ロクデナシの空に ◆wIUGXCKSj6


繊維を纏いし戦士が上空を翔る。風を切り裂く姿は赤黒き流星と見間違える程に夜空に一筋の線を描いていた。
鬼龍院皐月と鮮血による人衣一体の形態変化によって飛行能力を得たわけであるが、元より不完全な状態である。
彼女と衣服の相性は悪くないだろう。しかし、本来のパートナーとは異なり、謂わばオーダーメイドに近い鮮血を他者が着こなす方がふざけた話である。
紛い物の人衣一体であるが、それでも形状を維持し戦力として扱えるのは鬼龍院皐月の精神力と意地があってこその結果には違いない。
身体に掛かる負荷は従来を超える重さであり、殺し合いの会場において戦闘態勢に移行するだけで疲労を伴う枷を鬼龍院皐月は背負っている。
それに加え現在は空を翔ているのだ、通常よりも更に身体を蝕むだろう。けれども、彼女は顔色一つ変えず、疲れを見せるどころか速度を上昇させる。

「お……おー!」

呼吸もままならぬ程の衝撃が走り、理解が追い付く前に状況が変化する殺し合いの中で宮内れんげに対する一種の癒やし。
発せられた声に悲劇の着色は無く、単純に空を飛んでいる己に対する喜びの声色が鬼龍院皐月の耳に届いていた。

『無理をし過ぎじゃないか?』
「耳に届かないことを考えればマシだ。私もこの程度、どうと言うことは無い」

風の流れに逆らうように鬼龍院皐月と神衣――意思を持ったセーラー服の鮮血の声が飛び交う。
彼女が速度を引き上げた理由は会場に響く放送を宮内れんげに聞かせないためである。情報を与えぬ訳では無い。
応急処置だ。その対応は少女に対する精一杯の優しさだ。突き放したところで、立ち上がるまでに成長していない少女に対する優しさである。
親しき者の死を無理に告げる必要は無い。決して逃げの選択では無く、今はまだ、宮内れんげが現実と直面すべき時では無いのだ。
結果として同郷の名前は読み上げられておらず。けれども、殺し合いの中で交友や知った名前が呼ばれぬ訳では無い。
時が来れば鬼龍院皐月自らの口で説明する――それが彼女の取った選択。

「……そうか」

鬼龍院皐月は言ってしまえば人間の皮を被った怪物――のような能力を持ち得た存在である。
宮内れんげが飛行による感情の躍動と風さえ切り裂くような速度に気を取られ放送を聞いていないが、鬼龍院皐月はしっかりと聞き取っていた。
戦況を把握するに当たって纏流子と針目縫の名前は呼ばれていない。前者は色々と様々な要素が絡むとは言え、後者である針目縫が生きていることに喜びは感じない。
穢れきったあの存在、斬り裂くべきあの存在。忌々しいあの女、生命を断つべきあの女は生きている。
他にも反応すべき参加者の名前が告げられているのだが、目の前に現れた存在に全ての神経が集中してしまった。
想いを馳せるのもいいだろう。数時間程度とは言え殺し合いの中で別れと出会いを繰り返している。何も感情を抱かないと言えば嘘になる。
けれども。本来、余程のことが無い限り他者と接触することは無いだろうと思われる空中にて、敵が目の前に、視界に入り込む。

「止まったのん……どうしたの?」
「心配するな。ちょっとした休憩だ」
「わかった! 無理はしないでね」

「勿論だ――是非ともそうしたいところだが、私自身がそうするつもりはない」

運命に意図があるならばなんとも分かりやすい。これでは規格外の虚け者ですら理解する。
糸でも繋がっているのだろうか。引き合わせられた存在に鬼龍院皐月は決して笑みを浮かべない。
会いたいなどと誰が思うものか。相手に抱く感情は好意を一切含まず、地の果てにて野垂れ死んでいても悲しみは生まれない。
目付きが鋭くなり、呼応するように鮮血も状況を飲み込み、これから立ち会いするであろう相手を見つめていた。

