始まりの部屋

 

 部屋に入れば、そこは木造でも石壁でもない。

 水晶の壁でできており、反対側にはまた扉。

 部屋の中央にはテーブルと椅子。

​ そして、くせ者五人。

 

「これは」(カカシ)

『そう吃驚なさらないでくださいな。彼らはみな私の私兵ですよ』(威守)

「だが!」(カカシ)

 

 

「やけに真面目なのを連れてきたな、ルイ」(???)

「ここに連れてきたということは」(???)

『いきなり、からくりを用意するのはやめてほしいものね、サソリ。そうよ、長門。彼らも計画に必要なの』(威守)

 

 音もなく、戦闘準備をするサソリを制し、五人の真ん中に座っていた長門に声をかける。

 

「で、どうして餓鬼まで連れてきた」(サソリ)

​「そこの二人はビンゴブックに載っていたな。新たな仲間と見受けるが?」(長門)

『ええ、ここに居る抜け忍の再不斬と白は新たな仲間よ。まぁ、とりあえず座って話しましょう。自己紹介もするから、皆座って頂戴』(威守)

 

 大人しくみな席に着く。

 再不斬や白、カカシ、ナルト、サクラ、サスケ、レイスケも余っている椅子に腰かけた。

 

『さぁ、どこから話しましょうか』(威守)

 


 

「まず、自己紹介だろう。俺は長門。出身は雨隠れ。現在20歳」(長門)

「ということは、次は私ですね。私の名前は干柿キサメ。出身は霧隠れ。そちらにいる百地再不斬さんと一緒ですね」(キサメ)

「では、私ね。名前はスイレン。出身は雨隠れ」(スイレン)

「……俺の名前はサソリ。出身は砂隠れ。これでも31だ」(サソリ)

「で、おいらが最後かよ。オイラの名前はディダラ。出身は岩隠れ。16だ。うん」(ディダラ)

「曲者ばかりじゃないか。しかも最高ランクの抜け忍ばかり……」(カカシ)

「いうなぁ、うん。でもオイラ達も知っているぞ。確か木の葉のカカシだよな」(ディダラ)

「おい、勝手に話をするな、馬鹿者」(サソリ)

「って、旦那からくり引っ込めてくだせぇって!しかもヒルコじゃん!毒塗ってあるんだろ、うん!」(ディダラ)

「二人ともそこまでにしろ。ルイが呆れているぞ」(長門)

「ですね」(キサメ)

「ちぃ、仕方ねぇな」(サソリ)

「た、助かった、うん……」(ディダラ)

 

​『いつも通りのようで何よりだが、とりあえず悪い知らせだ。今までいろいろ暗躍していらぬ戦闘を回避させてきたというのに、風影の身に危険が迫っている』(威守)

​「相手は誰だ。先回りして潰してくる」(サソリ)

​「旦那落ち着けって!ルイがこうして人員連れてきたってことは、」(ディダラ)

 

 いきなりの情報にびっくりするカカシたち。

 目の前でサソリが静かな怒りを燃やし始めたのにも、吃驚しているんだろうけど。

 

​「どうなっているんだ」(カカシ)

『カカシ君にはまだ説明していなかったな。いや、カカシ班と再不斬と白か。ナルトたちにも協力してほしいからね』(威守)

「やっとかってばよ!」(ナルト)

「どうしてイタチがいるのかも話せ」(サスケ)

「説明してもらえますか?」(サクラ)

「「……」」(再不斬、白)

​「説明してあげたらどうですか?ルイさん、俺はあなたが説明が少ないということを知っています。まずはこの集まりの成り立ちから」(長門)

​『そうだな、長門ありがとう。私はいつも目の前のことで手いっぱいになってしまうな』(威守)

 

 長門に言われ、最初から説明していく。

 

『既に私の私兵になっていた五名と、今ここにはいない二名は知っているが。私がこの私兵を集め始めたきっかけは、戦争の回避だ。手始めは雨隠れの内部抗争。あちらの長が目指していたことは木の葉と大差なかったのだが、そのやり方がえぐすぎてね。それを諭しに行ったら、その長は自ら退いてくれたの。で、そこに居る長門の仲間が長の座に収まった』(威守)

