のフェーダー音漏れ状態のほか、同梱のDJソフト「Traktor Pro2 or 3」のライセンスは確認していたほうが良い。(ただし現在はライセンス無でもNI社に申請し必要事項を伝え受理されると前オーナーのTraktor Pro3ライセンスを移行してもらえるので心配は少ない)

※物理的接触が無く音漏れが無い「mini innofader」を搭載しているが、耐久性が良くなくハードな使用で音漏れする場合もあるので注意。


中古おすすめミキサー



  • Technics SH-EX1200 - 世界なDJコンペティション「DMC World DJ Championship」公式ミキサーだった機種。すでに生産は終了しているが現在でも多くのDJが使用している定番。EQの調整幅が大きくエフェクターの様に使えるほか、最も酷使されるクロスフェーダーが物理的接触が無い光学式のため接触不良がほぼ無い点が特徴。ただしEQが他機種に比べて少し接触不良が発生しやすいので注意。例によって死ぬ程売れたため弾数は多いが先述したPMC-05ProⅡ等と比べると未だに第一線で使用される機会が多いためリサイクルショップ等で見つかる数は少なめ。しかし比較的価格が安定しているため購入時と同じ価格で売却できる程なので迷ったらこれ。

Technics SH-EX1200(カラーはシルバー or ブラック。“EX”のロゴがない製品は光学式クロスフェーダー非搭載の前機種のため購入時注意
~10000円まで(中古購入時)


  • Vestax PMC-05ProⅡ or Ⅲ - HIPHOP系DJ定番の機種。後の2chDJ用ミキサーの基本デザインがほぼこの機種のフォロワーという程使いやすい操作性もさることながら、中古品(ジャンク含む)がマジでその辺のリサイクルショップでも手に入る程流通しているのが特徴。よって非常に安価で入手出来ることも。PMC-05ProⅡの方が安く入手できるが可能であればモニターフェーダーが上に移動してより使いやすくなったPMC-05ProⅢの方がおすすめ。

Vestax PMC-05ProⅡ(把握しきれないほどカラーが存在)
~8000円まで(中古購入時)

Vestax PMC-05ProⅢ(把握しきれないほどカラーが存在。型番に“VCA”と付くモデルは純正電源アダプタ入手が困難。ただし互換品は入手可能)
~10000円まで(中古購入時)

Vestax PMC-06ProA
  • Vestax PMC-06ProA - 上記PMC-05ProⅡと同時期に発売されていた機種で非常にスリムなデザイン。そのためメインとしてはもちろん2台目や持ち運び用にも便利。こちらも当時死ぬ程売れたのでそのへんのリサイクルショップでも安価で入手可能。(カラーは把握しきれないほど多数。型番に“VCA”と付くモデルは純正電源アダプタ入手が困難。ただし互換品は入手可能)
~10000円まで(中古購入時)

そのほかおすすめ中古


~10000円まで

  • Denon DN-X300 - ネームバリューのせいか相場は安いが高音質で安くフェーダーも海外の専門メーカーが作っており頑丈。
  • DJ-Tech DIF-2S - 10000円以下でmini innofader搭載。
  • Roland DJ-99 - 上記のOEM製品。柄がダサ…好みが分かれる。
  • Vestax PMC-07Pro - 書いてる人一押し。DJソフト使わないならもうこれだけで良いんじゃないかな。

~30000円まで
  • Pioneer DJM-707 - 光学式フェーダーでガリ無し。予算があるなら上位機種のDJM-909でもOK。
  • Ecler HAK360 - 高音質でフェーダーもガリが出ないやつ。
  • Rane TTM56 - 海外スクラッチ勢のド鉄板。高音質でガリが出ないフェーダー。後継機種のTTM56S or 57SLでもOK。
  • Vestax PMC-05ProⅣ - フェーダーはガリが出ないし左右カットラグ(遊び)を調整可能。でも音質は我慢。
  • Vestax PMC-007 - 天板がボンネットみたいに開くぞ!!あと意外と音も良い。
  • Vestax PMC-08Pro - 日本スクラッチ勢のド鉄板。至れり尽くせりの高機能。