『下は海か……出来る限り引き付けるか?』
「宮内れんげを降ろすためにも、奴を地上へ誘き出し引導を渡す」

多くの世界から招かれた、招集された、拉致された参加者であるがやはり運命は形となって現れるのか。

箱庭の世界において出会う確立。思えば纏流子とも遭遇していたことを考えると誰かが仕組んでいるとも勘ぐってしまう。

「聞き忘れていたが刃物の類いは支給されているか」
「んーと……これ?」
「十分だ、少しだけ貸してもらおう」

宮内れんげは鬼龍院皐月及び鮮血にしがみつきながら器用に支給品を取り出すと、何の躊躇いも無く譲渡した。
バタフライナイフ。手に取った鬼龍院皐月は一流の手品師のように空中で何度も回転させては掴み取る。
刃渡りは当然のように短い。ブレードを展開させるも高く見積もり拳二つ分が精一杯の表現だろう。
最も本来彼女が得意としていた獲物を考えるにどのような刃であれ、ナイフの時点でノルマは達成出来ない。
言ってしまえば保険である。短いなれど刃の一つが存在するだけで、武器が一つ増える訳になる。扱う者が強者であればナイフと云えど銘刀の如き他者の血を吸うかもしれぬ。

「あれれ~? あれれれ~?」

戯けた声は神経を逆撫でするように空中を拡散し遙か彼方まで響き続ける。
ただ見たならば可愛らしい笑顔。しかし奥底に眠る魂は異常な程までに穢れた女。

「見て見て皐月様ぁ」
「黙れ」
「この箒」
「くだらん」
「リトルな」
「知らぬ」
「ウィッチみたいで」
「去れ」
「可愛くなーい?」
「消えろ」

針目縫だ。鬼龍院皐月からすれば殺し合いの状況が発生せずともその生命を終わらせる対象が何の因果か空中にて鉢合わせる。
幼き少年少女が憧れを抱き、夢や希望を振りまく魔法使いを思わせる箒に跨がる女が可愛らしげに頭を捻る。
くるっと一回転、普段よりも相手に媚びるようなワントーン高い声色で自分を演出するも鬼龍院皐月は雑に彼女の言葉を捨てた。

「貴様の見てくれなど欠片の興味も持たん。この鬼龍院皐月の目の前に立ったのならば、最早交わす言葉もあるまい」
「どうしたのん?」

静かながらも言葉に並ならぬ凄味が掛かる鬼龍院皐月を気にする宮内れんげは前方がみえておらず、遭遇者である針目縫すら見えていない。
「何でもないさ。それよりもこれからは少しだけ目を閉じてくれないか」
「何があるのん?」
「ジェットコースターのような楽しい世界へ行ってみないか?」
「うん!」
「それでいい。次に目を開けた時には邪魔な存在が映らないように……行くぞ」
普段の彼女とは思えない。神々たる後光も無ければ険しい目付きでも無く、年頃な女性らしさを残す優しい声色。
宮内れんげに心配を与えぬよう優しい言葉で彼女に告げると――鬼龍院皐月と鮮血は眼前の標的に向かう。

「まだぜーんぜんお話していのにせっかちだなあ皐月様は……もうちょっと可愛くても良いと思うのにねえ皐月ちゃん」

箒に跨がりその場で数度回転する針目縫から恐怖心を抱いているような印象は受けない。
それどころか鬼龍院皐月を挑発するような言動が発せられ、彼女は萎縮するどころか普段の己を崩してすらいない。
今までにその手で殺めた存在と変わらない――片太刀バサミを取り出すと、迫る相手に合わせ加速する。
「そんなので戦うつもりぃ? ばっかみたいだねえ!!」
相手が取り出すバタフライナイフに甲高い声が轟く。そんなチンケな武器で歯向かうつもりなど誰が考えるものか。
あれだけの威勢を示しておきながら、結局はただの強がりなどお笑い話もいいところだろう。
弱い己を見せない志は流石あの鬼龍院皐月と言うべきか。しかし本末転倒である。所詮は弱者の遠吠えに過ぎないのだから。

