「日々平穏」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

日々平穏」(2006/08/05 (土) 00:27:24) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

西の空に光が沈みつつ、遥か上の広大な空間に赤みが映えている、この時。 蒼星石と薔薇水晶は、この世界の下に居た。 ここは、有栖学園の屋外に備え付けられた長椅子。 この時間は、丁度校舎の日陰が掛かる位置にあり、夏の日差しに晒される事は無い。 正面に望むことが出来る運動場からは、運動部員たちの、若々しい掛け声が響いていた。 そのBGMが、この赤い空間を色付ける。 「ここはとっても気持ちがいいね。いつもの騒がしさが嘘のようだよ」 「そう…、日々平穏が一番……」 二人は、職員室から持ってきた麦茶の一杯を口に運ぶ。 コップの水滴の冷たさが心地よい、至福のとき。 目の前のその空間を眺める。 静かに、ただ静かに。 「じゃあ、僕はそろそろ武道場に戻るよ」 「うん…、がんばってね…」 「ありがとう、じゃあね」 「ばいばい……」 薔薇水晶は、残りの麦茶を咽に流す。 「さてと…、残りのお仕事もがんばらなくっちゃ……」 赤い空間が、ただ静かに、彼女を見送っていた。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー