刑法各論

<人の始期と終期>

○胎児と人の区別はなぜ必要?

刑法は人に対しては殺人罪や傷害罪を定めているが、胎児に対しては堕胎罪という別の類型で対処して          いる。

つまり、人と胎児の区別をはっきりさせないと、構成要件に該当するのかが分からない。刑法では「一 部 露出説」が判例、通説となっている。
 

○人の死亡時期は?

三徴候説
呼吸の停止、脈拍の停止、瞳孔反応の消失を基準とする。
これでは移植ができない。
 

○なぜ脳死説が台頭したのか?

人口蘇生術の普及と臓器移植の必要性から、脳の機能の不可逆な停止(point of no return)を基準とする脳死説が台頭した。この説をとれば、脳死後の人工呼吸器の取り外し、脳死後の臓器移植も殺人の評価を免れることができる。
 

○臓器移植法の特色

臓器移植法は、死の定義には触れず、本人が移植と脳死判定に同意し、家族が拒まないことを条件として、移植を認めた。しかし、日本では15歳未満の移植は認められていない。
 

<殺人・自殺>

○殺人の罪数

生命は一身専属的法益であるから、個々の客体ごとに独立に評価される。よって、一個の行為で数人を殺したときは、数個の殺人罪が成立する。これは観念的競合(一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合、最も重い刑で処断される)として処理される。

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最終更新:2008年04月19日 22:47