『来るぞ皐月』
「長引かせるつもりは無い。先に言ったとおり……長引けば地上に引き摺り降ろす」

先手は針目縫が振るうハサミの攻撃だ。片割れを無くし刃物と化した獲物は剥き出しの刀身で風ごと鬼龍院皐月を斬り殺すつもりらしい。
右から逆下方へ振り下ろされる一撃を驚くことに鬼龍院皐月はバタフライナイフの短い刃を滑らせ受け流す。
「さっすがあ!」
これには針目縫も驚きの声を上げる。依然として新たな武器を取り出さない状況からバタフライナイフで立ち向かうとは予想出来る。
その愚かな行為をやってのける技量と度胸は認めざるを得ないだろう。しかし。
「でも次は成功するかなあ……かなあ!」
降ろした刃を振り上げる行為は自然なことだろう。流れる動き――連撃を考えるならば当然だ。
一度目の奇跡のように鬼龍院皐月がナイフでどう捌くか見物だな、と針目縫が楽しみを覚え始めた頃に異変が起きる。
笑っているのだ。鬼龍院皐月は口角を上げており、腹を抱える笑いとは異なる。それは弱者を見下すような、家畜を眺める圧制者のような鋭く冷たい瞳だった。
状況を理解出来ていないのかと勘ぐる針目縫であるが鬼龍院皐月に限ってそんなことは有り得ない。この女を甘く見れば足下を掬われる可能性は十分にある。
たかが鮮血を羽織ったところで何を強くなったつもりでいるのか。まもなく斬り殺されるのは己であろう。たかが鮮血を、鮮血を、鮮血を――!

「あっぶないなあ……本当にムカつく★」

殺すための刃を強引に引き戻し、守るための剣と化す。
針目縫の視界の隅に映り込んだ黒い影。鬼龍院皐月の左腕と一体化したようなソレは一つの剣だ。
人衣一体を成し遂げた存在だからこそ公使する力に対し、針目縫は舌打ちを行いながらも臨機応変にハサミを動かした。
神衣を侮ること無かれ。滅ぼすならば徹底的に繊維一本残さず切断するまで手を抜く必要は無い。
箒を後退させ距離を取ると針目縫は今一度、目の前の敵が強者であり殺すべき対象であると己の脳に刷り込ませた。

「大阪を思い出すな」

確かな手応えを感じながら鬼龍院皐月は呟く。
纏流子と対峙した大阪での戦闘にて、彼女にやられた戦法を自ら行う。刃が無ければ己が刃になればいいだけの話である。
ナイフのみにしか目が届いていない針目縫に対する奇襲と為ったが、刃が肉を斬り裂くことは無い。
「距離を取るぞ。一撃で葬れないのならば、地上で終わらせる」
『了解だ。追い付かれたら頼むぞ皐月』
「当然だ……だが、引き離しても構わないぞ?」
『言ってくれる……!』
脚部分からブーストのように推進力と思われるなんだかよく分からない、言ってしまえ説明不能な訳の分からない加速だ。
加速している事実から推進力的な物によることは間違い無いのだが、説明しろ言われれば適当な言葉は誰も持ち合わせていない。
極論を言ってしまえば事は「何故衣服が言葉を発しているのか」まで遡ってしまう。この状況では些細な事に過ぎないのだが。

「追いかけっこ? そんなことをする余裕があるなんて流石皐月ちゃん!
 腰巾着の部下……あっごめーん、四天王だってとっくに死んでいるのにねえ」

戦場から去ろうとする相手の先を見ると地上が視界に飛び込む。つまりは空中戦を切り上げたいのだろう。
背負う少女に配慮した結果なのは簡単に予想出来る。片太刀バサミの一撃を馬鹿正直に正面から受け止めれば当然のように衝撃が身体に走る。
それらを排除したとしても、重りを背負っていれば単純に戦闘能力の低下が発生する。最も鬼龍院皐月は少女の身を案じているのだろう。
「地上に行きたいとかまるで地下に追い遣られた人間みたーい★」
相手の思うどおりに事が進むのは気が進まない。ならば邪魔をしようじゃないか。針目縫もまた全速力で鬼龍院皐月を追い掛ける。
『流石に追い付かれるか……!』
宮内れんげに気を遣う鮮血と全力全開で空を駆ける針目縫では圧倒的な速度差が生じてしまい、背後からのプレッシャーに鮮血が苦い声を漏らす。
「地上まで分も掛からないが……仕方あるまい」

「目標をセンターに入れるよりも早く抜かしちゃえば問題ないよね! さぁゴミ共は銀河のバックスクリーンまで――」
「――ッ!」
『正面に回られて……来るぞ!』

針目縫は鮮血に追い付くどころか正面に回り込んでおり、箒に跨がりながらも片太刀バサミをバットに見立て構えている。
進路方向を変えようと試みるも速度も相まって間に合わない。鮮血は苦し紛れに鬼龍院皐月へ警告するも意味を持たないだろう。
脚部分のブースターを進路方向へ向けることによって速度に負荷を掛けるも、行く先が変わることは無く、針目縫へ吸い込まれて行く。