「感謝している。当時の長も苦しんでいた。それがネックとなり、あの里は闇が濃かったからな」(長門)

「雨隠れとは少しぶつかった事があったと記憶しているが……」(カカシ)

『木の葉の”三忍”がその長に称された時の戦いだな。確かに、一時期敵対した』(威守)

「だが、それで俺がここに居るといっても過言ではない。俺はその”三忍”の弟子の一人だ」(長門)

「そうでしたわね。そういう意味では、長門さんがここに居ることは良い事だと思います」(スイレン)

『スイレンはその長門の弟子。三忍の孫弟子ね』(威守)

「時系列的には、次は俺だが……キサメ。お前の話を聞かさせてやったらどうだ?」(サソリ)

「私ですか?そうですねぇ、私は普通に抜け忍でしたよ」(キサメ)

『確かにキサメさんは抜け忍でしたね、それも悪役を自ら請け負うタイプの。君は最初から自滅方向へ行っていたよね。その当時の里のシステムが鬼畜すぎるからって、とりあえずそのシステムを支持する大名や権利者を城ごと崩して大々的に暗殺していく』(威守)

「ああ、俺が受けた教育システムを外側から破壊していたのは……」(再不斬)

​「私ですね。ですが、私のやっていた事は所詮テロでしかありませんでした。それ故、穴があったのです」(キサメ)

​『暗殺の手順はよかったけど、その後の処理やらなんやらが適当だったわね。で、私もそのシステムが気に食わなかったし、それを推奨する人達も嫌いだったから。キサメさんを説得しつつ、水影の交代をさりげなーくちらつかせて、システムを無くしてもらいました』(威守)

​「木の葉の重役のあなたからの言葉でしたので、私の里も重く受け止めたのでしょう。水影はスグに交代はしなかったものの、システムはなくなりました」(キサメ)

​「そういう事だったか」(再不斬)

​『やることやって、ただの抜け忍となったキサメさんに声をかけて彼には私兵になってもらいましたねぇ』(威守)

​「他にやろうと思った事はありませんでしたからねぇ。私のような者が役立てるなら、とルイさんの力になろうと考えた次第です」(キサメ)

​「で、今はここに居ない二人も、そのあと入ったんだよな?」(ディダラ)

​「ええ、そう記憶しております。共通点として、キサメさんもその二人も体質による悩みがあり、それを今ここで改善している途中ですね」(スイレン)

​『で、ディダラも里のやり方に不満を持っていた。私はその当時、岩隠れの方に一時的な大使として行っていてね。ちょうど深刻な顔して俯いているのを見かけたもんだから、声をかけたの』(威守)

​「あの時は一番落ち込んでいたんだよ……。まぁ、その後度肝を抜かれたんだがな、うん」(ディダラ)

​『土影の顔面を一発殴ってやっただけでしょ。個人を殴っただけ』(威守)

​「「「「「は?!」」」」」(カカシ、ナルト、サスケ、サクラ、再不斬、白)

​「そうなりますよね。」(スイレン)

「この事を後で知らされた我々も物凄く驚きましたよ」(キサメ)

​「戦争の回避を目的としているというのに、それを起こすのかと思ったからな」(長門)

​『結果として、土影は里を見直した。で、ディダラは私のところに弟子となる名目でこちらに来たわけだ』(威守)

 

「ルイ姉ちゃん、恐ろしい事サラッとしてるってばよ」(ナルト)

 

 つぶやいたナルトの言葉に全員がうなずく。

 

『紆余曲折といろんな事があったけど、今はこうして戦争の回避を目的とした集まりができたわけだ。で、そのメンバーに再不斬さんと白君、カカシ班にも入って欲しいのだけれど』

「抜け忍である俺らはいいが……」(再不斬)

「ええ」(白)

 

 問題はカカシ班の方だろう?と示唆され、彼らの方に視線をやる。

 

