あの後五回ほど任務をこなし、アカデミーでは普通くらいでつき通した。
本当に面倒だ。
実力を隠すのは時によって疲れる。
特にいじめっ子っぽい奴らに囲まれた時とか。
後は担任とかいう役職が怪訝な視線を飛ばしてきた時だ。
そんな退屈なアカデミーよりも、嫌な事があったな。
新しく就任した四代目火影とかいう奴だ。
見た目がもう拒否反応起こしておる。
……だから嫌なんだ、金髪は。
見ただけでこうなるからな。
しかもフワフワしていて、少し落ち着きがない。
また勘になってしまうが、コヤツも長生きしなさそうだな。
あの兄と名乗った者のように殉死してしまうのではないか?
まぁ、今は大丈夫だろう。
銀髪の少年が守っているからな。
だがその同僚は死したという。
金髪にとってはその死した者も銀髪も弟子とか何とか。
……メンタル面大丈夫だろうか。
俺は全然笑い飛ばせるくらいの図太い精神だが(悪だしな)、この世界の者はそうでもなかろう。
瑠威は別だろうがな、あいつも異世界出身だ。
さらに俺は輪廻を巡ってきたものだから、死には慣れた。
「今日も任務だけど、慣れた?」
『微妙だな。もう少しすれば慣れるであろう』
「流石は魔王。で、アカデミーの方は?」
『慣れんな。あれは俺にとって拷問に近い』
「……自由大好きだからなぁ。ずっと縛られてる教室は嫌いか。実技とかどうしてんのよ?」
『普通くらいを保っている』
「あらら……。でも嫌な目が向けられるよりかはいいか。成績良すぎると後々一気に仕事回されるだろうし、過労死しないでね?」
『一日に五件の裏仕事を入れる瑠威よりかはいいかも知れぬが……。そうだな、忙しすぎるのは性に合わん。普通のままで通す』
控室でそう話す。
ここは俺と瑠威の為だけの控室だ。
いろいろ特殊な俺らの部隊は、暗部の中でも異様であった。
火影から火影へと脈々と受け継がれている謎の部隊であり、密かに火影の七不思議のひとつに数えられてる。
七不思議と言っても、どうでもいいやつや信ぴょう性の薄いものもあるが、俺らの部隊に関しては謎すぎるらしいので、少し神話っぽくなっている。
『それで、帰ってきてすぐここに来たのだ。任務内容くらい話せ。ここは防音完全完備だろう』
「まぁね。幻術とかトラップとかいろいろ仕掛けてあるからね」
『……部下に欲しかったくらいの優秀な奴だな』
「誉めてくれてありがとう。でも、倒されるから嫌」
『で、あろうな』
「任務としては今日は暗殺が三件。明日がとある女性の警護。アカデミーは休みだし、大丈夫でしょう」
『……立て続けか。まぁ、暇よりかは良かろう。しかし、女の警護ゴトキに暗部を使うとは、それだけ重要なのか』
「この里にとっては。私にとってもだけど」
『そうか』
これ以上は教えてくれぬだろう。
だが、その警護対象とやらが何らかのキーとなるのであろうと推測はつく。
どのようなキーかは知らぬが、な。
暗部の任務も終わり、一度家に帰ってから空に報告して引き続き幻術を頼む。
『夜通しで任務とは、この先が思いやられる』
そう呟いて戻り、控室で仮眠をとった。
ほどほどにやっておかねば、この忍びという職業は過労死する。
夜明けとともに瑠威と警護に回った。
警護対象の女は美人の類に入る赤髪の20代だった。
しかし、なぜに誘拐されてる場面なのだ、警護の意味がないじゃないか。
瑠威は素早く動いて相手の忍びに追いついた。
俺も追うが、その後ろから黄色が追い抜いていき、相手の忍びに肉薄する。
ああ、黄色じゃなく金色か。
てことは四代目か。
敵は瑠威が屠った。
見事に首が飛んでいく。
俺もやった事はあるが、改めて見るとグロいな。
それよりも警護対象は無事か?
……無事だな。
あの金髪四代目が介抱している。
……この雰囲気やばいな。
大嫌いな甘ったるい空気だ。
この後、警護対象の女と金髪四代目が婚約発表した。
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*って、事でクシナさん来たー―!これで最速だと来年ナルト生まれるなぁ。この二人の場合スピード結婚のできちゃった婚だよ。
ま、互いが惚れてからだから四代目だけは念願叶ったり!って感じなのでしょうけど。
で、やっぱり瑠威の方は四代目の速度よりも速い。鍛えた方が、二代目ですもんねぇ。実は記載していないだけで、柱間さんも数回鍛えるのに参加したりしています。この兄弟微妙にドSだからなぁ……。
ガロは、もう上忍レベルくらいまで行ってるんですよね。アカデミーでもそこそこの成績をもって、イケメンの類(将来ダンディなおじさま)だから、モテてはいるんですが、当の本人はそういう雰囲気が大嫌い。勇者と女神のアレルギーの副作用みたいなもんで、恋愛ごと大嫌いです。もしも治るならかなりの年月がないと、ムリでしょう。