「飛んで行けえええええええええええええええええええええええええええ!!」

ド正面・ド真ん中・ド直球。
打者にとって最高の条件が揃った白球《鮮血》が飛んで来たならば後はバットを全力で振るうだけ。
「絶対に離すな!」
背中にしがみ付く宮内れんげに叫ぶと鬼龍院皐月は鮮血と一体化している左腕を正面に構え片太刀バサミの衝撃に備える。
見なくとも、聞かずとも解る。この攻防に於いて絶対的優位は針目縫だ。小手先の技術だけじゃ戦況はひっくり返せない。
奥歯を噛み締める鬼龍院皐月の表情は宜しくない。結末は分かり切っているのだ、正念場を超えた正念場である。

「ぬ――ぬううううううううううう!」
『しま――皐月ィ!!』
「落ちちゃえ……落ちちゃえ!!」
「このままでは……くっ!」

針目縫の一撃は盾代わりである鬼龍院皐月の左腕を後方へかちあげると、斬撃の余波が鮮血の左肩部分を斬り裂いた。
繊維を斬られた神衣に僅かな綻びが生まれてしまい、衝撃も重なったため人衣一体状態が強制的に解除されてしまったのだ。
場は空中だ。飛行能力を失った鬼龍院皐月達は落下する以外に選択肢は無く、下を見れば橋が見える。そう、橋があるのだ。
このまま落下すれば彼女達の身体は橋に叩き付けられてしまう。幾ら鬼龍院皐月といえど絶命は免れず、宮内れんげも同様である。

背中にしがみ付く宮内れんげを左腕で抱える鬼龍院皐月だが、彼女の視界には悪魔の形相で迫る針目縫が映っている。
「橋に衝突する前に殺してあげるよ、優しいから……ねッ!!」
すれ違い様に斬り殺すつもりなのだろう。片太刀バサミの刀身が月を反射し今宵は美しい夜だ。状況以外に文句のつけようが無い。
月を背に迫る針目縫が問答無用で片太刀バサミを振り下ろす。人衣一体が解除され武器はバタフライナイフのみ。おまけに足場の無い空中である。
最悪に最悪を加え最悪の最終補正。どうしようもない鬼龍院皐月が取る行動は誰も予想出来ないだろう。常人なら諦める。斬り殺されるか、激突死するかの二択だ。

「………………あんたって本当に大嫌い。死ねばいいと思う」

針目縫の瞳に映る一筋の光。その光景を見た率直な感想が口から零れ落ちる。バタフライナイフ?なんだそれは、ふざけているのか。
ああ、この女はふざけている。気に食わない、舐めやがって。本能字学園でお山の大将を気取っていた時と同じだ、どこまでも他人を見下す。
刀身に反射する光が増幅し後光のように輝いているではないか。死ね、死ねばいいと思う。この女は本当にムカつく女だと針目縫の表情は壊れたように歪んでいる。

「最初から本気を……出せよオオオオオオオオオオオオオオ!!」

「勘違いするな。今も本気など欠片も出していない。まさかこの程度が鬼龍院皐月の本気と思うならば――恥を知れ、針目縫」

何時からだ。何時からその刀をお前は所持していたのか。
最初から持っていたのならば、何故使わない。バタフライナイフよりも、鮮血との一体化よりも己に見合った武器だろう。
舐めているのか。やはりこの女は舐めている。他人の神経に土足で踏み入り地雷を踏んだとしても爆発させて無傷で帰るような女だ。
動揺する針目縫の片太刀バサミを後方へ吹き飛ばす。しっかりと握っているため彼女の腕から離れてはいないが、次の行動には間に合わないだろう。

「地獄へ堕ちろ……そして、死ね」

振り上げた――罪歌を振り下ろし針目縫が跨る箒を何事も無いように一刀両断。夜空に浮かぶ月をも斬り裂くような一撃だった。
斬。音を響かせ崩れ落ちた金属片と共に針目縫は水中へ落下していく。その顔は大きく歪んでおり、嫉妬に包まれていた。
「ば、ば、ば、馬鹿にして……許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」
壊れたぜんまい仕掛けの玩具のように何度も同じ言動を繰り返す。風によって遮られるまで鬼龍院皐月の耳に響いていた。