「うーん……。つまりこれは暗部とは別なのか?」(カカシ)

『いや、暗部と相違ないよ。戦争の回避といっても、そうそう頻繁に事が起こりそうになるわけではない。だからその暇な時間は暗部と同じ任務になるの』(威守)

「で、結局ルイ姉ちゃんは暗部の中でどの地位にいるんだってば?」(ナルト)

「ついでに、術のことも教えろ」(サスケ)

『あー、そうだね。とりあえず、ナルト君の質問から。私は暗部内でのトップよ。ちなみに、里の中ではナンバーⅡね』

「へ?えええええ!!!!」(ナルト)

『うん、いいリアクションね。で、次にサスケ君の質問だけど。私はね、すこーし変わり者なのよ?たぶん、全ての術を使うことができるわ。まぁ、イタチやオビトのことを話すのはかなり長々と話さなくてはならないのよねぇ……。とりあえず、二人とも重症。イタチ君は不治の病と言われるものに侵されてるし、オビト君は体を半分潰されてるし……。リンさんなんか、植物状態なのよねぇ。ちょいっと精神体だけで彼女の中にお邪魔したこともあったのだけど……まだ不完全だったしね……』(威守)

「里のナンバーⅡならば、あの事件のことも知っているだろう?!何を隠している!」(サスケ)

『あの事件に関しては、確かにガッツリ関わりましたね。今持っている急な案件、風影に迫る闇を払う事さえできれば、話して差し上げます』(威守)

「そんなに待っていられるか!」(サスケ)

『君が焦るのもわかりますが、この一件。君にしかできないことがあります。それに、この一件は……うちは一族をここまで追い込んでしまった者が起こしてくる波乱の一件です』(威守)

「「なっ!」」(カカシ、サスケ)

『迎撃する価値が十分すぎるほどあります。酷なことを言っているのも承知です。ですが、サスケ君、カカシさん。あなた方二人にはどうしても参加してもらいたいのです』(威守)

 

「……参加したら、話してくれるのね?」(サクラ)

 

 今まで黙っていたサクラが真剣な目をこちらに向けた。

 

『ええ』(威守)

「サクラ!?」(サスケ)

「サクラちゃん?!」(ナルト)

「おい、サクラ」(カカシ)

 

 止める男子勢。

 

「今更、関係ないって言われても無理よ。私はカカシ班の一員。関係ないからって、仲間を無視して過ごしたくないわ!」(サクラ)

『ですってよ。カカシ班の皆さん。この子に、私のような経験させないでくれないかしら?まぁ、私は初代やうちはの始祖にそうされたのだけどね』(威守)

「……問題を突き付けてくる、いや問題の中心にいる人物が何を言いますか。はぁ……わかりましたよ。サクラもこの班の一員です。カカシ班全員で事に当たりましょう」(カカシ)

「「っ?!」」(サスケ、ナルト)

 

 カカシの服をつかみ、男子二人がもの言いたげな視線を彼に向って鋭く射抜いていた。

 

「お前たちの言うことはわかっているつもりだ。だが、残されて行く者の気持ちはつらいぞ」(カカシ)

 

 カカシの顔は、苦虫を噛み潰したように複雑な顔であった。

 口元を覆い隠していても、わかりやすいほどに。

 

「だが、一つ聞く。威守さん、貴方はこの集まりで他に害を成そうという気は起きないと、いえるのか?」(カカシ)

『まったく起きないわ。むしろ害を無くそうとしている集まり。で、害を成そうと考えている者が現れるというならば、そいつを他のやつが抑え込む。それが此処のルールよ』(威守)

 

 真剣なまなざしを返し、しっかりとみんなの目をとらえて告げる。

 

『此処は、私の最初の部屋。そして、木の葉の里ができるための締結を結んだ歴史のある部屋。この部屋の通称は始まりの部屋だ。何人たりと、戦争を起こすものは許さぬ』(威守)

 

 

 次ページ:風影に迫る闇へ

 

 


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