レコード針


ターンテーブル必須アイテム。カートリッジとも呼ばれる。最初は取り付けが楽でDJ機材を扱うショップならどこでも買えるオルトフォンのコンコルドタイプ一択。

  • Ortofon CONCORDE MIX - 現行型である第2世代のスタンダードモデル。比較的安価ながら音質・針飛び耐性共に良好。ついでに中古価格も安定しているため別の針に買い換える時も財布に優しめ。新品で25000円前後。中古なら~16000円まで。


  • Ortofon CONCORDE SCRATCH - 現行型である第2世代のバトルDJ向けモデル。CONCORDE MIXに比べ本体は視認性の高いホワイト、針飛び耐性も向上した。新品で36000円前後。中古なら~22000円まで。



+ その他おすすめレコード針
2018年までならShure M44系一択だったけど物がね…(まさかの生産終了)2個で新品だと~20000円程度、中古だと~10000円程度が目安。

※下記製品はすべてプレーヤーに接続する場合別途「ヘッドシェル」という部品が必要です。1000円程度で買えます。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/129853/


新品
  • Ortofon VNLt - Shure M44系に代わる新しいカートリッジ。音質はM44に比べると音量は小さく低音も弱いが、高音域と針飛び耐性は優っている。特に針飛び耐性はShure M44-7含めてDJカートリッジ史上最高と思われる。新品で1個14000円程度。

  • Ortofon Q-Bert - バトルDJの定番。めちゃくちゃ音がデカイ。ヘッドシェルに取り付けるOM型と直接本体に取り付けるコンコルド型がある。気に入った方を買えばOK。
  • Audio-Technica AT3600 - ヘッドフォンや自動シャリ製造機でおなじみのオーディオテクニカ製針。amazonで「レコード針」と検索するとこれの激安OEM品?が1800円程度で購入可能。音・針飛び耐性とも意外と悪くない。でも音が小さいので注意。


中古
  • Shure M44-7ド鉄板。安く針飛びしずらい、レコード痛めずらいと利点しか無い…が生産終了。交換針は国内外から出てるが純正以上の音・針飛び耐性はどこも再現できず…中古で買う場合は大体がヘッドシェル付き。価格はばらつきが激しく、2000~10000円程度。





以下必要であれば適宜追加




+ DVS(デジタルバイナルシステム)
ここ10年程で普及した「PC内の音源データをターンテーブル上の専用レコード盤を使い本物のレコードの様に扱う」機材、及びシステム一式の事。
基本的にDJソフトと専用オーディオインターフェース、および専用レコード盤がセットになっておりそれを使用するが、現在はオーディオインターフェースは汎用品や他社製品を使えたり、DJソフト自体も単体販売(買い切り)もしくはサブスクリプション制と並行、あるいはサブスクリプション制のみに変わってきている。(下記DJソフトはTraktor Scracth以外対応ハードウェアがあればDJソフト+DVSは無料で使用可能)
現在DVS対応の主流DJ用ソフトは以下の3つ。

Serato
Serato DJ Pro - ターンテーブリスト定番のソフト。3つの中では一番動作が安定。数年前に日本語対応した。

※画像の「SL3」を含めて外部インターフェイス(SL2~4)は最新バージョン(2.5.7)では動作対象外になり使用不可になった。


Native Instruments
Traktor Scracth - DJソフト中最もレコードの動きを再現しておりスクラッチ音がリアル。細かいところまで設定可能だけど頑なに日本語非対応。


Pioneer
rekordbox dj - DJソフト界の新興勢力。早い段階から完全日本語対応。しかしソフトの安定性・音質共に他2つより劣る。以前は買い切りとサブスクリプション制の並行だったが、現在サブスクリプション制のみ。


+ スリップマット
スリップマット

レコードの下に敷いて滑りを良くするもの。材質は紙、布、コルクなど様々。滑りが足りない場合はスリップシート(薄いビニール)を敷いて使う。





機材を探すなら以下ページからどうぞ。
DJ機材販売・修理・カスタム情報

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年12月30日 10:57
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。