「鮮血ッ!」

落下するのは針目縫だけでは無い。鬼龍院皐月自身も落下の最中であり、対処しなければ橋に激突してしまう。
右腕に掴んだ一筋の糸は――空中に漂う鮮血へと繋がっている。鞭のように腕を撓らせ豪快に下方へ振るう。
針目縫の落下速度をも凌駕した鮮血は短い腕を必死に伸ばし、何とか橋へ絡み付くと鬼龍院皐月へ合図を送るように小さい身体を跳ねらせた。

「よくやった」
鬼龍院皐月賛辞を送ると繊維が引き千切れない限界までに掴み込むと、己に引き寄せ落下に備える。
逆バンジーのような状態となっており、彼女達の身体に重力の負荷が掛かるものの、水面に落下すること無く宙にぶら下がる。
幾ら水面と云えど叩き付けられた衝撃は最悪の場合、人体に死をも与えてしまう。考えられる手段の中では最善の形となった。
鬼龍院皐月が抱き締める宮内れんげは興奮しているのか「お……おー!」などと、まるで遊園地へ行ったような状態だ。
幸運なことだろう。予め鬼龍院皐月に瞳を閉じろと言われジェットコースターと説明されていたのだ。目の前に下衆な悪魔である針目縫が居ようとアトラクション感覚で済んだのだ。
少女を見つめる鬼龍院皐月の表情に笑みが生まれていた。このような笑顔を守るために、取り戻すために戦っていると言っても過言では無い。
今一度守るべき存在を確認した所で、鮮血が彼女達を引き上げ、橋に到着した時点で神衣を羽織る。流石に裸のままで行動する訳にも行かないだろう。
最も裸体を気にするような女では無い。いや、気にはする。しかし、殺し合いに巻き込まれる前でも、巻き込まれた後でも鬼龍院皐月という本質は変わらない。
羞恥で怯む軟弱な思想や精神は持ち合わせていない。どんな状況であろうと、信念を折るなど彼女には有り得ない話だろう。
故に戦闘が続いているのならば、気を緩ませること無く戦い続ける。再び宮内れんげを背負い込み、北へと走り抜ける。

「鬼が交代だね……今度はあたしが地獄へ誘ってあげるよ」

全身を濡らした悪魔が奥で嗤っていた。死神の鎌代わりにハサミを担いだ悪魔が嗤っていた。
海中から這い上がった悪魔は殺すべき対象を見逃すことは無く、橋を駆ける、駆ける、駆ける。

「予定に変更が生じてしまったが許してくれるか?」
「……うん」
「良い子だ。鬼ごっこが終わったら直ぐに知り合いに会わせてあげるから――我慢の約束だ」

旭丘分校とは逆方向へ走る事になるが仕方あるまい。針目縫相手に宮内れんげを巻き込む訳にはいかないのだ。
橋を北へ走り抜け、彼女を降ろした瞬間こそが因縁たる相手との決着だ。橋に放置してしまえば最悪の未来だって生まれてしまう。
戦うならばある程度自由の効く開けた空間だ。タイマンならば橋でも問題ないが、贅沢は言ってられない。

地獄の鬼ごっこが再び始まる。
追うは鬼、逃げるも鬼。地獄の釜へ落ちるのはどちらも鬼だろう。
乱入者が現れない限り、互いの命を握り潰すまで鬼たちは、現し世を駆け巡る。


【D-4/橋(北側)/一日目・夜】


【針目縫@キルラキル】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大)、全身に細かい刺し傷複数、繭とラビットハウス組への苛立ち、纏流子と鬼龍院皐月への強い殺意、びしょ濡れ
[服装]:普段通り
[装備]:片太刀バサミ@キルラキル
[道具]:腕輪と白カード、黒カード:なし
[思考・行動]
基本方針:神羅纐纈を完成させるため、元の世界へ何としても帰還する。その過程(戦闘、殺人など)を楽しむ。
   0:鬼龍院皐月を殺す。
   1:アザゼルの悪評を承太郎たちに広め、互いに殺し合わせる。
   2:紅林遊月を踏み躙った上で殺害する。
   3:空条承太郎は絶対に許さない。悪行を働く際に姿を借り、徹底的に追い詰めた上で殺す。 ラビットハウス組も同様。
   4:腕輪を外して、制限を解きたい。その為に利用できる参加者を探す。
   5:何勝手な真似してくれてるのかなあ、あの女の子(繭)。
   6:神羅纐纈を完成させられるのはボクだけ。流子ちゃんは必ず、可能な限り無残に殺す。
[備考]
※流子が純潔を着用してから、腕を切り落とされるまでの間からの参戦です。
※流子は鮮血ではなく純潔を着用していると思っています。
※再生能力に制限が加えられています。
 傷の治りが全体的に遅くなっており、また、即死するような攻撃を加えられた場合は治癒が追いつかずに死亡します。
※変身能力の使用中は身体能力が低下します。少なくとも、承太郎に不覚を取るほどには弱くなります。
※疲労せずに作れる分身は五体までです。強さは本体より少し弱くなっています。
※『精神仮縫い』は十分程で効果が切れます。本人が抵抗する意思が強い場合、効果時間は更に短くなるかもしれません。
※ピルルクからセレクターバトルに関する最低限の知識を得ました。
※放送は聞いています。描写は後続の書き手さんにお任せします。


【鬼龍院皐月@キルラキル】
[状態]:疲労(中)、全身にダメージ(小)、こめかみに擦り傷、れんげを背負っている
[服装]:神衣鮮血@キルラキル(ダメージ小)
[装備]:体内に罪歌、バタフライナイフ@デュラララ!!
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(7/10)、青カード(9/10)
[思考・行動]
基本方針:纏流子を取り戻し殺し合いを破壊し、鬼龍院羅暁の元へ戻り殺す。
0:北へ逃走し宮内れんげを降ろす。その後に針目縫を殺す。
1:宮内れんげと共に旭丘分校へ向かう。
2:ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲を調べてみたい。
3:鮮血たちと共に殺し合いを破壊する仲間を集める。
4:襲ってくる相手や殺し合いを加速させる人物は倒す。
5:纏流子を取り戻し、純潔から解放させる。その為に、強くなる。
6:神威、DIOには最大限に警戒。また、金髪の女(セイバー)へ警戒
[備考]
※纏流子裸の太陽丸襲撃直後から参加。
※そのため纏流子が神衣純潔を着ていると思い込んでいます。
※【銀魂】【ラブライブ!】【魔法少女リリカルなのはVivid】【のんのんびより】【結城友奈は勇者である】の世界観について知りました。
※ジャンヌの知り合いの名前とアザゼルが危険なことを覚えました。
※金髪の女(セイバー)とDIOが同盟を結んだ可能性について考察しました。
※罪歌を支配しました。どの程度まで操れるかは次以降の書き手に任せます。


【宮内れんげ@のんのんびより】
[状態]:魔力消費(小)、皐月に背負われている、興奮(小)
[服装]:普段通り、絵里のリボン
[装備]:アスクレピオス@魔法少女リリカルなのはVivid
[道具]:腕輪と白カード、赤カード(8/10)、青カード(9/10)
    黒カード:満艦飾家のコロッケ(残り四個)@キルラキル
[思考・行動]
基本方針:うち、学校いくん!
0:目を開けない!
1:うちも、みんなを助けるのん。強くなるのん。
2:ほたるん、待ってるのん。
3:あんりん……ゆうなん……。
4:きんぱつさん、危ないのん?
[備考]
※杏里と情報交換しましたが、セルティという人物がいるとしか知らされていません。
 また、セルティが首なしだとは知らされていません。
※魔導師としての適性は高いようです。
※【キルラキル】【ラブライブ!】【魔法少女リリカルなのはVivid】【銀魂】【結城友奈は勇者である】の世界観について知りました
※ジャンヌの知り合いの名前とアザゼルが危険なことを覚えました。
※金髪の女(セイバー)とDIOが同盟を結んだ可能性について考察しました。
※放送を聞いていません。


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175:虚ろなる生者の嘆き:End in…? 針目縫 192:運命のイトとヒトの布
173:彼ら、彼女らの約束 鬼龍院皐月 192:運命のイトとヒトの布
173:彼ら、彼女らの約束 宮内れんげ 192:運命のイトとヒトの布